相原舞
千月神社の巫女。神社の仕事で他人と接することは多いが、意外にもあがり症で、よく「声が小さくて聞き取れない」と言われる。プライベートでは穏やかな文学少女の彼女だが、読んでいる本については一言も喋らない。たまたま見た人の証言によると、それは「花園ファイル」と書いてあった本だったらしい。「え...?麻雀ですか...?近所のお爺さんたちに付き合っているだけで、そこまで上手では...」
Profile
Skins
相原舞の初期衣装
相原舞と契約を結んだ時に入手できる着せ替え衣装
「雀魂夏祭り・ビーチパーティ」にて購入できる限定の着せ替え衣装
「年獣襲来 -春節特別作戦-」にて購入できる 春節テーマの限定着せ替え衣装
「月光の秘宝」にて購入できるハロウィンテーマの着せ替え衣装
「姫川響配信中」にて購入できる、温泉テーマの着せ替え衣装
「サンリオキャラクターズ × 雀魂 コラボイベント」にて購入できる、私服テーマの着せ替え衣装
「雪玉ファイター!」にて購入できる、新年テーマの着せ替え衣装。
「謎ガチャ Ver.ファンタジー」にて購入できる、パジャマテーマの着せ替え衣装。
Emotes
Bond Requirements
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プレゼント・普通
どうもありがとうございます!
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プレゼント・好み
旦那様が舞のために選んでくださったプレゼント、とっても気に入りました。
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絆レベルアップ5
旦那様、旦那様をその...下のお名前で呼んでも...かまわないでしょうか?...い、いえ、たまにっ...たまにで構いませんので...
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絆レベルアップ1
あぁーー!いけません!この本はお見せできま……いえ、これは別に怪しいものではなく、た、ただの園芸本です。旦那様には面白くないかと思いま……だ、ダメダメダメ、絶対ダメです!……うぅ、どうしても、というのでしたら…絶対に舞のことを嫌いにならないと、約束してください……
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絆レベルアップ2
旦那様は他の人と違う感じがします...旦那様と顔をあわせるたびに...なんだか胸がドキドキいたします
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絆レベルアップ3
旦那様、舞は今日も、旦那様のために祈りを捧げましたよ?
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絆レベルアップ4
巫女が身につけているものを持っていると、ドラを引きやすくなると聞きました...なので、旦那様、舞の......受け取ってください...。
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隐藏语音 - 新年
旦那様、明けましておめでとうございます。神社の仕事は片付きましたし、このあと、もし、旦那様がよろしければ、ずっと……舞の傍にいてくれませんか!?す、すみません!旦那様を驚かせてしまって……ですが、勇気を振り絞って、お伝えします……。舞は旦那様の新年の願い事を聞いて、一緒に初日の出を迎えたいのです。旦那様の願いが叶うよう祈ることが、巫女の……舞の生きる意味です。
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隐藏语音 - 情人节
西洋の祝祭日については、舞もわからないことが多いですが、丹精を込めた手料理を想い人に捧げると…え?手料理では、ないと…?そ、そ、そうなのですね、お見苦しいところをお見せしてしまいすみませんでした。この料理のことは忘れてください…旦那様?…旦那様は、心が込もっていればどんなプレゼントでもいいとおっしゃるのですね。でしたら…でしたら、舞の全身全霊を、旦那様に捧げます!…どうぞ、舞をお受け取りください!
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メイン1
も、申し訳ありません!わざと旦那様の牌を狙ったわけではないのです...
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メイン2
魔法マージャン?霊力マージャンしか聞いたことありませんが...もし霊力を補充したいお客様がいらっしゃるのなら、この舞が...
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メイン3
あっ、それは!それは触っちゃだめです!......
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メイン4
うんー、また旦那様の一発を奪ってしまいました
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メイン5
霊力は一定ではありません、霊力の強さによって運も上下しますので...お疲れの時には麻雀を休まれたほうがいいと思いますよ?
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メイン6
えっと...旦那様、あまり...見ないでください...恥ずかしいです...
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メイン7
あの...今日の旦那様、なんだか元気がないみたいです。体調がお悪いのですか?それともご機嫌、斜めなのですか?もし、ストレスを発散したいのでしたら、舞がいつでもお相手いたしますよ。
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メイン8
本日のお祈りは...舞が旦那様の手をひいて行いますね...うん......ん?あ...あれ?うう...申し訳ありません...祝詞をド忘れしてしまいました...!
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ログイン・普通
旦那様、今日も...今日も舞がお祓いしてあげましょうか?
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ログイン・絆LvMAX
今日も旦那様にお会いできて、舞はとってもうれしいです
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契約を結ぶ
これは……前天冠(まえてんかん)と千早、というものです。神事の時と…け、結婚式の時しか身に着けないものでして……はうぅ……旦那様、本当に全然わかっていらっしゃらないのですね。ぐすん……え?今宵の舞は綺麗だと、そう思ってくださるのですか?旦那様……あなたはいつもそうですね。だから舞は……ふふ……。
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SP-友人戦部屋に入場する時
こんにちは
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SP-友人戦部屋で準備した時
本日はよろしくお願いいたします
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出会い
は、始めまして...ど、どうぞよろしくお願いします...
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北抜き
ペーです
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チー
チーです
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ダブル立直
ダブルリーチです
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カン
カン
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ポン
ポン
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立直
リーチです
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ロン
ロンです
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ツモ
あ、ツモです
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白
ハク
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北
ペー
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純全帯幺九
ジュンちゃん
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純正九蓮宝燈
チューレン9メン待ち
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大三元
ダイサンゲン
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大四喜
大スーシー
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地和
チーホー
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ダブル立直
ダブリー
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東
トン
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ドラ
ドラ
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ドラ10
ドラ10
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ドラ11
ドラ11
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ドラ12
ドラ12
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ドラ13以上
ドラいっぱい
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ドラ2
ドラ2
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ドラ3
ドラ3
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ドラ4
ドラ4
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ドラ5
ドラ5
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ドラ6
ドラ6
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ドラ7
ドラ7
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ドラ8
ドラ8
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ドラ9
ドラ9
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ダブル北
タブペー
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ダブル東
ダブトン
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ダブル南
ダブナン
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ダブル西
タブシャー
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断幺九
タンヤオ
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対々和
トイトイ
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二盃口
リャンペーコー
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発
ハツ
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国士無双十三面待ち
コクシ十三メン待ち
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国士無双
コクシムソウ
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海底摸月
ハイテイ
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河底撈魚
ホウテイ
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混老頭
ホンろーとー
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混全帯幺九
チャンタ
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混一色
ホンイツ
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九蓮宝燈
チューレンポートー
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嶺上開花
リンシャン
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立直
リーチ!
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流し満貫
流しマンガン
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緑一色
リューイーソー
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南
ナン
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平和
ピンフ
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槍槓
チャンカン
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七対子
チートイ
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清老頭
チンロートー
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清一色
チンイツ
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三暗刻
サンアンコー
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三槓子
サンカンツ
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三色同刻
三色ドーコー
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三色同順
三色ドウジュン
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四暗刻
スーアンコウ
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四暗刻単騎
スーアンコウ、タンキ
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四槓子
スーカンツ
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天和
テンホー
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西
シャー
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小三元
ショーサンゲン
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小四喜
小スーシー
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一盃口
イーペーコー
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一発
イッパツ
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一気通貫
イッツー
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中
チュン
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ツモ
ツモ
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字一色
ツーイーソー
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清算一位
お陰さまで、勝つことができました。
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清算一位・高い点数で勝利
神様感謝いたします!!幸運です!!
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清算一位・ロンで勝利
えええ、気がついたら和がってました!
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倍満
バイマン
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九種九牌
うわっキュウシュキュウハイ
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数え役満
数えヤクマン
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満貫
マンガン
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ノーテン
ノ、ノーテンですぅ...
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三倍満
サンバイマン
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四風連打
スーフーレンダです
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四槓散了
スーカン流れです
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四家立直
あ…スーチャリーチです
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跳満
ハネマン
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聴牌
テンパイです
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役満
ヤクマン
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ダブル役満
ダブルヤクマン
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トリプル役満
トリプルヤクマン
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四倍役満
四倍ヤクマン
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五倍役満
五倍ヤクマン
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六倍役満
六倍ヤクマン
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SP - ドラを捨てた時
きゃっ、ドラが…!
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SP - 倍満/三倍満聴牌
こんなの上がったら、お相手様に申し訳ないです…
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SP - 同じ牌を連続に捨てた時
うぅ…
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SP - 残り牌が10枚以下の時
舞、最後まで頑張ります。よぉし!
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対局開始
神様がわたくしを見守ってます…
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SP - 役満聴牌
神様のご加護あり、ですね
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帯幺九
帯幺九(タイヤオチュウ)
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根
根(ルート)
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将対
将対(ジャントイ)
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金勾釣
金勾釣(キンコウテャオ)
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嶺上放銃
嶺上放銃(リンシャンホウジュウ)
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龍七対
龍七対(ロンチートイ)
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清対
清対(チントイ)
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清金勾釣
清金勾釣(チンキンコウテャオ)
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清龍七対
清龍七対(チンロンチートイ)
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清七対
清七対(チンチートイ)
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清十八羅漢
清十八羅漢(チンジュウハチラカン)
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清幺九
清幺九(チンヤオチュウ)
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十八羅漢
十八羅漢(ジュウハチラカン)
Spot Voices
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Spot Voice 1
惊讶
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Spot Voice 2
肯定
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Spot Voice 3
否定
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Spot Voice 4
打招呼-早晨
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Spot Voice 5
打招呼-白天
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Spot Voice 6
打招呼-夜晚
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Spot Voice 7
告别
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Spot Voice 8
承接
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Spot Voice 9
叹气
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Spot Voice 10
高兴
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Spot Voice 11
生气
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Spot Voice 12
递进
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Spot Voice 13
转折
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Spot Voice 14
疑惑
二人の巫女
絆LV1で開放
不思議な光景がまさに今、相原舞の目の前に広がっている。 「速攻の方が絶対いいにゃ! タンヤオこそ王道にゃ!」 「お前なぁ、そんな戦法しか出来ないから俺様にいつも逆転勝利されるんだワン。」 砂利が敷かれた古風な神社の境内。その真ん中に、現代的な全自動麻雀卓がポツンと置かれている。卓を囲んでいる釣り目でネコミミの巫女と、その対面のどことなく愛嬌のある大柄な犬男は、なにやら言い争いをしているようだ。 喧嘩しちゃだめ、と二人を止めようとした幼い舞だが、しり込みしてしまい踏み出せない。傍の祖父に助けを求めるも、いつの間にか遠くの鳥居の方まで歩き去ってしまっていた。 「どうしよう……」相原舞は小声で呟いた。いつも険しい顔で修業ばかりさせる祖父が、今日は珍しく優しく外へ連れ出してくれた。と思ったら、こんな喧嘩にたった一人で立ち向かわせるなんて。 「もしかして、これも修行……なの?」舞は服のすそを握りしめ、あわあわと辺りを見回しながら、この喧嘩をどうやって止めようかと必死に考え始めた。 「それにしてもかぐや姫のやつ遅いなぁ、二人だけじゃ麻雀出来ないワン」 「話を逸らすんじゃないにゃ! ワン次郎だって何回も私に負けてるくせに!」 怒鳴るネコミミの巫女を見て、舞はふと羨ましい気持ちが湧いてきた。同じ巫女なのに、その子は自分よりも派手でかわいい服を着ているし、思ったまま、大声で言いたいことを何でも言えるんだから。 「にゃ? この子……誰にゃ? ワン次郎?」 「こいつは……千月神社の舞じゃねぇか! しばらく見ないうちに大きくなったワン!」 「舞ちゃん、にゃ? いいところに来たにゃ、付き合ってもらうにゃ!」 「え、ええ~!?」返事をする暇もないまま、舞はネコミミの巫女に手を引かれ、麻雀卓の方に連れて来られた。 「あ、あの……二人が言っているタンヤオとか、舞はあんまり、分からないんです……。ごめんなさい……」 「謝らなくていいワン。巫女全員が、皆このネコみたいに毎日麻雀打ってる訳じゃないしワン。」 「魂天神社じゃ麻雀こそ修行にゃ!ほら、舞ちゃんも座って座ってにゃ。三人麻雀からやってみるにゃ!」 舞は祖父の顔を伺ったが、鳥居の下の祖父は手を振ってゴーサインを出している。ワン次郎に教えられるまま手牌を恐る恐る揃えるが、震えた手が牌にぶつかり、地面に落としてしまった。慌てた彼女は急いで拾おうとしたが、頭を雀卓の角にぶつけてしまい、ゴンと大きな音を立てた。 「痛そうにゃ……ゆっくりで大丈夫にゃ。」 「あ、ありがとうございます……」麻雀について、まだ何が何だかわからない状態の舞だったが、頭の痛み以上に喜びを感じていた。 いつもの退屈な修行とは違う――誰かと一緒に遊ぶ修行は、楽しかった。 その日、三人は夕暮れ時まで麻雀を打った。舞は終わり際になってようやく麻雀のルールを覚えて、今度また遊ぼうと二人と約束した。 夕日に照らされる朱色の鳥居と、手をぶんぶん振って別れを告げる一姫の姿は、舞の目に焼き付いた。 「おじい様、なぜ、舞を魂天神社に連れて行ってくださったのでしょうか……?」帰り道、相原舞は興奮冷めやらぬといった弾んだ声で祖父に聞いた。 「お主らは同じ世界の人間じゃ、仲良くしておいて損は無いからの。舞よ、お主はあの小娘を気に入ったかのう?」 「はい、でも……一姫ちゃんは、やっぱり舞とは違うと感じました。」 舞は一姫の自由奔放な性格に憧れると同時に、同じ巫女なのになぜこうも違うのかと疑問に思った。 「……。魂天神社と千月神社はお役目が違うのじゃ。付き合いを続ければいつかわかる。」祖父はしばらく黙り込んでから、そう答えた。 「いつか……。」舞は祖父が何を言いたいのかあまり理解できなかったが、いつかまた魂天神社に遊びに行けることだけはわかり、思わず笑みがこぼれた。
悔恨
絆LV2で開放
「修業の間」の外では、眩しい真昼の太陽が庭の垣根を照らし、濃い影を落としている。老人は鉄の鍵を手に、影の中に佇んでいた。 彼の背後にある、今は「修業の間」として使われている内殿は、かつては宝物殿として貴重な品を保管していた。冷たく重厚な鉄製の扉は、その向こう側にいる舞に叩かれ、ゴンゴンと音を立てている。 「おじい様、お願い、お願いです! 舞はあの子と約束したのです! お願いします!」 「今日は修業の日だと言っておいたはずじゃ。」祖父は言う。孫娘の学校の友達が今日で引っ越しすることも、子供同士であろうと約束を軽んじてはいけないことも、彼は全て理解していた。 だが、相原家は普通の家庭とは違うのだ。相原家の後継者たるもの、千月神社のお役目を引継ぐための修業は、最も重んじるべし。骨の髄からそう思ってもらわないと困る。 「修業から逃げるつもりはありません……! お別れを済ませたらすぐに戻りますから、信じてください……。お願いします! あの子に会えるのはこれが最後なんです……!」 「ならぬ。」祖父は思った、特例を作るわけにはいかないと。「いずれまた、他の者と別れを告げる時が来よう。その度にこうして修業から逃げ、お役目を怠るつもりか。」 扉を叩く音が次第に止み、代わりにか細い泣き声が中から聞こえてきた。祖父は目を瞑り、大きくため息をついた。我ながら厳しすぎると思うが、医者が寄越した診断書が甘えを許さなかった。 彼に残された時間はそこまで長くないというのに、孫娘に教えるべきことはまだまだ多い。彼は庭に植えてあるキンモクセイの木に目を向けた。大事な娘と一緒に植えた記念の木だった。 「お前さえここにいてくれれば……」一瞬そう頭によぎった自分があまりに身勝手で、可笑しかった。 聞き分けの良かった娘も、かつては今の孫娘のようにお役目を継ぐため、彼の元で修業をしていた。 しかし「良い子」だった娘は、最後には赤ん坊の舞をこの家に残して、一人家を出た。その時に娘が言った言葉は今でも覚えている。 「お役目などもうどうでもいいのです。私には私の生き方があるのですよ、お父さま」と。 どうでもいいだと? 悪ふざけも大概にしろ。相原家の人間は代々このお役目を果たしてきた。これは相原家の誇りであり、生き方そのものだ。 「うぅ……舞は、いつも修業頑張ってるのに……巫女になるためなら、他はどうでもいいというのですか?」 孫娘の泣き声は、祖父にあの日のことをより鮮明に思い出させた。あの日、彼は確かに怒りと失望を感じたが、心の底は後悔の気持ちでいっぱいだった。 「それなら舞は……お役目とかもういいです……うぅ……修業なんてもう嫌です! 舞は自由に生きたい!」 彼はその気持ちを否定しなければならなかった。もし後悔していると認めでもしたら、それは彼自身の人生、ひいては相原家の存在意義を否定するも同然だからだ。 「……お、おじい様? 舞……お外、出てもいいんでしょうか?」 しかし、気づいた時には扉を開けていた。孫娘が走って外へ出ていくのを見送った後も、彼はキンモクセイの木の下にしゃがみ込み、ぼんやりとその方向を見つめていた。 その時、彼は頭上からふわりと零れる黄金色の幻影を見た。今はキンモクセイの花が咲く時期ではないし、愛する妻の遺した千早を着た娘が、ここに帰ってくる日は永遠に来ない。 あれは、彼の最も美しい記憶――あの日、成人の儀であの衣装を身にまとい、花のように舞う娘の姿。その笑顔はキンモクセイの花のように愛らしくこぼれて。 「お父さん、私も大人になりましたよ。」 「そうじゃ。お前も、舞も、皆、いつかは大人になるのじゃ。」歳のせいだろうか、彼は、今度こそ、孫娘の幸せのためにお役目への執着を一旦捨てようと決めた。
最後の修業
絆LV3で開放
「こんにちは……誰かいませんか?」 ある日、相原舞は魂天神社を訪れていた。客間を覗こうとすると、一姫が飛び出してきた。 「にゃにゃ? 舞だにゃ! 元気になったみたいだにゃ!」 驚いた舞は、持ってきた手土産を取り落としかけた。綺麗な包装の中から甘い匂いが漂い、一姫の鼻に入ると、ネコミミがパタパタと動き出した。「にゃ!? もしかして私のためにクッキー持ってきてくれたのかにゃ!? ありがとにゃー!」 「い、いえ、お礼を言うべきなのは私の方ですので……」一週間前、舞の祖父が病気で亡くなり、唯一傍にいた血縁を失う苦痛と、一人で弔事を仕切らなければならないストレスが彼女を限界まで追い込んだ。幸い、一姫たちの手助けと応援のおかげでようやく元気を取り戻し、現実を受け止められるようになっていた。 「ちょうどお茶してたところだにゃ、舞も来るにゃ!」 一姫に連れられて客間に入ると、ワン次郎とかぐや姫もいた。ストーブの上のやかんも舞を歓迎するかのように、ピーと鳴き始める。「いいところに来たじゃねーか。ほれ、お前も座って一杯飲むワン」ワン次郎はそう言うと、お茶を淹れるため立ち上がった。 「舞がクッキーを持ってきてくれたにゃ! 仕方ないからバカウサギにもちょっとだけ分けてやるにゃ。」 「ぐひひぃ、気が利くではないか、舞。ちんちくりんも苦しゅうないぞ。」 ほのぼのとした空気に満ちたこの空間で、相原舞は、ふと、祖父が亡くなってからは一度もこんな風にリラックスしていなかったと気づいた。 「あの……実は私、皆さんに助けて欲しいことがあるんです。」と、お茶会に興じている三人に一切れの紙を見せた。 「祖父の枕の下からこのようなものを見つけたのですが、何と書いてあるのかを皆さんにも考えて頂きたいのです……」今回魂天神社を訪れたのは、感謝を伝えるためというのもあるが、助けを求めに来たのだ。昨晩祖父の部屋を片付けていた舞は、枕の下から達筆すぎる文字が書かれた紙切れを見つけた。あまりに奔放な字体で舞一人では解読できなかったので、祖父が最後に残したメッセージをみんなに考えてもらおうと思いついたのだった。 「どれどれ……俺様の名前の『ワ』じゃないかワン?」 「たわけが、わらわの見立てではこれは象形文字じゃろうな。」 ごちゃごちゃと紙切れの文字を見ながら言い合っていると、一姫が突然閃いた。「これ鈴にゃ! 一姫が頭に付けてるこの鈴じゃないかにゃ!?」 「ちんちくりんめ、適当なことをぬかすでない。これのどこが……って、んん……?」 「……ま、まさか……神楽鈴の絵……でしょうか?」 一姫にそう言われてみると、舞もこの達筆な文字に見える模様がだんだん神楽鈴の絵に見えてきた。確かに、千月神社には代々伝わる神楽鈴が納められている。もしかすると、この紙切れは、その鈴を指しているのではないか? 「皆さん、すみません。舞はこれで失礼します……」謎が解け、結局おじい様の心残りはお役目のことだけだったのか……と感じ、舞は些かの失望を覚えた。 祖父とともに何度も歩いた帰り道を独り歩き、千月神社に戻った。 神楽鈴を納めた箱は祖父の部屋に安置されている。メッセージの謎解きを後回しにしていたら、昨晩の遺品整理の時には既にこの箱は開いていただろう。 「これって、手紙……?」 箱の中には、神楽鈴の他に一通の手紙があった。表には「舞へ」と丁寧な字で書かれており、病気が悪化する前に書かれたものだとわかる。 「どうせまたお役目のことだろう」と思いながら、舞は手紙を開いた。 「大切な孫娘、舞へ。」生前は言わなかった、いや、言えなかったのだろうか、心のこもった言葉が書き連ねてあった。「お前に謝りたい。儂は度重なる過ちを犯しながら生きてきたが、もっとも大きな過ちは、お前とお前の母親に、子供らしく楽しい時間を与えなかったことだ……」 手紙を読んでいると、楽ではなかったが決して辛いことばかりではなかった幼い頃の思い出が蘇ってきた。今や、祖父の厳しい叱責と優しい思いやりはここに書かれた文字でしか残されていないのだ。舞の目には涙が浮かんだ。 「お前の母親がなぜこの家から出たのか、お前にはずっと言えなかった。」舞はそこでようやく母親が自分を棄てた真相を知り―― 「お前を一姫と友達になるように仕向けたのもお役目のためだった。千月神社のお役目とは、魂天神社の『制約』になることだからだ。」――相原家が代々務めてきたお役目の正体も知った。 聡明な舞にとって、これらの事実は今更驚くほどのことではなかった。幼い頃から、なんとなくそうではないかと推測していたから。しかし、手紙の最後には、その彼女をもってしても驚くべきことが書かれていた。 「……舞。お前は今日から神楽鈴の所有者となるが、それを持つか持たぬかは、お前自身で考え、決めて欲しい。お役目の伝承はわしの全てだと思い生きてきた。だからお前に厳しすぎる人生を強いた。しかし、お前の人生はお前のもの。もしいつか、お前がこのお役目に本心から意義を感じるまでは、神楽鈴を持たずともよい。」 手紙は短く、最後まで読んでも十分も経たなかった。しかしこの短い手紙によって、舞はこの先数十年の人生をどう過ごせばいいかわからなくなってしまった。お役目を継がなければならないと思って生きてきたのに、突然自分で決めろと言われてしまったからだ。 「お役目の意義……ですか。舞に、わかる日が来るのでしょうか…。」 相原舞は困った表情で神楽鈴を見つめ、やがて気づいた。これはあの厳しい祖父が彼女に残した、最後の修業だということに。
フクニャン探しの旅
絆LV4で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 7, Scenes 254, Choices 3, Endings 0
千月神社の境内の木々や花は相原舞が長年心を込めて育てている。毎年春になると色とりどりの花たちが蜂や蝶を招き入れ、境内はさながら幻想的なお茶会のように賑やかになる。
{character:player}ふぅ……。綺麗な花園だけど、ここまで広いと手入れするのも大変だよな。
今日はふらりと千月神社に立ち寄ったら、花の手入れをしている舞ちゃんと出会った。こんなにたくさんのお花の世話となると、若い女の子一人ではさぞ時間も体力もかかるだろう。そう思って、彼女に教わりながら世話を手伝うことにした。
{character:player}とりあえず草むしりは終わったよ、舞ちゃん……って、あれ?どこ行った?
先まで花のことを教えてくれていた舞ちゃんの姿がない。花園の小道を歩きながら探していると、神社の入口に何やら焦った様子の彼女がいた。
{character:player}どうしたの?
{character:相原舞}旦那様、実は……フクニャンがどこにもいなくて……
{character:player}あぁ。あのネコちゃんのことね。さっきまであの辺りで昼寝してたような……あれ、いないな。
縁側にいたはずのふくふくとしたネコちゃんはいなくなっており、ベコベコに潰された段ボール箱が残されているだけだ。
{character:player}お気に入りの場所にお出かけしてるとか?
{character:相原舞}それはない、と、思います……。フクニャンは元野良猫ですけど、うちに来てからは、一度も一人で神社の外へ出たことはないはずです。
{character:相原舞}そんなあの子がいきなり神社の外へ出て行ったなんて、もし車に轢かれでもしたら……!!
「さすがに大丈夫じゃないか」と言いたいところだが、あののっそり歩く姿を思い浮かべると絶対ありえないとは言えない。
{character:相原舞}それに食いしん坊さんですから、変なものを食べてお腹を壊したら……。
「さすがにそれはないだろう」と言いたいところだが、あのふくらんだお腹を思い浮かべると絶対にそうにならないとも言い切れない。
{character:相原舞}うぅ……悲観的なことばかり考えてもしょうがないとわかっているつもりですが、やけに胸騒ぎがするんです。旦那様にお見苦しいところをお見せして申し訳ありません……!
{character:player}いや、そんなことはないよ。こんなに心配してもらえるなんて、フクニャンもきっといい飼い主に巡り会えたと思ってるよ。
{character:player}ちょうど草むしりも終わったところだし、一緒に近くを探してみようか。フクニャンならそんなに遠くには行ってないと思うし。
{character:相原舞}そ、そんな、旦那様のお手を煩わせるなんて厚かましい……!お庭のお手入れを手伝って下さるだけでも感謝しきれないほどなのに。
{character:player}遠慮しなくていいよ。今日は舞ちゃんの手伝いをするって決めてるし、しっかり最後まで手伝うよ。どの道このままじゃ気になって帰れないし。
{character:相原舞}旦那様……!ありがとうございます!舞が役立たずで申し訳ございません……。
こんな神社を一人できっちり切り盛りしている舞ちゃんが役立たずだとしたら、この世に役立つ人間なんていないだろうと思うけど、下手に何か言うとまたネガティブな誤解を招きそうなので笑って誤魔化した。
{character:player}こちらこそいつも舞ちゃんにお世話になってるしね。今度またお祓いしてよ。最近ツモ運があまりにもなくて……
{character:相原舞}は、はい!旦那様のためなら、舞はいつでもご祈祷致します……!
{character:player}ありがとう。じゃあ、どこから探そうか。
千月神社の境内で営業している麻雀会館に来た。
{character:???}おや、こりゃ舞ちゃんじゃねえか。掃除はもう済んだんか?
麻雀会館はいつも通り営業中で、入口近くに座っている常連のご老人がこっちを見て挨拶してきた。
立地がいいからか、この神社には周りに住んでいるご老人たちがよく散歩に来る。彼らが休めるように、本殿裏の使っていない部屋を休憩室として開放しているのだ。
ある日、ご老人たちが「休憩室に雀卓を設けたら自分たちは休みながら遊べるし、場代も神社の収入になるのでは」と提案した。一理あると思った舞は、後日休憩室を麻雀会館にリフォームして営業を開始したのだ。
{character:老爷爷}こっち、ちょうど面子足りてねぇのよ。舞ちゃんもよかったら一局どうだ?
{character:相原舞}あ、ご、ごめんなさい……今はちょっと手が放せなくて……また今度お相手いたします!
{character:老婆婆}おやおや。舞ちゃんたち、困ってるじゃないの。
{character:老爷爷}まぁ、こんなジジイでも良けりゃ相談に乗るぞ。何かしら役に立つかもしれんしな!
ここに来ている老人たちは舞のことを子供の頃から知っているので、みんな孫娘を相手にするかのように親切だ。
{character:player}あの、どなたか、フクニャンという猫を見かけませんでしたか?
{character:老爷爷}フクニャン……?ああ、あのでぶっちょか!いや~、この辺には来てないんじゃないか?オレぁ今日ずっとここにいるからなぁ、猫が通り抜けたらさすがに気づくべ。なんだい、あん猫どっか行っちゃったんかい?
{character:相原舞}はい……。どこに行ったかもわからなくて、危ない目に遭わないか心配なんです。
{character:老婆婆}舞ちゃん。ばあちゃんは、商店街にある動物保護センターに行ってみたら良いと思うねぇ。あそこは野良猫に缶詰めか何かを配ってるって、孫が言ってたわ。
{character:相原舞}缶詰……猫缶でしょうか。フクニャンの大好物ですし、もしかしたら本当にそこにいるかもしれません……。おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとうございます。
{character:老爷爷}いいってことよ、いつも世話んなってっから。この辺のジジババはみ~んな、この麻雀会館が心の拠り所だからなぁ。
{character:老婆婆}じいさんのいう通りよぉ。舞ちゃんはあたしらの孫娘みたいなもんだからねえ。困ったらいつでも言って。もし悪い人になんか意地悪されたとしても、ばあちゃんたちが味方だよ。
{character:player}頼れる皆さんがいれば、きっとそんなことにはならないと思いますよ。
{character:老婆婆}ほほー。若いのがうれしいこと言ってくれるねぇ。
{character:老爷爷}ええい、口ばかりじゃ何にもならんわい。ちゃんと舞ちゃんの役に立てい!
{character:相原舞}あ、あの。旦那様はいつも舞のこと気に掛けて下さってますから。ついさっきもお庭のお手入れを手伝って頂きましたし、今はフクニャン探しを手伝って下さってます。
{character:老爷爷}ちゃんと見つかって初めて役に立ったって言えるんだよォ。でも舞ちゃん安心しな、このじじいも探してやるからな!まだまだこんな若造に負けるわけにゃーーいちちち、ギブギブ!なにすんじゃいばあさん!
{character:老婆婆}老いぼれは黙って見守りんしゃい。舞ちゃんの迷惑でしょうが。ほれ、舞ちゃん早く行きな。
{character:相原舞}はい。皆様本当にありがとうございます。
{character:player}舞ちゃんのことは任せてください!半荘終わる前に見つけてきてみせます!
{character:老爷爷}まったく口ばかり達者じゃの……ひぃ、わかったわかった、はやく行ってこい!ばあさんや、もう許してくれ~……。
舞ちゃんと二人で魂天神社に来た。ちょうど一姫とワン次郎が庭で日向ぼっこしているから、二人に聞いてみよう。
{character:相原舞}お二人ともこんにちは、あの、フクニャンを見かけませんでしたか?
{character:汪次郎}見てないワン。一姫、さっき廊下で見かけなかったか?
{character:一姬}一姫も見なかったにゃ。寝てたからにゃ!
{character:汪次郎}寝てたくせになにドヤってるんだワン……
{character:一姬}なぜならご主人が神社に来る夢を見たからにゃ。そしたら本当にご主人が神社に来たにゃ。私が見た夢はただの夢じゃなくて、予知夢に間違いないにゃ!
{character:一姬}ご主人、予知能力に目覚めたこの一姫が境内を探してあげるにゃ!
{character:player}お、おう。よろしくね。
{character:一姬}ワン次郎もサボってないで探すにゃ!
一姫とワン次郎と一緒に、境内を隅から隅まで探してみる。しかし、フクニャンの姿はおろか、痕跡すら見つからなかった。
{character:相原舞}ここにはいない……みたいですね。魂天神社じゃなかったら、フクニャンはどこに行ったのでしょうか。
以前フクニャンを魂天神社に連れてきたことがあるということで来てはみたものの、ここにはいないみたい。舞ちゃんはちょっと落ち込んている様子だ。
{character:player}気にしないで。フクニャンはあの体だからそんなに遠くに行けないだろうし、魂天神社にはいないってわかっただけでも収穫だよ。
{character:一姬}そうにゃ、舞は心配しなくてもいいにゃ。フクニャンは頭がいいからきっと大丈夫にゃ!
{character:汪次郎}安心しろって言いたいが、なんせフクニャンは嬢ちゃんの家族みたいなもんだし、心配するのも無理ないワン。
{character:相原舞}はい、フクニャンとはもう4年も一緒ですから……
舞ちゃんは、フクニャンと出会った時のことを教えてくれた。フクニャンはまだ子猫の頃から千月神社の近くで餌を探していて、舞ちゃんから餌をもらっているうちに、千月神社に居つくようになったらしい。
優しい舞ちゃんは、子猫が寒さで病気にならないよう簡易的な猫小屋を作った。そこで野良猫は正式に千月神社の一員になり、フクニャンという名前をもらった。
相原の祖父が亡くなってから、フクニャンは彼女のそばにいる唯一の家族と言える存在だった。そんな猫が突然いなくなったら、焦るのも仕方ない。
{character:相原舞}そろそろお昼ご飯の時間なのに、フクニャンはちゃんとしたご飯を食べているのでしょうか……。
{character:汪次郎}ご飯……そうだワン。この先の商店街に動物保護センターとかいうのがなかったか?野良猫に猫缶をやってるらしいから、フクニャンはそれに釣られたんじゃないかワン?
{character:一姬}猫缶にゃ!?
{character:汪次郎}おいおいお前まで釣られてどうすんだワン。
{character:一姬}にゃ?い、一姫がそんなのに釣られるわけないにゃ!ご主人がもっといいおやつをくれるからにゃ!
ワン次郎のおかげで次の目的地が決まり、舞ちゃんは二人にお礼を言って、早速保護センターに行くことに決めた。
{character:相原舞}そこにいたらいいのですが……。
{character:player}そうだね。そこの猫缶が口に合ってるといいんだけど。そこでしばらく足止めしてもらえるし。
{character:一姬}二人とも頑張ってにゃ!ご主人も手伝いが要るなら私に言うにゃ!
{character:汪次郎}あとで俺様も外に出るから、もしあいつを見かけたらスマホで連絡してやるワン。
動物保護センターに着くと、野良猫の群れが皿を囲んでにゃごにゃご言いながら餌を食べている。舞ちゃんと一緒にスタッフに事情を説明したら、この「にゃんこランド」に入れてもらえることになった。
{character:player}いっぱい野良猫がいるけど、フクニャンはいないみたいだね……。
一周したが、フクニャンの姿は見当たらない。野良猫の中にいたら絶対目立つ体型をしてるから、もしここにいたら一目でわかるはずなんだよな。
でも舞ちゃんは諦めたくないらしく、フクニャンの名前を何度も呼びながら探している。
{character:相原舞}フクニャン!フクニャーン!心配だから早く出てきて、フクニャーン!
{character:相原舞}……旦那様、どうしましょう……。フクニャン、やっぱりいないみたいです……。
時間が経つにつれて、舞ちゃんはどんどん落ち込んでいってしまう。元気付けようと、彼女の肩を叩いた。
{character:player}猫は気まぐれって言うからね。もうちょっと辺りを探してみよう。
でも闇雲に探してもな……。何か手がかりがあればいいんだけど。
{character:相原舞}旦那様。フクニャンは今ここにはいませんけど、もしかしたらお腹いっぱいになって他の場所に行ったのかもしれません。……スタッフさんに、聞いてみるのはどうでしょうか?
{character:player}なるほど、いいね。でもこんなにたくさんの猫たちが毎日来てて、フクニャンのこと覚えてくれてるかなあ……。
{character:player}いや、とにかく聞いてみよう。舞ちゃん、スマホにフクニャンの写真とかない?
フクニャンは一際目を引くデブネコだから、写真があればさすがにわかるだろう。
写真をスタッフに見せたら、スタッフがあっと何かを思い出した素振りを見せた。
{character:工作人员}ああ、この子はさっきまでいたと思うよ!いっぱい食べるから覚えてる。たしか食べ終わった後、商店街の方に行ったような……。
{character:相原舞}ほ、本当ですか!ありがとうございます!!……あ、あと、フクニャンの餌代はお出ししますので、えっと……
{character:工作人员}いいのいいの、あなた千月神社の巫女さんでしょう?商店街の人達が、千月の巫女のお祓いはよく効くって言ってるよ。悪運が本当に綺麗さっぱり無くなるって。
{character:工作人员}餌代の代わりに、今度お祓いしてもらえればいいから。
{character:相原舞}そ、そんな……!皆様の役に立つのは巫女の当然の勤めです。それをお代金のあてにするだなんてとんでもありません……!
{character:player}ふふ……。
{character:相原舞}え、っと……旦那様?……舞、何か、変なこと言いましたか……?
{character:player}いいや?舞ちゃんって真面目だな~って思っただけ。
{character:工作人员}あはは、そうだね。この巫女さんってば本当に真面目なんだから。そこがかわいいとこなんだろうけど。
私たちの会話を聞いて、スタッフさんも笑い出した。舞ちゃんは真面目だ。時々真面目すぎて不器用なくらいに。確かに、そこがかわいいんだよな。
{character:相原舞}スタッフさんまで……旦那様?舞は変なことを言ったわけじゃないんですよね!?本当ですよね!?
{character:player}本当本当。そんなことより早く商店街にいこう?写真を見せながらみんなに聞けばすぐ見つけられそうだよ。
{character:相原舞}そう、ですね……。行きましょうか。
よし、話をうまく逸らせた。
{character:店员}あら、このおデブちゃんならうちに来てたわ。ちょうど裏でトウモロコシを茹でてたから何粒かあげたわよ。
{character:店员}でもすぐお客さまがいらして、応対してたらいなくなっちゃったわ。だからその後はどこに行ったのかわからないの……ごめんなさいね。
{character:相原舞}いいえ、うちのフクニャンがお世話になりました。こちらこそ本当にすみません。
{character:player}手がかりが無くなったか……。
商店街に到着し、通行人と店員数人に聞き込みをして、何軒かフクニャンが立ち寄った店を探してみたけど、結局見つからなかった。
{character:player}あと可能性が残ってるのは……入口近くのお総菜屋さんか。裏口によく野良猫がいるから。
{character:相原舞}フクニャン……せめて商店街の中にいてください…!ここなら車も入らないし、少しは安全ですから……。
{character:店员}お二人さん、せっかくうちに来てくれたんだし、服見ていかない?巫女さんかわいいからお安くしとくわよ?
{character:店员}特にうちは、巫女さんのような美人に似合う服が揃ってるし~。
{character:player}えっと……せっかくですが猫探し中なので、また今度参ります!
{character:店员}もう、そんなこと言わないの。あたしのおすすめをチョイスするし、時間は取らせないわ。たとえば……ほら、あなたにはこの子。すごくかわいいでしょ。
店員さんが勝手にその辺の帽子を私の頭にかぶせてきた。鏡を見ると、クラシックなボーラーハットにもふもふした犬耳がついている。なんだかワン次郎を思い出させるアイテムだ。
{character:相原舞}あ、この帽子……この前読んだ雑誌に載ってました。旦那様に、なかなか、お似合いですよ。
{character:player}そ、そうかな。まぁ、悪くないとは思うけど……って、そうじゃなかった!猫探し中だから、買い物はまた今度ということで!
{character:店员}お客様、気になるものはすぐ手に入れないと。今はちょうど割引キャンペーン中で、お値打ち品なのよコレ。
{character:player}あ、あはは……また機会があれば……。
そう言って、舞ちゃんを連れて逃げるように店を出た。これ以上ここに長居したらフクニャンへの手がかりがどんどんなくなっちゃう。
急いでお総菜屋さんに来たものの、店先にも裏手にもフクニャンはおらず、店員さんもわからないとのことだった。
{character:相原舞}そういえば、七海さんが働いているカフェは確かこの辺りではありませんか?もし旦那様がよければ、そこで少し落ち着くのはいかがでしょうか。神社を出てからまともに水分も摂ってませんでしたし。もしくは、いったん神社に帰りましょうか?
{character:相原舞}もしかしたら……フクニャンはもう神社に帰って来てて、どこかで寝ているかもしれません。そうだったら、いいな……。
商店街のベンチに座った私の疲れを察してだろう、舞ちゃんはこう提案してくれた。昼前からずっとフクニャンを探してきたから、舞ちゃんも私もさすがに疲れてきた。
まだまだ頑張れそうではあるけど、舞ちゃんの申し訳なさそうな表情を見て、これ以上無理したらまた心配をかけるだろうと思った。それならここは……
{character:player}そうだね。コーヒーでも飲んで元気出そうか。
{character:相原舞}はい!……あ、でも、旦那様、よかったら先に入っていて下さい。舞は心当たりのある場所を思いついたので、そこも一度探してみようと思います。
{character:player}じゃあ、先にそっちに行こうか。
{character:相原舞}いえいえ、舞ひとりで大丈夫ですので、旦那様は先にカフェで注文しておいて頂けると助かります……。すぐ近くですから、急いで見てきます。
ここまで強く単独行動を希望する舞ちゃんは珍しいなと思う。でも別に断る理由もないので、先に「エテルニテ」に行って舞ちゃんの好きな紅茶を注文しておくことにした。
{character:七海礼奈}いらっしゃいませ~。
ドアベルの音とともに、七海礼奈の挨拶が聞こえてきた。
{character:七海礼奈}{var:player_nickname}さんじゃないですか。今日はお一人?ちょうど明日発売の新メニューがあるから、試飲してもらおうかなぁ~。
{character:player}お、いいよ。でも今日は舞ちゃんと一緒なんだ、もう少しで来るらしいんだけど……。
{character:七海礼奈}試飲してくれる人が増えるの助かるー!サービスだからいっぱい飲んでね。
{character:???}お邪魔します……。
礼奈ちゃんと話していたら、舞ちゃんも入って来た。宣言通りの早さだったな。
{character:相原舞}旦那様、お待たせいたしました。ついでに少し買い物をしたので、時間かかってしまいました……本当に申し訳ありません。
{character:player}大丈夫だよ、充分早いし。ところで礼奈ちゃん、この猫なんだけど今日どっかで見なかった?
{character:七海礼奈}この子……千月神社の猫ちゃんだ!この前行ったときすごくかわいかったんだよね~!迷子になっちゃったの?
{character:相原舞}はい、急にいなくなってしまいまして、何かあったんじゃと心配で……。
{character:七海礼奈}猫ちゃんはね、気まぐれだから、気分でどっか行ってるだけと思うよ。ここら辺の野良猫たちも今は姿が見えないけど、ご飯の時間になったら一斉に集まってくるの。
{character:七海礼奈}だからフクニャンちゃんもそのくらいの時間になったら帰って来ると思うよ。まぁ、もしこの辺りで見かけたら舞ちゃんに連絡するから、あんまり気にしすぎないでね。
そう言いながら、礼奈は新メニューのドリンクを運んできた。一口飲むとほのかにラベンダーに似た香りが口の中に広がり、なんだか気分が落ち着く。何の豆を使ってるんだろう。
舞ちゃんもコーヒーのぬくもりで落ち着いたようで、さっきと比べたらだいぶリラックスした表情をしている。
{character:相原舞}旦那様、舞は……舞はやはり、心配しすぎなのでしょうか?
{character:player}大切に思っているだけだと思うよ。舞ちゃんはいい飼い主だからね。
{character:七海礼奈}猫ちゃんってみんなこうだから。音もなくやって来て、いつの間にかいなくなっちゃうの。人の気も知らないでね。
{character:七海礼奈}もしフクニャンが帰ってきたら、舞ちゃんも心配してたんだよって伝えてあげて。
{character:相原舞}フクニャンは、わかるのでしょうか。
{character:七海礼奈}わからなくてもいいの。心配してたまらなかった気持ち、大事に思ってることを伝えればいいんだよ。
{character:相原舞}そう、ですね……はい、七海さん、ありがとうございます。帰ったら、ちゃんと、お説教、します……!舞は、できる飼い主なので……!
その言葉を聞いて、私も礼奈ちゃんも思わずにっこりした。舞ちゃんが説教する姿か、想像できないな。
{character:七海礼奈}そういえば、あそこに公園があるでしょ?猫ちゃんたちは普段そこをテリトリーにしてるから、行ってみてもいいんじゃない?
{character:七海礼奈}あ、でもこの時間ならもう神社に帰ってるかもしれないけどね。
{character:相原舞}旦那様は、どうするのがいいと思いますか?
夕日が影を伸ばす中、舞ちゃんと一緒に礼奈ちゃんに教えてもらった公園に来て、二手に分かれて探してみた。
{character:player}いた?
{character:相原舞}いませんでした……。
礼奈ちゃんが言ってた通り、野良猫はたくさんいたけど、フクニャンの姿はなかった。
探し疲れた私たちは、公園のベンチに座ってすこし休憩した。
{character:player}これはいったん神社に帰った方が良さそうだね。少し休んだら行こうか。
{character:相原舞}いいえ、もうだいぶ遅い時間ですし、旦那様ももう今日はお疲れでしょうから、一旦解散して休みましょう。神社にフクニャンが帰って来ていたら旦那様にご連絡しますので。
{character:player}……そうだね。フクニャンが神社に帰って来てたとして、私が一緒に行く必要はないか。
{character:player}じゃあ帰るけど、もしフクニャンが神社にいなくても連絡して。
{character:相原舞}はい、かしこまりました。それと、旦那様。よかったらこれを……。
相原は手に持っている紙袋を渡してくれた。中には服屋で試着した犬耳の帽子が入っていた。
{character:player}え?これ……どうして?
{character:相原舞}旦那様も、この帽子はいいかもとおっしゃってましたので……。
確かに舞ちゃんに似合うって言われて、嬉しさでこの帽子は良さそうみたいな話はしたけど。そんなことまで覚えててくれて、わざわざプレゼントまでしてくれるのはもちろん嬉しい。でも……
{character:player}でもどうしてまた急にプレゼントだなんて……。
{character:相原舞}今日は、お庭のお手入れに、フクニャン探しと、旦那様にいろいろご迷惑をおかけしましたから……。これは、その……お礼、です。
他人から受けた善意には必ずお返しをしなければならないという訳でもなかろうに、つくづく舞ちゃんは気にしいな性格だなぁ。
{character:相原舞}……旦那様?えっと、もしかして、本当は気に入ってなかったり……。
{character:player}いやいや、かなり気に入ったよ。ありがとう。
{character:player}でもね、私はただ友達として舞ちゃんを手伝っているだけだし、こんな大層なお礼をもらっちゃうと逆になんか……。
{character:相原舞}は、はわわ……申し訳ありません……!旦那様の気分を害するようなことをしてしまい……
{character:相原舞}舞はただ、旦那様がいつも優しくして下さるので、少しでもお返しをしたいだけなのです……。
{character:player}舞ちゃんは、わたしのことを友達だって思ってくれてる?
{character:相原舞}舞は、旦那様と、お友達になってもいいんでしょうか……?
{character:player}もちろん。舞ちゃんのことを友達として手伝ってるって言ったでしょ。つまり、お返しが欲しいからじゃなくて、舞ちゃんに喜んで欲しいと思ったからだよ。
{character:相原舞}はい……。それなら、舞も、旦那様が好きとおっしゃったものを差し上げて、旦那様に喜んで頂きたいです。今日のお返し、というだけではなくて……。
{character:player}そういうことなら、舞ちゃんがお茶を淹れてくれるだけでも充分だよ。ああ、もしそこに舞ちゃんの手料理もあって、一緒に食べれたらもっと最高だなぁ~。まさに親友って感じで。
{character:相原舞}え、え?旦那様とそこまで親密になっても、いいんですか……?
{character:player}大歓迎!
{character:相原舞}は……はい。舞も、頑張ります……!
舞ちゃんは恥ずかしそうに顔を伏せて、小さな声で「親友」と繰り返す。
舞ちゃんは確か、子供の頃から厳しい修業があったせいで長い間孤独だったって一姫に聞いたことがある。だから今のように親切にしてくれる誰かを人一倍大切にするようにしていて、だからこそ、フクニャンと友達が大事なんだろう。
今日の出来事をきっかけに本当の親友になれたらいいな。
{character:player}帽子はありがたくいただくね。ありがとう。だいぶ遅くなっちゃったし、やっぱり神社まで送るよ。
{character:相原舞}え、は、はい……では、お願いします。
お、早速必要以上に遠慮しなくなったな、やったね。
{character:胖丁}にゃー。
帰ろうとした時、ベンチの裏側から猫の鳴き声がした。
{character:胖丁}にゃ——っ!
{character:相原舞}フクニャン?フクニャンなの?旦那様、フクニャンがいました!
{character:player}本当だ。このおデブちゃん、やっと姿を見せる気になったな。一日中どこに行ってたんだか……って、これは?
フクニャンと一緒に姿を見せたのは、その広々とした背中にゆったりと座る、綺麗な黄色い小鳥だった。
{character:相原舞}この子……もしかして、フクニャンのお友達ですか?
{character:player}いきなり出てったきりどこを探しても見つからなかったのは、お友達と遊んでたからかもしれないね。
小鳥は私たちを見ても怖がる素振りを見せず、静かにフクニャンの背中の上で自分の羽の毛づくろいをしている。
{character:相原舞}……でも、フクニャン。
{character:胖丁}にゃー。
{character:相原舞}お友達と遊ぶのはいいけど、今度はちゃんと……ちゃんと、舞に一声かけて下さいね。……家族、なんですから。わかりましたか?
{character:胖丁}にゃー。
{character:相原舞}……旦那様、どうでしょう、舞はちゃんと飼い主の威厳を見せられてましたか?
{character:player}舞ちゃんにしちゃ、よくできました、だと思うよ。
{character:相原舞}えへへ……。
猫には人間の心配など理解できるはずもなく、お腹を出して存分に愛嬌を振りまいた。小鳥も、舞ちゃんの足元にすり寄り、友好的な態度を示した。
{character:player}この猫め、可愛ければなんでも許されると思ってるのか?
{character:相原舞}うふふ……フクニャンのお腹、柔らかいなぁ……。
許すのかよ。ていうか、私にも触らせろ。
{character:player}小鳥ちゃんはどうしよう?結構仲良さそうだし、神社に帰るならこの子も連れていく?
{character:相原舞}そうですね。舞も、それがいいと思います。せっかくの親友、ですから。
{character:相原舞}旦那様、もしよろしければ、神社に着いたら一緒にご飯なんて……いかがでしょうか。……舞が、作りますので。
{character:player}喜んで!
こうして、舞ちゃんとのフクニャン探しの旅に終止符が打たれた。
{character:相原舞}……それと、もし機会がありましたら、あの服屋さんにまた一緒に行きませんか。
{character:相原舞}舞は……旦那様ともっと、親友になりたいので……。
{character:player}いいよ。また今度いこうか。
わたしたちも、目の前でじゃれ合う鳥と猫のような親友になれたらいいなぁ。
一緒に千月神社前に戻る頃には夕日が空を赤く染めはじめ、私たちの影も前へ前へと長く伸ばしていった。舞ちゃんはわたしの半歩後ろの距離を保ちながらついて来ており、下を向いて何か考え込んでるようだ。
{character:player}どうしたの?
{character:相原舞}あ、いえ。……なんというか、旦那様の影が、舞のと重なっているな、と。
{character:player}あ、ほんとだ。そういえば、あの映画みた?影があるってことは、わたしたちが人間である証だってやつ。
{character:相原舞}ホラー、でしょうか。舞はそういうの、あまり詳しくなくて……。ただ、影が重なって、仲良しさんみたいだな、って……思ってました。
夕映えに照らされた舞ちゃんの頬がいつもより赤く見える。今日は普段よりだいぶ落ち着いてるなと思っていたけど、先の話のせいか、また恥ずかしがりな一面が出ているのかもしれない。
{character:胖丁}にゃ——っ!
{character:player}ん?この声は……
そんなわたしたちの前に現れたのは、ふわふわとした生物。フクニャンだった。
{character:相原舞}フクニャン、帰ってきてたのね!
{character:相原舞}もう、あなたを探すために旦那様と町中歩き回ってきたんだよ。……本当に、心配したんだから……わかってますか?
{character:胖丁}にゃー。
猫には人間の心配を理解できるはずもなく、お腹を出して存分に愛嬌を振りまいた。でもそれは舞ちゃんに対してはよく効くみたいだ。彼女は彼の毛皮を優しくもふもふし、どこか怪我をしていないか確認しているらしい。
{character:player}今度GPS機能付きの首輪を付けようか。またいなくなっても大丈夫なように。
{character:相原舞}旦那様、今日はありがとうございました。沢山お手数をお掛けしまして、本当に申し訳ありません……。
{character:player}フクニャンが無事に帰ってきたから、私も安心したよ。
{character:相原舞}あの、旦那様に時間があるようでしたら、これから神社で少し休憩、しませんか……?旦那様に、お茶をお淹れしたくて。
{character:player}それじゃ、お言葉に甘えて。
{character:相原舞}は、はい!……そ、それと、もし旦那様がよければですが……今日は晩ご飯も、ご一緒にいかがでしょうか……。
舞ちゃんはフクニャンを顔の位置まで抱え上げ、消え入りそうなほど小さな声で私を晩ご飯に誘ってくれた。自分から何かに誘うことはなかった舞ちゃんが誘ってくれるなんて、私たちって結構仲良くなれてるのでは?
{character:player}やった~、一日頑張った甲斐があったよ!
{character:胖丁}にゃーっ!
{character:player}お前の分もちゃんとあると思うよ、この食いしん坊め!
これでフクニャン探しの旅はおしまい。私は千月神社で舞ちゃんと晩ご飯を楽しんだ。
フクニャンが日中どこに行ってたのかは結局わからなかったけど、無事に帰ってきてくれればそれで十分だ。二度とこんな心配をしなくて済むように、早めにGPS機能付き首輪を着けてもらおう。
花園ファイル
絆LV5で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 10, Scenes 348, Choices 2, Endings 0
{character:旁白}もし、図書館の床に本が落ちていたら、拾い上げようと思うのは普通だろう。
{character:旁白}もし、拾い上げる時に本のタイトルを見たとしても、それはごく自然なことだろう。
{character:player}……薔薇の教官、四?
{character:旁白}これまで何度も読み返されたせいだろうか、ソフトビニール製であろう緑色の半透明なブックカバーはボロボロになっていて、外からでも表紙に書かれたタイトルとイラストがはっきりと見えた。
{character:旁白}二人の美男子がお互いの目を見つめながら手をつないでいるイラストだが、彼らの目には友情を超えた何か熱い感情が込められているようだ。
{character:旁白}もちろん、この本を拾い上げたのは決してこのイラストに惹かれた訳ではないし、内容に興味がある訳でもない。むしろ、パッと見では何の本か全くわからなかった。
{character:旁白}ただ単に、舞ちゃんと図書館に本を借りてきたら、地面に落ちていたそれを拾い、表紙を見た。それだけのことなのだが……。
{character:相原舞}旦那様?何か面白そうな本が見つかりましたか?
{character:player}い、いやなんにも?この図書館、本がたくさん置いてあるなぁって思って、アハハ……。
{character:旁白}本棚の角から舞ちゃんがひょっこり顔を覗かせて私に聞いた。反射的にその本を体で隠したが、別に舞ちゃんに誤解されるのが嫌だからではない。
{character:旁白}ただ、この緑のブックカバーを、どこかで見たような気がしたからだ。
{character:相原舞}旦那様の読みたい本がこの辺りになければ……舞はちょっとあちらの方へ、園芸書を探しに行きたいのですが……。
{character:player}園芸書?
{character:相原舞}はい、そろそろアジサイが咲く頃なので。今年は境内の花園に試しに植えてみたのですが、どうやらいろいろと注意しなければならないことがあるようで……。
{character:旁白}花園……。思い出した、この『薔薇の教官』のブックカバー、舞ちゃんの「花園ファイル」と一緒のやつなんだ。
{character:旁白}以前「花園ファイル」について舞ちゃんに聞いてみた時、非常に取り乱しながら「園芸の本」だって誤魔化していた記憶がある。
{character:相原舞}旦那様……?どうしたんですか、急に黙り込んで……旦那様がもうしばらくこちらにいらっしゃるようでしたら、舞は自分で探しに行きますね。
{character:player}……いや、いこう。千月神社の花園のためだ。私も手伝うよ。
{character:相原舞}は、はい。よかったです、旦那様が実は園芸に興味がなくて、旦那様に嫌われるようなことを舞が言ってしまったのかと思いました……。
{character:旁白}舞ちゃんを嫌うなんてありえない。花園ファイルがどんなものであろうと。
{character:旁白}図書館の本は普通こういうブックカバーには入っていないだろうし、ましてやあの「花園ファイル」と一緒ということは……
{character:旁白}この本は、舞ちゃんが落とした「花園ファイル」の本体なのかもしれない……!舞ちゃんが中身を誤魔化したのも、私に『薔薇の教官』を知られたくないからなんだろうな。
{character:旁白}となると、繊細な舞ちゃんに直接確認する訳には行かないし、万が一地雷を踏みでもしたら何日会ってくれなくなるか……。
{character:相原舞}それでは、行きましょう。たしか園芸書コーナーはあそこに……。
{character:旁白}何とかして本を落としたことをそれとなく気づかせるか、彼女の見えるところに置いておかないと。
{character:player}そうだ、アジサイの栽培の本を探すんだったよね。
{character:相原舞}あ、はい。いくつか目星はつけて来たのですが、それ以外の本も気になりますのでいろいろ探したいです。
{character:player}よし、じゃあしっかり探すぞ!
{character:相原舞}え……?は、はい……舞も、頑張ります!
{character:旁白}この本を園芸書の棚に入れておけば、舞ちゃんが本を探すときに気づくんじゃないか?そして、私が見ないフリをしていれば、舞ちゃんは自分でこの本をしまうはず……!
{character:player}でも先にお手洗いに行きたいから、舞ちゃんはここでちょっと待っててくれる?
{character:相原舞}はい、わかりました。
{character:旁白}これで一度舞ちゃんの視線から逃れ、園芸書の書架にこの本を仕込めるようになった。
{character:旁白}さてと……
{character:player}書架って番号しか書いてないのかよ。園芸書はどこにあるんだ?
{character:旁白}図書館は、特定のルールに従って番号をつけることで本と棚を管理していると聞いたことはあるけど、すぐには思い出せないし調べている時間もない。
{character:旁白}舞ちゃんがすぐそこで私を待っているから、さっさとこれを棚に仕込まないと。どの本棚に入れようか?
{character:旁白}なんとなく4番の棚にある本がそれっぽかったので、本を仕込んで舞ちゃんのいる所に戻ったけど……。
{character:相原舞}あら?この本……なんだか良さそうですね。旦那様、ちょうど良さそうな本が見つかりました。
{character:player}……しくじったか。
{character:相原舞}旦那様?
{character:旁白}なんということだ、こんなところに舞ちゃんのお目当ての本が置いてあったとは。これじゃあ、あの本を仕込んだ意味がないじゃないか。
{character:player}ついでに他の本も見てみない?さっき4番の棚にもアジサイの本があったような……。
{character:相原舞}4番はたしか……文学のはずですよ?
{character:player}そ、そうなんだ。あー、ちょうど文学コーナーも見てみたかったんだよね、ごめん舞ちゃん、もうちょっと待ってて。
{character:相原舞}はい、お待ちしております。
{character:旁白}なんとなく5番の棚にある本がそれっぽかったので、本を仕込んで舞ちゃんのいる所に戻ったけど……。
{character:相原舞}あら?この本……なんだか良さそうですね。旦那様、ちょうど良さそうな本が見つかりました。
{character:player}……しくじったか。
{character:相原舞}旦那様?
{character:旁白}なんということだ、こんなところに舞ちゃんのお目当ての本が置いてあったとは。これじゃあ、あの本を仕込んだ意味がないじゃないか。
{character:player}ついでに他の本も見てみない?さっき5番の棚にもアジサイの本があったような気が……。
{character:相原舞}5番ですか……?そこは、自然科学じゃありませんでしたか?
{character:相原舞}もし旦那様が興味があるのでしたら、舞はここで待ってますので、ぜひ見てきて下さい。
{character:player}そ、そうだなー!ちょうど自然の本が読みたかったから、行ってくる!
{character:旁白}6番の棚に園芸書がずらりと並んでいる。ここであってそうだ。
{character:player}よし、運が味方している。分類番号は図書館からしたら便利かもしれないけど、せめて分類名くらい標示しておいて欲しい。
{character:旁白}微妙に目立つところに『薔薇の教官』を差し込み、舞ちゃんの所に戻る。それにしても、もし舞ちゃんが『花園ファイル』の中身がバレたくないと思ってるんだとしたら、どうして図書館に持ってきたんだろう……。繊細で思慮深い彼女らしくないなぁ。
{character:player}それにブックカバーも破れてるし。舞ちゃんは普段あんなに本を大切にしているのに……。
{character:旁白}舞ちゃんが待っている場所に戻ると、彼女はそこで本を読んでいた。
{character:player}ごめん、待たせちゃって。
{character:相原舞}へ……ああっ!いえっ、そんなことありません!旦那様が来ていると気づかずすみません……。
{character:旁白}活字の海にすっかり没入していた舞ちゃんは、私がかけた声ににびっくりしたのだろう、手に持った本を危うく落とす所だった。有名な詩集のようだ。
{character:player}舞ちゃんって詩とかも読むの?
{character:相原舞}はい、少し……暇な時に、読むこともあります……。
{character:player}この詩集いいよね、恋愛の詩もいいけど、ふるさとや家族への思いを語る詩もなかなかよかったな。
{character:相原舞}え、旦那様も……読んだことがあるんですか?
{character:player}「郷里の湿った空気、そこに混ざる母の呼び声。みな幼少の記憶に刻まれた淡い吐息」ってね。
{character:相原舞}舞も、その詩がとてもよかったと思いました……!
{character:player}でも、何といっても一番有名なのは失恋の詩だよね。感傷に浸り過ぎてなくて、むしろ前向きな気持ちにさせる。
{character:相原舞}はい!えへへ、旦那様もこの詩人が好きで……笑われなくて、良かったです。
{character:player}笑われる?
{character:相原舞}あの……小学生の頃は、学校でこういう本を読んでいるとクラスの人に笑われましたので……。
{character:player}なんだよそれ。ロマンティックなものを好むのは、特に女の子なら普通のことだと思うけどな。
{character:相原舞}旦那様……そうですよね、ありがとうございます。でもその時から、舞はこういう本を読むときは独りでこっそり読むようにしてるんです。
{character:旁白}舞ちゃんは本で顔を半分隠しながら話してくれた。このくらいの本でも恥ずかしがるのなら、もし『薔薇の教官』のことがバレでもしたら……。
{character:player}真心の込もった作品にはそれぞれ独自の魅力があるものだよ、うん。今後はたとえ誰であろうと、私が舞ちゃんのことを笑わせないからね!
{character:相原舞}え、っと?は、はい……。ありがとうございます、旦那様。
{character:旁白}なぜここまで熱くなってしまったのかは自分でもわからないが、若干引かれた感じがするので一旦落ち着こう。とにかく、そんな繊細な舞ちゃんが傷つかないためにも、絶対に『薔薇の教官』の秘密は守らなければ。
{character:旁白}それから、二人で6番の棚にやってきた。
{character:相原舞}えっと……あ、ありました。
{character:player}こっちも良さそうじゃない?これとか、あとこれも……。
{character:player}へ?
{character:player}舞ちゃん?ど、どうしたの?
{character:旁白}舞ちゃんがいきなり感電でもしたかのように私から飛び退いたので、私の方が驚いた。
{character:相原舞}ご、ごめん、なさい……旦那様……。その、違うんです……。
{character:旁白}舞ちゃんは右手の甲を左手で覆いながら、顔を真っ赤にして謝っている。本を探している時にうっかり手が触れたのかな?
{character:player}ごめんね、私の手が冷たくてびっくりした?
{character:相原舞}い、いいえ、旦那様のせいではありません。舞が……その、体が触れるのが、なんというか……まだ苦手でして……。
{character:相原舞}あの、旦那様が嫌ってことではありませんので、どうか誤解しないでください……!
{character:player}うんうん。誰にでも苦手なことはあるよね、わかるよ。ごめんごめん。それより、目当ての本は見つかった?
{character:相原舞}はい、おかげさまで。
{character:旁白}『薔薇の教官』にはまだ気づいていないようだ、参ったなぁ……。
{character:旁白}さっきの出来事からまだ落ち着いていないみたいだし、今『薔薇の教官』を見つけるのは刺激が大きすぎないか。なんて思いながら、それを仕込んだ場所に目を向けると……。
{character:player}あれ?
{character:相原舞}旦那様?面白そうな本がありましたか?
{character:player}ある、と言えばあるんだけど……あのさ、舞ちゃん、さっきこの辺から本を取ってなかった?
{character:旁白}『アレ』が置いてあるはずの場所には、『アレ』の影も形もなかった。
{character:相原舞}舞はこちら側をずっと見ていましたので、そちらはまだ見ていませんよ。
{character:旁白}舞ちゃんの表情と口調に嘘は無さそうだ。それなら、『アレ』はいったいどこへ……。
{character:旁白}本棚をもう一度隅から隅までチェックし、何なら後ろにある本棚までざっと見てみたけど、やはり『薔薇の教官』らしき本がどこにもない。
{character:旁白}右往左往している私の背後から、知的な声が聞こえてきた。
{character:小野寺七羽}こんにちは。園芸書をお探しですか。
{character:player}小野寺さん?
{character:小野寺七羽}お久しぶりです。舞さんも。
{character:相原舞}お久しぶりです、小野寺さん。ここで会うなんて、珍しいですね。
{character:小野寺七羽}はい、バイト中なので……。
{character:相原舞}あ、前回お借りした本ですが、もう全部読み終えましたので、今度お返ししますね。
{character:小野寺七羽}いつもながら、読むのが早いですね。続きは……そうですね、今度神社に寄る時持って行きます。
{character:相原舞}そんな、舞がまたお借りしに伺います!小野寺さんにわざわざ持って来て頂くなんて、あまりにも申し訳ないので……
{character:旁白}小野寺さんも相当な本好きということで、二人は仲良くこの間読んだ本の話題で盛り上がっている。
{character:player}二人は読書を通して友達になったんだ?
{character:相原舞}はい、小野寺さんにお薦め頂く本はどれも面白いです。
{character:相原舞}そうです、旦那様がずっと探している本も、小野寺さんに伺ってみてはいかがでしょうか。ここでバイトされている方ですし、詳しいはずですので。
{character:player}いや、やっぱり自分で探すよ。ちょっと前にこの辺りを通った時に見かけたはずだから……。
{character:小野寺七羽}そういうことでしたら、その本はどこかに移したかもしれません。この棚はつい先ほど整理しましたので、分類が違う本は全て本来の場所に移しました。
{character:小野寺七羽}お探ししましょうか。タイトルは何ですか?
{character:player}タイ、タイトル……は、えっと……じ、自分で探すから大丈夫!
{character:旁白}舞ちゃんの前で『薔薇の教官』の名を口にするのは厳しいものがある。
{character:小野寺七羽}「国際十進分類法」はご存知ですか?ご存知ない場合は探す時に苦労するかもしれません。
{character:player}うん、さっき調べておいたので大丈夫。このあたりも全部整理したんだっけ?
{character:小野寺七羽}はい、たしかここから取り出したのは……なんという本でしたっけ……。
{character:player}む、無理に思い出さなくて大丈夫!ありがとうございました!
{character:旁白}急いで『薔薇の教官』を探し出さないと……!十進分類法によって、『薔薇の教官』が戻されたであろう本棚は……?
{character:旁白}7番の棚を見てみると、ここは美術書ばかりだ。
{character:player}まずい、あの本はここじゃないみたいだ。
{character:相原舞}旦那様、小野寺さんが先ほど整理した本のことを思い出したと、旦那様を呼んでいます。
{character:player}へ?
{character:小野寺七羽}無理に思い出さなくていいと言われましたが、あそこから戻した本は一冊だけでしたので。
{character:小野寺七羽}文学作品ですので、あちらの棚に入れました。
{character:旁白}そう言って小野寺さんはその方向に歩き出し、舞ちゃんも一緒に向かった。どうしよう、今すぐ止めないと舞ちゃんが……!
{character:相原舞}旦那様が探していた本、舞もちょっと興味があります。
{character:player}あは、あはは……。
{character:旁白}もう一度トイレ戦法を使うか?でも私が離れたところで、小野寺さんが舞ちゃんの目の前に『薔薇の教官』を差し出す未来は変えられない……。もう万策尽きたか?
{character:旁白}9番の棚を見てみると、ここは歴史と地理の本が置かれている。
{character:player}まずい、あの本はここじゃないみたいだ。
{character:相原舞}旦那様、小野寺さんが先ほど整理した本のことを思い出したと、旦那様を呼んでいます。
{character:player}へ?
{character:小野寺七羽}無理に思い出さなくていいと言われましたが、あそこから戻した本は一冊だけでしたので。
{character:小野寺七羽}文学作品ですので、あちらの棚に入れました。
{character:旁白}そう言って小野寺さんはその方向に歩き出し、舞ちゃんも一緒に向かった。どうしよう、今すぐ止めないと舞ちゃんが……!
{character:相原舞}旦那様が探していた本、舞もちょっと興味があります。
{character:player}あは、あはは……。
{character:旁白}もう一度トイレ戦法を使うか?でも私が離れたところで、小野寺さんが舞ちゃんの目の前に『薔薇の教官』を差し出す未来は変えられない……。もう万策尽きたか?
{character:旁白}8番にやってきた。『薔薇の教官』は小説なので、文学の棚に戻されたはずだ。……あった!あのボロボロの緑のブックカバーだ!
{character:相原舞}旦那様、小野寺さんが先ほど整理した本のことを思い出したと、旦那様を呼んでいます。
{character:player}へ?
{character:旁白}『アレ』を見つけた所までは良かったが、取り出そうとした瞬間に舞ちゃんと小野寺さんがこっちに来てしまった。
{character:小野寺七羽}無理に思い出さなくてもいいと言われましたが、こちらに戻した本は一冊だけでしたので……って、もう見つけられたんですね。
{character:旁白}二人の登場は計算外だった。あのボロボロの緑のブックカバーが二人の注目を浴びてしまった。
{character:小野寺七羽}うふふ、こういうものがお好きとは、お目が高いというか何というか。
{character:相原舞}小野寺さんもお好きな本ですか?舞、ますます期待してしまいます。
{character:相原舞}……あれ?あ、あれは……え……?
{character:旁白}それまで一点の曇りもなかった舞ちゃんの笑顔がピシリと凍りつき、瞳もみるみる輝きを失っていく。
{character:旁白}『アレ』が自分の私物であると気づいたに違いない。これから起こる事が容易に想像出来る。
{character:小野寺七羽}この本は……図書館の本ではなさそうですが……。
{character:旁白}『アレ』を見て、小野寺はきっとそれが私物だと気づく。そして本を開き、持ち主の名前が書かれていないかを確認するだろう。舞ちゃんの性格からして、本に名前を書いていてもおかしくない、とすると……!
{character:小野寺七羽}これは、舞さんの本ですか。『薔薇の教官』、ですね。ブックカバーで覆うのは確かにいい方法ですね。中身を隠せますし。
{character:旁白}そして舞ちゃんは恥ずかしさが頂点に達して、ダメージを受けるに違いない……!次に舞ちゃんは誤解するだろう、なぜ私がずっとこの本を探していたのか……。
{character:相原舞}旦那様がこの本を探していたのは、舞をいじめるためですか?舞は、旦那様に嫌われているのですか……?
{character:小野寺七羽}本を使って人をいじめるだなんて、{var:player_nickname}さん、いい趣味をしていらっしゃいますね。
{character:旁白}想像の中で、二人からブリザードのような視線が……
{character:旁白}いや、さすがに妄想が広がり過ぎた。こんなことばかり考えてないで、今からでも入れる保険を探さなければ!
{character:player}本当に、申し訳ない!
{character:旁白}私は小野寺さんに頭を下げた。舞ちゃんの秘密を守らなければ、私までダメージを受けそうだ。だったら、いっそのこと私だけがダメージを受ければいい……!
{character:小野寺七羽}{var:player_nickname}さん。私は図書館のスタッフであり、銀行員ではありません。他人が頭を下げるのを見て楽しむ趣味もないのですが。
{character:player}この本は私の私物です。私物の本を図書館に持ち込んでしまい、本当に、申し訳ないッ……!
{character:小野寺七羽}……あなたの、本……ですか?
{character:旁白}目の前の二人は、どちらもきょとんとした顔をした。私の言ったことをイマイチ飲み込めていない、とでもいうような。
{character:小野寺七羽}……こういうの、お好きなんですか?
{character:player}そ、そうだよ。この本が好きすぎて、毎日肌身離さず持ってるくらい。
{character:player}でも思いがけず、今日は舞ちゃんと一緒に図書館に行くことになって、ついこれを閲覧室に持ち込んじゃったんだ。図書館の規則を破ってしまい、誠に……申し訳ありませんでしたッ……!
{character:旁白}隣の壁に掛かったディスプレイが「図書館ルール」を表示している。その三に「閲覧室に私物の本の持ち込みは禁止」とあったので、いっそここで小野寺に謝ってしまおうと考えた。我ながら迫真の演技だ。
{character:旁白}それにしても、なんでこの二人はいつまでも驚いたままなんだろう?
{character:相原舞}そ、そんなことが……だって、この本は……旦那様が『薔薇の教官』が好きだなんて……。
{character:player}本当だ!私は『薔薇の教官』が大好きなんだ!
{character:小野寺七羽}意外ですね。禁断の友情に興味があるだなんて。
{character:路过的女孩}おかーさん!「きんだんのゆーじょー」ってなーに!?
{character:女孩的母亲}しっ!見ちゃいけません!ほら行くよ!
{character:旁白}終わった、私の人生が、社会的に。でもこれで舞ちゃんの秘密は守られた。これくらいの犠牲、どうってことないぞ……!
{character:player}と、とにかく、これは私の私物だから貰っとくね。舞ちゃんも私がこれ持ってるの見たことあるでしょ?
{character:相原舞}え、ええ?いや、あの……
{character:旁白}小野寺さんをごまかすべく、舞ちゃんにアイコンタクトでサインを出した。なんとか言ってくれ、舞ちゃん……!
{character:相原舞}旦那様は……本当に、『薔薇の教官』が好き、なんですね?
{character:player}そ、そうだよ?
{character:旁白}おかしい、なぜか舞ちゃんの視線がちょっと変な感じがするぞ?守られて感動しているような目じゃなくて、何かこう、同志が見つかって嬉しそうな目というか……。
{character:相原舞}で、でしたら……旦那様はカプ固定派ですか?雑食ですか?い、いえ、その前に、逆カプについてはどういうお考えなのでしょうか?
{character:player}……カプ?固定?逆??
{character:小野寺七羽}お話が盛り上がっている所恐縮ですが、その本の裏にバーコードが無いか、念のため確認させていただきますね。
{character:小野寺七羽}図書館の蔵書を自分の私物だと勘違いして持ち帰られでもしたら、私もいろいろと面倒なので。
{character:player}し、私物にバーコードなんて……
{character:旁白}って、あるじゃん。『薔薇の教官』の裏表紙を開いたら、図書館用のバーコードが貼られている。
{character:player}な、なぜ?これは私物ではないということか?……じゃあどうしてブックカバーが?
{character:小野寺七羽}古い本は、保護のためにブックカバーを付けて古本の棚に収納する決まりになっていますが、この本は表紙が破れているだけなので、カバーを付けてここに置けばよいことになってるんです。
{character:相原舞}でもこのブックカバー……舞のと一緒ですね。
{character:小野寺七羽}そうですよ。舞さんが私におすすめして下さったブックカバーです。館長がこれを見ていいねと仰ったもので。
{character:小野寺七羽}でも結局は、利用者さんたちによって繰り返し読まれて、ボロボロになってしまいましたが。
{character:旁白}どういうことだ、図書館の本にブックカバーをかけるなんてことがあるのか?しかも、舞ちゃんが使ってるのと一緒?こんなことありえるか?ということは、全部私の誤解、ってわけ?
{character:相原舞}このカバー、本をきちんと保護してくれるので愛用しているんです。旦那様も、同じものを使っているんですか?
{character:旁白}見覚えのあるブックカバーをかけていて、舞ちゃんの近くに落ちていたから、私が『アレ』を「花園ファイル」だって勘違いしたってことかーっ!
{character:旁白}でも確かに、それならそれで筋が通る。舞ちゃんは真面目な性格だ、私物を図書館に持ち込むなんてやらないだろうな。ましてやこんな本だし。
{character:player}……そ、そうなんだよね。同じカバーを使ってるから、つい誤解しちゃった。あはは。
{character:小野寺七羽}なるほど……?では、この本は借りていきますか?
{character:player}はい、お願いします……って、違う、やっぱ大丈夫。私はこの本を持っているからね!そうだ、続編はある?あったら借りたいんだけど……
{character:小野寺七羽}うふふ……。承知致しました。ここでお待ち下さい。
{character:旁白}小野寺さんは意味深な目で私と舞ちゃんを見た。まさか見透かされてる……!?
{character:相原舞}旦那様。この本を自分のだと言って下さって、ありがとうございます。
{character:player}ん?なんで?
{character:旁白}舞ちゃんは何事かつぶやいていたけど、無事にこの場を切り抜けた安心感が邪魔をしてよく聞こえなかった。
{character:相原舞}い、いえ、何でも……ないです。
{character:相原舞}そちらに置いて下さると助かります。ありがとうございます。
{character:player}じゃ、机の上に置いとくよ。よいしょっと……
{character:旁白}本を降ろす頃には、舞ちゃんも私も疲れて息が上がっていた。たくさん借りたから、二人掛かりで運んでもなお重かった。
{character:player}やっと落ち着いた。長い一日だったなぁ……
{character:相原舞}お疲れさまです。舞のせいで、旦那様をあんな目に合わせてしまって……。
{character:旁白}巫女の修業の賜物なのか、舞ちゃんは見かけによらず力持ちらしい。帰り道でも疲れを見せずに本を運びながら、私に図書館で起きた出来事について執拗に聞いてくる。私は根負けして、事の顛末を打ち明けた。
{character:相原舞}旦那様は、舞のために一所懸命頑張って下さったんですね。舞は……とても、感激しています。
{character:player}もう忘れてよ。私が誤解しなかったこんなことも起きなかったし、ここまでの大騒ぎにもならなかったんだし。
{character:相原舞}そんなことないです。旦那様がいなければ、舞はきっと、きっと……
{character:player}きっと?
{character:相原舞}い、いえ。そういえば、旦那様があれが「花園ファイル」だって勘違いしたとき、その……舞のこと、心の中で笑ったりしましたか?
{character:旁白}恥ずかしそうに俯いていた舞ちゃんは、ふと顔を上げ、ウサギのような目でおずおずと私に聞いた。
{character:旁白}そんな目で見られたら、こう答えるしかないじゃないか……
{character:player}何があっても、私は舞ちゃんのことを笑ったりしない。安心して。
{character:player}あの詩集のように、『薔薇の教官』も、万人受けはしないかもしれないけど独特な魅力のある本なのだろう。その魅力に惹かれる読者がいても、決しておかしいことではない。
{character:player}私は、舞ちゃんが人前で晒し者になるのは避けたいなって……そう考えていただけだから。
{character:相原舞}旦那様……旦那様にそう言って頂けて、舞は、舞はとても嬉しいです……!
{character:旁白}舞ちゃんは嬉しそうに声を弾ませたが、すぐまた恥ずかしそうに真っ赤な顔を伏せた。
{character:相原舞}えっと……舞は、ちょっとお茶を淹れてきますね。お待ちくださ……きゃっ!
{character:旁白}舞ちゃんはキッチンに走り去うとするが、振り向きざまに入口近くの本棚にぶつかった。こらこら、歩くときは前を見なくちゃ!
{character:player}危ない!
{character:旁白}と言いつつ、焦って舞ちゃんを引き寄せたら、力を入れすぎたのか舞ちゃんの顔が目の前にきた。
{character:相原舞}ひぃ!?
{character:旁白}急いで舞ちゃんの肩を支え、衝突を防いだ。でも舞ちゃんは体に触れられるのが苦手だったよな。
{character:player}大丈夫?えっと……
{character:旁白}だとしたらこれはまずい。この前は手の甲が触れただけであんなにびっくりさせちゃったし、ましてや今のこの体勢……いったいどうなってしまうのか……
{character:相原舞}……だ、大丈夫です。ありがとうございます、旦那様……。
{character:旁白}舞ちゃんは自分で体を起こし、平静そのものといった声で感謝してくれた。
{character:player}う、うん。大丈夫なら良かった。
{character:旁白}そして彼女はゆっくりと服を整えて部屋を出た。とくに動揺した素振りはなかった。
{character:相原舞}旦那様のために、お茶を淹れてきますね……。
{character:player}わ、わかった。
{character:旁白}ただ、舞ちゃんのほっぺたはずっと赤いままだった。
{character:player}……もう克服したってこと?
{character:旁白}この前はあんなにビクついてたのに、この短時間で何が舞ちゃんを変えたのだろう……。
{character:player}さすがに……『薔薇の教官』のおかげ、じゃないよな。
{character:旁白}舞ちゃんがぶつかったせいで乱れた本棚の本を整理して、床に落ちた本も戻そうとした。開かれた本のヘッダーには『薔薇の教官三』と書いてある。
{character:旁白}そして当然のごとく緑色のブックカバーに覆われていて、表紙にもあのイラストが描かれている。これを見て、今日の図書館の出来事が脳内で再生された。
{character:旁白}なぜ、舞ちゃんが通ったところにあの本が落ちていたのか。なぜ、彼女は私の『薔薇の教官』に対する考え方をあそこまで気にしていたのか。そして、なぜ彼女は『薔薇の教官』のことを隠そうとしたのか。
{character:旁白}全ての不正解を排除して、最後に残ったものが如何に不可能な事であっても、それが唯一の正解となる——
{character:旁白}「花園ファイル」が『薔薇の教官三』なら、図書館に落ちていた『薔薇の教官四』は舞ちゃんが借りたかった続編に違いない。舞ちゃんは『薔薇の教官』が好きだが、他人にバレて笑われるのが怖くてひた隠しにしている。だから、私が本棚からあの本を取り出したときにはあんなにも焦った様子でいたし、私の『薔薇の教官』に対する態度も気になったのだろう。
{character:player}どうだろう諸君。この推理は完璧だろう。
{character:旁白}と、脳内で探偵ごっこを存分に楽しんだところで、そろそろお茶も淹れ終わりそうな時間なので本を戻して、何事もなかったかのようにソファーに腰かけた。
{character:旁白}「花園ファイル」の秘密は、舞ちゃんが隠そうとしているうちは、私も絶対に口外したりなんかしないぞ。
{character:player}真相がどうとか、そこは別に重要じゃない。そういう場合もあるじゃないか。
{character:player}……そういえば、舞ちゃんが言ってた固定カプだの逆カプだのってなんなんだろ?舞ちゃんのことをもっと知るためにも、ちょっと調べてみるか。
{character:旁白}そう思い立って、これらのキーワードをパソコンで検索してみた。
{character:旁白}その日、私は新しい世界への門を開いたような気がした。
{character:旁白}まさか本棚を間違えるとは、早くあの本を回収しないと……!
{character:player}あれ?ここに入れたはずなのに……無い!?
{character:旁白}さっき本を入れた棚の前に戻ってきたけど、仕込んだはずの『薔薇の教官』が無くなっている。
{character:图书员}本をお探しですか?ここの棚はさっきちょうど整理をしましたので、置き間違いのあった本は回収されているはずですよ。
{character:player}そうですか。実は、もしかするとその中に私の私物が紛れたかもしれないのですが……
{character:图书员}私物というのは……本ですか?
{character:旁白}スタッフさんは眉をひそめ、教鞭のようにぴんと伸ばした人差し指でメガネをぐいっと持ち上げると、ホールの壁にかかっているディスプレイを指差した。
{character:图书员}図書館の規則その三、私物の本の持ち込みは禁止!
{character:player}すみませんすみません!以後気を付けます!!どうか本をお返し頂けませんでしょうか……!
{character:图书员}はい、今後は気を付けるように。まぁ、私物だとしたら、拾得物保管コーナーに運ばれたはずよ。ついてきて下さい。
{character:旁白}言葉はキツかったけど、最終的には優しい人でよかった……。でも拾得物保管コーナーにも、管理室にもあの本はなかった。
{character:旁白}だいぶ時間をかけちゃったし、舞ちゃんに余計な心配をさせないためにも、彼女の所に戻ろう。『薔薇の教官』探しは一旦お預けだ。
{character:旁白}しかしその後、舞ちゃんと千月神社に帰るまで一人で行動するチャンスには恵まれなかった。
{character:相原舞}そちらに置いて下さると助かります。ありがとうございます。
{character:player}本は机に置いとくね、よいっしょっと……
{character:相原舞}旦那様、ありがとうございます。舞が本をたくさん借りたばかりにここまで運ばせてしまって……。
{character:player}いいのいいの。あ、そういえばちょっと用事が残ってたんだった。ちょっと出かけてくるね。
{character:相原舞}用事、ですか?
{character:旁白}舞ちゃんはまだ『薔薇の教官』を落としたことに気づいていないはず。詳しい理由を言えず申し訳ないとは思うが、今は早く図書館に行って本を回収しないといけない。
{character:player}うん、そんなに時間はかからないから、すぐ戻るよ。
{character:旁白}『アレ』はきっとまだ図書館にある。ここに持ち帰れさえすれば、あとはさりげなく客室の本棚に入れておけばいい。
{character:旁白}そう考えながら、客室の本棚をチラッと見た。色々な本が置かれていて、やっぱり舞ちゃんは本が好きなんだなあと思う。
{character:相原舞}ひぃ!?
{character:旁白}すると、あの見覚えのある緑のブックカバーが目に留まった。ブックカバーだけで中身は空だろうと思っていたら、サインペンで『花園ファイル』と書かれているのも確認出来た。
{character:相原舞}わかりました。ですが、お出かけの前にお茶でもいかがでしょうか。
{character:旁白}ずずいと本棚に近付いてしっかりと観察する。昔見た『花園ファイル』の中身で間違いない。
{character:相原舞}旦那様?
{character:player}……やっぱりまた今度にしよっかな。
{character:相原舞}あら?お出かけはしない、ということでしょうか?
{character:player}うん。やっぱり舞ちゃんのお茶が飲みたいなと思って。よろしくね。
{character:相原舞}……はい!喜んで。
{character:旁白}舞ちゃんはニコニコしながらキッチンに入って行った。ここに『花園ファイル』があるということは、図書館の本は全くの無関係か。
{character:旁白}よく考えてみると、その本は舞ちゃんの近くに落ちていただけだし、舞ちゃんの私物だって考えたのは早とちりだったかもしれない。たまたま同じようなブックカバーに入ってた可能性もあるし。
{character:player}じゃあ図書館に戻る必要もないか……。ふぅ、本でも読んで一休みしようっと。
{character:旁白}私はすっかり安心して、借りてきた本から適当に一冊取り、ソファーに腰掛けた。
{character:旁白}現状を打開する方法を思いつかないまま、二人と文学コーナーに来てしまった。
{character:相原舞}旦那様はどんな本に興味があるのでしょう、ふふ。
{character:旁白}舞ちゃんの笑顔が輝くほど、私の心の中は絶望で暗くなる。あまりの重圧に幻覚がーー
{character:小野寺七羽}あら?この本……図書館の本ではないようですね……。
{character:旁白}小野寺さんは『アレ』を見つけて、それが私物だと気づく。そして本を開き、持ち主の名前でも書かれていないか確認するだろう。舞ちゃんの性格なら、本に名前を書いていてもおかしくない、そうなると……!
{character:小野寺七羽}これは、舞さんの本ですか。『薔薇の教官』、ですね。ブックカバーで覆うのは確かにいい方法ですね。中身を隠せますし。
{character:旁白}舞ちゃんは恥ずかしがって、ダメージを受けるに違いない……!そして舞ちゃんは誤解するだろう、なぜ私がずっとこの本を探していたのかを……。
{character:相原舞}旦那様がこの本を探していたのは、舞をいじめるためですか?舞は、旦那様に嫌われているのですか……?
{character:小野寺七羽}本を使って人をいじめるだなんて、{var:player_nickname}さん、いい趣味をしていらっしゃいますね。
{character:旁白}いや、さすがに妄想が広がり過ぎた。こんなことばかり考えてないで、今からでも入れる保険を探さなければ!
{character:player}あ、あった!これだ!
{character:旁白}棚にある緑の表紙の本を適当に取り出した。舞ちゃんの秘密を守らなければ、私までダメージを受けそうだ。だったら、いっそのこと私だけがダメージを受ければいい……!
{character:相原舞}これが……旦那様が気になってた本ですか?
{character:player}そ、そうだ!さっきから気になってたのはこの『魔法スキルがS級なのにルー……ルーキーの俺が、戦士に転生……いや転職??
{character:旁白}なにこのタイトル、長すぎないか?『魔法スキルがS級なのにルーキーの俺が戦士に転職してようやく最強の勇者になれたけど、結局魔王に一撃で秒殺された件について』って、タイトルでネタバレするのはやめてもらっていいか?
{character:小野寺七羽}あぁ……。ファンからは『まほS』って呼ばれてるやつですね。
{character:player}そ、そうそう!前にこの『まほS』のことを聞いてさ、なにやら安眠に良いらしいとかなんとか!
{character:相原舞}な、なるほど……タイトルはちょっと癖がありますけど、表紙のイラストは結構かわいいですね。
{character:player}でしょ?気になってた本も見つかったし、ありがとう、小野寺さん!
{character:旁白}一時はどうなるかと思ったが、舞ちゃんに怪しまれている様子はないので良しとしよう。『薔薇の教官』が見つかるのも防げたし。
{character:小野寺七羽}ふふ、運がいいですね。『まほS』は人気作なので、この子もつい最近返却されたものです。
{character:player}そんなに人気があるんだ?
{character:小野寺七羽}……本当に、これが読みたい本なんですよね。
{character:旁白}ぎくっ!
{character:player}も、もちろん。なんで?
{character:小野寺七羽}……別に。それでは、二人の貸出手続きを済ませておきますので、後であちらのカウンターで本を受け取ってください。
{character:旁白}私がでたらめを言っているのを見抜いた小野寺さんだったが、それ以上詮索はされなかったので命拾いした。
{character:旁白}これで、舞ちゃんの秘密がは一時的に守られたが、『薔薇の教官』もしばらく図書館に置かれることになった。
{character:相原舞}そちらに置いて下さると助かります。ありがとうございます。
{character:player}じゃ、机の上に置いとくよ。よいしょっと……
{character:旁白}その後、舞ちゃんと千月神社に帰った。
{character:相原舞}旦那様、ありがとうございます。舞が本をたくさん借りたばかりにここまで運ばせてしまって……。
{character:player}大丈夫、でもちょっと用事が残ってるから、先に帰るね。
{character:相原舞}用事、ですか?
{character:旁白}舞ちゃんはまだ『薔薇の教官』を落としたことに気づいていないはず。詳しい理由を言えず申し訳ないとは思うが、今は早く図書館に行って本を回収しないといけない。
{character:player}うん、そんなに時間はかからないから、すぐ戻るよ。
{character:旁白}『アレ』がまだ図書館に残されているなら、一度戻って回収して、さりげなくこの客間の本棚に入れておけばたちまち解決だ。
{character:旁白}そう考えながら、客室の本棚をチラッと見た。色々な本が置かれていて、やっぱり舞ちゃんは本が好きなんだなあと思う。
{character:相原舞}ひぃ!?
{character:旁白}すると、あの見覚えのある緑のブックカバーが目に留まった。ブックカバーだけで中身は空だろうと思っていたら、サインペンで『花園ファイル』と書かれているのも確認出来た。
{character:相原舞}わかりました。ですが、お出かけの前にお茶でもいかがでしょうか。
{character:旁白}さらに一歩本棚に近づいてよく見て気付いた。あれは昔見た「花園ファイル」の正体に間違いない。
{character:相原舞}旦那様?
{character:player}……やっぱりまた今度にしよっかな。
{character:相原舞}あら?お出かけはしない、ということでしょうか?
{character:player}うん。やっぱり舞ちゃんのお茶が飲みたいなと思って。よろしくね。
{character:相原舞}……はい!喜んで。
{character:旁白}舞ちゃんはニコニコしながらキッチンに入って行った。ここに『花園ファイル』があるということは、図書館の本は全くの無関係か。
{character:旁白}よく考えてみると、あの本は舞ちゃんの近くに落ちてただけだし、舞ちゃんの私物だと考えたのは早とちりだったかもしれない。たまたま同じブックカバーをかけてた可能性だってあるし。
{character:player}じゃあ図書館に戻る必要もないか……。ふぅ、本でも読んで一休みしようっと。
{character:旁白}安心しながら、借りてきた本の中から適当に一冊取って、ソファーに腰を掛けた。
{character:player}あれ、この本……
{character:旁白}……またお前か。
合同祭り
契約を結ぶことで開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 12, Scenes 407, Choices 4, Endings 0
{character:斋藤治}承知した。祖父君のご遺志に基づき、もう少し検討されたい……ということだな。
{character:相原舞}はい……。私のわかる範囲では、千月神社はまだこのようなイベントを主催側の立場で開催したことがなくて……。
{character:旁白}千月神社の客間のからは黄昏の日差しが射し込み、舞ちゃんと斎藤さん、そして私の影を床に落としている。
{character:相原舞}祖父は生前、「今の千月神社に祭りはまだ早い」と言っていました。私としても、祖父の遺志に背くのは本意ではありませんので……本当に申し訳ありません。
{character:旁白}斎藤さんはここ最近、一飜市の観光事業をもり立てるため、各寺社を訪ねて、合同で祭を開催するよう呼びかけている。その中でメインターゲットとなっているのが、この歴史ある千月神社だ。舞ちゃんの同意を得るべく、斎藤さんは相当に高額な報酬を提示していた。
{character:旁白}私は舞ちゃんと仲がいいということで、一緒に説得してくれとお願いされて、ここに来ている。しかし舞ちゃんが懸念している点は、予想とまったく違った。
{character:player}舞ちゃんのおじいさんがそんなことを仰っしゃっていたとは……。
{character:相原舞}はい……。本当に申し訳ありません、私も嫌な訳ではないのですが……。
{character:斋藤治}気に召されるな。神社にはそれぞれ掟があること、私も理解しているつもりだ。
{character:斋藤治}なにより、この度の合同祭が、一飜市の観光業のみならず、千月神社の運営にも利益があること……それをご理解頂けただけでも訪ねた甲斐があったというもの。ぜひ、前向きなご検討をよろしくお願いしたい。
{character:斋藤治}それから、先ほど言っていた件だが……実は15年前に、千月神社は大規模な祭りを開催しておられる。
{character:player}そうなの?
{character:斋藤治}私もその祭りに参加したが、この辺りの住民なら、その頃の相原氏の御神楽を覚えている方もいらっしゃるはずだ。
{character:相原舞}御神楽……確かに、お褒め頂いたことがあったような。
{character:斋藤治}ええ。もし参加する気になったら、いつでもご連絡を。直ちに準備に入らせて頂きたい。ぜひ、前向きなご検討を。
{character:斋藤治}では。……{var:player_nickname}さんも、今日相原さんをご紹介頂き感謝する。この後打ち合わせがあるので、先に失礼。
{character:player}舞ちゃんがいいって言ったからね。車まで送るよ。
{character:旁白}舞ちゃんと一緒に、斎藤さんが車に乗って走り去るのを見送った。
{character:相原舞}せっかく旦那様が運営を改善する機会を与えて下さったのに、うまく掴めなくて、本当に申し訳ありません……。
{character:player}謝ることないよ。双方の立場を尊重してこそビジネスは成り立つんだから。神社の掟は舞ちゃん一人で決められることじゃないし。
{character:相原舞}そうですが……。実は、舞も本当に断っていいのか迷っています。おじい様の遺志はもちろん大事にしなければなりませんが、神社の経営を考えると、このチャンスを逃してはいけないとも思います。
{character:相原舞}旦那様は……舞はやはり、斎藤様のご提案を受け入れるべきだと思いますか?
{character:旁白}舞ちゃんは元々慎重派な性格だし、今回の話は神社にとって一大事だということもあって、このままだとずっと迷ってしまいそうだ。私としては……。
{character:player}私も、やっぱり今回の祭の主催を務めるべきだと思う。このところ千月神社の参拝者も段々増えてきてるし、祭をやったらきっともっと賑やかになるよ。
{character:player}本殿裏の麻雀会館のお爺さんお婆さんたちも、今年は祭があったらいいなって話してたよ。
{character:相原舞}皆様……期待してくれているのですね。そう、ですよね……。でもやはり舞は、おじい様の言葉が気がかりで……。
{character:相原舞}あれからまだ数年しか経ってませんし、今でも神社の運営はほとんどおじい様の教えに従ってやっています。もちろん、魂天神社の皆様の協力もあってこそ、経営は辛うじて成り立っていますが……。なので、舞は、こんな大事なことを独りで決められなくて……。
{character:player}わかる。一飜市全体~だとか観光事業振興が~だとか、いきなりそんな話言われてもわからないよね。ゆっくり決めたらいいと思うよ。
{character:旁白}舞ちゃんがすごく困ってそうだからついそう言ったけど、彼女はそれを聞いていなかったのように突然明るい表情になり、元気な声を出した。
{character:相原舞}そうです、魂天神社……!一姫ちゃんたちなら、もしかしたらおじい様がなぜそんな風に言ったのかわかるかもしれません……!
{character:player}え、あ、そうなんだ?
{character:相原舞}はい。古来より魂天神社と千月神社は交流を持っていて、おじい様も一姫ちゃんたちとは旧知の間柄です。もしかしたら、この類の話もしたのではないでしょうか。
{character:player}へー。じゃあ、後で話を聞きに行こうか。
{character:旁白}舞ちゃんとご飯を食べてから、魂天神社へ向かった。ワン次郎に話を聞くと、どうやらなにか知っているようだ。
{character:汪次郎}俺様の知る限り、前の神主の嫁さんが亡くなってから、千月神社は祭りを一切やってないワン。
{character:汪次郎}だから前神主が祭を開催したくないのは、祭が大好きだった嫁さんを思い出したくないからじゃないか?
{character:相原舞}もしそうだとしたら、おじい様が「今の千月神社に祭はまだ早い」と言ったのは、おじい様がおばあ様のことを忘れられなかったから、ということですか……。
{character:一姬}一姫も覚えてるにゃ。昔は千月神社でたくさんお祭りをやってたにゃ!一姫も行ったことあるにゃ。
{character:相原舞}実は……舞も、うっすらそういう記憶があるようなないような……。
{character:汪次郎}お前が3歳くらいの頃が最後だと思うワン。
{character:player}じゃあ、ちょうど15年前じゃないか。斎藤さんの話と辻褄が合うよ。
{character:相原舞}そう、なんですか。おじい様はお祭りが嫌いなのだとばかり思ってましたが、おばあ様を想ってのことでしたか……。なんだか、まだあまり実感がなくて……。
{character:一姬}ちなみに、今回の合同祭は魂天神社も誘われてるにゃ。ワン次郎、もう社長にゃんにやるって返事したのにゃ?
{character:汪次郎}ま、合同祭となると面白そうな出店が出そうだし、何よりうちも潤うしワン。
{character:一姬}だから、舞も一緒ならきっと楽しいにゃ!
{character:相原舞}一緒に……ですか。
{character:旁白}一姫とワン次郎の話を聞いて、舞ちゃんは顔を伏せるも、次に顔をあげた時には明らかに期待を目に宿していた。
{character:相原舞}旦那様は、どう思いますか。舞は……やりたい気持ちになって来ている、かも……しれません。
{character:player}もしおじいさんが本当におばあさんを忘れられなくて祭をやれなかったとしたら、祭を再開するなら今のタイミングがちょうどいいんじゃないかな。おばあ様も、祭が開催されているのを見て喜ぶと思うよ。
{character:汪次郎}そうだろ、俺様もそう思うワン。
{character:相原舞}魂天神社が参加するのでしたら、千月神社が参加しない理由はありません……。そうですよね、おじい様。舞は、千月神社は合同祭の主催を承ることにします。
{character:旁白}そうか、魂天神社との強い絆が後押しになったんだな。
{character:一姬}やったにゃ!私と一緒にわたあめとイカの丸焼きを食べるにゃ!そしていっぱいあそぶにゃー!
{character:旁白}まったく一姫は……。でもこういう自由奔放な雰囲気だからこそ、舞ちゃんの迷いを払えたのかも。
{character:player}おじいさんが祭をやりたがらなかった理由って、何か心当たりはない?
{character:相原舞}え、っと……申し訳ありません、舞もあんまりわからなくて……。
{character:player}斎藤さんが手掛けてるイベントだし、千月神社が主催すれば、いろいろとメリットがあると思うんだけど。
{character:player}おじいさんのご遺志には、何らかの深意が含まれているのかも。言った理由がわかれば、やるかやらないかを決めるための判断材料に出来るんじゃないかな。
{character:相原舞}旦那様の言う通り、ですね……。しかし、舞もおじい様がお祭りを嫌う理由がわからないので……。
{character:相原舞}あれからまだ数年しか経ってませんし、今でも神社の運営はほとんどおじい様の教えに従ってやっています。もちろん、魂天神社の皆様の協力もあってこそ、経営は辛うじて成り立っていますが……。なので、舞は、こんな大事なことは独りで決められなくて……。
{character:player}わかる。一飜市全体~だとか観光事業振興が~だとか、いきなりそんな話言われてもわからないよね。ゆっくり決めたらいいと思うよ。
{character:旁白}舞ちゃんがすごく困ってそうだからついそう言ったけど、彼女はそれを聞いていなかったのように突然明るい表情になり、元気な声を出した。
{character:相原舞}そうです、魂天神社……!一姫ちゃんたちなら、もしかしたらおじい様がなぜそんな風に言ったのかわかるかもしれません……!
{character:player}え、あ、そうなんだ?
{character:相原舞}はい。古来より魂天神社と千月神社は交流を持っていて、おじい様も一姫ちゃんたちとは旧知の間柄です。もしかしたら、この類の話もしたのではないでしょうか。
{character:player}へー。じゃ、さっそく話を聞きに行こうか。
{character:一姬}それなら一姫が知ってるにゃ!おじいちゃんは、おばあちゃんのことがあってお祭りをやらなかったんだと思うにゃ!
{character:一姬}舞のおばあちゃんが亡くなってから、おじいちゃんはおばあちゃんを忘れられなくて、それから一回もお祭りをやってないにゃ……千月祭のあの屋台のたこ焼き、美味しかったのににゃ~。
{character:旁白}舞と魂天神社にやってくると、ちょうど一姫とかぐや姫がお茶をしていたところだった。そこで一姫に話を聞いたら、まさかのそれっぽい答えが一姫から返ってきた。しかしかぐや姫は……
{character:辉夜姬}このちんちくりんめ、でたらめばかり言いおって、その発言に責任を負えるかせ・き・に・ん・を!わらわの見立てでは、祭をやめたのは千月神社のご神体を守るためじゃ。なにせ千月神社のご神体は特別じゃからな。
{character:一姬}にゃに!?バカウサギこそ、おじいちゃんのことなんにも知らないくせに!
{character:辉夜姬}わらわが分かるのは人間のことなどではない、神様のことじゃ。お爺様は神様にキチ~ンとご奉仕してきた方じゃ、どこかの食う寝るしか能のないちんちくりんとは大違いじゃのう?
{character:一姬}にゃにゃ~!お前もクッキー食ってたくせにー!
{character:旁白}あー……一姫にかぐや姫よ。こうなったらもう止められなそう。
{character:player}ワン次郎……早く帰ってきて……。
{character:相原舞}ワン次郎さんなら、先ほど出かけたと一姫ちゃんが言ってましたよ。いつ戻るのでしょうか。
{character:旁白}参ったなぁ。唯一まともな人(?)がこんな時に限っていないなんて。
{character:一姬}舞ちゃん!舞ちゃんはどう思うにゃ?一姫が言ってたことに間違いはないって思うかにゃ?
{character:辉夜姬}ほほう?ではわらわも汝ら凡人の考えを聞くとするかの。どっちがより道理に適っておるか、しっかり考えて答えるがよい、ぐひひ……
{character:相原舞}そ、それは……えっと……。旦那様、舞を助けてください……!
{character:player}個人的には、一姫の話の方がより真実に迫ってる気がする。
{character:一姬}ご主人……!一姫は味方になってくれると信じてたにゃ!
{character:相原舞}そういえば……舞がまだ小さい頃は、神社も確かに賑やかだったはずです。おばあ様がいなくなってから急に静かになったような……
{character:player}そしたら、一姫の言う通り、やっぱりおじいさんはおばあさんのことが忘れられなくて、一人で祭を開催することを避けたんじゃ?
{character:辉夜姬}ほほう?ちんちくりんのくせにちょっとは理のあることを言うではないか。じゃが人間よ。物事の表面ばかり見ているようでは真実にたどり着けないのじゃ。千月神社にはまだまだ汝らの知らない秘密があるはずじゃ、ぐひひ……。
{character:旁白}それは一体、と聞きたいところだったが、かぐや姫はしーっと口に指を当て、私を止めた。千月神社の秘密……どんなものだろう。でも今は、舞ちゃんの悩みを先に考えよう。
{character:一姬}舞と一緒にお祭り、楽しみだにゃー!
{character:相原舞}一緒にやる……とは?魂天神社も声がかかっているのでしょうか?
{character:一姬}にゃにゃ?言わなかったかにゃ?社長にゃんは魂天神社にも合同祭開催を呼び掛けてきたにゃ。ワン次郎はその返事をするために出かけたのにゃ。舞と一緒にお祭りが出来たら、きっと面白いにゃ~!
{character:相原舞}魂天神社が参加するのでしたら、千月神社が参加しない理由はありません……。
{character:旁白}おお、魂天神社との強い絆が後押しになったな。
{character:相原舞}旦那様は、どう思いますか。舞は……やりたい気持ちになって来ている、かも……しれません。
{character:player}もしおじいさんが本当におばあさんを忘れられなくて祭をやれなかったとしたら、祭を再開するなら今のタイミングがちょうどいいんじゃないかな。おばあ様も、祭が開催されているのを見て喜ぶと思うよ。
{character:相原舞}そう、ですよね……。舞は、千月神社は合同祭の主催を承ることにします。
{character:一姬}やったにゃ!私と一緒にわたあめとイカの丸焼きを食べるにゃ!そしていっぱいあそぶにゃー!
{character:旁白}まったく一姫は……。でもこういう自由奔放な雰囲気だからこそ、舞ちゃんの迷いを払えたのかも。
{character:旁白}あれから数ヶ月の間、斎藤さんの協力のもと、魂天神社も千月神社も合同祭の準備をしっかりと進めた。
{character:旁白}そして今日、ようやく合同祭当日がやって来た。
{character:卡维}では、こちらのくじを一本だけ、慎重に選んでください。あなたの運命が決まります。
{character:客人A}おっしゃー!今年も大吉だぜ!
{character:客人B}マジかー。いいなぁ、なんで俺は凶なんだよ。職員さん、これはどうすれば……。
{character:卡维}残念ながら、運命は変えられませんゆえ。
{character:客人B}ええー。なんかどうこうすれば吉へ転じたりするとかって話聞いたことあったと思うけど~?
{character:卡维}ふふ、皆様は思わしくない結果をあちらに結んでいらっしゃいますが、あなたもそういった無駄な足掻きをするのでしたらご自由にどうぞ。
{character:旁白}私と舞ちゃんは授与所の前で参拝者の皆さんに案内をしていて、向こうではカーヴィがおみくじを担当している。
{character:相原舞}千月神社がこんなにご参拝の方でいっぱいになるのはいつぶりでしょうか。
{character:player}そうだねえ。
{character:相原舞}実は、舞は……こういう賑やかな雰囲気が、結構好きなんです。
{character:斋藤治}絵馬を頂けるか。
{character:相原舞}は、はい!……こちらです!
{character:旁白}祭開催の三日前から姿を消していた斎藤さんだったが、ふらりと授与所の前に現れた。秘書さんがついていないことから、どうやらオフで純粋に祭を楽しみたくて来たようだ。
{character:相原舞}初穂料をお納め下さい。えっと、あの……今回は大変お世話になりました……!
{character:斋藤治}なに、これだけの人が集まったのも、相原さんが普段の人付き合いから話を広めて下さったお陰だ。観光客や皆に笑顔を届ける祭を開催できて、私自身も大変やりがいを感じている。
{character:旁白}と言って、斎藤さんは不意に微笑んだ。
{character:斋藤治}本日の賑わいは、15年前の祭に少しも負けていない。私も周りの様子を見ておきたいので、先に失礼する。
{character:旁白}ご満悦といった様子の斎藤さんは絵馬を書くと、その場を離れていった。隣で見ていただけだが、かなりの達筆で、願い事も未来への期待が込められていて、とても斎藤さんらしいものだった。
{character:旁白}そういえば、斎藤さんに言われて思い出したけど、15年前の祭がちょっと気になって来たなぁ。
{character:player}15年前は~って何度も言われるくらいだから、きっととても賑やかな祭だったんだろうな。
{character:相原舞}そう、ですね……。舞も、全然覚えていない訳ではありませんが、思い出すのは、なんとなく……ちょっと嫌です。
{character:player}そう、なんだ……。
{character:相原舞}あの頃を思い出すと、お母様のことも思い出すので……。
{character:旁白}軽快なお囃子が授与所に流れているが、舞ちゃんの顔はみるみるうちに暗くなっていく。
{character:旁白}舞ちゃんとお母さんが、舞ちゃんが小さい頃に離れ離れになったのは知っている。お母さんについて話すとき、舞ちゃんはいつも悲しそうな顔をする。
{character:相原舞}千月神社を継ぐはずの人は、母でしたのに。……いろいろあって、舞がまだ幼い時に家を出て行って、その後は一度しか帰って来ませんでした。
{character:旁白}舞ちゃんの話によると、母親と離れたあとで、唯一会えたのはおばあさんのお葬式の時だったという。
{character:旁白}姿を見た時、舞ちゃんはすぐに自分の母だとわからなかった。黒のスーツを着た女性は一人でお別れの礼をし、周りの人とは一言も言葉を交わさなかった。
{character:相原舞}お葬式が終わると、舞ちゃんのお母さんはすぐその場を立ち去った。それから十数年経った今でも、お母さんからの連絡は毎年の手紙だけらしい。
{character:旁白}そんなことを聞いてしまうと、私もとても複雑な気持ちになり、舞ちゃんをどう慰めればいいかわからなくなってきた。
{character:藤田佳奈}イエーイ!佳奈ちゃんとうちゃーく!ごめんね遅くなって、サイン会に参加するファンが大行列で……って、どうしたの?
{character:旁白}重い空気の中、佳奈ちゃんがシフトを代わりに来た。斎藤さんの会社に所属する人気のタレントで、今日もお祭り会場でサイン会を開催したらしい。
{character:旁白}斎藤さんの人使いの荒さのためか、佳奈ちゃんは今日サイン会が終わってからも、各販売所や屋台で臨時店員をやるらしい。
{character:player}佳奈ちゃん、サイン会お疲れ様!忙しいのに来てくれてありがとう!
{character:藤田佳奈}えへへ、お仕事だからね!でもファンさんに感謝されたら、もっとやる気が出てきたよ!
{character:藤田佳奈}でもね……舞ちゃんをいじめちゃダメだよ。そんなことしたら、いくらファンさんでも佳奈ちゃん許さないんだからね!
{character:player}ち、違うって!ちょっと昔の話をしてただけだよ。でも佳奈ちゃんが来てくれたから、もう元気になったはずだよ!そうだよね舞ちゃん!
{character:相原舞}は、はい……!いじめられてなんかいません、旦那様はいつも舞に優しいんですから……!
{character:藤田佳奈}へぇ~、いつも優しいんだ。ふーん?なんとなく、二人の間にアイドルには禁止のアレの波動を感じるような?
{character:粉丝A}お、おい見ろ!あれ佳奈ちゃんじゃねーか!
{character:粉丝B}やっべぇ本物じゃん!佳奈ちゃん!サインくださーい!
{character:藤田佳奈}おっと……休憩時間も終わりみたいだね。ほら、ファンさんも舞ちゃんも上がっていいよ。この後「本番」でしょ?ここは佳奈ちゃんにまかせて!
{character:旁白}「本番」というのは、この後舞ちゃんが舞殿で披露する御神楽のことだ。私は祭が始まる前から楽しみにしていた。
{character:藤田佳奈}もう少し時間あるし、いろいろ見て回って来たらどうかな。佳奈ちゃんはお昼に面白そうな屋台を一通り回って来たんだけど、楽しめると思うよ!
{character:旁白}佳奈ちゃんは着替えると、授与所の運営を一人で回し始めた。アイドルの宣伝効果なのか、単純に元気な巫女さんがウケるのか、一瞬で授与所の前には長蛇の列。なんだろう、ハレの日に敗北感を味わわせるの、やめてもらっていいですか?
{character:相原舞}それでは、旦那様、えっと……どこから、見て回りましょうか?
{character:player}いやいや、余計なことを考えるのはやめるんだ、自分!そうだなあ、舞ちゃんは何から見たい?
{character:相原舞}舞は……舞は、旦那様が見たい所がいいです。旦那様が決めてください。
{character:旁白}舞ちゃんと謎解き提灯の屋台にやってきた。提灯になぞなぞやクイズが書かれていて、正解数とかかった時間によって賞品がもらえる仕組みらしい。
{character:player}こんにちは。謎解き提灯ゲームをやりたいのですが……。
{character:小野寺七羽}……どうぞ、ご自由に。
{character:旁白}店主の小野寺さんは目を本から離さず答えた。
{character:player}……えっと、小野寺さんがここの店主なんだよね?
{character:小野寺七羽}……ふぅ。いらっしゃいませ。ご自由に提灯を選んでください。
{character:旁白}軽くため息をついた小野寺さんは、あくまで本に目を落としたまま挨拶をした。……どうやらこの店主はお客様の目を見て話すつもりはなさそうだ。ま、小野寺さんはいつもこんな感じだしいっか。
{character:旁白}舞ちゃんに提灯を選んでもらう。表面に「茶」の字が書いてある提灯に決めたようだ。
{character:小野寺七羽}では。最初の問題は……「人は草木の間に在り、目は竹木の傍らに有り」、これはいったいなんでしょうか。
{character:小野寺七羽}ヒントは提灯に書いてある文字です。
{character:相原舞}お茶の「茶」の字なので、答えもお茶と関係があるのでしょうか……。
{character:小野寺七羽}もしわからなかったら、ヒントも出せますのでお声掛け下さい。
{character:相原舞}舞は……もうわかったと思います。
{character:player}いや、速くね?
{character:小野寺七羽}タイムが早ければ早いほど、賞品も豪華になります。すぐ回答することをおすすめしますよ。
{character:相原舞}そうですね、では答えは……「茶箱」です!
{character:小野寺七羽}正解……。この問題では、最短記録ですね。
{character:player}すごい!舞ちゃんってなぞなぞ得意なんだね!
{character:相原舞}い、いえ……。小さい頃、おじい様にお茶についていろいろ教えて頂いたお陰、です。
{character:小野寺七羽}なるほど。得意なカテゴリーを選ぶのも、謎解きを成功させる秘訣ですよ。では次の問題……。
{character:旁白}全10問に全て正解し、報酬を受け取りに行く。
{character:相原舞}旦那様、どれが良いでしょうか。
{character:player}そうだな……。あの古風な団扇はどう?刺繡や房飾りが綺麗だし、舞ちゃんに似合いそう。
{character:相原舞}団扇、ですか……?
{character:player}クイズも舞ちゃんがほとんど答えたし、舞ちゃんへのプレゼントってことで。
{character:相原舞}は、はい……でも……。
{character:player}あまり好きじゃないやつだった?それなら、他のやつ……。
{character:相原舞}い、いいえ、とても気に入りました……!こちらの団扇、下さい……!
{character:旁白}と言って、舞ちゃんは団扇を受け取りに行った。でもあのスッキリしない反応は気になるな。本当に気に入ったのかな?
{character:小野寺七羽}合歓扇……その団扇は愛の誓いを示すものですよ。
{character:player}そうなの?
{character:小野寺七羽}舞さんはこの手の雑学に詳しいですから、気づいたんでしょうね。
{character:相原舞}旦那様、プレゼント、ありがとうございます。舞……これからも大切にしますね……!
{character:旁白}舞ちゃんは団扇を取ってきた。包装紙で一部隠れているが、よく見たら団扇に「比翼連理」と書かれている。店主に一杯食わされた……!!
{character:旁白}舞ちゃんと輪投げの屋台にやってきた。
{character:相原舞}えいっ!
{character:旁白}舞ちゃんが投げた竹の輪は、落ち葉のようにひらひらと地面に落ちていく。もちろん輪の中には何も入っていなかった。
{character:旁白}それから一緒に何回か試したけど、成果なしだったので諦めようとしたところ……。
{character:一之濑空}輪っかを投げるときは、回転を強く付けた方がいいよ。
{character:相原舞}一ノ瀬くん?お祭りに来られたんですね、良かった。
{character:一之濑空}うん、今日は体の調子が良いから。姉さんの同意も得てるよ。
{character:旁白}一ノ瀬くんは千月神社に良く来ていて、舞ちゃんとも知り合いだ。神社に行く途中で私たちが輪投げしている所を見たらしい。
{character:player}一ノ瀬くんって、輪投げもできるんだ?
{character:一之濑空}ううん、できない。けど、本で読んだことがあるんだ。円盤は角運動量が大きいほど安定して飛ぶって。自分で試したことは無いけど……。
{character:player}そうかあ。ちょっと難しそうだけど、試してみよう。
{character:相原舞}はい!
{character:旁白}舞ちゃんが狙ったのはフクニャンによく似た猫のぬいぐるみだ。一ノ瀬くんの言った通りに回転を付けて輪を投げると……。
{character:player}おお、さっきよりいい感じで飛んでいるっぽい……!
{character:旁白}輪っかが弧を描いて、より遠くへ向かって飛んでいく。しかし方向がずれてしまい、結局なにも入らなかった。
{character:相原舞}……あと少し……なのに……!
{character:一之濑空}ごめん、やっぱり理論だけじゃ上手くいかないな……。
{character:player}大丈夫!このまま頑張れば次は絶対入ると思う!
{character:摊主}はいよ、お嬢さんたちの賞品だ。
{character:旁白}あれから努力することおよそ15分、何回投げたか数え切れなくなってきた頃、やっと1回だけ、賞品に引っかかった。それは、細かく刺繡が入っていて、房飾りも綺麗な団扇だった。
{character:player}舞ちゃんが欲しがってたぬいぐるみじゃなくて、残念だけど……。
{character:相原舞}舞は、この扇も、とても素敵だと思います……。
{character:player}そう?じゃあ……舞ちゃんにプレゼントってことにしようか。私より舞ちゃんの方が、こういう古風なものは似合うしね。
{character:player}そうなの?
{character:旁白}舞ちゃんは私の提案を聞いた途端に恥ずかしがり出し、顔も真っ赤に染まった。
{character:player}あ、えっと、もしかしてこういうの好きじゃないとか……。
{character:相原舞}い、いいえ、とても気に入りました……!こちらの団扇、下さい……!
{character:旁白}顔を赤くしながらも、舞ちゃんは団扇を受け取った。でも本当に喜んでるのかよくわからない反応が気になるな。
{character:一之濑空}{var:player_nickname}、あの団扇の包みに「合歓扇」って書いてあるけど、それが関係あったりする?
{character:player}そうなの?
{character:旁白}そういえば歴史ロマン系のドラマで見たことあるけど、昔のある地域の人は扇を愛の誓いを示すプレゼントとして贈る習慣があったわ。舞ちゃんはこういうの詳しいから、きっと気づいたんだろう。
{character:相原舞}旦那様、プレゼント、ありがとうございます。舞……これからも大切にしますね……!
{character:旁白}舞ちゃんは扇を取ってきた。包装紙で一部隠れているが、よく見たらうちわに「比翼連理」と書かれている。店主に一杯食わされた……!!
{character:旁白}舞ちゃんとバルーンシューティングゲームの屋台にやってきた。
{character:A-37}いらっしゃい。
{character:旁白}A-37が屋台前の椅子に座って、柄付きのスポンジブラシで銃身の掃除をしている。
{character:player}これ、おもちゃのエアガンだよね。
{character:A-37}……。多く当てれば賞品も多くなる。
{character:player}舞ちゃんどう?やってみない?
{character:相原舞}でも、舞はこういうの……やったことないので……。
{character:player}誰でも最初は初めてだよ。当たるかどうかはあまり気にしないで楽しもう。
{character:旁白}私に励まされ、銃を受け取った舞ちゃん。A-37は少しの間、簡単に銃の扱い方をレクチャーしてくれた。
{character:相原舞}それでは……舞、撃ちます!
{character:旁白}舞ちゃんの異様に真面目な表情を見て、全弾外して自己嫌悪に陥る未来が見えた気がしていたけど……。
{character:A-37}10発全弾命中だ。
{character:player}え、ええ……?舞ちゃん、こういうの上手いの?
{character:相原舞}えっと、的が近いから……でしょうか。それに、この銃もそんなに重くないですし。舞は以前弓の修業もしていたのですが、それに比べるとこっちの方が簡単というか……。
{character:player}巫女の修業ってそういうのもやるのかよ。
{character:A-37}お前、射撃の才能があるな。
{character:相原舞}才、才能……ですか?
{character:A-37}その気になったら、実弾射撃の訓練場を紹介してやる。
{character:相原舞}実弾……って、ええ!?遠慮させて頂きます……!
{character:旁白}ゲームが終わり、賞品を受け取りに来た。
{character:相原舞}旦那様、どれが良いでしょうか。
{character:player}そうだな……。あの古風な団扇はどう?刺繡や房飾りが綺麗だし、舞ちゃんに似合いそう。
{character:相原舞}団扇……ですか?
{character:player}ゲームの点数は舞ちゃんがほとんど稼いでくれたし、この刺繍や房飾りも舞ちゃんに似合いそうだったから。プレゼントってことで。
{character:相原舞}は、はい……でも……。
{character:player}あまり好きじゃないやつだった?それなら、他のやつ……。
{character:相原舞}い、いいえ、とても気に入りました……!こちらの団扇、下さい……!
{character:旁白}顔を赤くしながらも、舞ちゃんは団扇を受け取った。でも本当に喜んでるのかよくわからない反応が気になるな。
{character:A-37}賞品リストによると、あれは「合歓扇」というらしい。
{character:player}そうなの?
{character:旁白}そういえば歴史ロマン系のドラマで見たことあるけど、昔の人は扇を愛の誓いを示すプレゼントとして贈る習慣があったわ。舞ちゃんはこういうの詳しいから、きっと気づいたんだろう。
{character:相原舞}旦那様、プレゼント、ありがとうございます。舞……これからも大切にしますね……!
{character:旁白}舞ちゃんは団扇を取ってきた。包装紙で一部隠れているが、よく見たら団扇に「比翼連理」と書かれている。店主に一杯食わされた……!!
{character:旁白}その後も、他の屋台を見て回っていると、拡声器からお知らせが流れた。
{character:广播声}一飜市合同祭にお越しの皆様にお知らせを致します。千月神社、本日の神楽舞は、30分後に本殿前舞殿にて行う予定です。ぜひ、お集まりください。
{character:相原舞}そろそろ、用意しに行かないと、ですね……。旦那様、付き合ってくださりありがとうございます。
{character:player}ううん、私も楽しかったよ。
{character:相原舞}よかったです。その、お礼と言ってもなんですが、よろしければこの後、舞の御神楽をぜひご覧ください。
{character:player}もちろん。舞ちゃんの晴れ舞台を見逃すわけにはいかないよ。
{character:相原舞}旦那様……!では、舞は準備に向かいますね。
{character:旁白}舞ちゃんと別れて、私は御神楽の時間まで屋台を回った。そして本殿へ向かおうとしたところで……。
{character:player}おっと……!
{character:小女孩}……きゃっ。えっと、ごめんなさい……。
{character:旁白}急いで行こうとしたら、4、5歳くらいの女の子にぶつかった。女の子はその勢いで地面にしりもちをついた。
{character:player}大丈夫?
{character:旁白}女の子を助け起こして、周りを見渡す。付近に彼女の親らしき人は見当たらない。
{character:player}お父さんとお母さんは?
{character:相原舞}……。
{character:旁白}女の子はしょんぼりとして、私の声が聞こえてなさそうだ。
{character:小女孩}おかあさん……いなくなっちゃった。
{character:player}いなくなった……。はぐれちゃったってこと?えーと、どこではぐれたかわかる?
{character:小女孩}……わかんない。
{character:旁白}参ったな。女の子は迷子になったってことだ。御神楽の開始時間が迫り、周りの人通りもどんどん増えてきた。
{character:player}……とにかく、この子をここに置いていく訳にはいかない。どうすれば……。
{character:旁白}女の子を鳥居前の放送ブースに連れて行き、迷子のお知らせを流してもらった。
{character:player}お母さんを見つけたら教えてね。
{character:小女孩}……うん……。
{character:旁白}お知らせが聞こえていたら、女の子のお母さんはここに来るはずだ。しかし二人で待っていても、なかなかそれらしき人が来ない。
{character:路人A}はやく行こう!もう始まるって!
{character:路人B}今日の大トリの神楽舞、見逃すわけにはいかねぇよな!
{character:旁白}舞ちゃんの御神楽が始まる。私は焦りを感じ、しきりに本殿の方へ目をやった。
{character:小女孩}……おどり、みたいの?
{character:player}そうなの?
{character:小女孩}あたしもみたい……。おかあさんにつれてきてもらったのも、それをみにきたからなのに……。ねぇ、いっしょにみにいこ?
{character:player}でも……お母さんが心配するかもしれないよ。
{character:旁白}周りを見渡すと、鳥居付近にいた人は本殿の方へ流れていったので、この辺りの人通りは少なくなってきた。それなのに、女の子のお母さんらしき人は見えなかった。
{character:旁白}更に数分待ったけど、女の子のお母さんはまだ来ない。舞ちゃんと交わした約束を思い出して、焦る気持ちがより一層強くなってきた。
{character:小女孩}このままじゃ……おどり、おわっちゃう。
{character:player}わかった、行こう。私もやっぱり見たいからさ。
{character:小女孩}ほんと?やった。
{character:旁白}放送ブースのスタッフに、女の子の母が来たら私に連絡するようお願いして、私と女の子は舞殿へ向かった。
{character:旁白}しかし、本殿への道が人で埋めつくされていたせいで、舞殿の前にたどり着いた時には、舞ちゃんの舞は半分以上を経過していた。
{character:旁白}神楽鈴の音色とともに、舞殿の上で舞う舞ちゃんの姿が目に映った。
{character:旁白}厳かな音楽とともに、舞ちゃんはふわりと舞っている。白い千早に朱色の袴、まるで蝶々が夜空の下で飛んでいるようだ。そして、歌声が聞こえてくる——
{character:旁白}「しののはに ゆきふりつもる よにうたひ」
{character:旁白}舞ちゃんの服装はいつもの素朴な巫女服と違って、華やかな天冠を戴き、高い下駄を履いている。
{character:旁白}金色に煌めく神楽鈴が彼女の手によって揺らされ、神さまが通る道を象徴する五色絹も合わせてひらひら揺れる。
{character:旁白}「しもふりはらふ いいはんのたみ」
{character:player}……すごい迫力だ。
{character:旁白}普段の恥ずかしがり屋で大人しい舞ちゃんと打って変わって、今の彼女は大勢の人の前にしても少しも焦らず、堂々としている。そんな舞ちゃんと一瞬目が合った。
{character:相原舞}……。
{character:旁白}舞ちゃんは微笑んだ。いつものおどおどとした表情じゃなくて、優しさと温かさを湛えた……巫女の表情になっている。
{character:旁白}私は感動した。舞ちゃんの見事な舞に対してかもしれないし、彼女の成長に対してかもしれない。
{character:player}……合同祭が開催できてよかったなぁ。
{character:旁白}御神楽が終わりに近づき、全員が注目する中、舞ちゃんは再び神楽鈴を持ち上げ、最後の舞を舞った。
{character:小女孩}すごいすごーい!おねえちゃんじょうずだったー!
{character:旁白}御神楽が無事に終わり、観客からは割れんばかりの拍手が送られた。
{character:player}半分しか見れなくて残念だったね。
{character:小女孩}はんぶんだけでもすっごくよかった!おねえちゃんほんとにすごかった!
{character:旁白}女の子は興奮を抑えきれない様子で、舞殿の灯りが消え、人混みが捌け出しても拍手を続けている。
{character:小女孩}あー!おかあさんだ!
{character:旁白}その時、一人の女性が舞殿の裏からこちらへ走って来て、女の子も女性の方へ駆けて行った。なぜ女の子のお母さんがこんなところにと困惑していると、舞ちゃんも裏手から出てきた。
{character:相原舞}旦那様……?この子は……?
{character:旁白}舞ちゃんの首や額にまだ汗のしずくが付いている。どうやら休憩もせずに外へ出てきたらしい。この女性と一緒に出てきたということは……
{character:player}迷子になった子。さっき神楽舞の前に迷子のお知らせも流してもらったんだけど、親御さんがなかなか来なくて。
{character:相原舞}そうでしたか。こちらのお母様はお知らせが聞こえなかったのでしょうか、ちょうど御神楽が始まる直前にこちらにいらっしゃいまして、喧嘩をしてしまってはぐれた娘を探してほしいとスタッフに仰ったんです。
{character:相原舞}でもその時は舞殿周辺も人がたくさんいましたので、終了までお待ち頂くことになりまして……。
{character:player}だから鳥居の前で待ってても来なかったのか……。って、喧嘩したって言った?
{character:旁白}ただの迷子じゃなかったのか。女の子を見ると、今はお母さんに抱き着いてわんわん泣いている。
{character:小女孩}……ずっとたのしみだったの、おねえちゃんのおどり。でもおかあさんは、おかあさんは……わーん……
{character:母亲}ごめんね、本当にごめんね……。お母さん仕事だからって、約束を破ったのがいけなかったの。
{character:旁白}普段忙しくて家にいない母だが、今日は珍しく自分を祭に連れてきてくれた。なのにいきなり仕事に行くと言い出したということで、お母さんへの文句を泣いて言い続ける女の子。
{character:旁白}娘の気持ちをよく考えず、頭ごなしに子供を叱ってしまったと、しきりに謝る母親。
{character:相原舞}……。
{character:player}舞ちゃん、大丈夫?
{character:旁白}そして隣でちょっと沈んだ様子の舞ちゃん。目の前の二人を見て、自分の母親のことを思い出したのだろう。
{character:player}舞ちゃんのお母さんも、こんな風に舞ちゃんに思いを馳せているのかもね?
{character:player}そうなの?
{character:player}一緒にいられなくても、毎年手紙を書いてくれているということは、舞ちゃんのことを想ってくれてるんだと思うな。
{character:相原舞}そう、ですね……。ありがとうございます、旦那様。
{character:旁白}舞ちゃんは静かに答えた。目を母娘から逸らしてなかったけど、顔に笑みが出てきている。
{character:相原舞}舞も、時々思います。お母様は、舞の傍に来られない理由があるんじゃないかと。どこかで舞のことを想っていてくれているのではないかと。もしかしたら、いつかはお母様と再会できるかもしれません。
{character:旁白}夜も更けてきて、舞ちゃんと裏手の「修業の間」にきた。
{character:相原舞}どうぞ、お入りください。あ、入口の段差に気を付けて下さいね。
{character:旁白}祭りの初日が終了し、千月神社の喧騒もようやく静まった。
{character:旁白}一日頑張った私たち二人は疲れが溜まっているが、舞ちゃんは大事な話があると言って私をここに連れてきた。
{character:相原舞}舞は、旦那様に見せたいものがあります。
{character:player}私に、見せたいもの?
{character:旁白}「修業の間」の内装は古風で素朴な道場のようだ。舞ちゃんは中央の柱の傍に立った。
{character:相原舞}旦那様は先ほど、御神楽を全部見られなかったのではありませんか?よろしければここで、旦那様にもう一度舞う姿を見ていただきたいのです。
{character:相原舞}旦那様はいつも、舞を助けてくれて、そばにいてくれて……今日も、舞の迷いを晴らしてくれました。
{character:旁白}舞ちゃんの体は窓から射してきた幽かな月光に照らされ、どことなく神聖なオーラを放っている。
{character:旁白}あの舞ちゃんが、恥ずかしがらず素直に感謝の気持ちを伝えようとしてくれて胸が熱くなる。今の彼女は、さっき舞殿にいた時と同じくらいに輝いている。
{character:相原舞}だから、今日という日に旦那様に見届けていただきたいのです。
{character:旁白}その率直な思いを前に、私の浮ついた気持ちが落ち着いた。
{character:player}わかった。舞ちゃんの気持ち、見せてもらうよ。
{character:相原舞}旦那様、ありがとうございます……!
{character:旁白}舞ちゃんは顔に赤みを帯びながらも、慌てた様子もなく堂々と舞を舞った。
{character:旁白}今まで巫女としての弛まぬ努力、おじい様から神社を継ぐという固い決意。子供の頃から心に秘めていた孤独さ、そして今、自分と通じ合った気持ち。彼女の舞には、それら全てが込められている。
{character:相原舞}「てんじやうにつきのわみちてすずかぜのをとめとなりてゆらりゆらりと」
{character:旁白}神楽鈴を揺らしながら、月明かりの下で鈴の音と共に歌い舞う。
{character:相原舞}「つきにまひいのちゆさぶるたまのねとこころきよきちづきのたみや」
{character:旁白}その舞と歌は、舞ちゃんは今までと少し変わったんだと感じさせてくれた。
{character:藤田佳奈}へ?佳奈ちゃんの助けが必要?
{character:player}ごめん!あとでちゃんとお礼するから、お願い……!
{character:旁白}女の子を鳥居前の放送席に連れて行き、迷子のお知らせを流してもらった後、佳奈ちゃんに世話を任せた。
{character:藤田佳奈}まぁ、ここで待つだけなら大した手間じゃないし。次の握手会、絶対に舞ちゃんと来てよね。
{character:player}う、うん!約束するよ。
{character:藤田佳奈}じゃあ、もう行ってきなよ。お母さんを見つけたらメッセージで連絡するから。
{character:旁白}佳奈ちゃんにありがとうと言って、急いで本殿の方へ向かった。人がどんどん増えてくる、そろそろ御神楽が始まる時間だ。
{character:旁白}そして、神楽鈴の音が響き渡り、舞殿の上に舞ちゃんが現れた。
{character:旁白}荘厳な雅楽に合わせて、舞ちゃんはひらりと舞い出した。白き千早、朱色の袴、蝶々のように夜空の下で舞う。そして、歌声が聞こえてくる——
{character:旁白}「しののはに ゆきふりつもる よにうたひ」
{character:旁白}舞ちゃんの服装はいつもの素朴な巫女服と違って、華やかな天冠を戴き、高い下駄を履いている。
{character:旁白}金色に煌めく神楽鈴が彼女の手によって揺らされ、神さまが通る道を象徴する五色絹も合わせてひらひら揺れる。
{character:旁白}「しもふりはらふ いいはんのたみ」
{character:player}……すごい迫力だ。
{character:旁白}普段の恥ずかしがり屋で大人しい舞ちゃんと打って変わって、今の彼女は大勢の人の前にしても少しも焦らず、堂々としている。そんな舞ちゃんと一瞬目が合った。
{character:相原舞}……。
{character:旁白}舞ちゃんは微笑んだ。いつものおどおどとした表情じゃなくて、優しさと温かさを湛えた……巫女の表情になっている。
{character:旁白}私は感動した。舞ちゃんの見事な舞に対してかもしれないし、彼女の成長に対してかもしれない。
{character:player}……合同祭が開催できてよかったなぁ。
{character:旁白}御神楽が終わりに近づき、全員が注目する中、舞ちゃんは再び神楽鈴を持ち上げ、最後の舞を舞った。
{character:旁白}御神楽が無事に終わり、合同祭の順調な始まりを象徴するものになった。そして祭りの喧騒は深夜まで続いた。
{character:player}個人的には……かぐや姫の話の方が説得力ある気がする。
{character:一姬}ご、ご主人!?なぜあいつの味方をするにゃ!
{character:player}ごめんごめん、でも舞ちゃんのおじいさんは、神事にとても厳しい方だったって聞いてたから、ご神体を守るために……っていうのは、なんかそれっぽいなぁって。
{character:辉夜姬}ぐひひ、多少は頭の回る人の子じゃの。
{character:一姬}にゃ~……
{character:旁白}二人の話を聞いて、舞ちゃんと千月神社に帰った。
{character:相原舞}旦那様、舞と一緒に、ご神体を見て頂けますか。舞は心のどこかで、ちょっと違うんじゃないかなと思ってしまいまして……。
{character:player}いいけど、私みたいな部外者が大事なご神体を見ちゃっていいの?
{character:相原舞}旦那様は、いつも舞を助けて下さいますし、だから、その……部外者じゃ、ないと思います……!
{character:旁白}どうやら私は、思ってた以上に舞ちゃんに信頼されてるらしい。というか、顔を真っ赤にしてまでまでいうセリフじゃないような。まぁ、舞ちゃんだし仕方ないか。
{character:player}わかった、行くよ。
{character:相原舞}ありがとうございます、旦那様……!
{character:旁白}うーん、いい笑顔。
{character:旁白}舞ちゃんに連れられて、神社の裏手にある「修業の間」に来た。千月神社の中ではもっとも古い建物であり、一般向けには解放されていないので、外観を見るのも初めてだ。
{character:旁白}中に入った舞ちゃんは電気を付けなかった。もとい、この部屋の中に電気なんてなかった。敷地内の他の建物と違って、この建物は真ん中に大きな一本の柱が天井まで突き刺さっていて、屋根も非常に歴史ある造りをしている。
{character:player}千月神社……さすがこの町で一番歴史ある神社だなあ。
{character:相原舞}はい……ここも何度か修繕されているはずですが、古い姿を色濃く残しているんです。
{character:旁白}そして舞ちゃんは一番奥にかかった掛け軸の辺りに行き、その下にある箱の中からあるものを取り出した。
{character:相原舞}これです。相原家が代々受け継いできた神楽鈴で、この千月神社が祭るご神体です。
{character:旁白}箱から取り出したるは、色とりどりの飾り布が付いた古めかしい鈴。鈴は窓から射し込んだ幽かな月の光に照らされ、金色に冷たく輝いている。
{character:旁白}建物が古いせいか、目の前のこの光景にどことなく荘厳な雰囲気を感じた。千月神社でお役目を果たしてきた歴代の巫女の意志が、相原舞という継承者を見守っているようだ。
{character:相原舞}そうだ……舞、思い出しました。
{character:旁白}静けさを破ったのは、舞ちゃんの声だった。
{character:相原舞}舞がまだ小さい頃に、おばあ様がこの鈴を持って、舞に御神楽を踊って見せてくれたことがあります。まさに、この中で。
{character:旁白}思い出を辿るように、舞ちゃんは鈴を揺らしながら振り返り中央の柱に目を向ける。鈴はリンリンと、涼しい音を発した。
{character:相原舞}おじい様はここで舞を膝に抱いて、おばあ様の踊りを一緒に見ていました。二人とも、あの頃は幸せそうでした……。
{character:旁白}その話が本当なら、舞ちゃんのおじい様はきっとおばあ様のことをすごく愛してたんだろうな。だとすると、一姫の説の方が説得力が出てきたなぁ……。
{character:player}おじいさんは、やっぱりおばあさんが忘れられなくて、祭をやれなかったのか……。
{character:相原舞}はい……。舞も、そう思います。でも、かぐや姫さんのお話も間違いではないと思います。このご神体を守るため、そして、おばあ様のことが忘れられなくて、お祭りが出来なかったのだと思います。
{character:相原舞}なんとなく、おじい様の気持ちがすこしわかるようになりました。
{character:旁白}「おじい様」の思う所を知り、舞ちゃんは嬉しそうにゆったりと鈴を揺らし始めた。さっきまでは冷たい輝きを放っていた月の光も、鈴の音とともに優しく揺れている。
{character:旁白}月明かりの下で神楽鈴は、先までとは違う、家族愛のように暖かい金色の輝きを放っていた。
{character:相原舞}ね~んね~ん、ころ~り~よ……おこ~ろ~り~よ~♪
{character:旁白}舞ちゃんは、歌とともに舞を舞った。観客は私一人だけだった。
{character:相原舞}坊~やは、よい~こ~だ……ねん~ね~し~な~♪
{character:旁白}いなくなってしまった人の愛情が蘇ったような、不思議な気持ちになった。