藤田佳奈
元々は普通の高校生だったが、可愛い外見のおかげでゲーセンにてスカウトされ、アイドルになった。ゲームオタクの彼女だが、麻雀をはじめたきっかけは先輩の撫子。「先輩はどのゲームでも私より強かったけど、運ゲーの麻雀でなら私負けないよ!」との発言の通り、強運の持ち主である。
Profile
Skins
藤田佳奈の初期衣装
藤田佳奈と契約を結んだ時に入手できる着せ替え衣装
「クリスマスフェス」にて購入できる限定の着せ替え衣装
「ハロウィンテーマの着せ替え衣装
「にゃんこの一手」にて購入できる水着テーマの着せ替え衣装
「春節廟会」にて購入できる、旧正月テーマの着せ替え衣装
「君にエールを!」にて購入できる、運動会テーマの着せ替え衣装
Emotes
Bond Requirements
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プレゼント・普通
たくさんの応援、ありがとー!
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プレゼント・好み
わぁ!!!これとっても素敵♪ありがとね!!
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絆レベルアップ5
また今度も佳奈ちゃんのライブ、見に来てよ。ステージから客席のファンさんが見えたら、なんだかいつもより輝やいちゃいそうな気がするな~っ!なんでって?もぉ〜ファンさんは本当にどんかんなんだから…な、ぜ、か、は〜ファンさん自分で考えてください!ね!
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絆レベルアップ1
佳奈ちゃん今日も、頑張りまーす!
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絆レベルアップ2
ファンさんは、いっつも佳奈ちゃんが疲れてるときに励ましてくれてるから...、私も!ファンさんを応援するよ!
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絆レベルアップ3
ねぇ、もし佳奈ちゃんがアイドルをやめても、私のこと今までどおり応援してくれる...?......はは、冗談だよ~!
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絆レベルアップ4
今日から佳奈ちゃんはあなたのファンだよ!ファンさんも、佳奈ちゃんのためにキラッキラに輝いてね!
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隐藏语音 - 新年
しーっ!佳奈ちゃん、バックステージからこっそり抜けてきたんだから静かに!あけましておめでとう!じゃ、新年のお祝いも出来たことだし、ライブに戻るね!終わったら、一緒に初詣に行こう?
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隐藏语音 - 情人节
ごめんね、佳奈ちゃんがアイドルだから、せっかくのバレンタインなのにお出かけデートもできなくて…でも、佳奈ちゃんはこういう、二人きりの時間が好きかも。だって…ちゅっ……こういう二人だけの秘密って、ロマンティックだと思わない?えへ……。
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メイン1
うう...役とかナンだとか面倒くさそうだなーぁ、うん私はタンヤオだけでいいや
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メイン2
今日はいい天気だね!ひきこも...じゃなくて、仕事にもってこいのお天気だー!
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メイン3
...今日のイベント、まだ終わってないの?早く帰りたぁい...
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メイン4
アイドルの悩み?んー仕事のせいでゲームする時間がなくなっちゃう事くらいかなぁ?
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メイン5
え、サインとチェキが欲しいのなら、次のサイン会に来てくださいね♪
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メイン6
たまには休みが欲しいよぉ。ねぇ!一緒にカラオケ行こー、カラオケ~!
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メイン7
麻雀をしているファンさんって、すっごくカッコいいんだよね~。佳奈ちゃん、ちょっと見とれちゃったかも~あ、一瞬だけだよ!一瞬...はは
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メイン8
佳奈ちゃんが、ファンさんのこと寝かしつけてあげますね♪はーい、羊が一匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が...4匹......ひ...zzz
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ログイン・普通
ハロー!みなさん、今日も佳奈ちゃんのこと応援してネ!
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ログイン・絆LvMAX
あ、やっと来た!今日は何して遊ぼっか?
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契約を結ぶ
「佳奈ちゃんがアイドルを卒業したら」なんて仮説は、一生ありえないよ。佳奈ちゃんはみんなのアイドルを辞めたって、ファンさんだけのアイドルは辞めない。そうなったら、ファンさんもずっと佳奈ちゃんだけを見てないとだめだから。
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SP-友人戦部屋に入場する時
やっほー、佳奈ちゃんも混ぜて~!
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SP-友人戦部屋で準備した時
そこの席、空いてるよ〜
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出会い
選んでくれてありがとう!これからいっぱい頑張るよ!
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北抜き
ペーするよ
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チー
ちー
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ダブル立直
ダブルリーチ!
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カン
カーン
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ポン
ポン
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立直
リーチだよ!
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ロン
ローン♪
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ツモ
ツモ~
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白
ハク
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北
ペー
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純全帯幺九
ジュンちゃん
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純正九蓮宝燈
チューレン9メン待ち
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大三元
ダイサンゲン
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大四喜
大スーシー
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地和
チーホー
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ダブル立直
ダブリー
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東
トン
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ドラ
ドラ
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ドラ10
ドラ10
-
ドラ11
ドラ11
-
ドラ12
ドラ12
-
ドラ13以上
ドラいっぱい
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ドラ2
ドラ2
-
ドラ3
ドラ3
-
ドラ4
ドラ4
-
ドラ5
ドラ5
-
ドラ6
ドラ6
-
ドラ7
ドラ7
-
ドラ8
ドラ8
-
ドラ9
ドラ9
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ダブル北
タブペー
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ダブル東
ダブトン
-
ダブル南
ダブナン
-
ダブル西
タブシャー
-
断幺九
タンヤオ
-
対々和
トイトイ
-
二盃口
リャンペーコー
-
発
ハツ
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国士無双十三面待ち
コクシ十三メン待ち
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国士無双
コクシムソウ
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海底摸月
ハイテイ
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河底撈魚
ホウテイ
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混老頭
ホンろーとー
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混全帯幺九
チャンタ
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混一色
ホンイツ
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九蓮宝燈
チューレンポートー
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嶺上開花
リンシャン
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立直
リーチ!
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流し満貫
流しマンガン
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緑一色
リューイーソー
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南
ナン
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平和
ピンフ
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槍槓
チャンカン
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七対子
チートイ
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清老頭
チンロートー
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清一色
チンイツ
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三暗刻
サンアンコー
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三槓子
サンカンツ
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三色同刻
三色ドーコー
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三色同順
三色ドウジュン
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四暗刻
スーアンコウ
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四暗刻単騎
スーアンコウ、タンキ
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四槓子
スーカンツ
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天和
テンホー
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西
シャー
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小三元
ショーサンゲン
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小四喜
小スーシー
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一盃口
イーペーコー
-
一発
イッパツ
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一気通貫
イッツー
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中
チュン
-
ツモ
ツモ
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字一色
ツーイーソー
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清算一位
いえーい!トップアイドルの佳奈ちゃんでーす!
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清算一位・高い点数で勝利
私こそが、このステージのヒロインよ!
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清算一位・ロンで勝利
華麗にロンでーす!
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倍満
バイマン
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九種九牌
キュウシュキュウハイだあ
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数え役満
数えヤクマン
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満貫
マンガン
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ノーテン
うぅ...ノーテン
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三倍満
サンバイマン
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四風連打
スーフーレンダだよ
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四槓散了
スーカン流れかぁ
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四家立直
佳奈ちゃんだけじゃなかったんだ
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跳満
ハネマン
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聴牌
テンパイだよ
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役満
ヤクマン
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ダブル役満
ダブルヤクマン
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トリプル役満
トリプルヤクマン
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四倍役満
四倍ヤクマン
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五倍役満
五倍ヤクマン
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六倍役満
六倍ヤクマン
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SP - ドラを捨てた時
佳奈ちゃん、もしかしてミスった……?
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SP - 倍満/三倍満聴牌
えへへ〜ツキがまわってたらもう止まんないよ〜
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SP - 同じ牌を連続に捨てた時
あーんもう……イラつくなあ~
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SP - 残り牌が10枚以下の時
うん、うん、最後まで気を抜かない!
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対局開始
ショータイム!
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SP - 役満聴牌
佳奈ちゃんの強運を舐めてもらっちゃ困るな~
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帯幺九
帯幺九(タイヤオチュウ)
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根
根(ルート)
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将対
将対(ジャントイ)
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金勾釣
金勾釣(キンコウテャオ)
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嶺上放銃
嶺上放銃(リンシャンホウジュウ)
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龍七対
龍七対(ロンチートイ)
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清対
清対(チントイ)
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清金勾釣
清金勾釣(チンキンコウテャオ)
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清龍七対
清龍七対(チンロンチートイ)
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清七対
清七対(チンチートイ)
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清十八羅漢
清十八羅漢(チンジュウハチラカン)
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清幺九
清幺九(チンヤオチュウ)
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十八羅漢
十八羅漢(ジュウハチラカン)
Spot Voices
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Spot Voice 1
惊讶
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Spot Voice 2
肯定
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Spot Voice 3
否定
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Spot Voice 4
打招呼-早晨
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Spot Voice 5
打招呼-白天
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Spot Voice 6
打招呼-夜晚
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Spot Voice 7
告别
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Spot Voice 8
承接
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Spot Voice 9
叹气
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Spot Voice 10
高兴
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Spot Voice 11
生气
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Spot Voice 12
递进
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Spot Voice 13
转折
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Spot Voice 14
疑惑
トップアイドルになる
絆LV1で開放
「契約書の内容は確認しました。あの、一つ質問が」 契約書の細部まで目を通し、藤田佳奈は、目の前にいる三十歳前後のいかにも仕事ができそうな女性を見つめ、ある疑問を投げかけた。 「知ってるとは思うんですけど……私が前にいたグループは、いい結果を出せなくて、事務所が買収されるよりも前に解散しちゃったんです。それに、私はもう長い間レッスンに通ってなくて……」 「その件に関しては、すでに事務所内部で評価済みですよ」マネージャーと名乗った女性は、微笑みながら答えた。「それよりも、藤田さんがアイドルになりたいかどうかの方が大切です。ご自身の気持ちをよく考えてみてください」 その一言が、佳奈を去年の夏へと引き戻した。 彼女が高校に入学したばかりの頃、街ではアーケードリズムゲーム「Lovely Life」が流行っていた。ゲーム好きの佳奈はもちろん見逃すことなく、放課後は毎日商店街のゲームセンターに入り浸っていた。 明るく可愛らしいゲームのキャラクターが、ステージで元気いっぱいに飛び跳ね、踊る姿に、いつも元気と喜びをもらい、目が釘付けになった。佳奈は、自分が彼女達の一員になり、ステージライトの下で、思うままに飛び跳ねる姿をたびたび夢想していた。 人の注目を集めたくない女の子なんて存在しない。佳奈は、自分のそういう考えを隠すこともしなかった。だから、芸能事務所「Memory」のスカウトマンが彼女を発掘したのは、何も意外なことではなかった。 彼女は深く考えずに契約内容に同意し、アイドルグループ「Sweet Heart」の五人目のメンバーとなった。その後間もなくグループのレッスンに参加するようになり、いつか来るはずの、ステージのセンターに立つ日を夢見た。 だが、残念ながら現実はゲームのようには行かず、素早さとリズム感を使ってパーフェクトコンボを決めればクリア出来る訳ではない。事務所は管理能力に乏しく、「Sweet Heart」はアピールに繋がる十分な仕事を得られず、あっという間に、週末に集まって流行りの曲を歌うだけの「賑やかしグループ」に成り下がった。 状況を改善する権力もない佳奈は、目の前の困難を乗り越えるために常に練習を続け、今以上に素敵なアイドルを目指すしかなかった。 しかし、グループの苦境は一人の努力だけでは抜け出せない。メンバー達はこの冷遇に耐えられず、事務所への恨みが日増しに募っていった。定期公演への参加メンバーは回を追うごとに減っていき、五人から四人、三人、二人になり……そして最後に残った一人の仲間も失って、「Sweet Heart」は正式に解散した。 佳奈のアイドル生活は、彼女を発掘したスカウトマンが当初語っていたようなものとは全く違うものになってしまった。アイドルがステージを失うことは、失業するに等しい。佳奈も少なからず不満を抱いていたが、どうすれば変えられるのか分からなかった。時間が経つにつれて、アイドルをやっていけるという自信は徐々に失われていった。 そう―― 彼女がこの女性から電話をもらうまでは。 先方は、斎藤治が経営する「サムコーポレーション」が佳奈の所属事務所を買収したことを丁寧に説明した。社長やベテランプロデューサー達が佳奈のパフォーマンスの高い完成度に非常に満足したこと、そして佳奈をセンターに据えた、「W·I·N」という名のグループを作ろうとしていることも。 佳奈はスマホを握りしめた。鼓動が早くなり、脳裏には華やかなステージが浮かんだ。この時彼女はようやく、アイドルになりたいという夢を諦めていなかったことに気づいた。 アイドルになって、もう一度ステージに立ちたい。もう一度やってみたら、違う結果になる……よね。 そんな思いもあって、佳奈は先方と会うことにしたのだ。 「藤田さん」と、マネージャーは声をかける。一向に返事をしない佳奈を見て、もう一押しすることにしたのだ。「よかったら、私と一緒に新しいレッスンルームを見てみない?」 前事務所の不手際がグループ解散の原因の一つだったのだから、佳奈がこの事務所の実力を確かめたくなるのも自然なことだ。彼女は頷き、女性の後に続いてオフィスを出た。 明るく広々としたレッスンルーム、最新の設備が揃ったレコーディングスタジオ、有名なプロのトレーナー……今まで手に入らなかったもの達が、今なら簡単に手に入る。それが佳奈の最後の迷いも消し去った。 彼女は契約書とともに、ボーカルレッスンやダンスレッスン、マナーレッスンなどがみっちり詰まったスケジュール表を受け取った。 マネージャーは、安心感のある笑顔を見せつつ言った。「忘れるとこだった。『契約に合意したのなら、自分が投資されるに値する人間だと結果で証明してみせろ』……と社長が言ってたわ。ゴホン、ちょっと美化しちゃったけど、まあ大体こんな感じのことをね」 どうやら、今度の社長は厳しい人らしい。 「安心してください。私、頑張ります!」佳奈はそう言って、瞳を夜空の星のように輝かせた。「トップアイドルになってみせます。これからよろしくお願いします、マネージャーさん」
世界一の先輩
絆LV2で開放
朝葉高校ゲーム部入部初日に、藤田佳奈は「撫子」という名前を覚えた。 理由は他でもなく、入部式で他の新入部員たちと共に、だいぶ前に卒業したこの先輩が残したゲームの記録を見て感心したからだ。記録には、ほぼ全てのプラットフォームにおけるアクションゲームのトロフィーが並び、中には信じがたいアチーブメントもあった。例えば……『ダークゴッド』校内初クリア、『ニーズヘッグ』RTA校内1位、『ファイティングソウル』難易度ヘルノーミスクリアなど。 小学二年生の頃、従兄に連れられてゲームの世界に飛び込んだ藤田佳奈は、その強運で他のプレイヤーの羨望を集める「ラッキープレイヤー」として、一時注目を集めていた。 しかし、かつて自分が挑戦するも失敗し続け、達成不可能とさえ思ったアチーブメントが、ゲーム部備品のモニタ上に静かに映し出された時、彼女は自分のゲームへの理解がいかに浅かったか思い知った。 確かに「運も実力のうち」とは言うが、完璧に運で実力をカバーすることはできない。 その差が、ゲームに関しては向かう所敵なしだった佳奈に挫折を味わわせた。「撫子」の2文字はまるで枷のようになり、困難にぶつかる度に彼女は思わず、「撫子」ならどうするだろうかと考えた。 手持ち無沙汰な時は、「撫子先輩」はどんな人なのだろう、としょっちゅう考えた。こんなにゲームが上手いんだし、ショートヘアのクール系かな。それとも、案外萌え系のロリっ子だったりして。佳奈は神様に愛されているようで、それから間もなく、魂天神社で自分が思い続けていた先輩に遭遇した。 「撫子先輩」は、学校の保健室の先生である如月彩音と一緒に神社に麻雀をしに来ていた。雀卓に座る彼女は後光が差しているように見えて、自信に満ちた、大らかな人だった。佳奈の想像とはだいぶ違っていたが、不思議と違和感は全くなかった。 「一局どうだ?」じっと見つめる佳奈の視線に気づいたのか、半荘を終えた撫子が突然問いかけてきた。「麻雀ってのは、横でただ見てるだけじゃ面白くない。一緒にやろう」 「でも……」 「あぁ、まだルールがわからないんだね。……じゃあ、あたしが教えてあげるよ」彼女の躊躇いを即座に読み取ったようだ撫子は、さっと立ち上がり、自分の場所を佳奈に譲った。 撫子がテレビゲームだけでなく、麻雀も上手いことは結果が証明した。彼女の指導のもと、藤田佳奈はあっという間に上達し、生来の強運も手伝って、僅か500点差でトップに立った。 「すごいじゃん」と、撫子は惜しみなく佳奈を褒め称えた。 佳奈は少し驚きながら目の前の対局を見つめた。にわかには信じられないといった様子だ。 「私……勝ったんですか?」 「あぁ、鮮やかな勝ち方でね。あたしの言った通りだろ? 麻雀は面白いゲームだって」 「私、ゲーム部の記録で撫子先輩の名前を見たんです。先輩は、私がクリアできなかった難易度の高いトロフィーをたくさん獲得してました。だから、麻雀でも、きっと私は先輩みたいにはなれないんだろうなって……」対局に勝ったからといって、佳奈の「枷」がすぐに外れる訳ではない。彼女は、自分で想像していたより喜べなかった。 「ゲーム部? ああ、高校の頃、確かにそんな部活に入ってたね」撫子はやや驚き、そしてすぐに笑い出した。「そんな記録、とっくに消されてると思ってたよ。今でも保存されてるなんてね」 佳奈は目を大きく見開いた。「先輩、忘れちゃってたんですか? あんなすごいアチーブメントを取れたら、私だったらきっと一生の思い出にしてますよ」 「過去は過去だよ。大事なのは今と未来だろ?」隣の撫子は、未来へと向かう自分を阻むものなど何もないというように、からりと笑った。 魂天神社を出る時、撫子と彩音が談笑しながら去っていく後ろ姿を見て、佳奈は密かに小さな目標を立てた。 「ゲームの記録に挑んでも、過去の先輩を追ってるだけ。これからは麻雀で先輩に勝とう。そうすれば、真の意味で先輩を超えたことになるんだ」 「今度は絶対、絶対に負けない。麻雀は運も必要なゲームだしね」
言えない秘密
絆LV3で開放
移籍後の事務所にて、「所属タレントは常に自身の言動に注意するように」という新しいマネジメントルールが発表された。ステージ上や舞台裏での振る舞いだけでなく、SNSの活用方法についても明確なルールが定められた。 迂闊に「いいね」をしたり、不適切なコメントを投稿した場合、事務所は状況に応じて相応のペナルティを与えるという。そういう訳で、マネージャーは藤田佳奈に、過ちを犯さないよう繰り返し言って聞かせた。 佳奈は素直に頷いた。「マネージャーさん、その話はもう三回目だよ! 安心して、裏アカも作ったし、そういうことにはならないよ」 甘え上手でキュートな少女に厳しく接し続けられる人は稀だ。マネージャーは、「因果応報」というCatChatのアカウント名から藤田佳奈が連想されることはまずないだろうと確認し、しぶしぶ同意した。 「免罪符」を手に入れた藤田佳奈は、ノリノリでSNS上に流れるゴシップを楽しみ、裏アカウント名義で様々な匿名のチャットグループに張り付いた。「今年の映画祭で内部関係者に最も愛されたで賞」から、昨日某ガールズグループがパフォーマンス中につけまつげを落としたことまで。撫子の言葉を借りれば、「ホントにしょーもないゴシップまで漁って」いた。 かつて虚偽の噂によって風評被害を受けたアイドルとして、藤田佳奈にはあるポリシーがあった。故意の中傷や捏造を含む投稿を見かけると、彼女は裏アカウントを使って被害者のために弁解した。 「二人はプライベートでも仲が良くて、衝突してるなんてあり得ません。悪意ある人に騙されないでください」 「これは座組内での会食で、主演の二人に熱愛の事実はありません!」 「ライブ直前に、メインボーカルが足を捻ってしまったらしい。ファンをがっかりさせないように椅子に座ってパフォーマンスすることにしたのであって、怠慢じゃありません」 などなど…… マネージャーが気づいた時には、藤田佳奈の裏アカウントはCatChat上でかなりのフォロワー数を抱えていた。彼らは「因果応報」がいわゆる業界人だと信じ切っており、燃料投下を待つとともに、この謎に包まれたゴシップ好きが誰なのかということに興味を示していた。 マネージャーは疼くこめかみを押さえながら言った。「ふ、じ、た、か、な~?」 「ちょっと待って、マネージャーさん、言い訳を……じゃなかった、私の話を聞いて……」 「話ってなんです? ネット広告や、地下鉄内で光る看板、大型オフィスビル壁面のLEDスクリーンその他もろもろで見ない日はない人気アイドルが、CatChatのゴシップ界隈で暗躍してると知れたら、きっとファンを失うわよ!」 自分が過ちを犯したことを分かっている佳奈は、レッスンルームのソファーの上で縮こまり、賢明にも沈黙を保った。 「具体的な解決策は社長と話し合うわ。でも一つだけ、確かなことがある」とマネージャーは落ち着き払って言った。「それはね……あなたが「因果応報」だってことは、絶対誰かに知られてはいけないってことよ!」 その日から、アイドル・藤田佳奈の他人には言えない秘密がまた一つ増えた。
ダイエット大作戦!
絆LV4で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 9, Scenes 267, Choices 3, Endings 0
平日の午後、辺りを行き交う人は少ない。仕事に出た人々が帰宅するにはまだ早いので、住宅街は静まり返っていた。そんな雰囲気の中、やや唐突に鳴った音が、エレベーターが行先階に到着したことを知らせた。
私は深呼吸をしてエレベーターを降り、そして佳奈ちゃんの家の前で立ち止まり、念入りに荷物の中身を確認した。大したものも入ってないリュックの中の隙間までくまなく。
{character:player}ポテチも、キャンディーも、缶ジュースもない……ふぅ……これなら大丈夫だな。
ぺたんこのリュックに、険しい表情、妙な独り言……一見怪しいこの挙動は、今回佳奈ちゃんの元を訪ねた理由とも関係する。これを説明するためには、まず時を今から一週間ほど前に遡らねばならない。
道端からせわしなく鳴り響く蝉の鳴き声は、命を燃やして夏の酷暑を歌っている。街の喧騒の中でも一際騒々しい声だ。
普段は賑やかな商店街も、気温が上がるにつれてもの寂しくなっていく。道行く人々は先を急ぎ、時々現れる買い物客もそそくさと冷房の効いた店に飛び込み、涼しい中でゆっくり品物を見る。
こんな状況にも関わらず、街角で長蛇の列を作るミルクティー屋は大層目立っていた。人々は日差しに晒されてもなお、ネットで大人気の看板アイスドリンクを飲もうとしていた。
賑やかな場所に集まろうとするのは人間の性だ。心の中で理性と欲望が幾度となく戦いを繰り広げた結果、私は好奇心に負けて列の最後尾に並んだ。
{character:???}{var:player_nickname}さん……だよね?
並び出してからほどなくして、背後から聞き馴染みのある声が聞こえた。振り返ると、巨大な日傘を差し、サングラスをかけ、くるんとカーブしたつけヒゲをつけた少女がそこにいた。
トレードマークであるピンク色の髪で、私は簡単に彼女の正体を推測出来たが、その奇妙な変装にはどう反応したらいいかわからなかった。
{character:player}佳奈ちゃん、その格好……あはは、スタイリストさんを怒らせちゃったとか?
{character:藤田佳奈}シーッ、静かに……違うよ。スタイリストさんは私のこと大好きだもん。
{character:player}じゃあ、そんな格好でいったい何を?
{character:藤田佳奈}ゴホン、人気アイドルなんだし、ショッピングに行く時にちょっと変装するぐらい普通でしょ? それより、この感じだと、注文まであと二十分はかかりそうだね。よかったら私の日傘に入らない?
藤田佳奈はサングラスを外し、いたずらっぽくウインクした。今の彼女の服装を加味しなければ、さらに絵になることだったろう。
佳奈ちゃんは話題を変えたがっているらしい。こんな格好で外に出るのは、アイドルにとっては決して楽しいことではないんだろう。
私は佳奈ちゃんの好意に甘えて、彼女の横に立った。日傘が落とす影が、私たちをすっぽりと覆う。かすかに鼻腔をくすぐる香りは、少女特有のものだった。
{character:player}この時間は事務所のダンスレッスンじゃなかったの? この前、レッスンのせいでこのところ午後に時間が取れない~って文句言ってたよね。
{character:藤田佳奈}先に言っとくけど、サボりじゃないよ。とある不可抗力で、マネージャーさんがダンスレッスンを一時的に他のレッスンに変えてたの。レッスン場がこのミルクティー屋さんのすぐ近くで、私は休憩時間にミルクティーを買いに来ただけだよ。
{character:player}とある……不可抗力?
{character:藤田佳奈}ゴホン、今はまだ秘密なんだけど、ファンさんは他人て訳じゃないし、ちょっと情報を開示しちゃおっかな。私ね、一飜市で……やばっ! 見つかっちゃった!
さっきまでペラペラと喋っていた少女は、突然何か恐ろしいものでも見たかのように、慌てて後ずさりしてどこかに隠れようとした。
振り返ると、それほど離れていない所に三十歳前後の女性が立っていた。彼女は佳奈ちゃんの姿を認めると、すごい剣幕でこちらに向かってきた。
うっすらと見覚えがある姿だったが、誰だかすぐには思い出せなかった。佳奈ちゃんの仕事の特殊性とネット上のアンチの脅迫コメントもあり、その女性が何か過激なことをするのではと心配した私は、本能的に一歩進み出し、体を張って相手を佳奈ちゃんから引き離そうとした。
{character:player}あなたは……
{character:???}私と一緒に来なさい!
{character:player}え……?
私はわけも分からずその場に立ち尽くしていたが、後ろにいた佳奈ちゃんが先に動いた。彼女はしょんぼりとうなだれ、黙ったままその女性に付いて、人通りの少ない道の方に足を向けた。
すれ違う時、あの女性がこちらを見ていない隙に、佳奈ちゃんは私にとても悲しそうな顔を見せた。
私の錯覚だろうか? まるで宿題をやっていないことが先生にバレた時の小学生のようだった。
しかし……どう見ても今は質問なんかしてる場合じゃない。佳奈ちゃんのことが心配な私は、少し迷ったが、佳奈ちゃんの横に並んで女性の後をついて行った。
女性は周囲を見回し、他に誰もいないことを確かめてから、佳奈ちゃんの額を人差し指で小突いた。
{character:???}藤田佳奈~!! あなたミルクティーを買いに行ってたわね!?
{character:藤田佳奈}うぅ、もし、友達を見かけたからお喋りしに行っただけ、って言ったら……信じてくれる?
{character:???}あら、そうだったのねー。
{character:藤田佳奈}うぐぐ……全然信用されてないっぽい。
想像していたような危険な事態にはなっていない。やりとりからして、彼女達は単なる知り合いどころか、かなり親密な関係のようだ。
その瞬間突然ピンときて、ようやく目の前の女性が誰なのかを思い出すことができた。
{character:player}あなたはサムグループ傘下の芸能事務所の「スターを生み出す女王」、ガールズグループ「W・I・N」のマネージャーさんですね!
{character:藤田佳奈}ビンゴ、大正解だよっ。マネージャーさん、紹介するね。こちらは、私の友達兼ファンの{var:player_nickname}さんだよ。
{character:マネージャー}ああ、あなたがあの{var:player_nickname}さんね、会えて嬉しいわ。
{character:player}私のことを知ってるんですか?
{character:マネージャー}もちろん。佳奈、いつもあなたの話をしてるのよ。あなたと一緒にいる時はとても幸せなんだろうなと思うわ。あなた、麻雀が得意なんでしょ? 機会があったら一緒にやりましょう。
{character:player}あはは、いいですよ。さっきは、あなたのことを佳奈ちゃんのアンチなんじゃと誤解して、危うく彼女を連れて逃げるところでした。
{character:マネージャー}私だってこんな乱暴な態度取りたくなかったわ。けどどこかのアイドルちゃんが、ダイエット中だっていうのにこっそり抜け出してミルクティーを飲んじゃうから。
{character:player}ダイエット?
{character:マネージャー}ええ。……実は、「W・I・N」は三ヶ月後に一飜市でライブを控えてるの。事務所をあげて準備を進めてるわ。
{character:マネージャー}佳奈は太りやすい体質だから、より魅力的な姿でファンに会うために、ライブ前にダイエットしないといけないの。この期間は、ミルクティーやおやつのような食べ物は徹底的に禁止してるのよ。
{character:藤田佳奈}ああぁ~、マネージャーさん、私が{var:player_nickname}さんをびっくりさせるつもりだったのに、なんで全部喋っちゃうの~……
マネージャーさんは肩をすくめて、佳奈ちゃんの抗議を受け流した。
{character:player}今までそんなお知らせ出てなかったですよね。つまり、私がこのサプライズ発表を聞いたファン第一号ってこと!?
{character:マネージャー}準備が整ったら、スタジオから正式に発表する予定よ。だから今はまだ秘密にしておいてね。
{character:player}わかりました。今から指のスピードを鍛えておきます。絶対にチケットを手に入れますから。
{character:マネージャー}ふふ、佳奈もあなたみたいに真面目に取り組んでくれたらいいのに。事務所の方でプロのフィットネストレーナーに頼んで、専用ダイエットプログラムを組んでもらったんだけど、少しでも気を抜くとすぐサボっちゃうのよね。
{character:マネージャー}来週は、隣街でミア……「W・I・N」の他のメンバーが出るイベントに同行しないといけないから、今佳奈を見張っててくれる人を探してるところなのよ。
{character:藤田佳奈}うおっほん、マネージャーさん、私からちょっと提案があるんだがね!
{character:マネージャー}へぇ? 何かしら。
{character:藤田佳奈}ぴったりな人、マネージャーさんの目の前にいるじゃない。{var:player_nickname}さんに頼むのはどうかなあ?
{character:player}えっ……私?
{character:藤田佳奈}うん。あなたは私の友達だし、家に見張りにも来られるでしょ? 世間に内緒にしながらダイエット計画をスムーズに進められるし、ぴったりの人選だよ!
突然のオファーに戸惑っていると、マネージャーさんはあごに手を添え考え込んだ。この件の展望について考えているようだ。
{character:マネージャー}なかなかいいアイデアかもね。{var:player_nickname}さん、よかったら手伝ってくれない?
自分の推しと長く一緒にいられるチャンスを断る人間がいるだろうか? 少なくとも私は断らない。マネージャーさんが考えを改めてしまったらと心配し、もう一度問われるのを待たずに返事をした。
{character:player}もちろんいいですよ。是非やらせてください。
{character:マネージャー}ふふ、タダ働きはさせないからね。あなたも佳奈のファンってことなら……報酬は今度のライブチケットでどう?
{character:player}何よりの報酬です!! 安心してください、佳奈ちゃんのダイエットは私がしっかり見守りますから。
{character:マネージャー}じゃあ、よろしくね。
自分の推しと長く一緒にいられるチャンスはそう多くない。でも、甘えてくる推しに負けることなく「助ける」のは非常に困難だとも思う。散々迷った結果、私は断ることにした。
{character:player}すみません、私……
{character:藤田佳奈}ゴホゴホン!
断ろうとした途端、佳奈ちゃんのわざとらしい咳払いに遮られた。少女は仰々しい動きで私の横まで来ると、耳元で囁いた。
{character:藤田佳奈}{var:player_nickname}さん、ゼクスさんにジャングル修行に連れて行かれそうなんでしょ。真夏に「アマゾンサバイバル」に参加するよりも、一飜市で私と一緒に過ごしたくなぁい?
{character:player}ゲホッ、なんで知ってるの?
{character:藤田佳奈}ネットフリークアイドルの情報収集スピードを見くびらないで? マネージャーさんへの返事、考え直した方がいいんじゃないかなぁ……
{character:player}ぷぷっ、脅しのつもり?
{character:藤田佳奈}ふっふーん、さては{var:player_nickname}さん、これだけじゃ不満だな? まったく欲張りさんだなぁ。うーん……分かった。もし手伝ってくれるなら、ライブのチケットを押さえてあげよう!
{character:player}チケットなんてそんな滅相もない。私お節介焼きだから、困った人を助けずにはいられないだけなのになあ! ……マネージャーさん、この件は私に任せてください。
マネージャーの視線が私と佳奈ちゃんの間を何度も行き来した。どうやら私達の裏取引は見破られているらしい。
{character:藤田佳奈}うぅ、マネージャーさん……
{character:マネージャー}佳奈がどうしてもというなら……わかったわ。この件はあなたに任せます。
これが、私が平日に佳奈ちゃんの家に駆けつけた経緯だ。なぜここまで念入りにリュックの中をチェックしたかというと、それは、ダイエット計画を順調に進めるために、ここ数日で佳奈ちゃんと繰り広げた「知恵比べ」の結果に基づいた行動に過ぎない。
自分がハイカロリーな食べ物を持っていないことを確かめてから、佳奈ちゃんの家のドアを軽くノックした。
{character:藤田佳奈}はいはーい、{var:player_nickname}さん、ハロー!
ドアの向こうから佳奈ちゃんの嬉しそうな声が聞こえてくると同時に、色々なものをひっくり返しているかのようにガタゴトと物音も聞こえてきた。幸いドアはすぐに開き、笑顔の佳奈ちゃんが現れた。
少女の額に視線を落とす。細かい汗の雫が彼女の白くみずみずしい頬をゆっくりとすべり落ち、地面に染みを作った。溌剌としていて可愛らしい姿に、思わず汗を拭ってあげたくなる。
ステージでの完璧な姿と違って、プライベートの佳奈ちゃんはより少女らしさがある。
{character:player}こんにちは、佳奈ちゃん。もう運動を始めてるの? どのくらいカロリーを消費したか、ちゃんと記録した?
{character:藤田佳奈}むう、ここは先に私の頑張りを褒めるとこでしょ? はあ、{var:player_nickname}さんがこんなに厳しいって知ってたら、あなたを推薦したりなかったのになあ。これが「身から出たサビ」ってやつなのかな……
{character:player}今さら後悔しても遅いよ。マネージャーさんに、少なくとも佳奈ちゃんの体重を2.5kgは減らすって約束したんだから。成功したら、私のチケットを無料でVIP席にグレードアップしてくれるんだって。
{character:藤田佳奈}わざわざマネージャーさんに頼らなくたって、私に言ってくれればいいのにっ。
少女は私にウインクを投げた。だが……こんな可愛い仕草をしても、私はいつものように花や拍手を捧げず、むしろ一歩後ずさって警戒した。
{character:藤田佳奈}ほら、もうすぐお昼の時間だよ。こんなに頑張ってるんだし、ランチメニューはちょっと変えてもいいんじゃない?
昨日は、佳奈ちゃんがこっそり炭酸飲料を飲んでいるところを見つけた。一昨日はこっそりチョコビスケット一袋を食べ、その前の日はこっそりインスタントラーメンを買おうとしていた。これらの経験から、私は彼女の提案に少しも驚かず、「やっぱり」という気持ちすら抱くようになった。
{character:player}例えば……野菜サラダを下のお店のハニーフライドチキンに変えるとか?
{character:藤田佳奈}どうやら私たち、ゲームで息ぴったりなだけじゃなく、食べ物の好みも似てるみたいだね。えへへ、私調べたんだけど、デリバリーでファミリーバーレルとクリスピーチキンを頼むと一番コスパがいいみたいだよ♪
{character:player}いいね。ただし、それは私のランチだよ。
{character:藤田佳奈}え?
{character:player}マネージャーさんが仕事に出る前に、佳奈ちゃんの一週間分の食事を用意してくれたんだ。どれどれ、今日は……あった、マンゴーシュリンプサラダだ。
うきうきとランチについて話していた佳奈ちゃんは、それを聞いて抗議の声をあげた。彼女はうるうるとした目で私の袖を引っ張って、出てもいない涙を拭い、たちまち雪の夜のマッチ売りの少女に変身した。
{character:藤田佳奈}うう、二週間。私がこの二週間、どう過ごしてきたか知ってる? 毎日色んな種類のサラダを食べて、今や体中から焙煎ゴマドレッシングの匂いがするんだよ。
{character:藤田佳奈}午後には四時間のフィットネスレッスンもあるし、ちょっとだけお肉を食べてエネルギーをチャージしたいんだけど……これって、過ぎたお願いなのかなぁ……
{character:player}まぁ、理にかなっている要求の範囲のようには聞こえるけど……
{character:藤田佳奈}へへ、ファンさんは私のことが一番大事なんだって知ってるよ♪ ってことで、フライドチキン注文していい?
この世界に、佳奈ちゃんのおねだりを拒める人間なんていない。気づいた時には、頭で考えるより早く、彼女の頼みに応える言葉が口をついて出ていた。
少女は嬉しそうにスマホを取り出し、割引中のデリバリーセットについて再び話し出した。しかし……「注文を確定する」をタップする一秒前に、責任感が私の理性を呼び起こした。
{character:player}ん?
信頼に溢れ、驚きと少しの不安が入り混じった佳奈ちゃんの眼差しに、私の心の中では「悪魔」と「天使」が戦いを始めた。
{character:player}ちょっとくらいなら大丈夫だよね?
佳奈ちゃんのがっかりする姿を見ることに耐えられず、とうとう私の心の中で「小さな天使」が勝った。少女の切実な眼差しに見守られる中、サクっと注文確定をタップした。
{character:藤田佳奈}わーい! {var:player_nickname}さん、今日からファンさんは私のアイドルだよ!!
{character:player}うーん……このことがマネージャーさんに知れたら、きっと私はファンクラブ除名だろうね。
{character:藤田佳奈}安心して、あの人には言わない。私たちの秘密だからね。
フライドチキン効果で、佳奈ちゃんは目に見えて元気になった。私にトレーニングを続けるよう促された時も、明るい曲調の歌を口ずさんでいたくらいだ。
まあいいや。こんなに彼女が喜んでくれたんだから、一度くらい約束を破ったってどうってことないよね?
デリバリーはすぐに届いた。程よい揚げ具合でいい匂いのクリスピーチキン、黄金色で外はカリカリ、中はジューシーなチキンレッグ。見ているだけで食欲が掻き立てられる。
佳奈ちゃんは子猫のように目を細め、ピンクの舌を突き出して指についたソースをぺろりと舐めた。
{character:藤田佳奈}ハニーマスタードとハニーフライドチキンは相性抜群だよ~! ほら、{var:player_nickname}さんも早く食べてみて。
{character:player}ちょ、待って……佳奈ちゃん、もうナゲットを三つも食べたでしょ! 今日の摂取カロリー上限に近づいてる、これ以上食べたら超えちゃうよ。
{character:藤田佳奈}う~、だってもっと食べたいんだもん……
彼女は持ち上げたばかりのフライドチキンを手放そうとせず、私にお願いの目差しを向けてきた。彼女を止めようと思っても、強く出ることも出来ない。
私はひそかにため息をついて、自分が約束を守れず、佳奈ちゃんのためにフライドチキンを注文してしまったことを改めて後悔した。少し食べれば食欲も収まるだろうと思っていたが、今の彼女は止める気などまったくないようだ。
そう来るなら……別の手を使うしかないな。
{character:藤田佳奈}うーん、スパイシーチキン、本当に美味しい。あと一つ……いや、二つ食べられる!
{character:player}スパイシーチキンは一個あたり平均196kcalあるよ。消費するには、少なくともランニング二十二分程度必要だよ。
{character:藤田佳奈}こっちのナゲットは香ばしくてサクサクで、スイートチリソースとピッタリ。
{character:player}ナゲットは一個あたり平均390kcal。脂質が多いから、ランニングだと大体四十四分やらないとね。
{character:藤田佳奈}うっ……ポテトをちょっとだけなら……
{character:player}ポテトは一食あたり平均421kcal、食後には四十七分程度のランニングをおすすめするよ。
{character:藤田佳奈}オリジナルチキンなら大丈夫……だよね?
{character:player}オリジナルチキンは100gあたり平均346kcalあるよ!
{character:藤田佳奈}んぐぐぐ、チキンエッグバーガーを一口……
{character:player}384kcal!
{character:藤田佳奈}……
{character:player}まだ食べたいと思う?
{character:藤田佳奈}い、いい。ううう、{var:player_nickname}さんはカロリーの鬼だ。一口食べるごとに罪悪感が生まれちゃう。
室内のエアコンがゆっくりと涼しい風を送り出し、夏の厳しい暑さを押し流すと共に、フライドチキンの匂いを部屋の隅々まで運ぶ。それが佳奈ちゃんのダイエット計画の難易度を更に上げてしまった。彼女は口をへの字に曲げて、名残惜しそうに視線をテーブルからそらした。
{character:藤田佳奈}ライブまであと三ヶ月あるんだよ? これから毎日どうやって過ごせって言うの……
{character:player}ダ……ダメダメ!
心の中の小さな悪魔が意志の弱い天使を倒してくれたおかげで、私は思い切り却下の言葉を言えた。
VIP席チケットのために、心を鬼にせざるを得ないのだ。少女の訴えかけるような眼差しを無視し、マネージャーさんが用意してくれた二人分のランチをテーブルに並べた。
テイクアウトのマンゴーシュリンプサラダは、若い竹のように鮮やかな緑色だ。ピンク色のエビが彩りを添え、色味の調和がとれている。ただし……それはサラダの隣に食欲をそそる豪華チキンカツ丼がなければの話だ。
「悲惨」と言えるほどの対照的な光景にいたたまれず、食事の時はできるだけ音を立てず、自分の存在感を消そうとした。
{character:藤田佳奈}はぁ……
{character:player}私、ダイエットの邪魔しちゃってるかな? もしそうならリビングに行くよ。
{character:藤田佳奈}ううん、気にしないで。チキンカツ丼を味わえないだけでもつらいのに、ご飯を食べる時に{var:player_nickname}さんの顔も見られなくなったら、余計に喉を通らなくなっちゃう。
{character:player}ライブが終わったら、佳奈ちゃんに何をプレゼントすればいいか分かったかも。チキンレッグのブーケは絶対気に入ると思う。
{character:藤田佳奈}あはは、私は歓迎だけど、マネージャーさんはきっと止めるだろうな。はぁ……三ヶ月後のライブが終わるまでお肉を食べられないなんて、想像したらもっとしんどくなっちゃったよ~……。
少女は軽く椅子の背もたれに寄りかかり、手にしたフォークでボウルを度々つついているが、サラダを口に運ぼうとしない。
佳奈ちゃんのへこんだ様子を見て、心の中の「小さな天使」が再びフラフラと立ち上がり、魔法の杖を振りながら呪文を唱え始めた。少女がひそめた眉を元に戻したい私は、いとも容易く魔法陣へと入っていった。
{character:player}佳奈ちゃん、よかったらこのチキンカツ、ちょっと食べる?
{character:藤田佳奈}え? 本当にいいの!?
{character:player}うん、でもカロリーを考えて一口だけね。それから、私から午後のフィットネストレーナーに事情を説明して、追加トレーニングを用意してもらうけど……
{character:藤田佳奈}大丈夫。一口でもお肉を食べられるなら、一日追加したっていいよ! ……うーん、{var:player_nickname}さん、ありがとう。やっぱり思ってた通り、美味しい!
私が言い終わるのを待たずに、佳奈ちゃんはさっきまでの落ち込みぶりが嘘だったかのように元気に傍に寄って来た。そしてはやる気持ちを押さえながらスプーンを口に入れ、両頬をいっぱいに膨らませると、満足げに幸せそうな声を漏らした。
{character:player}待って、佳奈ちゃん。それ、私が使ってたスプーンなんだけど……
{character:藤田佳奈}え?
少女は耳まで真っ赤になり、手に持ったスプーンを素早く私に突き返した。私に背を向けてサラダを手に取ると、さっきまで気乗りしない様子だった野菜が滅多にお目にかかれないご馳走に変わったかのように、全注意力を傾けて食べだした。
佳奈ちゃんの行動を見て、私はCatChatで見た可愛いリスの動画を思い出し、心の中で幸福と少しの優越感を感じていた。こんなに生き生きとした彼女を見られるのは、自分ひとりだけだ。
ただ……、自分の頬に触れてみる。どうやら影響を受けたのは佳奈ちゃんだけではなかったみたいだ。
昼食後、少し休憩していると、「運動の時間」を知らせるアラームが鳴り出した。今までの流れだと、この時間にはマネージャーさんが雇ったフィットネストレーナーがやって来るはずだが、何かあったんだろうか。
{character:藤田佳奈}えっ……トレーナーさんがお休み?
{character:player}うん。さっき連絡をもらったんだけど、都合で今日はレッスンに来られないって。
{character:藤田佳奈}きっと私が大変そうだからって、神様が特別に一日お休みをくれたんだよ。いっそ、午後から一姫ちゃんたちと麻雀でもしない? ここ最近は毎日トレーニングばかりで、ずっと半荘も打ってないし。
佳奈ちゃんが嬉しそうに午後ののんびりした時間に思い巡らせているのを見て、私は体重計を取り出し、彼女の夢想を無情に打ち砕いた。
{character:藤田佳奈}キャ~! {var:player_nickname}さんが恐ろしいものを持ち出したー!
{character:player}佳奈ちゃんの体重が目標に到達しない限り、絶対に休みはあげないよ。
{character:藤田佳奈}エヘヘ、冗談だってー。ちゃんと運動するから、早くその体重計をしまって……そうだ、そこまで言うなら、私の臨時トレーナーになってよ!
{character:藤田佳奈}え?
{character:藤田佳奈}……そんなにびっくりすること? トレーニングのやり方は何回かここで見たでしょ、トレーナーさんの指導法ももうわかってるよね。それに、前にマネージャーさんが録ってくれたトレーニング動画もあるし、問題ないよ。
本能的に拒絶しようとしたが、佳奈ちゃんに言葉を遮られてしまった。彼女の分析を聞き、私はそれならいけると思った。少なくとも今は、それが時間を無駄にせずダイエット計画を進められる最善策だ。
{character:player}なかなかいいアイデアかもね。でも……佳奈ちゃん、運動してゼーハーする私の姿を見たいだけなんじゃないの?
{character:藤田佳奈}ンンッ、そんなわけないでしょ。生命は運動にあり。私はただ、ファンさんとこういう健康的な生活を分かち合いたいだけだよ。ってことで、始めよう?
私が動揺しているのを見て、佳奈ちゃんは慌てて前のトレーニング動画を探しだし、ご丁寧にフィットネスマットまで敷いてくれた。気のせいだろうか、彼女の瞳がいたずらっぽく輝いているような。
今さら後悔しても遅い。これ以上ないほど期待のこもった佳奈ちゃんの眼差しを受け、私は立ち上がって動画の再生ボタンを押した。
開始一分、まだ気持ちいい範囲だ……五分、少しつらくなってきた……十分後には、全身シャワーを浴びたかのように汗だくになっていた。
動画に出てくる動作のほとんどは簡単そうに見えるが、実際にやってみると難しい。私のような初心者にとって、それは空前絶後の災難だった。
自分の手足が言うことを聞かなくなるのをはっきり感じた。荒い呼吸が動画のBGMをかき消していく。佳奈ちゃんの前で恥をかきたくないと思っていなかったら、とっくにギブアップしていただろう。ようやく休憩の時間になり、私は一秒でも早く座りたくて、ソファに倒れ込んだ。
{character:player}はぁ……はぁ……はぁ……
{character:藤田佳奈}大丈夫? とりあえず、お水飲む? ここに白湯があるよ。
{character:player}大丈夫……はぁ……とりあえず少し休めば平気だよ、はぁ……こんな運動強度の高い運動をしてもまだ動けるなんて、佳奈ちゃんはすごいなぁ。
{character:藤田佳奈}あはは、よく言われるよ。ミアちゃんも前にそう言ってたな。
{character:player}ミアちゃんもマネージャーさんにダイエットプログラムを組まれたの?
{character:藤田佳奈}ううん、「W・I・N」がデビューしたばかりの頃。その時は、みんなで新しいダンスを練習してて、ミアちゃんも茜ちゃんも疲れて動けなくなっちゃったんだけど、私は音楽に合わせて踊り続けてたんだ。それで、すごいって思ったみたい。
{character:藤田佳奈}「ゲームオタクなくせに、どうして理不尽なほど体力があるの?」ふふ、そんな風に言ってたな。
{character:藤田佳奈}社長の要求に応えるため、あの頃の私達は毎日十二時間以上レッスンしてたんだ……今となっては本当に懐かしいよ。
{character:player}アイドルは、ステージに立つ数分間のために陰でとんでもない努力をしてるんだね。
{character:player}今みたいに、マネージャーさんからダイエットを要求されてるとしても、佳奈ちゃんは全然太ってないどころかむしろ細すぎるくらいだよ。それなのに好きなものを一口も食べられないなんて、アイドルって本当に大変なんだな。
{character:藤田佳奈}あはは、ファンさんに褒めてもらえて嬉しいけど、私の考えはちょっと違う。
佳奈ちゃんはほつれた髪を後ろにまとめると、白湯の入ったグラスを持って私の隣に座った。彼女は窓の外を眺めた。午後の陽射しが木々の隙間を縫って夏の日の隅々まで広がり、天地の間の空白という空白を満たしていく。
{character:藤田佳奈}アイドルが好かれるのは、アイドルが人に憧れられる姿をしてるから。
{character:藤田佳奈}みんな、アイドルみたいに可愛く、カッコよくなりたいって望んでる。だからいつの間にかその人を追いかけるようになって、アイドルをある意味信仰する対象のように捉えるの。
{character:藤田佳奈}そう言うとちょっと自慢みたいだけど……私は運良く誰かの人生の一筋の光になれたんだから、ファンのみんなを失望させるようなことはすべきじゃないでしょ?
佳奈ちゃんがアイドルになったのは、華やかなステージに立ちたいという単純な理由だったのかもしれないが、長く活動していくうちに、彼女の夢はステージに限ったことではなくなっていったんだ。
ファン達が彼女を愛するように、佳奈ちゃんもファン達を愛し、積極的にお返しをしている。
{character:player}佳奈ちゃん、君のファンはきっと幸せ者だよ。
{character:藤田佳奈}えへへ、じゃあおめでとう。あなたもその一員だもんね……
{character:player}あはは……それじゃ、休憩は終わり。これからは運動の時間だよ。
{character:藤田佳奈}ブッ……心温まるシーンが台無し。{var:player_nickname}さん、本当にずるい!
口では文句を言っているが、「ファン」を大切にする佳奈ちゃんは私が立ち上がるのを止めて、一人でフィットネスマットの上に立った。
全てのファンの願いに応えるべく努力する彼女は、いつもより更に真剣にトレーニングに没頭した。
{character:player}ん? マ……マネージャーさん! どうしてここに? イベントが終わるまであと二日あるんじゃ!?
{character:マネージャー}ミアには別のアシスタントがついててくれることになったから、ダイエット計画の進捗を抜き打ちでチェックしに来たわよ。佳奈、ポカンとしてないで、体重計に乗って。
{character:藤田佳奈}……まな板の上の鯉の気分。
佳奈ちゃんがいくら嫌がっても、マネージャーさんの圧力には抗えない。体重計の数字がくるくる回り、最後にはゆっくりとある数字で止まった。
{character:マネージャー}達成するなんて、ちょっと意外。じゃあ記録をつけるわね。今日の体重は……
{character:藤田佳奈}あああ、マネージャーさん、あなたと{var:player_nickname}さんが知っていればいいよ~! 大きな声で読み上げないで~!
{character:マネージャー}まったく、しょうがないわね。とにかく……{var:player_nickname}さん、手伝ってくれてありがとう。約束通り、VIP席のチケットをとっておくわ。ライブ会場でまた会いましょう。
{character:player}はい!
やっぱり佳奈ちゃんのファンでいられるってすごく幸せなことだ!
{character:player}やっぱりやめておこう。
誰が言ったか、「専門的なことはプロに任せよう」という言葉は確かに真理だと思う。自分の体力では、臨時トレーナーが勤まらないことをよく分かっているので、佳奈ちゃんの提案を断固拒否した。
佳奈ちゃんのサボりたいという欲を徹底的に潰すため、先に要求を押し通される前に、マネージャーさんに午後の時間をどう使うべきか、ショートメールで質問した。
{character:マネージャー}どうやら、プランBを実行する時が来たようね。
{character:player}ん?
{character:マネージャー}近くに、事務所と契約してるジムがあるわ。所属タレントに応じたフィットネスサービスを提供してくれるし、プライバシーもしっかり守ってくれるわよ。
{character:マネージャー}今からジムのスタッフに電話するから、30分後に佳奈を連れて行ってちょうだい。住所はここね。【URL】
{character:player}わかりました。
{character:player}やっぱりマネージャーはみんなプランBを用意しておくものなんだな。それにしてもこの住所、見覚えがあるような……
私は佳奈ちゃんを連れてジムに向かった。ドアを開けると、濃密な……運動の気配を感じる。
トレーニングマシンは全て埋まっている。ある者はストレスを発散し、ある者は肉体のポテンシャルを引き出し……とにかく汗をポジティブなエネルギーに変換すべく運動に励んでいた。
マネージャーさんが連絡したフィットネストレーナーは、私たちが到着するよりも早く入口で待っていた。厳格な彼は見学のステップを省略し、佳奈ちゃんをパーソナルトレーニングルームへ連れて行った。
{character:player}佳奈ちゃん、頑張って……
少女の目に込められた悔しさに気づかないふりをして、居心地の良さそうな場所を探してゆったりと座り、スマホで麻雀をやりながら午後の時間を潰そうとした。
{character:player}計画によると、佳奈ちゃんのトレーニングが終わるのは四時間後……この時間を使って、サクっと昇段するぞ!
{character:player}うーん……ポンすべき?
{character:フィットネストレーナー}ポンでしょう。この手は積極的にいかないと。
{character:player}じゃあ……ん? 待って、トレーナーさん……
{character:フィットネストレーナー}時間切れになっちゃいますよ、早くポンしてください! あっ、そういえば、佳奈さんを見ませんでした?
{character:player}部屋にいないんですか?
{character:フィットネストレーナー}はい。私が水分補給をして戻ると、忽然と姿を消してました。他のトレーナーたちと手分けして探しても見つからなくて。
{character:player}えぇっ!?
それを聞いた私は椅子から飛び上がり、慌てて捜索に加わった。
{character:フィットネストレーナー}お待ちください……ひとまずあの牌をポンしてください!
見慣れた通り、見慣れた行列、よく知っているミルクティーの香り……角を一つ曲がり、私はようやく、どうしてこのジムに見覚えがあったのか理解した。このジムが、ネットで人気のミルクティー屋の向かいにあったからだ。
一週間前、私はまさにここで佳奈ちゃんとマネージャーさんに会って、アイドルと親しく出来るチャンスを得たんだと思うと、思わず歩みを緩めてあの時の喜びを再び噛みしめたくなった。
そして……私はミルクティー屋の行列の中に、巨大な日傘を差し、サングラスをかけ、カーブしたヒゲをつけた人物を見つけた。私の視線に気づくと、相手はおずおずと二歩後ずさりした。
{character:藤田佳奈}あ、あはは、{var:player_nickname}さん、奇遇だねぇ……
{character:player}今回もまた、友達とお喋りって言い訳するつもり?
{character:藤田佳奈}足が勝手に動いて歩いてきた……のかも?
マネージャーさんがどうしてあんなにため息をついていたのかがようやく分かった。私は眉を上げ、佳奈ちゃんをミルクティー屋の行列から引きずり出し、フィットネストレーナーのもとへ連れて行った。
{character:player}今度は部屋の入口を見張っておくから、こっそり逃げ出してミルクティーを買いに行くチャンスはないよ。マネージャーさんが決めた目標までまだ遠いんだし、しっかり頑張って!
{character:藤田佳奈}はぁ……あなたのVIP席チケットのために、私が払う犠牲が多すぎるよぉ。
{character:フィットネストレーナー}佳奈さん、ミルクティーはダイエット期間中絶対に口にしてはならない飲み物です。あなたの先ほどの行動で、私のサービス残業が決まりました。今日はレッスン時間を延長して、いつもの倍の時間のトレーニングを追加します。これで、あなたがこのことを忘れないようになれば嬉しいです。
{character:藤田佳奈}うう、そこまでする必要ないのに~。
{character:フィットネストレーナー}運動を始める前に、一つ質問を。{var:player_nickname}さん……結局あの牌はポンしましたか?
{character:藤田佳奈}……
どうやらこの方も相当麻雀が好きらしい。でもそんなことよりも、佳奈ちゃんのダイエット計画を気にするべきじゃないか? マネージャーさんが一飜市に戻ってくるまでに、万事上手くいくといいんだけど。
{character:player}ん? マ……マネージャーさん! どうしてここに? イベントが終わるまであと二日あるんじゃ!?
{character:マネージャー}ミアには別のアシスタントがついててくれることになったから、ダイエット計画の進捗を抜き打ちでチェックしに来たわよ。佳奈、ポカンとしてないで、体重計に乗って。
{character:藤田佳奈}……まな板の上の鯉の気分。
佳奈ちゃんがいくら嫌がっても、マネージャーさんの圧力には抗えない。体重計の数字がくるくる回り、最後にはゆっくりとある数字で止まった。
{character:藤田佳奈}……
{character:藤田佳奈}……
{character:藤田佳奈}……
{character:マネージャー}「ダイエット計画失敗」の予感はあったけど……減るどころか、むしろ増えたのは予想外ね。
{character:player}昨日、トレーナーさんがわざわざ二時間も追加トレーニングしてあげてたのに、どうして……
空気が突然凍り付き、窓の外の風すら動きを止めたかのようだ。マネージャーさんと私から驚きと疑いの眼差しが向けられ、佳奈ちゃんはびくびくと俯き、軽く咳払いした。
{character:藤田佳奈}ゴホン、昨日は追加トレーニングで体力をかなり消耗したから、夜中にお腹が空いて眠れなくて……ちょうど……フライドチキン屋さんのデリバリー広告を見ちゃって……それで……
徐々に小さくなっていく彼女の声で、私はようやく事の顛末を理解した。マネージャーさんと目が合う。私達の目には無力さが滲んでいた。
{character:マネージャー}早めに帰ってきてよかった、今ならまだ間に合うわ。佳奈、今日からは私自らあなたのトレーニングを監督します。早く目標に到達できるように、トレーナーさんに頼んでトレーニング量を増やしてもらうわね。
{character:藤田佳奈}えぇ~……マネージャーさん、やめてよ~……
佳奈ちゃんと共に「悲しみの声」をあげたのは、とばっちりを受けた私だ。VIP席のチケットは、一晩の夜食のせいで私の手をすり抜けたのだ!
幸いにも、マネージャーさんは私のせいじゃないって言ってくれたし、チケットも用意してくれるらしい。それが、夏の日差しに焦がされたかのような私の心を、少しだけ慰めてくれた。
恋の噂
絆LV5で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 6, Scenes 248, Choices 2, Endings 0
麻雀、それは一飜市民が最も愛するアクティビティ。雨の日も風の日も、友達と集まって麻雀をすれば、心がぱっと明るくなる。
そんな理由もあって、麻雀会館は一飜市で最も親しまれている娯楽施設である。ここでは三歳のお子様から七十を迎えたお年寄りまで、また……ダイエットを終えたばかりの、ライブを目前に控えた元気なアイドル――藤田佳奈にも会える。
{character:player}ライブまであと二週間だっていうのに、麻雀しに来るなんて……本当に大丈夫?
{character:藤田佳奈}むー、{var:player_nickname}さんは私に会えたのが嬉しくないのー?
対面の少女は、今回は妙な変装をしていなかった。目はきらきらと輝いていて、唇は紅を差したかのように色づき、ピンクの長髪はごく自然に背中へと流れている。この年頃特有の活力に溢れた顔つきで、彼女が両頬を膨らませて怒ってみせたりすると、いつも以上に可愛らしかった。
{character:player}まさか。それは佳奈ちゃんの思い込みだよ。ライブ前はもう会えないと思ってたからさ。……こんな大事な時期に麻雀会館に来るなんて、マネージャーさんが許さないでしょ?
{character:藤田佳奈}ふふん、その心配には及ばないよ。今日私が来たのは、ファンさんのためなんだから。
{character:player}私のため?
{character:藤田佳奈}そうそう。ファンさんが週末に会館に行くってCatChatに投稿してたから、わざわざVIP席のチケットを持ってきてあげたんだよ……ジャジャーン、こちらでーす! どうどう? びっくりした? 私が直接チケットを渡したお客さんは、社長以外にはファンさんが初めてだよ。
私は佳奈ちゃんからチケットを受け取り、券面に書かれた文字列を繰り返し読んだ。押さえきれない笑顔のせいで、この思いは一目瞭然だっただろう。
{character:player}佳奈ちゃん、ありがとう! 今後はわざわざ来てもらわなくてもいいよ。電話してくれれば、自分で事務所まで取りに行くから。
{character:藤田佳奈}そんなのダメ! それじゃ理由をつけてマネージャーさんにお休みもらって、麻雀しに行けないじゃん。
{character:player}え?
{character:藤田佳奈}……あ、えっとその……
{character:player}やっぱり麻雀しに来たんだな!
{character:藤田佳奈}シーッ、静かに! ないとは思うけど、万が一事務所の人が通りかかって、今の会話をマネージャーさんに報告しちゃったら、今以上に外に出るのが難しくなっちゃう。
{character:藤田佳奈}いい? こういう細かいことはいちいち気にしないの。この前のダイエット計画が終わってから二ヶ月も会えてなかったんだよ、私ともう少し一緒にいたくない?
企みを看破され、佳奈ちゃんは少し気まずそうにしながら私の腕をとり、ぶらぶらと揺らし始めた。私が返事しようとした時、スマホの着信音が唐突に鳴り響いた。
音は佳奈ちゃんのバッグからだ。彼女は目でゴメンと合図すると、電話に出た。
{character:藤田佳奈}マネージャーさん? うん、今{var:player_nickname}さんと会ってるけど……え? 何? ……近くには{var:player_nickname}さんしかいないから、話は出来るけど……えぇっ!? えーっ!?
会話の内容は分からないが、佳奈ちゃんは信じられないことを聞かされたかのように、突然声のトーンをあげた。会館にいる人達は、声に気づいて次々とこちらを向いた。私はやむを得ず立ち上がり、彼女を皆の目から遮りつつ、手刀を切った。
{character:藤田佳奈}そんなの誰も信じないと思うけど……うん、今麻雀会館にいるよ。電話の後すぐ位置情報を送るね……うん、うん、分かった……大丈夫、気をつけるから。
{character:player}佳奈ちゃん、何があったの? 私に手伝えることはある?
マネージャーさんと話している時の慌てぶりからして、きっと何かあったんだろう。電話が切れるなり、私はすぐに尋ねた。
{character:藤田佳奈}マネージャーさんがね……誰かが「私」と恋愛してた証拠として、大量のチャット履歴をCatChatにアップしてて、私に振られたことをほのめかしてるって。それがネットで大量に拡散されて、悪い影響が出てるみたい。
{character:player}え? そんな一目見て嘘だと分かる情報を信じる人なんていないでしょ?
{character:藤田佳奈}はは、さすが{var:player_nickname}さん。私もまったく同じ意見だよ。ファンのみんなもファンさんみたいにちゃんと私を信じてくれたらいいのにな。ほとんどは落ち着いてるけど、一部のファンは影響されちゃってるんだって。
{character:藤田佳奈}事務所がその投稿者と連絡を取って、相手にデマを訂正するよう頼んでくれてるみたい。マネージャーさんは騙されたファンが過激なことをするかもしれないから、私達を事務所で匿ってくれるって。
{character:player}安全面を考えたら、そうした方がいいね。え、待って。今、私……達って言った?
{character:藤田佳奈}うん、言った通りだよ。 マネージャーさんは「私達」を「まとめて」事務所で匿うって。詳しい理由は、会ってから話すみたい。
{character:player}きっと事務所が人手不足だから、マネージャーさんは私を臨時スタッフにするつもりだな……直感がそう言ってる。
{character:藤田佳奈}あはっ、じゃあ{var:player_nickname}さんは、マネージャーさんが来ないうちに逃げちゃう?
佳奈ちゃんは、親切に出口の方向を指し示してはいるが、じっとりとこちらを睨み、「もし逃げたらライブチケットを没収するぞ」と訴えている。
「時務を識るは俊傑に在り」とはよく言ったものだ。私は佳奈ちゃんの隣に座り、一緒にトラブルを解決する意思表示をした。
{character:player}そんなことしないよ! 私はただ、マネージャーさんが来るまで、一緒にCatChatで情報収集しようって言いたかったんだ。そうすればかなり時間を節約出来ると思う。
私の「言い訳」に、佳奈ちゃんは満足してくれたようだ。彼女はスマホを持って改めて私の隣に寄ってきてCatChatを開くと、自分がログインしているアカウントを注意深く確認した。
{character:player}「因果応報」……? 佳奈ちゃんの裏アカウントの名前、ちょっと変わってるね。
{character:藤田佳奈}細かいことは気にしなーい。どれどれ…… #藤田佳奈・恋愛スキャンダル って、やっぱりもうトレンドに上がってるんだ。ん? リアルタイムニュースのこの写真は……麻雀会館!?
{character:player}ちょっと見せて!
{character:藤田佳奈}「三十分経っても返信なし。多分マジです。ファン達はもう自分に嘘をつくな」
{character:藤田佳奈}「ワイは特にファンて訳じゃないけど、アイドルが落ちぶれたとこ見るのは好きw」
{character:藤田佳奈}「佳奈ちゃんと付き合ってたっていうコイツは誰? 文面からしてあんま年いってなさそう。チャット以外の情報全然出てこん……リーク遅いよ何やってんの」
佳奈ちゃんは小声でネット上のコメントを読み上げている。大量の批判コメントに、改めて事態の深刻さに気付かされた。佳奈ちゃんがいる所がバレたら、心配したファン達が大勢詰めかけるだろう。野次馬や情緒不安定な人も。
今の状況で、彼女がプライベートでファン達と会うのはどう考えてもまずい。
今すぐ佳奈ちゃんを連れてこの場を去りたい気持ちでいっぱいだが、こういう事態に初めて直面した自分よりは、マネージャーさんの方がどうすべきかよく分かっているはずだ。それに、事務所もスタッフを配置して、ことの対処にあたっているはずだし。
考える間にだんだんと落ち着きを取り戻し、もう一度今の現状を整理した。
{character:player}佳奈ちゃん、このまま会館のホールにい続けるのはまずいと思う。万が一過激なファンが現れたら、良からぬ事態が起きかねないからね。確かこの麻雀会館には個室があったと思うから、そっちにいた方が安全だと思うよ。
{character:藤田佳奈}わ、{var:player_nickname}さん冷静だね。一瞬バージョン違いのマネージャーさんかと思った~。
{character:player}じゃあ「マネージャー」から君に、大人しく個室に行くよう「指示」するよ。人の目に触れる時間を出来る限り減らそう。
{character:藤田佳奈}ラジャー、「マネージャーさん」!
麻雀会館の個室内はすっきりとしていて、雀卓1台に椅子が数脚、壁には上品で温かみのある装飾画がいくつか掛けられている。こんな特殊な状況じゃなければ、喜んでここで午後のひと時を過ごしただろう。
緊張している私と対照的に、佳奈ちゃんはとてもリラックスしていた。少女は両腕を伸ばし、のんびりと伸びをした。
{character:藤田佳奈}マネージャーさん、おっそいなぁ……ねえ見て、この窓から外の交差点が見えるよ。ここから様子を見られるね。
{character:player}館長さんの話だと、この個室はまだ正式な利用が始まってないんだって。常連客も知らない部屋で、特別に私達のために開けてくれたんだ。見た目は綺麗だけど、まだ害虫駆除をしていないらしいから、「招かれざる客」もいるかもね。
{character:藤田佳奈}キャアア!!!
叫ぶやいなや、佳奈ちゃんが猛然とこちらへ突進してくる。両手でしっかりと私の腕を掴み、胸に飛び込んできた。
{character:player}佳奈ちゃん? どうしたの?
身体がぴったりと密着し、呼吸が次第に早まっていく。薄桃色の瞳には私の姿がくっきりと映り、私の世界は否応なしに佳奈ちゃん一色になった。彼女と知り合って随分経つが、こんなに近づいたのは初めてだ。
{character:藤田佳奈}ま……窓のところにカメムシがぁ。
{character:player}……え!?
少女が指さす方向を見ると、パニックの元凶たる小さな虫が触角を揺らし、悠々と飛び去っていった。
アクシデントの後、私の気持ちも落ち着いてきて、全身の緊張も緩んできた。
{character:藤田佳奈}ふぅ……やっと笑ってくれたね。さっきまでのファンさん、あまりにも緊張してて、倒れちゃうんじゃないかって心配だったよ。
{character:player}佳奈ちゃんはわざと私に抱き着いてきたの?
{character:藤田佳奈}ちょっと怖かったのは本当だし、まるきりわざとってわけじゃないよ。ハグは……
{character:player}アイドルからファンへのご褒美?
{character:藤田佳奈}公式見解の模範回答としては花丸だね!
{character:藤田佳奈}記者会見じゃあるまいし、{var:player_nickname}さんはもうちょっと大胆になってもいいんだよっ。例えば、今のハグは私達の友情がまた一歩深まった証と考えるとかね♪
私と佳奈ちゃんは身を寄せ合ってネット麻雀をすることにし、東二局を終えたところで、ようやくマネージャーさんがドアを押し開けた。私達の無事を確認すると、マネージャーさんはほっとして、私達を佳奈ちゃん専用車に乗せた。
{character:マネージャー}ちょっと事情が込み入ってるんだけど、なるべく手短に話すわね。
{character:マネージャー}三十分ほど前に、佳奈のスキャンダルは何者かの悪意によって拡散されたものだと事務所の方で証明、法律に基づき起訴すると発表したわ。大半のファンの支持も得られたわよ。
{character:マネージャー}でもついさっき、佳奈と新しい恋人がショッピングしてるとこのモザイク写真を、誰かがネット上にアップしたの。動かぬ証拠として、アンチ達が所構わず拡散してるわ。
{character:マネージャー}こんな状況が続けば、二週間後のライブに悪影響を及ぼしかねない。下手すると、「W・I・N」の今後にまで影響が出るかもしれないわ。
マネージャーさんはここで言葉を切り、リュックから一枚の写真を取り出した。これがスキャンダルを引き起こした元凶のようだ。
写真には、ステージの上でなくとも変わらず人を惹きつける容姿を持つ、普段着姿の少女が映っていた。それは、背景全体にモザイクがかかっていても無視出来ないほどだった。
佳奈ちゃんの隣の人物は、彼女ととても親しい関係に見える。って、彼女の頭をポンポンと撫でているこの人物、まさか……
{character:player}これ……私?
{character:マネージャー}ビンゴよ、おめでとう。
{character:player}ゲホゲホッ、あの……マネージャーさん、話を聞いてください。これは……
{character:マネージャー}当時がどうであれ、今となっては最早どうでもいいの。とにかく、今やるべきはこのCatChatのアカウント主を見つけ出すこと。相手に真実を語らせた方が効果的だからね。
{character:藤田佳奈}「好き嫌いの激しいビッグハンマー」……このアカウント、見覚えある。
{character:マネージャー}ビッグハンマーは最近ネットに現れたパパラッチよ。もしかしたらゴシップ関係のグループで見かけたかもしれないわね。友人伝いに聞いたんだけど、彼は今、商店街にある映画館付近にいるらしいわ。
{character:マネージャー}デマの訂正は早いに越したことがないわ。二人とも、シートベルトをしっかりしめて。行くわよ!
予想外なことに、この映画館はAとB、2つのエリアに分かれている構造をしていた。早くターゲットを見つけるため、映画館に着いた私達はマネージャーさんと手分けして捜すことにした。
佳奈ちゃんのマネージャーさんはこの場で待つよう言ったけど、興奮したファンがいつ私達の所を襲撃するかわからない。
会館のホールでも、何人かの情報通がコソコソこちらを伺っているようだ。ただ、常連同士のしがらみに阻まれて、まだ写真を撮るには至っていないらしい。
{character:player}ちょっと面倒だな……
どうにもならなくなっていると、背後から手が伸びてきて私の手を捕え、何の説明もなく外へと走り出していった。
{character:player}ま、待って……佳奈ちゃん?
{character:藤田佳奈}ん? キョロキョロと街の方を見てたのは、私を連れて逃げるつもりだからじゃなかったの?
{character:player}そうだけど、マネージャーさんが……
{character:藤田佳奈}イベントで遠出すると、同行してたマネージャーさんには、しょっちゅう事務所からいろんな用事で電話がかかって来るんだ。大抵は私も一緒に残業するんだけど、あの人時々事務所の要求を断るの。「将、外にあっては、君命も奉ぜざるあり」だってさ。
{character:藤田佳奈}うーん……私も今どうするのが最善なのか分からないけど、ファンさんはきっと私にとっていい選択をしてくれるって信じてるよ。
{character:藤田佳奈}だから{var:player_nickname}さん、私をここから連れ出して?
目の前の少女は、私の選択を既に見通しているかのように笑い、私の手を取った。この手を放す気はさらさらないようだ。
人から全幅の信頼を寄せられるというのは、なんて幸せなことなんだろう。私はもう迷うことなく佳奈ちゃんに笑みを返し、一緒に会館を後にした。
{character:player}行こう。人が少ないところを見つけてしばらく隠れよう。その後マネージャーさんに連絡しようか。
私と佳奈ちゃんは道中ずっと大人しくしていて、人通りの少ない道を選んで進んでいたのに、それでも少女の美しさは人々の注目を集めてしまった。
どこに行こうと、誰かが私達の居場所をCatChatに書き込み、リアルタイムで更新している。だから私達は一ヶ所に長く留まることは出来ない。
しばらく「かくれんぼ」を続けるうちに、さすがの佳奈ちゃんでも体力の限界に近づきつつあった。
{character:藤田佳奈}はぁ……はぁ……これからお出かけする時は絶対に変装するって誓う! それから、黒幕がわかったら、その人を競歩デスマーチの刑に処してやる~!
{character:player}マネージャーさんから全然連絡が来ないな。もしかしたら何かに時間を取られてるのかも。どうやらしばらくの間は、頼れるのは私達だけみたいだね。
{character:藤田佳奈}うぅ、何かいい方法がないかなあ?
{character:player}見て、さっき見つけたんだけど……アンチ達が動かぬ証拠って言ってた、「新しい恋人とのショッピング写真」だよ。
{character:藤田佳奈}ヘ? この、風で乱れた私の髪を整えてくれてる人って……ファンさんだよね? ってことは、この人達が言ってる「新しい恋人」って……
{character:player}あー、私ってことになるね。
{character:藤田佳奈}うーん……それなら、もしかして……
{character:player}ん?
佳奈ちゃんが小声で何かつぶやいているのを聞こうと耳を近づけると、普段は快活で大らかな彼女が突然顔を赤らめ、照れながら話題を逸らした。
{character:藤田佳奈}あ、えっと! 私の推測通りなら、この写真は半年くらい前に二人で出かけた時に撮られたものだね。後ろに写ってるこのお店で「W・I・N」のデビュー曲がかかってたから、よく覚えてる。
{character:藤田佳奈}あのお店はここからあまり離れてないし、見に行ってみる?
{character:player}そうだね、このまま隠れててもしょうがないし。マネージャーさんが来るまでに、少しでも多くの情報を集めよう。
佳奈ちゃんの記憶と現場を照らし合わせたことで、あの写真が商店街のスポーツ用品店で撮られたものだとわかった。
この発見に私達はテンションが上がり、慌てて店主さんに聞き込みをしたが、その結果は私達を大きく失望させるものだった。
{character:店主}お客さん、今店にお客が少ないのは、平日で会社帰りの人もまだいないからだよ。
{character:店主}この商店街は、一飜市で一番賑やか……とまではいかないが、他にはないウリがあるからまあまあ評判でさ。毎日大勢のお客さんが行き交ってる。
{character:店主}今日の午前中の客とかなら多少はわかるが、数ヶ月前となるとまったく思い出せないな。
{character:player}そうですか、ありがとうございます……
{character:藤田佳奈}うーん……これからどうしよう?
{character:player}マネージャーさんの助けを待つしかなさそうだな。
私は首を横に振り、佳奈ちゃんにごめんの視線を送った。収穫もなく引き返そうとした時、店主さんが突然佳奈ちゃんの名を呼んだ。
{character:店主}か、佳奈ちゃん!?
{character:藤田佳奈}入ってからずっと後ろ向いてたのに、今の一言だけでバレちゃうものなの?
{character:player}それだけ佳奈ちゃんは魅力的だってことだよ。
{character:店主}佳奈ちゃん、ファ、ファンです! 円盤全部持ってるし、CMしてる商品だって一通り買ってるよ! はぁ……推しアイドルに会えるなんて、本当に驚いた! 俺は子供の頃から君の歌を聴いて育ったんだ!
{character:player}子供の頃からって……あははっ。
店主さんは少なめに見積もっても三十代くらいに見える。佳奈ちゃんの歌を聴いて育ったというのは大げさだろう。彼は明らかに興奮で我を忘れている。
相手が自分のファンだと分かると、佳奈ちゃんは走り回った疲れをものともせず、すぐに笑顔を見せた。
{character:藤田佳奈}「子供の頃から」応援してくれてありがとう! 私、もっと頑張っちゃうね♪
{character:店主}佳奈ちゃん、例の写真のことでここまで来たんだよね? もしかしたら力になれるかも。
{character:player}でも、さっきは……
{character:店主}確かに、その時店にいたお客さんについては覚えてないけど、この店には高画質の監視カメラがあって、六ヶ月分の映像が保存されてるんだ。
{character:店主}佳奈ちゃんが必要なら、すぐ映像を用意する。二人で好きに調べていいぞ。
{character:player}店主さん、ありがとうございます。
{character:店主}いやいや、いいんだよ。佳奈ちゃんの力になれて光栄だ!
店主さんのおかげで、私達はすぐに監視カメラの映像から疑わしい人物を割り出せた。
その人物はごく普通のスポーツウェア姿で、キャップをかぶり、サングラスとマスクという、見るからに夏向きではない格好をしていた。加えて、彼は望遠カメラを手にしており、接客しようとする店員さんを無視して、ショーウィンドウの外に向かってシャッターを切ることだけに集中していた。
私はスマホで監視カメラ映像を録画し、すぐにマネージャーさんに送った。
{character:藤田佳奈}この人が今回のスキャンダルの元凶みたいだね。
{character:店主}こいつ……見たことあるな。
{character:藤田佳奈}店主さん、この人知ってるの? もしかして常連さん?
{character:店主}いやいや、佳奈ちゃんを傷つけるようなやつがうちの常連なわけないだろう!
{character:店主}ただ……君達が来る前に、映像の奴と似たような格好をしたのが店に来たんだ。電話で「これから映画館の近くでだれそれと会う」って自慢げに話してるのを聞いたよ。
{character:店主}何か買う見込みはないなと思ってあんまり気にしてなかったから、そいつが映像のと同一人物かははっきりとしないが……。
{character:藤田佳奈}大丈夫。力になってくれようとしただけで十分ありがたいよ。
{character:店主}いやいや、当然のことをしたまでさ。
「ピロリン♪」着信音と共にスマホが振動し、アイドルとファンのお世辞合戦を遮った。マネージャーさんからのショートメールを開くと、大量のメッセージが目に飛び込んできた。
【マネージャーさん】これ、どこで撮ったの?
【マネージャーさん】この人は最近ネットに現れたパパラッチで、ビッグハンマーというの。この頃、立て続けに何人もの芸能人の情報を暴露してるんだけど、真偽が混在してて見分けづらいのよね。でも、それがかえって多くの人を引きつけてしまってるわ。
【マネージャーさん】彼のCatChatを見たら、とある投稿に、今日は商店街の映画館に行って人と会うってコメントしてたわ。そこに行けば、彼を見つけられるかも。
【マネージャーさん】デマの訂正は早いに越したことがないわ。パパラッチが事務所に協力してくれたら一番いいんだけど。映画館で会いましょう。絶対にあいつを見つけるのよ!
予想外なことに、この映画館はAとB、2つのエリアに分かれている構造をしていた。早くターゲットを見つけるため、映画館に着いた私達はマネージャーさんと手分けして捜すことにした。
{character:player}私達が探してるのって、あいつだよね?
{character:藤田佳奈}シーッ……見ちゃダメ、気づかれちゃう。ひとまず映画を見に来たカップルになり切って、相手の不意を突こうよ♪
{character:player}なんかワクワクしてない……?
{character:藤田佳奈}や、やだな、そんなわけないでしょ。{var:player_nickname}さんの勘違いだよ!
私と佳奈ちゃんは暗がりに入って状況を見守り、相手の正体を確かめ、マネージャーさんに連絡した。
勝利を確信したのか、パパラッチ・ビッグハンマーは隠れようとしないどころか、堂々とホールの中央に座り、軽やかに鼻歌を歌っている。
およそ十分後、マスクをつけた人物がビッグハンマーの向かいに腰かけ、リュックからファイルを取り出して彼に渡した。
二人の身振りは大きく、事はうまく運んでいないようで、二人とも不愉快そうに見える。見た感じ、仲間ではなさそうだ。
{character:藤田佳奈}うーん、やっぱり聞こえないなぁ。もう少し近づいてみる?
{character:player}さっき、気づかれないようにしようって言ったのは誰だっけ?
{character:藤田佳奈}どんな話してるか気にならない? まだ巻き返せるって、直感が言ってるんだ。
佳奈ちゃんの野次馬根性はよく知っている。私はホールをぐるりと見渡し、彼女に隠れたままなら盗み聞きをしてもいいと手振りで伝えた。
しかし近づこうとした時に、佳奈ちゃんがうっかり映画館のポスタースタンドを倒してしまった。口論していたパパラッチ二人はその音に驚き、佳奈ちゃんに気づくと、合図したかのように同時に逃げ出した。
{character:???}チッ!!
{character:ビッグハンマー}ずらかるぞ!
追いかけようにも、倒れたポスタースタンドが私達の行く手を阻む。この状況では、捕まえられるのはせいぜい一人だけだろう。
今回のターゲットはパパラッチのビッグハンマーだ。私は迷わず左に向かい、手を伸ばして彼を引き留めた。
{character:ビッグハンマー}ちょっと、優しくしてくださいよ。皆さん文明社会に生きる人なんですから、乱暴はよくないでしょう。
{character:藤田佳奈}文明社会に生きる人は隠し撮りもしないよね。
{character:ビッグハンマー}それは……ちょっとした誤解です。でも、写真は正真正銘本物ですよ。俺のカメラに誓います。
{character:ビッグハンマー}藤田佳奈さん、早くこのお友達を説得して俺を解放してくれませんかね、じゃないと……
{character:マネージャー}じゃないと、どうなるのかしら?
マネージャーさんが駆けつけ、パパラッチの言葉を継いだ。
{character:マネージャー}佳奈は{var:player_nickname}さんと外で待ってなさい。私はこちらの方とよーく話し合うから。
{character:???}……
さすがは芸能界でスターを生み出す女王と崇められているマネージャーさんだ。圧倒的なオーラで、相手をすっかり黙らせた。どうやら、今回迎えるべき結末は一つしかないようだ。
{character:マネージャー}解決したわ。
{character:player}もうですか?
{character:マネージャー}十分もロスしたんだから「もう」じゃないわよ。彼は今日中に、「自分はアクセス数を稼ぐために、わざと曖昧なアングルの写真をアップした」と認める声明を出すわ。
{character:player}その解決策だと、彼にとっては損しかなさそうです。うーん……どうして同意してくれたんですか?
{character:マネージャー}もちろん、彼が拒めないくらいの額を社長が提示したからよ。
{character:藤田佳奈}フフフ、安心して。マネージャーさんが動いて、上手くいかなかったことなんてないんだから。
少女がクスクスと笑うと、一瞬で場の空気が華やいだ。マネージャーさんが手を伸ばし、佳奈ちゃんの額を軽く小突いた。
{character:マネージャー}もう、しょうがない子ね……
見覚えのある光景に、私は思わず笑ってしまった。以前、佳奈ちゃんがこっそりミルクティーを飲んでいるところを見つけた時も、マネージャーさんは同じことをしていた。どうやら普段から、佳奈ちゃんはよくこういうことをするのだろう。
前回と違うことと言えば、……私もマネージャーさんに怒られたということだ。
{character:マネージャー}あ~な~た~た~ち~! 今後会う時はもう少し大人しくしてちょうだい。誤解されるようなことはしないこと、分かった? またこういうことがあったら、次はお咎め無しとはいかないわよ。
{character:藤田佳奈}はぁーい……
佳奈ちゃんは大人しく頷いたが、マネージャーさんが後ろを向いた瞬間、私に向かってウィンクした。言葉こそ交わさなかったが、私は瞬時に彼女の意図を理解した。
「わかりましたー、二度とやらないとは言ってないけどね♪」
マネージャーさんがあまり怒らないといいけど。何故なら……私と佳奈ちゃんの思いは同じ。何があっても、決して相手のそばを離れられないから。
マスクの人間はどこか具合でも悪いのか、逃げる途中で何度か足を滑らせて転びかけた。そのおかげで私は彼を捕まえる隙を見つけた。
{character:player}あなたは誰ですか? あのパパラッチの仲間?
{character:???}……
マスクの人間は私の質問を聞くなり手を振り回し、頭は低く下げたまま、あちこちにぶつかりながら暴れ走りまわった。マネージャーさんが駆けつけてきて、ようやく彼を取り押さえられた。
{character:マネージャー}あなたね……
{character:藤田佳奈}マネージャーさん、待って。
{character:マネージャー}? 佳奈、何かしら?
{character:藤田佳奈}いや、この人ずっと震えてるから、怖いのかなって……やっぱり私に質問させて。
{character:藤田佳奈}こんにちは。私達にあなたを傷つける意図はないよ。ただ……ええっ、どうしてそんなに泣いてるの!?
佳奈ちゃんが話しかけた途端、隅に追い詰められていたマスクの人間は、人目もはばからず大声で泣き出した。彼は自棄になって地面に座り込み、とめどなく涙を流した。
{character:???}うぅ、佳奈ちゃん……佳奈ちゃん……ごめぇん……うう~~……
{character:藤田佳奈}はいはい、泣かないの。顔が腫れちゃうよ。ほら、涙を拭いて。ただ泣かれても、どうしたらいいかわかんないよ。
少女が辛抱強く優しくなだめているうちに、マスクの人間はようやく泣き止んだ。ゆっくりとマスクを外すと、驚いたことに彼の顔はとても幼かった。まだ中学生くらいではないだろうか。
{character:藤田佳奈}え……?
{character:中学生}今回のことは、なんてことないゲームから始まったんだ。僕は友達と――
中学生の話を聞いて、点と点を繋ぎ合わせ、私はようやく事の全貌を把握した。
中学生と親友は二人とも佳奈ちゃんのファンで、アイドルと会話するという夢を叶えるために、一緒に佳奈ちゃんのなりすましアカウントを作ってチャットを始めた。
最初は遊び半分でチャット履歴を晒しただけで、まさか佳奈ちゃんのアンチ達に見つかって拡散されるなど思いもしなかった。事態は段々と悪化し、なんとパパラッチがそのアカウントを佳奈ちゃんの裏アカウントだと思い込んで、写真を脅迫手段にして巨額の金銭を要求してきた。
中学生は相手にきちんと説明しようと思っていたが、会って早々に本物の佳奈ちゃんに遭遇した。自分がアイドルに多大な迷惑をかけてしまったことにひどく罪悪感を抱き、逃げることしか出来なかったという。
{character:中学生}佳奈ちゃん、ごめんなさい……ぼ、僕……
{character:藤田佳奈}いいよ。
{character:player}え?
{character:藤田佳奈}君は私を傷つけるつもりはなかったんだよね。画像が流出したことを知って、誤解されないようにわざわざCatChatのアカウントを消したでしょ? それに、君が他の人に説明しようとしてたのも知ってるよ。それで、ああ、この人はわざとやったんじゃないんだなって。
{character:藤田佳奈}全部誤解だったんだから、もちろん君を許すよ。何より君は私のファンだもん。アイドルとして大目に見るのは当然だよっ。
{character:中学生}でも……僕のせいでパパラッチも捕まえられなかったのに……あいつ、いい気になって僕に教えたんだ。佳奈ちゃんの写真だって捏造出来るし、僕が言うことを聞かなかったら、きわどい写真をもっとアップして、佳奈ちゃんの嫌なニュースを流し続けるって……
{character:藤田佳奈}そのことなら心配いらないよ。マネージャーさんが対処してくれるもん、ねっ?
少女がいたずらっぽくウィンクすると、マネージャーさんは仕方ないといった風に額に手をやった。
{character:マネージャー}もう、しょうがない子ね。とにかく、君は私と一緒に事務所に来て、声明発表を手伝ってもらうわよ。
{character:中学生}はいっ、頑張ります!
映画館を出ると、いつの間にか夜になっていた。夕焼けで赤く染まった雲が遥か遠くに浮かんでいる。まるでトラブルが解決したことを祝福してくれているようだ。
帰り道、少女は普段の元気な様子から一転し、うつむいて黙っていた。
{character:player}佳奈ちゃん、なんだか元気がなさそうだね。
{character:藤田佳奈}うーん……{var:player_nickname}さん、私ってまだまだだなって考えてたんだ。
{character:player}ん?
{character:藤田佳奈}今回は誤解だったけど、結局のところ、単純な話がいわゆるゴシップになっちゃったのは、誰かが最初に悪意をもって拡散したからだよね。
{character:藤田佳奈}どんなアイドルにも「アンチ」がいて、私達はそれを受け止めて、我慢しないといけないって分かってる。でもやっぱりつらいよ……どうしてこんなにたくさんの人が私を嫌うのかな?
{character:藤田佳奈}私がステージに立ったのは、もっと多くの人に楽しい思いを届けたいと思ったから、ただそれだけだったのに。
佳奈ちゃんは歩みを止め、かすかに眉をひそめて困惑した表情で私を見た。彼女の声は少し震えていた。
「現役女子高生アイドル」という肩書きは、栄光と名誉だけではなく、人には計り知れない憂いも彼女に背負わせた。
{character:player}君がどんなにうまく立ち回ったって、この世界には君に不満を抱く人がいるものだよ。
{character:player}君がどれだけ親切にしても、不親切だと思う人がいる。親切だと思われるようになったら、今度は暗いと思う人が現れる。
{character:player}全力で好かれようと、どれだけ優しく接しようと、君を目に入った砂のように思う人はきっといなくならないだろう。それ以上に、君の輝きに嫉妬して、君を傷つけ、引きずり降ろそうとする人だっているかもしれない。
{character:player}君のことが好きかどうかなんて、実のところ、君とは関係ない。それは誰かの主観的な感情に過ぎないんだ。佳奈ちゃんがやるべきは、自分を磨き続けることだよ。誰もがその美しさを無視出来なくなるぐらいに、光り輝く真珠になれるぐらいにね。
太陽が次第に地平線へと沈んでいき、街灯が灯り始める。しかし、街灯が日差しに敵うことはない。夕日の下で、佳奈ちゃんの瞳はひときわ輝いていた。
{character:藤田佳奈}自分を磨き続けて、光り輝く真珠になる……ファンさんの言いたいことが分かったかも!
{character:藤田佳奈}他の人のことで悩んだりしないで、自分を大切にすべきってことだね。いつかみんなが私の輝きに気付いてくれるはず。
{character:player}そうそう、佳奈ちゃん、その意気だよ。
{character:藤田佳奈}じゃあ……すぐにレッスンスタジオに戻ろ。ライブのダンス練する!
{character:player}え?
{character:藤田佳奈}今回のライブは完璧にやり遂げたいの。ファンのみんなのためだけじゃなくて、ファンさん……あなたのためにもね。私が疲れて動けなくなった時は、いつもファンさんが傍にいて、励ましてくれてる。だから、ファンさんのために頑張っちゃうよ!
夕焼けが、ほころび出したバラの花のように少女の頬を赤く染めた。
ポケットの中にあるライブのチケットに触れる。これは最早、アイドルとファンの間のことだけではない。私と佳奈ちゃんの約束でもあるんだ。
{character:player}うん、佳奈ちゃんなら出来るって信じてる!
虹色ライブ
契約を結ぶことで開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 6, Scenes 308, Choices 2, Endings 0
{character:ミア}{var:player_nickname}さん、こっちこっち~。
藤田佳奈に連れられ、しょっちゅう事務所に出入りしている私は、グループメンバーとも仲良くなっていた。時にはスタッフさんや、「W・I・N」の他のメンバー二人にも助けられている。
例えば今、スタッフさんの後に続いて関係者通路から会場に入り、他のファンより数時間早く「虹色ライブ」の全貌を目撃しているのもそうだ。
一万人以上の観客を収容出来るドームは既に装いを新たにしており、ピンク、赤、ネイビーのメンバーカラーが交じり合って、グループのエネルギーと情熱をこれ以上ないほど表現していた。
私は手を振ってミアちゃんの呼びかけに応え、足元の複雑に配線されたコードを恐る恐る避けながら、VIP席最前列に座る彼女の隣に座った。
{character:player}スタッフさんから聞いたけど、今最後のリハーサルなんだよね。どうして佳奈ちゃんだけステージに立ってるの? 二人は行かなくていいの?
{character:ミア}今やってるのはリーダーのソロ曲だよぉ。リーダー自ら、マネージャーさんにポジションをもう一度確認したいって言い出したの。もう少し早く来てくれれば、私達が一緒に歌ってるところを見れたのにぃ。でもまあ……サプライズはその時のお楽しみってのもいいよねっ。
{character:player}うぅ、そう言われると余計に気になるな。
{character:ミア}えへへぇ。リーダーから聞いたんだけど、キミ、この前美味しいフライドチキンをあげたんでしょ? 私にもくれるなら、先に情報を教えてあげても……キャッ!
ミアちゃんが話し終わる前に、ミアちゃんを挟んで反対側に座っていた茜ちゃんにデコピンをくらった。相手は、ミアちゃんのうるうるとした眼差しを受け流し、ステージへと目を向けた。
{character:茜}静かに、佳奈のリハーサルが始まるよ。
私は姿勢を正し、ステージの上で音楽に合わせ踊る少女を見た。佳奈ちゃんは、まるでうっかり人間界に迷い込んだ妖精のようで、簡単に人の心を掴み、より忠実な信者を見つけ出しては褒美を与えているようだった。
私は藤田佳奈が創り出す世界にどっぷり浸った。耳元で鳴る拍手の音を聞いて初めて、パフォーマンスが終わったことに気づいた。
{character:ミア}うぅ~、最っ高のダンスだった! リーダーにコールしちゃおっと……
佳奈ちゃんは客席の歓声に気づき、私を見て、ごめんねと手振りで伝えてきた。撮れた映像を確認するため、マネージャーさんの所へ行かなければならず、しばらくこちらに来られないということらしい。
{character:player}いいよー、ライブが一番大事なんだし、佳奈ちゃんはそっちに集中してー!
{character:茜}一緒に行こう。
{character:player}え?
{character:茜}ステージパフォーマンスでは、グループで佳奈の右に出る者はいないわ。私もミアもあの子から学べることは多いの。それに……もっと彼女に近づきたいんでしょ?
茜ちゃんは手を顎に添え、その美しい瞳で佳奈ちゃんの方に向いている私の足元をちらりと見て、私の思いを見抜いた。口実をつけてくれただけでなく、隣でニヤニヤと笑うミアちゃんを牽制してくれたのだ。
私は少し気まずくなって軽く咳ばらいをし、二人の冷やかすような視線をやり過ごしていると、後ろから聞きなれた笑い声が聞こえた。
{character:藤田佳奈}マネージャーさん、ここの決めポーズは全体を映してもらった方がいいと思うんだ。
{character:マネージャー}確かに、ライトが点くと考えると、その方がよりスッキリして舞台映えしそうね。ディレクター、メモしておいて。
{character:藤田佳奈}うーん……あとここ、立ち位置がちょっとずれてたかも……気をつけるね。
{character:マネージャー}イヤモニの音量はどう?
{character:藤田佳奈}今はいい感じだけど、お客さんの歓声に負けないように、もう少し大きくしてもらおうかな。
{character:マネージャー}じゃあ、お客さんが会場に入ってから、現場の状況を見てもう一度調整しましょう。茜、ミア、あなた達も確認しておいて。
{character:藤田佳奈}うんうん、あとね、マネージャーさん……
リハーサルの邪魔にならないよう、スタッフの背後に隠れていると、佳奈ちゃんの声が聞こえてきた。会話の内容を完全には理解出来なかったが、ここにいる全員がこのライブを成功させるために頑張っているということはわかった。
佳奈ちゃんは録画映像を1フレームずつ丁寧にチェックし、マネージャーさんやカメラマンさんとよりよいアイデアがないか話し合っていた。今回がライブツアー初日なせいか、少女は人一倍真剣に、細部にまで全力で取り組もうとしていた。
{character:藤田佳奈}じゃあ、それでいこう。あとは大丈夫。
どれくらい経っただろうか、次々と飛び出す専門用語に飽きてきたタイミングで、ようやくこの言葉を聞くことが出来た。
しかし、まだ佳奈ちゃんとゆっくりお喋り出来る時間は訪れない。少女は額に浮かぶ汗をさっと拭い、振り返ってメンバーにステージに上るよう促した。
{character:藤田佳奈}ミアちゃん、茜ちゃん、これから二人のリハーサルだよ。ミアちゃんは動きのタイミングを逃さないよう気をつけて、テンポを間違えないようにね。茜ちゃんは積極的にカメラを見て、特にカメラマンさんがズームにしてくれてる時はね。
{character:藤田佳奈}そうだ、この曲で二人はセリを使うんだったね。振付師さんには最終版のポジション表を送ってあったよね? あと舞台装置も、もう一度チェックしないと……
佳奈ちゃんは、私の前では甘えたり笑ったり、いつも活発で可愛らしい様子を見せていた。これほど真剣な彼女の表情を見るのは初めてだ。隣のマネージャーさんと少し似ている。
ライブがこんなに確認事項の多いものだったとは、想像もしなかった。佳奈ちゃんの指示を聞いてると、私まで緊張してくる。
{character:藤田佳奈}あっそうだ、あとファンのみんなに配るペンラがあったよね。そっちもチェックしとかないと! 私行って……
{character:マネージャー}佳奈、待ちなさい。
マネージャーさんが佳奈ちゃんの腕を軽くたたき、彼女を止めた。
{character:マネージャー}今は、ディレクターやスタッフのことは考えずに休んでおきなさい。
{character:マネージャー}ミアと茜のリハーサルは私が見ておく。舞台装置も専門スタッフ達がチェックしてくれるから。
{character:マネージャー}あなた、力みすぎよ。そういう気持ちのままでいたら、本番に悪い影響が出かねないわ。裏でしっかり休んでこそ、ライブでより素敵な自分を表現出来るのよ。
さすが芸能界のマネージャー達の頂点に立つ人だ。今日、佳奈ちゃんの様子がおかしい原因を一目で見抜いた。
{character:藤田佳奈}でも……
ライブの主役の一人として、佳奈ちゃんはこれから体力をたくさん消耗するだろう。今のうちに休んで、エネルギーをチャージしておく必要がある。そう考えると、マネージャーさんに加勢する以外ないな。
{character:player}佳奈ちゃん、ライブまでまだ時間があるし、まずは少し休んだ方がいいよ。
{character:マネージャー}{var:player_nickname}さん? いつの間に来てたの?
{character:player}えっと、……確か、ちょうどマネージャーさんが事務仕事を片づけている頃くらいに着いたと思います。
{character:マネージャー}それなら悪いけど、佳奈をバックヤードまで連れてって休ませてちょうだい。あなたがいれば、より緊張をほぐせるはずだから。
{character:藤田佳奈}う~、{var:player_nickname}さんを使って私の気持ちを変えさせるなんて、マネージャーさんは本当に「ずるい」なぁ。
慌ただしいステージ周辺は当然として、バックヤードも決して気を抜けるような雰囲気ではなかった。誰もが忙しなく行き交い、時々ステージセットを持ったスタッフが休憩室の前を通り過ぎていく。
このせわしなさが佳奈ちゃんの妨げにならないよう、私は休憩室のドアを閉めた。しかし効果は芳しくなく、少女の緊張は未だに解けていない。
{character:藤田佳奈}ミアちゃんと茜ちゃんのリハーサルはどんな感じかなぁ……ステージのセリだけじゃなくて、今回はワイヤーも使うんだよね。後でチェックしておいた方が……
{character:player}そういうことはマネージャーさんがちゃんとやってくれるよ。今の佳奈ちゃんの役目は、とにかくゆっくり休んで、ステージで一番の輝きを見せること。
{character:藤田佳奈}ステージ……そうだ、オープニングダンスのバランス、もっと練習しなきゃ……
{character:player}……って、ちょっと待った!
リクライニングチェアに座ったばかりの佳奈ちゃんがまた立ち上がろうとしたのを見て、私はなりふり構わず歩み寄り、彼女の手を押さえつけて無理やり座らせた。
{character:player}ライブが気がかりなのは分かるけど、マネージャーさんの言う通り、今は休まないと。
{character:藤田佳奈}でも、まだ出来てないことがたくさんあって……
{character:player}「W・I・N」はデビューしてから今までたくさんのライブをこなしてきたけど、アクシデントなんて一度もなかったじゃないか。佳奈ちゃんはもっとメンバーやチームを信じてもいいんだよ。だって皆の目標は同じ、完璧なステージを創り上げることなんだから。
長時間続いた緊張状態は、佳奈ちゃんの体力をいつも以上に消耗していたようだ。彼女に抵抗する力は残っておらず、黙って大人しく腰を下ろした。
うとうとし始めた佳奈ちゃんは、不意に私の話に対する返答を話し始めた。
{character:藤田佳奈}信じてないんじゃないの、ただ……がっかりさせたくなくて。
{character:player}え?
{character:藤田佳奈}茜ちゃんは才能に溢れたシンガーソングライターで、グループのほとんどの曲を手がけてるの。ミアちゃんは生まれながらにしてアイドルって感じの子で、学校があるからレッスンに参加出来る時間は少ないけど、それで私達に遅れをとったことはないんだ。
{character:藤田佳奈}二人に比べたら私にはこれと言った才能がないの。私がステージでパフォーマンス出来てるのは、ファンのみんなが応援して励ましてくれてるおかげ。
{character:藤田佳奈}誰一人としてがっかりさせたくない。人一倍努力して、お返ししていくしかない。もっと上手くなりたいっていつも思ってる……
佳奈ちゃんはリクライニングチェアの上で体を縮こまらせ、声は次第に小さくなっていった。二十五度に設定された空調は、彼女には少し寒いようだ。
普段元気いっぱいな佳奈ちゃんでも、こんな風に自信を失くすことがあるとは思わなかった。力無く戸惑う彼女は迷子になったひな鳥のようで、思わず慰めてやりたくなった。
{character:player}私は、佳奈ちゃんだってすごいと思うよ。
{character:player}佳奈ちゃん、茜ちゃんとミアちゃんの才能ばかり見て、自分が全員分の振付を考えてることを忘れてるでしょ。君達は全員がグループにとって欠かせない存在なんだよ。
{character:player}「佳奈ちゃんはトップアイドル」っていうこと、私はずっと信じて疑ってない。佳奈ちゃんも少しは自分のことを信じてあげて。
なだめているうちに、佳奈ちゃんは少しずつ落ち着きを取り戻した。顔を上げて私を見つめ、否定されることを恐れているかのような問いを、焦りの滲んだ声で投げかけてきた。
{character:藤田佳奈}もし……うんと、もしも、だよ? いつか私がアイドルを卒業しても、あなたは変わらず私を応援してくれる?
{character:player}もちろん。それ以外の答えなんてないよ。
{character:player}私は佳奈ちゃんが好き。それは佳奈ちゃんがアイドルだからってだけじゃなくて、佳奈ちゃんが佳奈ちゃんだからだよ。
{character:藤田佳奈}……あはっ、安心して。そんなことには多分一生ならないから。
佳奈ちゃんは私の答えにすっかり満足したようで、楽な体勢で疲れた体をリクライニングチェアに投げ出し、強張った心身をゆるめていった。
{character:藤田佳奈}とにかく……{var:player_nickname}さん、ありがとね。モヤモヤを全部吐き出したら、かなり気持ちが楽になったよ。
{character:player}あはは、どういたしまして。私も思ったことを話しただけだから。
{character:藤田佳奈}ふふっ、ファンさんをライブに招待したせいでちょっと緊張してたんだけど、呼んで大正解だったよぉ!
{character:player}え? 私が理由で、佳奈ちゃんが緊張?
{character:藤田佳奈}えへへっ、だってファンさんは私の超超超大事なファンだからねぇ。ファンのみんなをがっかりさせないために、もっと頑張らなきゃ。
{character:藤田佳奈}こんなに分かりやすく言ってるのに、まだ理由が分からないなら、ファンさんは超・鈍・感、だよぉ。
少女が突然近づいてきた。口元は笑みの形を作り、鼻先は私の顔に触れそうだ。キラキラと輝く目は何か面白いものを見つけたように私を見つめている。
見つめられた私は少し気恥ずかしくなって佳奈ちゃんから目をそらし、意識を別の事へ向けようとした。
{character:藤田佳奈}ねぇ、それで、あのー、{var:player_nickname}さんはいつまで私の手を握るつもり?
軽快な声が耳元に響き、私はようやく自分がずっと佳奈ちゃんの手を掴んだままだったことに気づいた。少女の白く柔らかい皮膚は、私がきつく握っていたせいでほんのりピンクに色づいていた。
{character:player}うわっ……ご、ごめん!
{character:藤田佳奈}……ぷっ。
鈴のような笑い声が休憩室に響き渡った。美しい三日月のように細められた目は先ほどまでの雲った表情とは打って変わり、彼女をひときわ輝かせた。
ちょっとした波乱はあったものの、結果的には、マネージャーさんの「リラックスさせて」という要求には応えられたはず!
{character:player}マネージャーさん、佳奈ちゃんにスタッフさんと一緒に舞台装置のチェックをさせてあげてください。
佳奈ちゃんが長いこと動かずその場に留まっているのを見て、私は彼女の気持ちを察し、思わずマネージャーさんを説得した。
{character:マネージャー}{var:player_nickname}さん? いつの間に来てたの?
{character:player}えっと、……確か、ちょうどマネージャーさんが事務仕事を片づけている頃くらいに着いたと思います。
{character:マネージャー}佳奈の古参ファンであるあなたなら、ライブはとんでもなくアイドルの体力を消耗させるものだって知ってるでしょう? 今の佳奈には休息が必要だわ。
{character:player}ツアー初日なんだし、緊張するのは自然なことです。無理やり彼女を休ませるより、チェックさせた方がいいと思います。全て上手くいっていることを自分で確認出来れば、緊張も和らぐはずです。
{character:ミア}この世でいちばん綺麗なマネージャーさぁん、リーダーのお願いを聞いてあげてよぉ。じゃないと休憩室に戻っても、リーダーの魂がステージまで飛んで来ちゃう。
{character:茜}賛成。
{character:藤田佳奈}うんうん、そうだそうだー!
私が言うやいなや、ミアちゃんと茜ちゃんが味方をしてくれた。自分に味方がいると知った佳奈ちゃんは、信頼を得ようとコクコクと頷いた。
{character:マネージャー}分かった、見事に説得されたわね。なら、{var:player_nickname}さんは佳奈のチェックに付き添ってちょうだい。
{character:マネージャー}途中で佳奈の疲労とかの異常に気づいたら、すぐに休憩室まで「護送」すること。
{character:player}はい!
{character:藤田佳奈}……セリもワイヤーブランコもチェック完了~。ペンラの無線制御装置も問題なし。後はこのペンラを座席に置いていくだけだね。
{character:藤田佳奈}アシスタントさんが言った通りに、座席番号のエリアごとに作業するよ。私達二人はステージに一番近いA3エリア担当だよ。
{character:player}あはは、いい分担だね。ここならミアちゃんと茜ちゃんのリハーサルも見られて、一石二鳥だ。
マネージャーさんに頼まれて、私は佳奈ちゃんに同行した。チェック作業を通して、ライブでは「ハイテクノロジー」と呼べるものを含むたくさんの設備が使われていることを知った。私が想像していた取るに足らないチェック作業など一つもなく、目がくらむようだった。
効率を上げるため、私と佳奈ちゃんは手分けしてA3エリアの両端からペンライトを置いていった。このエリアはそれほど広くなかったので、私達はすぐに中間地点で合流した。
{character:藤田佳奈}{var:player_nickname}さん、ありがとう。
{character:player}ん? どうして突然お礼?
佳奈ちゃんはわずかにうつむき、白くほっそりしたうなじを露わにした。彼女の頬は咲きかけのバラのようにピンクに染まり、会場の暖色のライトの下ではいっそう繊細さを増したように見える。
{character:藤田佳奈}ファンさんがマネージャーさんを説得してくれたおかげで、自分で設備類までチェック出来たよ。あの時バックヤードに戻ってたら、下手したらもっと緊張しちゃってたかも。
{character:player}なんだ、そんなこと?
{character:藤田佳奈}なぁに、その言い方。 どう考えても超重要じゃん! だって私は「W・I・N」のリーダーなんだよ。ミアちゃんは学校があるからまだ十分に時間がとれないし、茜ちゃんの本分は曲関係だから、こういう細かいことは私がやるべきだと思うんだ。
{character:藤田佳奈}私だってマネージャーさんがアシスタントさんを手配して確認してくれてるって分かってるし、私に言った休めって指示も大事だって分かってる。でも……この目で見ておかないと安心出来ないの。
{character:藤田佳奈}チームの中じゃマネージャーさんは絶対権力者だから、あの時は諦めかけた。でもまさか、ファンさんが私の代わりに反論してくれるなんて思わなかったよ。これって、私達の心がさらに通じたってこと?
佳奈ちゃんの指が、そっと私の顔に触れた。私が身じろぎすると、彼女の目には笑みが滲んだ。
{character:player}えっと、私は別にそこまで考えてた訳じゃなくて。
{character:player}私は「トップアイドル」を信じただけ。佳奈ちゃんはファンががっかりするような選択をしないって、信じてたから。
{character:藤田佳奈}じゃあ、ファンさんの期待に応えるため、この最後のペンライトはファンさんにあげる。
{character:player}え?
{character:藤田佳奈}……何をそんなに驚いてるの? 自分の座席番号、確認してなかったなんて言わないでよね。私がファンさんにあげたのは、このエリアのチケットなんだよ♪
{character:藤田佳奈}ここは視界を遮るものがなくて、パフォーマンスを見るには会場内で一番いいエリアなんだぁ。それに……ステージにいる私がすぐにファンさんを見つけられる場所っていうのも、大きなポイントだよ。
{character:藤田佳奈}えへへ、楽しみにしててね。今日のパフォーマンスは一生忘れられないものにしてみせるから! 私の……一番のファンさん!
ライブは全て上手くいくはずだとわかると、佳奈ちゃんはみるみるうちに緊張を解き、再びいつもの元気いっぱいな様子に戻った。いたずらっぽく私をからかえるほどに。
しかしどんなにお茶目な振る舞いをしても、少女がステージに向ける眼差しは常に揺るぎなく真摯なものだった。きっと、佳奈ちゃんのステージは誰かをがっかりさせるようなものにはならないだろう。
もうすぐライブが始まる時間だ。ファンはすでに列に並んで入場し始めている。佳奈ちゃんとメンバーは、最終準備を進めていた。着替えをするタイミングで、「サプライズは取っておく」と言い、私をメイクルームから追い出した。
私は唖然として、それから思わず笑い出し、彼女の指示に従って客席に戻った。ここには既にたくさんのファンが座っていて、VIP席は快適さを確保するため席同士の間隔が比較的開いていたが、みんなに注目されることは無かった。
新たにやってきた私を見て、既に入場していたファン達は気さくに会話の輪に迎え入れてくれた。
{character:ファンA}ねぇ、君さ、なんか見覚えがあるような……どこかで会ったっけ?
{character:ファンB}確かにどこかで……あっ、思い出した! あなた、見る角度によっては前に佳奈ちゃんのスキャンダルで出た「新しい恋人」にちょっと似てる。
{character:player}ゲホゲホッ、きっと見間違いですよ。ほら、私ってどこにでもいるようなモブ顔ですし。
ファン達の刺すような眼差しから更なる圧を感じ、落ち着き払ってバレてないことを祈った。幸い、本気で私をスキャンダルの人物だと思う人はおらず、みんな軽く笑って話題を変えた。
{character:ファンB}はは、それにしても……私、あの「新しい恋人」がちょっと羨ましいよ~。佳奈ちゃんに触れられるなんて。
{character:ファンA}それで言うなら、俺はCatChatの「謎の人物」の方が羨ましいなぁ。
{character:player}「謎の人物」?
{character:ファンA}知らないのか? 佳奈ちゃんがCatChatに投稿すると、ある謎のアカウントが毎回コメントしてはリプをもらってるんだ。みんな、そのアカウントを「謎の人物」って呼んでる。
{character:ファンB}前に、「謎の人物」が佳奈ちゃん宛てにコメントを付けて、私が一番最初にそれにリプしたんだけど、そのリプが佳奈ちゃんから「いいね」された……ってことがあったんだ!
{character:ファンC}私もあった。くそー、本当に羨ましいんだけど!
{character:ファンA}君はどう思う?
いくつもの目に一斉に見つめられ、ホッとしたばかりの心に再び緊張が走った。私が「謎の人物」本人だと見破られないためには、ファン達の話に合わせるしかない。
{character:player}わ、私も「謎の人物」に嫉妬してるよ。相手に転生して、佳奈ちゃんに見つけてほしいくらいだよ全く。
{character:ファンB}ほんっとそれな~!
私の言葉に胸を打たれたのか、前に並んでいるファンが涙目で私の手を握りしめ、一本の傘を手渡してきた。
{character:player}あの、これは……
{character:ファンB}うわわわわっ、取り扱いには気をつけて! この傘には佳奈ちゃんの直筆サインが入ってるんだから! あなた、筋金入り佳奈ちゃんオタみたいだから、すっごい惜しいけどこれあげる。
{character:player}こんなプレゼント……貴重すぎますって!
{character:ファンB}ふふん、このサイン入り傘にはこんなエピソードもあるんだ……。ファーストアルバムをリリースした時、街で起きた大停電に話題ををさらわれちゃったの。
{character:ファンB}それ以来、グループには変なジンクスがついたみたいで、アルバムをリリースすると何かしらのアクシデントに遭うんだ。それで、佳奈ちゃんには「万年トレンド二位」の称号がついちゃったってわけ。
{character:player}あはは、なるほど! 一番薄そうに思える設定が思いがけず定着しちゃって、佳奈ちゃんきっとすごくモヤモヤしてるだろうな。
{character:ファンB}この傘は、雨の日のサイン会に行った時、佳奈ちゃんのファンからもらったの。くれた人の話だと、この傘がファン達を雨や風から守ってくれたら、そしてみんながお互いに助け合ってくれたら……って佳奈ちゃんが渡してくれたんだって。
{character:ファンB}私達にはそういう縁がありそうだし、あなたに渡すわ。あなたも縁を感じる人に出会ったら、これを渡してね。
佳奈ちゃんのリードのもとで、ファン達は優しさや素直さ、元気や情熱など美しい想いを積極的に広めている。これこそが、アイドルの存在意義なのかもしれない。
私はうやうやしく傘を受け取り、この素晴らしいバトンを繋ぐ一員となった。
楽しいお喋りをしているうちに待ち時間はあっという間に過ぎ、ステージ上部の巨大なスクリーンにメンバー三人のインタビュー動画が映し出され、虹色ライブが間もなく始まることを知らせた。
{character:藤田佳奈}アイドルになったきっかけかぁ……ただ道端でスカウトされただけなんだけど……あはは、でもステージに立って、私はここが好きなんだって気づいたの。
{character:ミア}もっちろん、ステージのセンターから、私のことを好きでいてくれる人に愛と喜びを届けに行っちゃうよ~っ。
{character:茜}たくさんのメロディーを創って、それを人に聞いてもらって……好きになってもらいたいから。
{character:藤田佳奈}私は最初のメンバーで、実は不安でいっぱいだったんだけど、素敵なメンバーに出会えて良かったって思う。
{character:ミア}佳奈ちゃんと茜ちゃんに出会えたのは、ホントにちょ~ラッキー!
{character:茜}「W・I・N」は……私とみんなが出会った始まりの場所。
{character:藤田佳奈}今日まで私について来てくれた全ての人に感謝してる! あなた達がいたから、私はもっと素敵な「佳奈ちゃん」になれたんだよ!
{character:ミア}ファンのみんなのおかげで、自分が頑張ってるところを誰かが見ててくれてるって気づけたんだよ。
{character:茜}歌声でお返しするのが、私に出来る唯一のこと……
ジャジャーン……ジャーン……ジャジャーン……
インタビュー映像が終わり、ギターの音がライブの本格的な始まりを告げ、熱いビートを刻む音楽が会場内に響き渡った。一気に全てのライトがステージに集まり、ガールズグループ「W・I・N」のメンバー三人が、待ち望んだファンに見守られながらステージに現れた。
{character:ファン}「W・I・N」! 「W・I・N」! 「W・I・N」!
{character:藤田佳奈}♪聞いて 星々が綿雲を踏んで 静かに近づいてくる音を……
少女の軽やかでよく通る声がマイクを通じて会場の隅々まで伝わり、いとも容易く一人ひとりの心に響いた。
ライトとホログラムの合わせ技で、ステージ上に星と海のタペストリーが広がった。メンバー三人は人間界に舞い降りた妖精のように、幾多の星の上でひらりとステップを踏んだ。
チーム全員が途方もない技術とアイデアを駆使して練り上げたライブだということが伝わってくる。舞台美術もメンバーのスタイリングも文句のつけようがなく、ファンの期待を大きく上回っていた。
{character:藤田佳奈}♪星々のきらめきは 誰の目に……
{character:ファンA}うおおおおおお! 佳奈ちゃんが俺にウィンクしたぞ! し、死ぬ……!
{character:ファンB}佳奈ちゃん、ずっと愛してるよー!
{character:ミア}♪孤独な星と星、巡り会えたことは一つの奇跡……
{character:ファン}わーっ!
{character:茜}♪小さな星の輝きが 互いの心の奥を照らし……
{character:ファン}わーっ!
{character:3人}♪全てが愛の証明だと 信じて……
{character:ファン}わーっ!
全員歌唱の一曲目が会場中の空気を揺るがし、狂喜するファンの歓声がドームいっぱいに轟いた。これほど熱狂的な空気の中では、理性を完璧に保てる人などいない。誰もがペンライトを振り、愛するアイドルへ向けて声を張り上げ、心からの声援を送っていた。
ステージ上の佳奈ちゃんはこれ以上ないほど輝いていて、周囲のファンは大いに興奮していたのだが、突然、名状しがたい苦しさと鬱屈とした気持ちがちくりと私の胸を刺した。
私と佳奈ちゃんの……客席からステージまでの距離が、果てしなく遠く感じられる。私はようやく自分と人気アイドルの差がこんなにも大きいことに気付いた。私といる佳奈ちゃんはいつもごく普通の高校生のように振る舞っていたから、このことを直視しないでいられたのだ。
佳奈ちゃんのホームグラウンドでは、私は大勢いるファンのうちの一人に過ぎないのだ。
{character:player}佳奈ちゃんはずっと、私だけのアイドルじゃなかったんだ……
{character:MC}みんな、大きな声で教えてくれ。佳奈ちゃんとミアちゃん、そして茜ちゃんの美しい歌声の虜になってるのは僕だけじゃないってことをさ!
{character:ファン}俺もー!
{character:MC}メンバーの時より返事が雑じゃない? でもま、そりゃそうだよね。だって僕が出て来たってことは、ライブが半分を過ぎたってことだからさ。
{character:MC}でもしょうがない、それでもステージに立つよ。だってギャラはもうもらっちゃったし、返したくないからね。それじゃ、お喋りはこれくらいにして、最高に熱い声援で「W・I・N」の三人を迎えよう!
{character:藤田佳奈}やっほー! みんなー! トップアイドルの佳奈ちゃんだよ、今日もよろしくー!
{character:ミア}ミアだよ~! ドッカ~ン! スイートなハートが爆発しちゃう! 私達と一緒に甘い夏を過ごそうね☆
{character:茜}茜よ。歌とみんな、私にとってはどちらもすごく大切だからね。
{character:MC}ワオ、みんなタイミングよくペンライトの色を替えて、すっごく熱意が感じられるよ。ここからはゲームコーナーだ。優勝したメンバーには「特別なご褒美」が待ってるぞ~!
{character:MC}じゃあ、観察力と想像力を試すアレ……「この絵なんの絵」ゲームからスタートだ!
{character:ファンA}佳奈ちゃん頑張れー!
{character:ファンB}佳奈ちゃん頑張れ、永久に推せるー!
「特別なご褒美」の効果だろうか、佳奈ちゃんはこのゲームにかなり真剣に取り組んでいて、MCにからかわれても手を抜こうとしなかった。
最年少のミアちゃんが最初に脱落し、佳奈ちゃんと茜ちゃんが競り合っている。両者の差はわずか一点、最終問題で優勝者が決まろうとしていた。
{character:player}うーん……これって……?
スクリーンに問題が映し出された。見てるだけでめまいがしそうな抽象的な画風だ。乱れた線で埋め尽くされていて、スクリーンに表示された「映画館」という答えを見てもなかなかピンとこなかった。
答えを見たファンが大声で叫ぶも、ノイズキャンセリングのヘッドホンをつけた佳奈ちゃんと茜ちゃんには聞こえない。
{character:MC}先に言っておくけど、今回の問題は全て世界中にある「W・I・N」のファンクラブから提供されたものなんだ。うーん……この大作を描いたファン、今日来てるのかな?
{character:MC}佳奈ちゃんと茜ちゃんに少し時間をあげよう。栄冠を手にするのはどっちだー!
抽象的な絵に二人とも困っていて、佳奈ちゃんは眉をしかめて考え込んでいた。突然、彼女はキッと顔を上げ、遠く離れた私に助けを求める視線を送ってきた。
「あなた達、今後会う時はもう少し大人しくしてちょうだい。誤解されるようなことはしないこと、分かった?」私と佳奈ちゃんを叱るマネージャーさんの言葉、今でも鮮明に思い出せる。
佳奈ちゃんに迷惑をかけないように、少し迷ってから、余計なことをせずに大人しくしておくことにした。
{character:茜}……あ、映画館?
{character:MC}茜ちゃん、おめでとう。正解!
佳奈ちゃんがあれこれと悩んでいるうちに、茜ちゃんが正解してゲームの勝者となった。佳奈ちゃんは残念そうに手を広げ、もう一度私の方を見た。
まるで……私達の距離が更に開いたかのように。
{character:MC}茜ちゃん、勝者として、次の曲を発表してくれるかな?
{character:茜}みんな、応援ありがとう。次の曲は、私達にとってとても大切な曲よ。
{character:茜}この曲は、ヒットチャート女性グループ部門で奇跡の再生数を叩き出した曲で、たくさんのみんなが私達を応援してくれるようになったきっかけの曲でもあるわ。
{character:茜}みんなが励ましてくれて、認めてくれたおかげで今日まで来れた。私も佳奈とミアも、この曲でみんなの応援に対する感謝の気持ちを伝えたいと思ってる。私達のデビュー曲、そしてこのライブのテーマ曲……「虹の光」。
{character:MC}茜ちゃんありがとう! さあみんなで楽しもう、「W・I・N」で「虹の光」!
{character:藤田佳奈}♪あの日、太陽の下で初めて出会ったこと 思い出の中の虹となって……
{character:茜}♪ハレーションの中のあなたの影 少しずつ滲みだす……
{character:ミア}♪大きな声で「ハロー」って言ったら あなたは微笑んで こう言ってくれるかな……
{character:藤田佳奈}♪あなたに会えて本当によかったって……
ステージライトが触れることの出来ない空の虹のように七色に変化した。佳奈ちゃんとミアちゃんは二手に分かれてステージ両端の昇降台に立ち、音楽に合わせて踊っている。
{character:player}あれ? 茜ちゃんは……?
{character:ファンA}熱気球だ! 前やってた「ファンのみんなで決める登場方法」、まさか本当に採用するなんて!!!
{character:player}え?
次々と感激の声が上がっている方を見ると、茜ちゃんがネイビーの気球に乗って会場を回っていた。虹色のライトも手伝って、歌詞にもある「胸の高鳴り」が改めて心を震わせた。
{character:player}これが勝者への「特別なご褒美」だったのか。佳奈ちゃんが好きそうなサプライズだな……ん? 何か震えてる?
{character:player}電話? えっ……佳奈ちゃん!?
驚いた私が顔を上げてステージを見ると、佳奈ちゃんは既に「セリ」という昇降台を降りていて、踊りながらスマホを耳にあてていた。絶えず「藤田佳奈」の名が点滅する手元の着信画面を見て、彼女が持っているスマホはレプリカではないとわかった。
{character:茜}♪誰も知らない遠い未来に 虹があるって私は知ってる
{character:ミア}♪虹が夢を照らし 少しずつその姿を映し出す
{character:藤田佳奈}♪私がそっとあなたに電話したら あなたは通話越しに こう言ってくれるかな……
{character:ミア&茜}♪一緒に未来を創ろうって!
{character:player}もう……佳奈ちゃんてば大胆過ぎるよ……
私は首を振ってスマホをしまった。彼女の悪ノリに乗る気は無かった。しかしスマホのバイブレーションは一向に止まない。佳奈ちゃんはこれに飽き足らず、大胆にもステージの端までやって来て、VIP席にいる私の目を見た。
彼女の眼差しは熱っぽく強い意思がこもっており、少しも逃げる余地を与えてくれなかった。無数の人が彼女を取り囲んでいたが、佳奈ちゃんの目に映るのは私の姿だけだった。
特別な言葉はいらない。私の複雑に絡まった心はすぐに解けていった。佳奈ちゃんが九十九歩ぶんも歩み寄ってくれたんだから、最後の一歩は私が踏み出さないと。
私は佳奈ちゃんからの着信に応じ、スマホをそっと耳にあてた。スピーカーから伝わる声が会場の音楽と混じる。少女の深い愛情の込もった歌声が聞こえる……
{character:藤田佳奈}♪あと少し近づけば あなたを捕まえられる 足りないのは進む勇気だけ
{character:藤田佳奈}♪あと少しだけ頑張れば あなたの手をとれる 必要なのはあなたの答えだけ
{character:藤田佳奈}♪定められた方へ ひたむきに走っていけば 未来は暖かな色に満ちるって知ってるよ……
その歌声はカナリアのさえずりのように高く響き渡り、人の心を震わせ、ノックアウトさせるほどの魅力を放った。
楽しかった思い出が歌声に導かれ、次々と美しい絵画となって脳内を駆け巡った。甘える佳奈ちゃん、はしゃぐ佳奈ちゃん、真剣な佳奈ちゃん、優しい佳奈ちゃん……
{character:茜}♪全ての虹の光が……
{character:ミア}♪全ての思いが……
{character:藤田佳奈}♪私達が初めて抱いた 胸の高鳴りを照らしてる……
{character:茜}♪全ての虹の光が……
{character:ミア}♪全ての思いが……
{character:茜}♪集まって私達の未来となる……
{character:3人}♪一緒に未来を創ろう!
脳内の佳奈ちゃんとステージで誰よりも輝く少女の姿がゆっくりと重なる。私は軽く息をついて、佳奈ちゃんの気持ちを疑っていた自分を笑い飛ばした。
一万人以上ものファンがいるライブでも、佳奈ちゃんは変わらずに私の感情を敏感に読み取った。彼女はいつだって私を第一に考えてくれる。その真心に私は心を動かされた。
曲が終わりに近づき、いつまで経っても私が返事をしないので佳奈ちゃんは少し焦っているようだ。私は自分の気持ちを整理すると、さっぱりとした声で返事をした。
{character:player}うん、佳奈ちゃん、一緒に未来を創ろう。
その瞬間、彼女の瞳は虹よりもまばゆく輝いた。
欲深いファン達が「アンコール」と叫び、三人が順番にステージへと戻ってきた。追加で数曲歌ってみんなをなだめ、「虹色ライブ」はファンの歓声の中で幕を閉じた。
「W・I・N」はすでにバックヤードに戻っている。明かりが消えて、ステージは元の暗闇へと戻ったが、私の心は昼間のように明るかった。何故なら、私はこの世界で最も輝く虹の光を手にしているとわかったから。
この前マネージャーさんに「公衆の面前では大人しくすること」と叱られたが、「佳奈ちゃんのお願いは断らない」は私の本能に刷り込まれていた。
私は少し考えて、やんわりと倒れるジェスチャーをした。「スキャンダル事件」で一緒にパパラッチを追っている時、映画館で佳奈ちゃんがうっかりポスタースタンドを倒してしまったことは、私達だけしか知らない秘密だ。
佳奈ちゃんも印象に残っていたらしく、サインを受け取った彼女はハッとした表情を見せた。
{character:藤田佳奈}うーん……答えは……映画のポスター? スタンド? 映画館!?
{character:MC}はは、「数打ちゃ当たる」戦法だな、本気で勝ちたいことがよく伝わるよ。おめでとう、正解!
{character:MC}佳奈ちゃん、勝者として、君に次の曲名を発表してもらおう。
隣にいる茜ちゃんが佳奈ちゃんの頭をポンポンと撫で、前へと促した。マイクを受け取った佳奈ちゃんは、私のいる方へいたずらっぽくウィンクを投げた。
{character:藤田佳奈}みんな、ありがとー! 次の曲は、私達「W・I・N」が正式にアイドルの道を歩み出す出発点になった曲です。
{character:藤田佳奈}私はずっと、ステージでスポットライトを浴びればアイドルになれるって思ってた。けど、ある時それは違うって気づいたの。
{character:藤田佳奈}アイドルって、きっと人のある一面とか、品格とか……そういう要素によって、尊敬されたり、崇拝されたりするものなんだと思う……。でもね、それはステージの上に限ったことじゃないの。つまり、誰もが、誰かのアイドルになれるかもしれないって思うんだ。
{character:藤田佳奈}私にとっては、私を応援してくれるファンのみんなや、私をもう一度ステージに立たせてくれたマネージャーさんが私のアイドルだよ。何でも一緒になって考えてくれる、ミアちゃんと茜ちゃんもね。
{character:藤田佳奈}そして、私の一番大切な「アイドル」……私が困難にぶち当たる時、いつも側にあなたがいてくれる。そして、揺るぎない信念で私を肯定してくれる。あなたの存在こそが私のモチベーションなの。私も、ずーっと「あなた」を応援するよ!
{character:藤田佳奈}これから歌う曲は、「アイドル」のみんなに贈ります。あなたや私、みんなが光輝く「虹の光」になれたらいいな!
{character:MC}佳奈ちゃんありがとう! さあみんなで楽しもう、このライブのテーマ曲、「W・I・N」で「虹の光」!
{character:藤田佳奈}♪あの日、太陽の下で初めて出会ったこと 思い出の中の虹となって……
歌声は闇夜を切り裂く妖精のように、ステージを彩る七色の光を導き、幸運とおとぎ話のシンボルである「虹」を集めていく。ミアちゃんと茜ちゃんは二手に分かれてステージ両端の「セリ」と呼ばれる昇降台に立った。虹はまるで手で触れられる本物へと変わったようだった。
{character:ファンA}あれ、佳奈ちゃんは? ……あっ、気球に乗ってる!
ピンクの気球に乗って会場をぐるりと回っている少女を見て、会場中のファン達が叫び声をあげた。これはライブが始まる前にファン達の投票によって選ばれた登場方法だったが、まさか本当に採用されるとは。
{character:player}これが勝者への「特別なご褒美」だったんだな。道理で必死に勝とうとするわけだ。
{character:茜}♪ハレーションの中のあなたの影 少しずつ滲みだす……
{character:ミア}♪大きな声で「ハロー」って言ったら あなたは微笑んで こう言ってくれるかな……
{character:藤田佳奈}♪あなたに会えて本当によかったって……
幸福と希望のシンボルである気球に座った少女は、少しずつ、少しずつ私のいる方へと近づいてくる。彼女の眼差しは熱っぽく強い意思がこもっており、少しも逃げる余地を与えてくれなかった。
{character:藤田佳奈}♪あと少し近づけば あなたを捕まえられる 足りないのは進む勇気だけ
{character:藤田佳奈}♪あと少しだけ頑張れば あなたの手をとれる 必要なのはあなたの答えだけ
{character:藤田佳奈}♪定められた方へ ひたむきに走っていけば 未来は暖かな色に満ちるって知ってるよ……
佳奈ちゃんの歌声に合わせて、私と彼女の距離が少しずつ縮まっていく。まるでさっきまで感じていたアイドルとファンの距離など、初めからなかったかのように。特別な言葉はいらない。私の複雑に絡まった心は次第に解れていった。
佳奈ちゃんが女子高生なのか人気アイドルなのかという問題は、最早問題ではなかった。私はステージ上で輝きを放つ彼女も、ステージを下りた元気いっぱいな彼女も愛しているのだ。
私達は、いつか何らかの外的要因で離れることになるかもしれない。しかし、物理的に離れても、心は離れることはない。この曲の歌詞のように……
{character:茜}♪全ての虹の光が……
{character:ミア}♪全ての思いが……
{character:藤田佳奈}♪私達が初めて抱いた 胸の高鳴りを照らしてる……
{character:茜}♪全ての虹の光が……
{character:ミア}♪全ての思いが……
{character:茜}♪集まって私達の未来となる……
間奏に入り、気球はファン達に見守られながらバックヤードへと下りていった。十数秒後、佳奈ちゃんはまるで魔法のように私の後ろに現れた。
彼女はステージの下の関係者用通路を走ってきたのだろう、まだ呼吸が荒い。私は緊張して周囲を見回したが、みんなの視線はステージに注がれている。佳奈ちゃんはすっぽりと暗幕に覆われていて、しばらくは誰かに気づかれる心配もなさそうだ。
{character:player}か、佳奈ちゃん!? どうしてここに!?
{character:藤田佳奈}シーッ……間奏中ではあるけど、この機会にもう一つ、超大事なことをあなたに確かめたいんだ。
{character:藤田佳奈}知りたくて……「虹の光」の歌詞の、その……私にとって一番大切なあの「アイドル」に伝えたかったメッセージ、ちゃんと伝わった?
ここはライブ会場、周囲にはペンライトを振って揺れるファン、ステージには佳奈ちゃんと親しいメンバーがいる。しかし、今この時、少女の目に映るのは私だけだ。
彼女が気球に乗って私のところへ来た時、私こそ佳奈ちゃんの言う一番大切な「アイドル」なのだとわかった。少し考えて、私は「虹の光」の歌詞を使って質問に答えることにした。
{character:藤田佳奈}うん、あなたに会えて本当によかった。
私の答えに満足したのか、少女の目には燃えるような虹の光が現れた。
スポットライトがタイミングよくこちらを照らし、佳奈ちゃんが隠れていた場所から悠々と飛び出すと、VIP席からは感動の歓声があがった。彼女は両手でハートを作ると、感情たっぷりに歌った……
{character:藤田佳奈}♪全ての虹の光が……全ての思いが……私達が初めて抱いた胸の高鳴りを照らしてる……
{character:藤田佳奈}♪全ての虹の光が……全ての思いが……集まって私達の未来となる……
少女はぴょんと飛んでステージに戻り、私達の距離は再び遠ざかった。しかし、今回はもう思い悩んだりしない。何故なら、私達はお互いにとってかけがえのない虹の光だってわかったから。