サラ
移動曲芸サーカス「soul」の人気踊り子。大胆奔放に踊る姿で、妖艶さがありながらも低俗さを感じさせないことから、「舞台上のカシオペア」の二つ名を持つ。 多国ハーフの血筋で、サラは一際目立つ外見をしている。特に、彼女のオッドアイの瞳に見つめられると、魂の深部まで見抜かれてしまいそうな気がする。 猫のように性格が気まぐれで、本人もかなりの猫好きである。 過去に魂天神社に迷い込んだことがあり、自分の好みから、一姫をかなり気に入っている。
Profile
Skins
サラの初期衣装
サラと契約を結んだ時に入手できる着せ替え衣装
「魂天初詣」にて購入できる限定の着せ替え衣装
新学期テーマの着せ替え衣装
「雀魂夏祭り2022・にゃん国無双」にて購入できる水着テーマの着せ替え衣装
「イーハンパス・トラベラー」にて購入できる冒険テーマの着せ替え衣装
「春節廟会」にて購入できる、旧正月テーマの着せ替え衣装
「夢を紡ぐピアノ教室」にて購入できる、ハロウィンテーマの着せ替え衣装。
Emotes
Bond Requirements
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プレゼント・普通
ありがとう。個人からのプレゼントを受け取るのはうちの舞踊団のルールだといけないことなんだけど、せっかくの気持ちを無駄にはできないわね~
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プレゼント・好み
このプレゼント...あなたったらもう......お礼として一曲舞いを披露しましょう。ウフフ
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絆レベルアップ5
忙しいか、って?ふふふ、ヒ・ミ・ツ...そのうちわかるわ
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絆レベルアップ1
あなたみたいな熱心なファンは珍しいわね。もし私の舞いがあなたに楽しんでもらえたなら何よりだわ
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絆レベルアップ2
私には舞い以外に何もないのに......あなたはいつも熱心に応援してくれてありがとう。でも私はもっと上達しなきゃね。あなたにとって楽しんでもらえるならいいけど、苦労をかけたくはないわ
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絆レベルアップ3
さっきのアドバイスは助かったわ~ありがとう。あなたって踊りの才能が意外とあるのかもね
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絆レベルアップ4
最近あなた、全然来てくれなかったわね...ん?寂しかったかって?えぇ、そうかもしれないわ。いつの間にかあなたが傍にいることが当たり前みたいに思ってたみたい。あなたの用事を優先してくれていいわ...その方がいいわよ...
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隐藏语音 - 新年
明けましておめでとう。あなた~今日は特別な舞いをするの。よかったら見に来てくれるかしら~?…でもあなたは来てくれるわよね?ふふ
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隐藏语音 - 情人节
どうしたの?なんだかモジモジしちゃって…チョコが好きじゃなかったかしら?…それとも…本命か義理かが気になってるの?ふふ、そんなことを気にするなんてかわいいのね。これはあなただから贈ったものよ。あなただけに送ったものなの
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メイン1
ミーちゃん、ミーちゃん、あの子ったら...どこに行っちゃったのかしら~?困ったわね、もう...。あなたももし私の飼い猫を見つけたら連れてきてもらえるかしら?
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メイン2
舞ってほしい?ごめんなさいね~。舞台の時間はもう終わっちゃったから今はプライベートの時間なの。もし、あなたが私から1回でもあがれたら考えてあ・げ・る...フフ
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メイン3
ねぇ、あなた。よかったら神社に一緒に行かない?でも、一姫...あの子はどうも私を怖がってるみたいなのよねぇ...情熱的に接しすぎちゃったかしら...?
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メイン4
麻雀ね...今は遠慮しておくわ~。最近調子が良くなくて、直観があまり冴えない感じだから、あなたに笑われちゃうのが怖いもの~
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メイン5
今日は一日中踊ったから両足が疲れちゃったわ~...ちょっとリラックスしたい気分だし、一緒に麻雀するのはどう~?座りたいわ...
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メイン6
はぁ、少し疲れたわ......ごめんなさい...こんなところを見せちゃって...だけどあなただけにしか見せないのよ?こういうプライベートなところ
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メイン7
あなた、傍に座って私を見ててくれる?あなたが見てくれるだけで私の感覚もいつもより鋭くなる気がするの
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メイン8
昔からずっと、この両足を頼りにしてきたけど、たまには他の人を頼ることだってあるわよ。ねぇ?あなた~
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ログイン・普通
あら、あなた、いらっしゃい。最近はよく来てくれているんじゃない?フフ
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ログイン・絆LvMAX
いらっしゃい、待っていましたわ~。...様子が違って見える?当然でしょう?あなたは贔屓のお客様ですもの~
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契約を結ぶ
あなた...これは私の希望だけど、あなたのために...ただあなただけのために全てを見せたい。この特別な舞いを見せるのは私たちだけの秘密...。しっかり心に焼き付けて...ね?
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SP-友人戦部屋に入場する時
お邪魔するわね。勝ち負けにこだわらず楽しみましょう?
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SP-友人戦部屋で準備した時
準備はできたわ。体も温まってきたみたい…
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出会い
私はサラ、踊り子よ~。フフ、あなたも...私の舞が見たいのかしら?
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北抜き
抜いちゃいましょう♡
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チー
チー
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ダブル立直
ダブルリーチ
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カン
カン
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ポン
ポン
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立直
リーチ
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ロン
あら、あがりね~...フフ
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ツモ
ごめんなさい、お先よ
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白
ハク
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北
ペー
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純全帯幺九
ジュンチャン
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純正九蓮宝燈
チューレン九(きゅう)メン待ち
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大三元
ダイサンゲン
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大四喜
大スーシー
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地和
チーホー
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ダブル立直
ダブリー
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東
トン
-
ドラ
ドラ
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ドラ10
ドラ10(じゅう)
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ドラ11
ドラ11(じゅういち)
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ドラ12
ドラ12(じゅうに)
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ドラ13以上
ドラたくさん
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ドラ2
ドラ2(に)
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ドラ3
ドラ3(さん)
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ドラ4
ドラ4(よん)
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ドラ5
ドラ5(ご)
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ドラ6
ドラ6(ろく)
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ドラ7
ドラ7(なな)
-
ドラ8
ドラ8(はち)
-
ドラ9
ドラ9(きゅう)
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ダブル北
ダブペー
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ダブル東
ダブトン
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ダブル南
ダブナン
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ダブル西
ダブシャー
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断幺九
タンヤオ
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対々和
トイトイ
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二盃口
リャンペーコー
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発
ハツ
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国士無双十三面待ち
コクシ十三メン待ち
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国士無双
コクシムソウ
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海底摸月
ハイテイ
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河底撈魚
ホウテイ
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混老頭
ホンロートー
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混全帯幺九
チャンタ
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混一色
ホンイツ
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九蓮宝燈
チューレンポートー
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嶺上開花
リンシャン
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立直
リーチ
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流し満貫
流しマンガン
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緑一色
リューイーソー
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南
ナン
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平和
ピンフ
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槍槓
チャンカン
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七対子
チートイ
-
清老頭
チンロートー
-
清一色
チンイツ
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三暗刻
サンアンコー
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三槓子
サンカンツ
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三色同刻
三色(さんしょく)ドーコー
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三色同順
三色(さんしょく)ドウジュン
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四暗刻
スーアンコウ
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四暗刻単騎
スーアンコウ、タンキ
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四槓子
スーカンツ
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天和
テンホー
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西
シャー
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小三元
ショーサンゲン
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小四喜
小スーシー
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一盃口
イーペーコー
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一発
イッパツ
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一気通貫
イッツー
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中
チュン
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ツモ
ツモ
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字一色
ツーイーソー
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清算一位
なかなか悪くない対局だったわ。みんなも熱い対局ができて興奮したんじゃないかしら?
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清算一位・高い点数で勝利
あら~?このリズムは悪くないわね~
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清算一位・ロンで勝利
余興はここまでにしましょう
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倍満
倍満(バイマン)
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九種九牌
九種九牌(キュウシュキュウハイ)
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数え役満
数え役満(カゾエヤクマン)
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満貫
満貫(マンガン)
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ノーテン
ノーテンね...
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三倍満
三倍満(サンバイマン)
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四風連打
スーフーレンダねぇ...みんなのリズムが一致したわね
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四槓散了
四槓散了(スーカンサンラー)
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四家立直
スーチャリーチだなんて、みんな勢いがいいわね
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跳満
跳満(ハネマン)
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聴牌
テンパイよ、フフ
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役満
ヤクマン
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ダブル役満
ダブルヤクマン
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トリプル役満
トリプルヤクマン
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四倍役満
四倍(よんばい)ヤクマン
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五倍役満
五倍(ごばい)ヤクマン
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六倍役満
六倍(ろくばい)ヤクマン
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SP - ドラを捨てた時
どうしてこれを捨てたかって?ふふ…どうしてかしらね~
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SP - 倍満/三倍満聴牌
不思議なこともあるものね~。こんなことになるなんて、ふふふ
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SP - 同じ牌を連続に捨てた時
あら、ただの直感だけど流れが悪そうに見えるわね
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SP - 残り牌が10枚以下の時
この音楽ももうすぐ終わりね
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対局開始
私に注目するのもいいけど、大事なものを疎かにしてはダメよ~?フフフ…
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SP - 役満聴牌
あら~?こんなに調子がいいなんて!
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帯幺九
帯幺九(タイヤオチュウ)
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根
根(ルート)
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将対
将対(ジャントイ)
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金勾釣
金勾釣(キンコウテャオ)
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嶺上放銃
嶺上放銃(リンシャンホウジュウ)
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龍七対
龍七対(ロンチートイ)
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清対
清対(チントイ)
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清金勾釣
清金勾釣(チンキンコウテャオ)
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清龍七対
清龍七対(チンロンチートイ)
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清七対
清七対(チンチートイ)
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清十八羅漢
清十八羅漢(チンジュウハチラカン)
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清幺九
清幺九(チンヤオチュウ)
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十八羅漢
十八羅漢(ジュウハチラカン)
真っ赤なドレス
絆LV1で開放
サラの実家のクローゼットには、一着の赤いドレスがしまわれている。 大切にされているので、そのドレスは代々受け継がれてきた今でも、真っ赤で艶やかなまま。 そのドレスの謂れを聞くと、サラの母は意味深な面持ちで言い伝えを語り出した。「このドレスは、私たちの故郷なの。」 母が言った故郷は、山も川も美しい場所だった。炎のようなアデニウムの花が咲き乱れて、一族は家馬車で暮らし、昼は忙しく働いて、夜はみんなで焚き火を囲んで酒を飲み、歌い、踊る。一年中ずっとそうして過ごすのだ。 サラは故郷を一目見たかった。故郷に行って、一面に咲くアデニウムを見てみたかった。 残念なことに、母はその場所を知らない。母は祖母から故郷のことを聞き、祖母はその親から……彼らは家馬車を降り、あまりにも長い時をこの地で過ごしたせいで、故郷に帰る道を忘れてしまったのだ。 今に伝わるのは、儚くも情熱的な音楽とダンス、そしてこの真っ赤なドレスだけ。 「……おじいさん、ギターを構えて。老いぼれだからって錆びつかせちゃダメよ、可愛い孫娘にいいとこ見せちゃいましょ」 故郷の話題になると、郷愁の念にかられる。サラの家では、こんな時は決まってダンスセッションをする。 祖母が例の赤いドレスを着て、祖父を促した。祖父は「前みたいにどっか傷めたりするなよ」とからかいつつギターを構え、愛情をもってベッドの中の孫を見つめた。 赤いドレスにはものすごい魔力が宿っているようで、それを着た祖母は若返ったように活力に溢れている。タップダンスの床を蹴る音に、それがよく表れていた。 こうして過ごす時間は、サラの一番のお気に入りだ。どこか懐かしさを感じるダンス、ギターの音色、そして家族の笑い声が、静かな夜を賑やかにした。サラは、家族も自分と同じようにこの温かな時間を楽しんでいるに違いない、と思っていた。普段は朴訥としている父親も、酒の後押しもあって、ハーモニカを吹き出した。 祖父の歌声に合わせて手拍子をするサラ。彼女の目に映るのは、どこかで聞いた、舞い踊る赤い姿。 「あぁ……これがアデニウムなんだ!」 音楽に合わせて舞うドレス、それはまるで、砂漠の薔薇のように赤く……
気の向くままに
絆LV2で開放
サラはダンスを愛している。それは生まれつきのもので、理由もよくわからない。 歌とダンスの才能は、先祖代々の遺伝子に刻み込まれたものだ。母はかつて、サラは私やおばあちゃんよりもずっとダンスに夢中ねと褒めた。 昼も夜も、夕暮れ時も。 家でも学校も、公園でも。 心惹かれるものがあれば、いつでもどこでも踊れる。サラにとっては、その時いる場所が舞台。 ここ、地下鉄でもそれは同じだ。 きっかけは、先ほど電車に乗ってきたさすらいのアーティストたち。彼らは興奮冷めやらぬ様子で話し込んでおり、その会話からは、このグループが近くの公園で盛大なコンサートを開催してきたところだとわかる。 「しゃべっててもしょうがねえ、野郎ども! せっかくこれだけの客がいるんだ、オレたちがほら吹きじゃねえってこと、見せつけてやろうぜ!」 「トトトン!」たっぷりとひげを生やした男がジャンベを叩いて合図すると、他の面々は迷うことなく自分の楽器を取り出した。彼らのリズミカルでダイナミックなパフォーマンスは、疲れた気配を色濃く残すラッシュアワーに軽やかな風を吹き込んでくれた。 乗り合わせた乗客たちは、時折手や足でリズムを取り、笑顔で演奏を楽しんでいた。 サラは不満だった。こんなに熱気に溢れているのに、ただの傍観者でいるなんて耐えられなかったから。 「私、入ってもい~い?」 「ハッ! いい度胸じゃねえか。全力で来いや、お嬢ちゃん!」 ひげの男は、好奇心半分、冷やかし半分でサラを見つめ、この少女に何ができるのかお手並み拝見といくことにした。この町の地下鉄はアーティストを歓迎するが、下手な奴は容赦なくこき下ろす。 サラは素足になり、驚くクラスメイトの方を振り返ることもなく、ウォーミングアップをするかのように体を軽く動かしてから、音楽に合わせてゆるりとステージに上がった。 彼らは、とある国の伝統音楽を演奏している。サラはその旋律に灼熱の陽射しや、果てのない草原を感じ、生命の鼓動を聞いた。 初めて耳にする曲ではあるが、不思議なことに、サラはすぐそのメロディーに融け込んだ。一拍目からリズムを掴み、あらゆる動作が音楽と調和する。 サラの情熱的なダンスは観客、特に若い男性の目を惹きつけた。跳躍するたび、つま先で観客の胸をくすぐるかのように着地した。 「サラ~、もう降りるよ~!」 地下鉄が駅に到着し、心躍るセッションが終わった。サラはあくまでゆったりと観客とアーティストに手を振り、扉が閉まる直前に電車から飛び降りた。 「ダンスが好きなのは知ってたけど、こんな大勢の人の前であそこまで楽しそうに踊れるなんて……その度胸、うらやましいというか、憧れるというか……」 「あら、これくらいどうってことないわよ~。」 サラはクラスメイトのぼやきを一笑に付した。ただ踊っただけだし、度胸がどうとか言われるほどではない。
野生
絆LV3で開放
「また誘いを断ったそうじゃないか、サラ」 「ええ」 サラがサーカス団「Soul」の看板踊り子になってからというもの、巡回公演中に他の劇団関係者からスカウトを受ける機会が増えた。 「あの客人からのスカウトは確か三回目ではないかね? まさに『三顧の礼』だな、相当君に入れ込んでいるらしい。前言っていた、主役を任せたいという話も嘘ではないようだね。もったいないとは思わないかね?」 サラを引き抜こうとした劇団の中には、今回のような有名な劇団も多かったが、サラはそれらの話をすべて丁重に断っていた。 「その言い方、傷ついちゃうわ~。『Soul』にとって、私はもう用済みってことかしら、団長様~?」 「ほっほっほ、まさか。劇団(うち)の看板がいなくなったら、お先真っ暗だよ……ただな、君はここに収まる器じゃない、とも思うのだよ。君ほどの才能を持つ者にとって、今の『Soul』はただの通過点に過ぎないだろう。もし君に、その意思があるのなら……」 「もっと相応しい舞台ね~……」サラは貰った名刺を取り出し、苦笑混じりにつぶやいた。「それはどうかしら」 「最善」が、「最適」とは限らない。 「みゃおう」二人の会話に猫の鳴き声が割り込んだ。いつの間にか、サラの足元に黒いモフモフ――ミーちゃんが戻ってきていた。 この「ミーちゃん」という猫は、この前餌をあげたのがきっかけで、劇団に居着くようになった。今はペットとして飼われているが、完全に飼い猫になったとも言い切れない。この仔にはまだ野生的な部分が残っており、外を出歩くことが好きで、しょっちゅう姿を消すからだ。動物に詳しい劇団の猛獣使いのヒーリでさえ、ミーちゃんの行方を把握できていないらしい。 足元をグルグル回っているのを見て、サラは撫でようとしゃがんだ。その途端、ミーちゃんは何事も無かったかのように去っていった。 どうやらミーちゃんは甘えていた訳ではなく、単に帰宅を伝えに来ただけらしかった。 「ほっほっほ、ミーちゃんは相変わらず人に懐かないしふてぶてしいのう」 「フフ、でもこれはこれで可愛いんじゃないかしら?」 付かず離れずの距離感だからこそ、かえって興味を惹かれる……とサラは思っている。 「猫はやっぱり、野生のままのほうがいいわ~」 ミーちゃんを飼い始めた頃、サラはどうすればよいのかを知るために友人のもとを尋ね、その家で飼われている猫に会った。 ふくふくとしていて、手厚く世話されていることがはっきりとわかった。丁寧に手入れされた白い毛が、まるでチュールのスカートのようだ。もちろん可愛かったが、どこか元気がなさそうで、終始けだるそうに猫用ソファーにもたれていた。 その日は天気が良かったので、サラは外をじっと見つめる猫を外に連れ出してはと提案したが、友人は手を振って、この猫は臆病な性格で、外に連れ出すと怯えてしまうのだと断った。 「ほら、これ見て。昔一緒に出掛けた時に破られた穴よ。この子、外の環境にすっかり警戒しちゃって、私の腕から降りる勇気すら無かったの」 スリスリしながらおやつをねだる猫を前に、サラはこう考えたーーもし、この子が快適なこの家を出たら、自分の爪と歯を武器に生きていけるだろうか。それとも厳しい環境の中で、茫然としながら悲惨な運命を迎えてしまうだろうか、と。 もちろん、これが無用な心配であることは、サラもわかっていた。友人は責任感の強い性格で、ペットを捨てるなんてひどいことは決してしないから。 安穏とした生活は確かに魅力的だ。 誘いに来た劇団は、どこも高待遇を約束してくれた。彼らのプロモーションにより、今のように必死に努力しなくとも更なる成功を収めるだろう……と、サラもわかっていた。 しかしながら、そういった舞台はまさしく安穏としているだろう。もしそれに慣れ切ってしまったら、その環境を離れた時、自分はもう思うように踊れなくなっているかもしれない。 「団長様の言うように、『Soul』は人生の通過点なのかもしれないわ。けれど、今頂いているお話も……少なくとも、今は、行き着くべき場所として見ることもできないのよ~」 「Soul」での生活は、楽ではない。だからこそ、一回一回のステージを全力で頑張れるのかもしれない、と彼女は思った。次の舞台に繋げるため、持てる力を全て使って…… 生きるために舞う。 猫は、野生のままがいいわ。 踊り子も、ね。
助っ人参上
絆LV4で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 6, Scenes 292, Choices 2, Endings 0
{character:player}これは……いい席を取るのは厳しそうだな。
テントの前、長蛇の列の最後尾に並びながら、つい嘆いてしまった。
毎週土曜と日曜は、移動式サーカス「Soul」の公演日だ。他のサーカスや劇団と違って、「Soul」の公演はいつも全席自由席だから、いい席に座れるかは来場者数による所がある。
それにしても、間もなく開演だというのにまだ入場が終わらないし、この乱れた列を整理するスタッフもいない。
何があったんだろうと思いつつ、スマホをいじりながら列と共にゆっくりと移動していく。
{character:检票员}次の方どうぞ……おや、お客さん、いらっしゃいましたか。そういえば今日は見ないなと思ってました。
私は「Soul」が一飜市に来てからは欠かさず公演に来ているので、スタッフさんにもすっかり顔を覚えられているらしい。
{character:player}ちょっと野暮用で遅れちゃいまして、今日は後ろに座るしかないかな~なんて思ってます。それにしても、スタッフさん大丈夫ですか? なんか顔色悪そうですけど。
{character:检票员}最近だいぶ暑くなってきたので……この歳になると、気温の変化にも敏感になりますね。でも大丈夫です、ご心配いただきありがとうございます。
{character:检票员}後ろの方、列に戻ってくださーい!
スタッフが震える手で拡声器を持ち上げ、気力のない声で後ろの列のお客さんに注意をした。どう見ても大丈夫そうには見えないんだけど……。
{character:player}いつも列を整理してるご婦人はいないんですか?
{character:检票员}熱中症でね、休んでます。うちのスタッフはみんな年寄りだから、この時期は仕方ないです。では、今日もごゆっくりお楽しみください。次の方どうぞー!
一人でチケット確認と列整理をこなさなければならないのだから、今日の入場がいつもより遅いのも無理はない。
{character:player}ここに置いてある帽子とメガホンをお借りしてもいいですか? 私は列を整理しますので、スタッフさんはもぎりをお願いします。
{character:检票员}そんな、お客さんにやらせるわけには……
{character:player}もうすぐ開演ですから、一緒に頑張りましょう。
どうせ今日は最前列は難しそうだし、早く入ろうが遅く入ろうが大して変わらない。スタッフさんが何か言い出すより早く、私は後ろの列に並ぶせっかちな観客をなだめ始めた。
{character:player}ふぅ……。ギリギリ間に合ってよかった。
二人で力を合わせて頑張った結果、やっとの思いで開演前にすべての観客を入場させることが出来た。
{character:检票员}お客さん……本当にありがとうございます。おかげで開演を遅らせずに済みました。
{character:player}いいえ、いつもお世話になってますから。
{character:检票员}お客さんもどうぞ急いでお入りください。私はこの後も舞台裏での作業がありますので、これで失礼します。
{character:player}あれ? あなたはもぎりがお仕事のはずでは……?
{character:检票员}今日は病欠の人が多くて。私はまだ体調がマシな方なので、もう少し頑張らないと。
そうは言っても、どう見ても体調がいい人の顔色ではないんだけどな。
{character:player}……。それなら、舞台裏の作業もお手伝いしましょうか? スタッフさんは無理せず休んだ方が……。
{character:检票员}い、いけません! そこまでお客さんに迷惑はかけられ……ぐっ。
{character:player}大丈夫ですか!?
さっきまで真っ青だったスタッフさんの顔色が、今は真っ赤になっている。さすがに危ないと思い、急いで彼を日陰に座らせた。
{character:检票员}ありがとうございます。でもこれ以上お客さんに迷惑はかけられません。
{character:player}このまま無理すると他の人みたいに倒れちゃいますよ。私もそんな人のことを放っといたら、手放しにショーを楽しめませんし。
{character:player}それに、舞台裏でスタッフさんが体調を崩して倒れたりしたら、それこそショーに支障をきたすかもしれませんよ?
{character:检票员}それは……。
{character:player}私も、今日は最前列に座れなかったけど、舞台裏が覗けるならラッキーだなって思いますし、Win-Winですよ。
{character:检票员}そこまで言うなら……お言葉に甘えて、しばらく休ませてもらいます。落ち着いたらすぐ向かいますので。
スタッフは電話で舞台裏のスタッフと連絡を取り、私に舞台裏へ行く方法を教え、帽子を渡してくれた。その後、彼はすぐ机に突っ伏して、いびきをかき始めた。
舞台裏へ向かう途中で、聞き慣れた音楽が耳に入ってきた。私くらいのファンになると、この旋律を聴くだけでサラがステージで舞っている姿を思い浮かべられる。
{character:player}そうだ、誰を手伝えばいいんだっけ……?
{character:player}スタッフさんは寝ちゃったし、他に誰か聞ける人はいないかな……。
{character:???}あんた誰?
まさに渡りに船、悩んでいる所に声をかけられた。 振り向くと、背後に見覚えのある人物が立っていた。
彼女はヒーリ、ここ「Soul」の猛獣使いで、動物と一緒に披露する彼女のパフォーマンスは必見だ。
{character:希里}見ない顔だな、ここで何をしてる?
{character:player}こんにちは、もぎりのスタッフさんが体調を崩したので、代わりに舞台裏の作業を手伝いに来た者です。
{character:希里}舞台裏の手伝い……ああ、なるほど。
スタッフさんがさっき連絡した人って、ヒーリさんだったんだ。
{character:希里}不審者ってことか。
{character:player}その通り……いやいや、手伝いに来たって言ったでしょ!?
{character:player}それにほら、スタッフさんから預かった帽子も被ってるし!
{character:希里}……盗んだの?
{character:player}頑なに疑うなあ……。どうしたら信じてくれますか?
{character:老大爷}ヒーリさん、どうしたんだね。こちらは……迷い込んだお客さんかい?
{character:希里}いえ、不審者です。
{character:player}違いますって……。
{character:老大爷}おや、その帽子……。さっきもぎりが連絡してきた、仕事を手伝ってくれた優しい若者だね。
{character:player}は、はい! 手伝いです!
{character:希里}えぇー……。本当にただの手伝いか。
{character:player}がっかりする要素あった!?
{character:老大爷}ははは! 悪いねお客さん、ヒーリさんも悪気は無いんじゃ。前に何度か泥棒に入られて、物を盗まれたことがあっての。
{character:老大爷}それでヒーリさんは、犯人を捕まえたらきっちり懲らしめてやるって言ってたんだが、なかなか捕まらなくてなあ。
{character:player}そうだったんですね。
{character:希里}誤解してすまなかった。
ヒーリは頭を下げた。誠意を見せた彼女を許さない理由もない。
{character:player}誤解が解けてよかったです。さて、本題に戻りますが、何かお手伝いできることはありますか?
{character:老大爷}そうだな、今日はもぎりの彼がワシの作業を手伝う予定だったんだが、ヒーリさん、今日は楽屋の掃除担当も休みだったかの?
{character:希里}ええ。でもこっちには回してもらわなくても構わない。楽屋は自分たちで片付けばいいから。
{character:老大爷}お客さんはどうしたい? 楽屋の掃除を任せてもいいかい? それともワシとステージ作業をやるかい?
{character:player}楽屋の掃除をやらせてください。
ステージ作業、なんだかいい響きだけど、未経験の自分ではかえって迷惑かけそうだし、掃除のような簡単なことをやったほうがいいと思う。
{character:老大爷}わかったぞい。ヒーリさん、よろしく。
{character:希里}楽屋はこっちだ、案内する。
舞台裏へのドアを開け、ヒーリの後ろについて楽屋に入った。簡単に説明した後、彼女はショーの準備のため部屋を出て行った。私は彼女の指示通りに掃除を始めた。
{character:player}特に広い部屋でもないし、そんなに時間はかからないだろう。
床を掃除した後、シンクで布巾を濡らし、横一列に並ぶ化粧台の整理に取り掛かった。一番手前の化粧台には紙吹雪とリボンが散乱していて、トランプや投げナイフなどの小道具も置かれている。
{character:player}なるほど、ここはライアンの席だね。こっちの本はマジックの関連書かな? どれどれ……。
『お姉さまの取扱説明書』……。なんてタイトルだ、あまり深く詮索しないでおこう。
{character:player}これは置いといて……リボンと紙吹雪は捨てていいんだよな。で、この辺のものはこっちにしまって……。よし、次!
左隣の化粧台には、ペット用缶詰と小さな黒豹のぬいぐるみが置いている。恐らくここはヒーリさんの席だ。ぬいぐるみの下には、『人との正しい付き合い方』と書かれたボロボロの本が置かれている。
{character:player}人との……? そこは動物じゃないんだ。さすがミステリアスな調教師とい言うべきか。
サラさんの席はヒーリさんの席のすぐ隣にあって、化粧品が鏡の前に整然と並べられており、台の上を拭くだけで掃除が終わった。本が置かれてないようだけど、サラさんは普段何を読んでいるのだろう。
他の化粧台はしばらく使われていないようで、埃をかぶっている。 その中で、ピエロの仮面が置かれた台が目を引いた。
{character:player}あれ? 「Soul」にピエロのショーなんてあったっけ?
{character:希里}昔はあった。
{character:player}うわぁ! いつ戻ってきたんですか?
{character:希里}ちょうど今。
{character:player}まったく音がしなかった……。というか、もうピエロがいないのに、どうして仮面を残してるんですか?
{character:希里}戻ってくるかもって、サラが言うから。それにしても、裏切り者の持ち物は、いつ見ても嫌気がさす。
{character:player}裏切り者?
{character:希里}もう過ぎたこと。気になるならサラに聞いて、その気になったら教えてくれるかも。
{character:希里}気分が悪いのは本当、でも今ピエロがいなくて困ってるのも本当。
{character:player}困ってるというと?
{character:希里}昔からの人気役者だったから、うちを出て行く時、複数の仲間やついてたお客もいなくなった。だから今、みんな昔以上に観客獲得のため努力してる。
ヒーリは壁にかかっている演目リストを見ながらそう言った。私もリストに目を向けると……。
{character:player}ほぼ三人で回していますね。それに、サラの枠が比較的多い印象です。
{character:希里}そう。ステージマジックは事前準備に膨大な手間と時間がかかるし、動物たちも集中力や体力は無限じゃないから、ライアンも私も、出番を増やしたくてもできない。他のメンバーもそれぞれ似たような問題がある。
{character:player}それでサラが空いている枠をすべて埋めた、ということか。
{character:希里}無理しては駄目だと説得したけど、団長として責任を全うすると言って聞いてくれなかった。誰か、彼女を止められる人がいればいいんだけど。
団長としての責任か。そう言えば今日はサラの誕生日だけど、いつもと変わらず長い時間ステージに上がっているな。
{character:player}ヒーリさん、そろそろ部屋と化粧台の掃除が終わります。他に何か出来ることはありますか? 今日はサラさんの誕生日ですし、何か出来ないかなと。
{character:希里}十分助かった。他と言っても、さすがにステージに立たせるなんて出来ないし。
{character:希里}そろそろ私の出番だから、行ってくる。……今日はありがとう。
ヒーリさんが部屋から出た後、私は「やると決めたら最後まで」の精神で使われていない化粧台も綺麗にした。最後に、あちこちに散らばった衣装を隣の更衣室に戻せば完璧だ。
{character:player}これって、ピエロの衣装?
更衣室の入って左の隅には、赤と白を基調とした服が一着だけ吊るされている。その足元には滑稽なほど大きな靴も置いてある。
{character:player}手袋もあるし、仮面も台に置かれてたよな。
「ステージに立たせるなんて出来ない」ってヒーリさんは言ったけど、ここまで道具が揃っていると、その気にならないはずもなく……。
それにちょうど最近動画でピエロのショーを見たところだったし、プロ並みとはいかないだろうけど、演目と演目のつなぎくらいにはなれるかも……?
そうと決まれば早速準備を始めよう。
この前見たショート動画を見返し、着替えながら自分でも出来そうな芝居を探した。使えそうな小道具を持って、舞台袖に向かった。
{character:莎拉}ふっ……!
舞台横に着くと、ちょうどサラがパフォーマンスしている所だった。真横からではステージ全体を見ることは出来ないが、こんな近くからサラの踊りを見られるのは何だか新鮮だ。
音楽が止まると、サラは観客に向かって一礼し、私も思わず観客たちと一緒に拍手した。次の音楽が流れ出した時、私はやろうとしてた事を思い出し、ピエロの仮面をつけ、小道具を持ってステージに上がった。
{character:莎拉}……あら?
{character:观众A}ピエロさん? 今日ピエロの演目なんてあったの?
{character:观众B}というか、「Soul」に残ってるピエロなんていたんだ。もしかして新人?
私がステージに上がると、サラが私を見て驚いた。もちろん彼女だけでなく、観客もざわめき始めた。
{character:player}(小声)サラさん、私。
{character:莎拉}(小声)あなた!? いったいどうして……。
{character:player}(小声)話すと長くなるけど、とにかく場を繋ぎに来たんです。
{character:player}(小声)ここは任せて、サラさんは一旦休憩してください。あとで交替に来てくださいね。
そう言いながら私は観客席に向かって手を振ると、観客たちも拍手でエールを送ってくれた。サラはそれ以上何も言わず、一礼して退場した。
{character:player}さて、始めようか……。よ~ほぉ~!
動画のピエロを真似て甲高い声で発破をかけ、ポケットからボールを取り出して軽いジャグリングをする。
ジャグリングの他にも、いくつか簡単なパフォーマンスをやった。もちろん素人クオリティだが、別に私は観客からの拍手を求めている訳ではないし、サラが休める時間を稼げればそれでいい。
いい雰囲気になってきたので、私は客席に行って子供たちに風船を配り始めた。これでもっと時間を稼げそうだ。しかし……。
{character:小女孩}おかあさん、ピエロさん、いちりんしゃにはのらないの?
{character:女子}ほら、あそこに置いてあるでしょ? 風船を配ったら乗るの。
{character:小女孩}そうなんだ~!
{character:player}うっ……。
確かに、ピエロといえば一輪車と曲芸のイメージがあるが、なんの練習もしていない素人の私にはかなりハードルが高い。
とはいえ、あの子の期待に満ちた眼差しに応えてあげたいのもある。
{character:player}自転車と大差ないだろう……。
恐る恐る一輪車に乗り、体の重心を下げてペダルを漕ぎ出した。
おお! 進んだ! なるほど、手を広げてバランスを取れば大丈夫だね! このままアリーナをゆっくり回って、サラや他の人の出番までもたせるんだ!
{character:小女孩}おかあさん、ピエロさんって、いちりんしゃにのりながらお手玉したりするんじゃないの?
{character:player}ハハハ……。あんまり素人に多くを望まないでくれよ……っておっと!
いけない、観客席に気を取られて転けそうだ!
いっそ派手に転げ落ちて観客たちの笑いを取ろうかと思ったその時、誰かが私の手を取り、バランスを取リ戻させてくれた。
{character:莎拉}あらあら、危ない所だったわね~。
{character:player}助かった。ありがとう。
{character:莎拉}うふふ、いいのよ~。さ、音楽も続いていることだし、ショーを続けましょ!
{character:小女孩}おかーさん! ピエロさん、おねえさんといっしょにおどりだしたよ!
{character:观众C}ピエロと踊り子の共演か。そういえば、昔は「Soul」もこういうのやってたよな!
サラさんは私の手を取り、軽快なメロディに合わせて踊り出した。
サラさんと共演できるなんて、これ以上の喜びがあるだろうか。
幸せすぎたせいか、音楽が終わっても私はしばらくぼんやりとステージに立ったままでいて、しばらくしてやっとサラや観客に別れを告げて舞台裏に戻った。
……待てよ。
{character:莎拉}フフッ。
{character:player}あの時私を助けに来てくれたってことは、サラさんは舞台裏でもずっとステージを見てたってことになるよな……。
{character:莎拉}……。
だとすると、結局サラさんを休ませてあげられなかったんだな。私の思いつきは、本当に役に立ったのだろうか。
{character:莎拉}あら、あなた。もうおかえりなの~? ちゃんとお礼しようと思ったのに~。
舞台裏で本日最後のステージを見届けて、衣装を脱いで更衣室を出ると、戻ってきたサラさんと鉢合わせした。
{character:莎拉}ヒーリから聞いたわ。もぎりの方も十分休めたと言ってたの。今日は本当にありがとうね~。
{character:player}できることをやっただけですよ。それに、こんな近くでサラさんのダンスを見られる機会なんて滅多にないですからね。
{character:player}でも、いきなりあんなことしちゃって、驚かせましたよね。ごめんなさい。
{character:莎拉}あら、急にどうしたの~?
{character:player}サラさんのステージが連続してるから、休憩の時間を稼げたらと思って出たのに、結局休めなかったですよね。
{character:莎拉}ああ、ピエロで出てきたことの話ね~。でも、あなたが謝らなければならないことなんてないわよ?
{character:player}だって、休んでもらいたかったのに、舞台裏でもずっとステージを見張ってたんですよね。だから危ないところで助けてくれた。
{character:莎拉}ふふ、そうね。確かに私はずっとあなたのことを見ていたわ。けど、それは見張るって言うより、あなたのことを見ていたかったというだけよ~♡
{character:莎拉}それに、あなたのステージは無事に終わったし、何の問題もなかったわ。
{character:莎拉}あなたに優しくしてもらえて、お客様にも特別なステージを見ていただけて……。私、今日はとても素敵な一日だったと思うわ~。
{character:player}それならよかったです。
誕生日だったんだし、サラさんが喜んでくれたのなら私もそれだけで満足だ。
{character:莎拉}それと、よかったらこれ、受け取って。
{character:player}ピエロの、仮面……?
{character:莎拉}ええ、今日助けてくれたお礼よ~。この仮面、私が描いたの。
なんだってー! サラさんの手描きの仮面だなんて、家宝にするしかないじゃないか!
{character:莎拉}クラウンはそれぞれ自分だけの仮面を持つのよ。泣き顔のピエロより、この「笑顔」の方があなたに似合うわ。今日使ったあれは、いつか持ち主が取りに戻るまで、そのまま置いといて~。
ヒーリさんとの会話を思い出し、あの仮面には何か逸話があるに違いないと思った。でも部外者の私がこれ以上詮索するのも失礼だし、やめておこう。
{character:player}今日はサラさんの誕生日なのに、プレゼントをもらったのが私だなんて、なんか変な感じ。
{character:player}サーカスの仕事、想像以上に大変でした。今日は誕生日なのに、サラさんの出番はいつもと変わらないくらい多かったですね。
{character:player}それにもぎりのスタッフさんに聞いたんですけど、裏方の人はほとんどが年配の方で、今日みたいな人手不足もよくあることなんでしょう?
{character:莎拉}まぁ、確かにそうね~。でも、一飜市は気候が温暖だから、ここに来てからみんなだいぶ体調が回復してきたのよ~。前に回った所だと、スタッフだけでなく、演者も体調を崩したことがあったわ。
{character:player}もっと若い人を雇ったりしないんですか? あ、もちろんお年寄りがダメって訳じゃないですけど、荷物運搬とか重労働はやっぱり体力のある若者に任せた方がいいんじゃないかと思って。
{character:莎拉}雇いたいかと言えばそうだけどね~。なかなか難しいの。
{character:莎拉}私が言うのもなんだけど、「Soul」って昔は結構人気だったのよね。でも今は、いつ潰れてもおかしくない古いサーカスっていうイメージが強いでしょ? こんなところに、若い人はそうそう来ないのよ~。
{character:莎拉}それに今の経営状況からして、人を増やすのも難しいし……。
{character:player}そうですか。確かにそれだと仕方ないですね。
{character:莎拉}年配のスタッフを辞めさせて、新しい人を受け入れるための環境を作るようアドバイスしてくれた人もいて、もちろんそれは今の状況を考えたら効果的な打開策かもしれないけど……。
{character:player}一般的には、確かに効果的だと思います。
{character:莎拉}あなたもそう思うのね。
{character:player}はい、合理的に考えれば、ですが。でも……人は常に合理的ではいられないことも、わかります。
利益が出ないとわかっていても、昔から一緒に頑張ってくれた人を簡単に切り捨てられないのが人間ってもので。少なくとも今の私はそうだ。
{character:player}たとえ合理的にはそれが正しいとしても、私はサラさんに、団長としてのご自身の判断に自信を持ってほしいです。
{character:莎拉}合理的、ね。フフ、でも私、そんなに深くは考えてないわよ。ただ、私がみんなを辞めさせる資格なんてないと思っているだけ。
{character:player}資格?
{character:莎拉}ええ、「Soul」は家馬車のようなもの。みんながたまたま、同じ馬車に乗り合わせただけ。
{character:莎拉}それぞれの思いで乗ってきたのなら、降りるタイミングも自分の意志で決めなければならないわ。私だって、今団長という立場にあるにしても、結局は乗客の一人にすぎないしね。
{character:player}そんな風に考えてたんですね。でも、団長なら、何か他の乗客と違う役割があるんじゃないですか?
{character:莎拉}強いて言うなら、手綱を執って、馬車が進む方向を決めるくらいかしら~。
{character:莎拉}みんなが乗っているから、「Soul」は今のままで居られる。乗客を降ろしてまで現状を変えるくらいなら、私が他の馬車に乗ったほうが早くないかしら。最も、私は乗り換える気なんてないけど。
{character:莎拉}団長としてどこまで旅を続けられるかはわからないしね~。もしかしたら、馬車が止まるよりも私の旅が終わる方が早いかもしれない。なにしろ、私もただの乗客の一人だしね?
{character:莎拉}こんな無責任な団長に団員を辞めさせる資格なんてないし、私はそんなことより旅が終わるまで踊り続けたいわ。他のことは、流れに任せたいと思ってるの。
{character:莎拉}それに……私にとっては、ここが居心地いいの。ここまで私が思い切り踊れるサーカスってなかなか無いし。
{character:player}私から見れば、サラさんは十分頑張っていると思います。踊り子は踊ることに集中するべきですし、むしろサラさんが踊りに注力しているからこそ「Soul」の旅が続いていると言えるんじゃないでしょうか。
そもそも自分の本分をやり遂げることだってままならない場合も多いですし、サラさんが言う通り、他のことは流れに任せればいいのかも。
{character:莎拉}「踊り子は踊ることに集中すべき」、か。その言葉、気に入ったわ~。さてと、話が難しくなってきちゃったし、そろそろ話題を変えましょうか。どう、初めてステージに立った感想は? 緊張した?
{character:player}緊張しなかったというと嘘になりますけど、段々緊張を忘れて、面白く感じられるようになりました。
{character:player}変な話ですけど、一輪車でこけそうになった時は「どうこけたら面白いか」考えてました。
{character:莎拉}そんなことを考える余裕があったなんて、あなたってもしかしたらパフォーマーの才能があるかもしれないわね~。
{character:player}あはは、光栄です。でも、一番楽しかったのはサラさんと一緒に踊れたことですね。ファンとしてはこれ以上ない体験でした。
{character:player}仮面もいただいたことだし、もし疲れたなと思ったらまた呼んでください。もちろん、また人手不足になった時も。一飜市は確かに過ごしやすいですけど、お年寄りが体調を崩しがちな時期も時々ありますし。
{character:莎拉}……。
{character:player}ど、どうしたんですか。急に黙り込んで、私何か変なこと言いました?
{character:莎拉}ウフフ~、あなたのようなお客さんは初めてだなって思っただけよ。団員でもないのに、自分から「手伝わせてほしい」だなんて。
{character:player}だって、私はサラさんのファンだから。
{character:莎拉}理由はそれだけ?
{character:player}これだけじゃだめですか? だって、サラさんと「Soul」の旅がいつまで続くかわかりませんし、サラさんの踊りもいつまで見られるかわかりませんし。
{character:player}だから馬車が進む限り、サラさんの踊りがたくさん見れるように、皆さんのお手伝いを頑張りたいだけです。
{character:莎拉}そう……。ありがとう。それじゃあ、もし何かあったら、まだ呼ばせてもらうわね~♡
{character:player}呼んでくれたらすぐ駆けつけます!
{character:莎拉}ウフフ。そうだ、これから私の誕生日祝いってことでみんなでお食事するんだけど、あなたも一緒にどうかしら~?
{character:player}やった、美味しいご飯だー!
あ、大事なことを言いそびれるところだった。
{character:player}サラさん。
{character:莎拉}何かしら~?
{character:player}誕生日、おめでとう。
{character:莎拉}あら、今日一番うれしい言葉だわ、ありがとう~。
{character:player}……やっぱりやめておこう。
急にステージに上がったりしたら全体のスケジュールにも影響が出そうだし、素人が大勢の前でまともにパフォーマンスできるとも思えない。
{character:player}更衣室の掃除が済んだら、他に手伝えることがないか探してみるか。
{character:player}それなら、お爺さんのお手伝いをさせてください。
{character:老大爷}いいよ、ついてきな。
ステージ作業って何だかわくわくする響きだし、それにお爺さんが勧めてくれた仕事なら、そこまで難しくはないだろう。
お爺さんについて客席後方へ向かう。歩きながら話してみると、彼はここの照明係で、私の仕事は簡単に言うとスポットライトの操作の手伝いだという。
スポットライトのブースは客席最後列の真ん中に設置されている。この辺りからショーを観たことはあるけど、裏方として来たのは初めてだ。
{character:灯光师}どうじゃ、わかったか? この白い大きなスイッチが点灯、右のホイールが色の切り替え、じゃ。他は今日は使わないからの、触らなくて大丈夫じゃよ。
{character:灯光师}サラ団長や他の役者が出てきたら、ライトを彼女達に当て続けてくれ。最初はズレても問題ないぞ、ゆっくり調整すればよい。
{character:player}わかりました! 何かあったらまた聞きます。
{character:灯光师}ほう、頼もしいのう。じゃ、他の作業もあるんでそっちに行くからの。
軽快なメロディが流れ、三台のスポットライトが順々にステージ中央のサラを照らした。
{character:莎拉}……。
それを見て、私も慌ててライトを起動し、サラの足元を照らした。今のダンスでは、最初のほうはほぼ立ち位置が変わらないものだったので、余裕をもってライトの方向を調整出来た。
{character:player}この音楽は……。そろそろサラが動き始めるから、ライトも青色に切り替えてっと……。
{character:灯光师}おや? 随分手慣れてるね、経験者だったのかい?
{character:player}あ、いえ。このダンスは何度も見てますから、サラさんの動きやライトの色も覚えてるだけです。
{character:灯光师}ははは、つまり熱心なファンが協力してくれてるってことか。ならあまり心配する必要はなさそうだな。任せたぞ。
{character:player}はい、任せてください!
ダンスの流れが頭に入っているとは言っても、ライトの操作に関しては素人だし、難しいのは変わらない。それに設備が古いせいか、動かすのに力がいる。
その中でライトの動かし方やスイッチのオンオフの調整に気を配らなければいけないので、いつの間にか額に汗が滲んでいた。
{character:player}でもなんだかんだで楽しいかも。
サラがステージ上で踊り、私はライトを操作して彼女を追いかける。そこには形容し難い関係性があった。
{character:player}仮にこの光を自分としたら、私は今サラと共演していると言えるかもしれない。
そう思いながら、私はつい音楽に合わせて鼻歌を口ずさんだ。そのせいでライトの操作も大雑把なものになってしまった。
{character:player}まずい!
気づいたらスポットライトは本来の軌道を外れ、サラの周りで不規則な軌道を描いていた。幸い、大きく体を動かすダンスだったので、それほど違和感はなかった。観客たちにバレてなければいいけど……。
{character:灯光师}お、おい、君!
{character:player}す、すみません!
{character:灯光师}あとで、さっきのもう一回やってくれ。
{character:player}え、さっきのって?
{character:灯光师}あれだ、こう、うねうねしたやつ。どうやったんだ? なかなか良かったぞ。
{character:player}えっと……。急にひらめいただけで、どうやったかと聞かれても……。
{character:灯光师}そりゃ残念だ。じゃ、またひらめいたらやってくれ。
{character:player}わ、わかりました!
励ましは素直にありがたかったが、あわや上演事故という所だったことには間違いないので、それからはより慎重に操作をした。
{character:莎拉}……。
{character:莎拉}何かしら~?
あれ、今、サラさんが私のほうをチラッと見て、ウインクしたような気がする。
勘違いかな? サラさんは普段からファンサービスが多いから、幻想は置いて真面目に操作しよう。
サラのダンスの後は、ライアンのマジックショーだ。ここではスポットライトの操作がいらないので、私は汗を拭きながら照明係のお爺さんと雑談を始めた。
{character:灯光师}さっきみたいなのは、やっぱし君のような若者にしか思いつけんのう。もっと若者が劇団に居てくれれば、サラ団長も色々やりやすくなるというのに……。
{character:player}ありがとうございます。もぎりのスタッフさんも、割と年配のスタッフさんが多いと言っていましたけど、もっと若い人を雇ったりしないんですか?
{character:灯光师}昔は若者もいたけどな、ただ……。ま、過ぎたことだし、忘れるのが良いだろう。とりあえず、今の経営状況だとこれ以上人を雇う余裕はないのでな。
{character:player}そうですか……。
過去に何があったのか気になるけど、お爺さんの苦い表情からして、きっと簡単に話せないようなことなのだろう。
{character:灯光师}わしが言えたことじゃないやもしれんが、サラ団長がわしらのような老いぼれをクビにすれば、若者を雇うための金もできるだろうに。
{character:灯光师}雇わないにしても、出て行くぶんを減らせば今のように毎週公演を打たずともよくなるしの。でもみんな劇団を離れてもどこに行けばいいのかわからんから、ここに居続けているんだがな。
{character:player}お爺さんは、どれくらいここにいるんですか?
{character:灯光师}どうじゃったかな、昔からずっとここにいるもんで、数えとらんわ。
{character:player}他のスタッフさんもきっとそうですよね。皆さんに感謝しかないです。
{character:灯光师}なぁにばかなこと言ってんだ。手伝ってくれて、感謝すべきなのはこっちだ。
{character:player}いいえ、お爺さんたちがいてくれなかったら今の「Soul」は無いし、私もサラさんがステージの上で輝いてるところを見られませんでしたから。ファンとして感謝させてください。
{character:灯光师}……ふん、若者は口がうまいのう。
{character:player}お世辞じゃないです。それに、きっとサラさんは皆さんのことを足手まといだなんて思ってないはずです。
確証は無いけど、少なくともサラさんが文句を言っている所は見たことがない。彼女はどんな時も、いつも笑顔で自分のやりたいことをやっている。
「Soul」には難しい問題がいくつもあるのだろう。ファンとして、私はこれからも今日のようにできる限り力になろうと思った。
{character:莎拉}ヒーリから聞いたわよ。もぎりの彼も十分休めたと言ってたわ~。
{character:莎拉}あなたのおかげで助かったわ~。そうだ、このあと時間はあるかしら? よかったら一緒にご飯でも行かない?
{character:player}いいですね! ちょうどお腹すいたなと思ってました。
{character:player}今後もまた何か手伝えることがあったら、いつでも言ってください。人手が足りない時も。
{character:莎拉}……。
{character:player}ど、どうしたんですか。急に黙り込んで、私何か変なこと言いました?
{character:莎拉}ウフフ~、あなたのようなお客さんは初めてだなって思っただけよ。団員でもないのに、自分から「手伝わせてほしい」だなんて。
{character:player}もちろん、私も好きこのんでタダ働きしたい訳じゃないですけど。ファンとして、近くでサラさんが踊っている所が見たいし、そのために舞台裏とか、ステージの作業を手伝いたいなと思って。
{character:莎拉}フフッ、そうなのね~。じゃあ、何かあったらまたよろしくお願いしますね。
{character:player}呼んでくれたらすぐ駆けつけます!
あれ以後、私は時々こんな風に「Soul」の手伝いをするようになった。
異郷
絆LV5で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 9, Scenes 339, Choices 3, Endings 0
{character:player}「Soul」、今日も休演かぁ。
「Soul」は休演状態がしばらく続いている。今日はワン次郎と買い出しに来ており、静まり返ったテントの前を通り過ぎた。
先日スタッフさんから、数日だけ休演するという話を聞いてはいた。しばらくサラさんのダンスが見られなくて寂しいけど、彼女はいつも忙しいから、まとまったお休みも必要だろう……と思った。
{character:汪次郎}それにしても、こんな長く休演するなんて珍しいワン。移動式サーカスってことだし、もしかしたら次の移動のため準備してるんじゃないか?
{character:player}次の移動か……
その可能性もなくはない。というか、いつかは絶対その日が来る。ファンとしては心の準備をしておかなければ。
でも…。
{character:player}やだ……。そんなこと絶対やだー!
{character:汪次郎}ど、どうしたワン。
{character:player}サラさんがいきなりいなくなるなんて、せめて全てのダンスをあと百回くらい披露してもらってから……!
{character:汪次郎}お、落ち着けよ。適当に言っただけワン。
{character:汪次郎}クンクン、この匂い……? おい、{var:player_nickname}! あれサラじゃねーか?
ワン次郎が指差した先、サラさんが小さい女の子と手を繋いで、フライドチキン屋から出てきた。肩には猫のミーちゃんも乗っている。
{character:player}あの子は……サラさんの妹さん?
{character:汪次郎}そうじゃないか? 顔が似てるし、年の差的にもそうだろうワン。
挨拶しようとしたら、ミーちゃんが先にこっちに気付いてニャーと鳴いた。それでサラさんも私たちに気付き、笑顔で歩いてきた。
{character:莎拉}あら、すごい偶然ね~。こんにちは。
{character:汪次郎}久しぶりワン。
{character:player}お久しぶりです、休みはどう?
{character:莎拉}ゆっくりできてるわ~。こんなにゆっくり過ごせたのはいつぶりかしら。
{character:小女孩}お姉ちゃん、この二人は?
お姉ちゃんって呼んでる、やっぱりこの子はサラさんの妹さんなんだ。
女の子はサラさんの後ろで縮こまりながら、少し怯えたような、しかし好奇心に満ちた眼差しでワン次郎のことを見ている。
{character:莎拉}二人はお姉ちゃんのお友達で、とってもいい人達なのよ~。ご挨拶出来るかしら、リリアちゃん。
{character:player}こんにちは、{var:player_nickname}です。サラお姉さんのファンです。
{character:汪次郎}俺様は偉大なるワン次郎だワン。
{character:莉莉娅}{var:player_nickname}さんと、ワン次郎さん……。こんにちは。お姉ちゃん、ワン次郎さんって、いだい……えっと、えらいの?
{character:莎拉}ええ、えらいわよ。
{character:player}えらいらしいよ、ワン次郎。
{character:汪次郎}何度も復唱するなワン……。
{character:player}お二人はお散歩ですか? もしかしてお邪魔しちゃいました?
{character:莎拉}まさか、ちょうどいいところに来てくれたわ~。
{character:莎拉}新衣装のための材料を買いに来たのだけれど、ついついフライドチキン屋さんに入っちゃってね~。
{character:莎拉}あなた、私より一飜市に長く住んでるでしょう。もしおすすめのお店とかあったら教えていただけないかしら?
「私より」、ね。
「Soul」は一飜市に来てどれくらい経っただろう。結構長い気がするけど、サラさんはこの街をちゃんと歩いたことがあったんだろうか。もしかしたらたまに神社に来る以外は、ずっとサーカスで忙しかったのかもしれない。そう思うと、ファンとしても友達としてもぜひ力になりたいと思った。
{character:player}このあとちょうど暇なので、荷物を神社に置いたらすぐ合流しますよ。
{character:汪次郎}これくらい俺様一人で運べるぞ。{var:player_nickname}は気にせず行けワン。
そう言ってワン次郎は私から袋を取り、ひらひらと手を振った。
{character:player}ありがとう。終わったら美味しいご飯買って神社に持っていく。
{character:汪次郎}一姫の分もな。じゃねーとあいつうるさいワン。
{character:player}もちろん!
{character:莉莉娅}……わ、ワン次郎さん! ちょっと、おてて、触ってもいい……ですか?
{character:汪次郎}よかろう。好きに触るがいいワン。
リリアちゃんはワン次郎の手を握り、肉球をしばらくふかふかすると、満足そうにワン次郎にお別れの挨拶をした。
{character:莉莉娅}ワン次郎さん、バイバイ!
{character:汪次郎}今度神社に遊びに来いワン。
{character:player}じゃあ行きましょうか。近い所から見て回りますか? それとも行きたい所があります?
{character:莎拉}あなたが案内してくれるならどこでもいいわよ~。
{character:player}なら……うーん。
サラさんたちを連れて、佳奈ちゃんがバラエティ番組で紹介していた店に行った。番組では、「小さいけれど品揃えが豊富で、値段もリーズナブルな店」と紹介されていた所だ。
{character:莎拉}まぁ、すごい品揃えで目移りしちゃいそう~。とっても素敵なお店ね。ありがとう。
{character:player}気に入ってくれて何より。欲しいものが無かったら隣と、通りを挟んで向こう側にも何軒かあるよ。
{character:莎拉}この一店舗だけでも充分長居してしまいそうよ~。
{character:player}それなら、他のお店はまた今度ってことで。あれ? リリアちゃん、入ってこないの?
{character:莉莉娅}わたし、買いたいものないから、ここでまつ。
{character:咪酱}にゃ~。
リリアちゃんはしゃがみこんで地面に落ちている小石で遊び始めた。ミーちゃんも店内には興味が無い様子で、リリアちゃんの隣で日向ぼっこを楽しんでいる。
{character:莎拉}リリアちゃん、確か衣装さんが、この前ミーちゃんにも新しい衣装を作るって言ってたの。 お姉ちゃんは他の団員さんの衣装の布を探すから、リリアちゃんはミーちゃんに似合う布を選んでもらえるかしら~?
{character:莉莉娅}ミーちゃんに? ……わかった。
{character:莉莉娅}どう? ミーちゃん、これもカワイイよ。えへへっ。
リリアちゃんはミーちゃんを抱っこして棚の間を歩き回り、時折完成品の服を眺めている。こんなに楽しそうなのに、リリアちゃんはどうしてお店に入ろうとしなかったんだろう?
それに、猫が服を着ると落ち着かないのは、サラさんなら知ってるはずだし、これまでミーちゃんに服を着せたこともなかったはず。今の会話は何だったんだろう。
{character:莎拉}……ねぇ? あなた、大丈夫~?
{character:player}あぁ、ごめんなさい。つい考え込んじゃって。どうかしましたか?
{character:莎拉}この組み合わせ、いかがかしらと思って。もし疲れてるのなら、もう切り上げるから、この後どこかでゆっくり何か飲みましょ~。
{character:player}ううん、急がなくていいですよ。本当に考え事してただけですから。
{character:player}どれどれ……。この組み合わせだと、緑がやや暗い気がします。もう少し明るい緑にすると、もっと良くなると思うな。
{character:莎拉}私もちょうどそう思ってたの~。もう少し探してみるわ~。
{character:player}これなんてどうですか?
{character:莎拉}あら、いいじゃない。あなたと一緒に来て本当によかったわ~。
{character:player}ならよかった。そう言えば、サラさんたちの衣装って、みんなこんな風に自分で一から作ってるんですか?
{character:莎拉}私はそこまで器用じゃないわ、サーカスの衣装スタッフさんがいつも作ってくれてるの。自分で布を選ぶのは、この方が安いから。それに、材料を選びながら出来上がった服を想像するの、面白くて好きなのよ~。
{character:莎拉}普段は一人だけど、今日はせっかくあなたがいるんだし、もっとアドバイスちょうだいね~。
{character:player}出来る限り頑張ってみます。メインカラーがこの二色なら……。
サラさんと数種類の布を見比べながら、大まかなデザインや生地の質感、色合いまで決めた。残るは装飾品、サラさんはリリアちゃんに意見を聞いた。
{character:莎拉}リリアちゃん、お姉ちゃんのお洋服に付けるもの、何色がいい?
{character:莉莉娅}うーん、こしにつけるお花……これなんてどうかなぁ? ミーちゃんもきれいだと思うでしょ?
{character:咪酱}ニャー!
{character:莎拉}あら、ミーちゃんもこれがいいのね。じゃあ決まりね。ここまで決められれば、後は衣装さんにお任せでいいわ~。
{character:player}新衣装ってことは、新しいダンスもあったり? なんだかわくわくするなあ。
{character:莎拉}ウフフ、衣装ができたら一番最初にあなたに見せるわ。今日たくさん付き合ってくれたもの。
{character:player}やった!
{character:莉莉娅}お姉ちゃん……。リリアも、リリアだって、楽しみにしてるのに。
リリアちゃんがサラさんの服の裾を握って甘えると、サラさんは宥める様にリリアちゃんの頭を撫でた。
{character:莎拉}もちろん、リリアちゃんにも見せるからね。
{character:莎拉}ここ、話題の露天市場?
{character:player}そうです。
サラさんたちを連れて、郊外にある露天市場に来た。以前ここに来た時に、布や裁縫用具を売ってる屋台を見かけた。ここで売られている商品は、町の店よりそこまで品質は劣らないのにとても安いから、ついつい来てしまう。
ガイドに店の場所を聞いて、まずはそこへ直行した。
{character:莎拉}まぁ、中々いい品揃えで目移りしちゃいそう~。とっても素敵なお店みたいね。ありがとう。
{character:player}気に入ってもらえて何よりです。欲しいものが見つからなさそうなら、この辺りは全部生地屋ですけど。
{character:莎拉}この一店舗だけでも充分長居してしまいそうよ~。
{character:player}それなら、他はまた今度ってことで。あれ? リリアちゃんはあまり興味がないのかな?
{character:莉莉娅}わたし、買いたいものないから、ここでまつ。
{character:咪酱}にゃ~。
リリアちゃんはしゃがみこんで地面に落ちている小石で遊び始めた。ミーちゃんも興味が無い様子で、リリアちゃんの隣で日向ぼっこを楽しんでいる。
{character:莎拉}リリアちゃん、確か衣装さんが、この前ミーちゃんにも新しい衣装を作るって言ってたの。 お姉ちゃんは他の団員さんの衣装の布を探すから、リリアちゃんはミーちゃんに似合う布を選んでもらえるかしら~?
{character:莉莉娅}ミーちゃんに? ……わかった。
{character:莉莉娅}どう? ミーちゃん、これもカワイイよ。えへへっ。
リリアちゃんはミーちゃんを抱っこして露店の間を歩き回り、時折完成品の服を眺めている。こんなに楽しそうなのに、リリアちゃんはどうしてさっきまであんな感じだったんだろう?
それに、猫が服を着ると落ち着かないのは、サラさんなら知ってるはずだし、これまでミーちゃんに服を着せたこともなかったはず。今の会話は何だったんだろう。
{character:莎拉}……ねぇ? あなた、大丈夫~?
{character:player}あぁ、ごめんなさい。つい考え込んじゃって。どうかしましたか?
{character:莎拉}この組み合わせ、いかがかしらと思って。もし疲れてるのなら、もう切り上げるから、この後どこかでゆっくり何か飲みましょ~。
{character:player}ううん、急がなくていいですよ。本当に考え事してただけですから。
{character:player}どれどれ……。この組み合わせだと、緑がやや暗い気がします。もう少し明るい緑にすると、もっと良くなると思うな。
{character:莎拉}私もちょうどそう思ってたの~。もう少し探してみるわ~。
{character:player}これなんてどうですか?
{character:莎拉}あら、いいじゃない。あなたと一緒に来て本当によかったわ~。
{character:player}ならよかった。そう言えば、サラさんたちの衣装って、みんなこんな風に自分で一から作ってるんですか?
{character:莎拉}私はそこまで器用じゃないわ、サーカスの衣装スタッフさんがいつも作ってくれてるの。自分で布を選ぶのは、この方が安いから。それに、材料を選びながら出来上がった服を想像するの、面白くて好きなのよ~。
{character:莎拉}普段は一人だけど、今日はせっかくあなたがいるんだし、もっとアドバイスちょうだいね~。
{character:player}出来る限り頑張ってみます。メインカラーがこの二色なら……。
サラさんと数種類の布を見比べながら、大まかなデザインや生地の質感、色合いまで決めた。残るは装飾品、サラさんはリリアちゃんに意見を聞いた。
{character:莎拉}リリアちゃん、お姉ちゃんのお洋服に付けるもの、何色がいい?
{character:莉莉娅}うーん、こしにつけるお花……これなんてどうかなぁ? ミーちゃんもきれいだと思うでしょ?
{character:咪酱}ニャー!
{character:莎拉}あら、ミーちゃんもこれがいいのね。じゃあ決まりね。ここまで決められれば、後は衣装さんにお任せでいいわ~。
{character:player}新衣装ってことは、新しいダンスもあったり? なんだかわくわくするなあ。
{character:莎拉}ウフフ、衣装ができたら一番最初にあなたに見せるわ。今日たくさん付き合ってくれたもの。
{character:player}やった!
{character:莉莉娅}お姉ちゃん……。リリアも、リリアだって、楽しみにしてるのに。
リリアちゃんがサラさんの服の裾を握って甘えると、サラさんは宥める様にリリアちゃんの頭を撫でた。
{character:莎拉}もちろん、リリアちゃんにも見せるからね。
材料を買い揃え、しばしの間みんなで近くを散歩した。
神社へのお土産も確保し、サラさんたちの荷物を持って二人をサーカスまで送ろうとしたら、サラさんはサーカスとは反対方向に歩き始めた。
{character:player}サラさん? どこに行くんですか?
{character:莎拉}リリアちゃんのお家よ。最近は私もそこに泊まってるの。
古い市街地を通り抜け、下町の郊外にある開けたエリアに着いた。山の麓近くのここは馬車がたくさん停まっていて、テントの前で忙しくしている大人たちや、リリアちゃんのような子供達の姿があちこちに見られる。どうやらここは彼らの居住地らしい。
{character:莎拉}ただいま。
サラさんがテントの前で挨拶すると、中から中年の夫婦が出てきた。リリアちゃんは男性の懐に飛び込み、「ただいま!」と嬉しそうに言った。
もしかして、二人はサラたちのご両親? でもリリアちゃんも二人も茶色の瞳をしているが、サラだけは違う色合いの瞳なのが気になる。
{character:莎拉}あなた、今私達がどんな関係なのか気になったわよね。
{character:player}顔に出てました? あのお二方はサラさんのご両親じゃ……?
{character:莎拉}ええ、昔サーカスの旅で出会ったの。仲良くしていただいたから、ここで再会出来て本当によかったわ~。叔父さん達が今日は忙しいからって、リリアちゃんの面倒を頼まれたのよ~。
{character:player}そういうことだったんですね……。リリアちゃんとは実の姉妹だと思ってました。
{character:莎拉}まぁ、そう言ってもらえて嬉しいわ。同郷だから、姉妹と呼び合っているの。私達の習慣なのよ。
{character:莎拉}もちろん、リリアちゃんたちだけじゃなく、ここにいるみんなが同郷よ。ああでも、「異郷の民」なのに、「同郷」ってちょっと変よね。
{character:player}異郷の民?
{character:莎拉}リリアちゃん、{var:player_nickname}さんにここの案内をするから、ミーちゃんのことお願い~。
{character:莉莉娅}はーい!
サラさんと一緒に馬車とテントの間を歩きながら、彼女の故郷について聞いた。
{character:莎拉}私達って、色んな国の言葉で色んな風に呼ばれてるの。古き砂漠の国をルーツとする「砂の民」や、肥沃な土地からやってきた「黒土の民」、雪山の寒さに耐えられず降りて来た「高原の民」なんてのもあるわね~。
{character:莎拉}でもね、それは全部正しくないの。だって、私達自身も本当の故郷がどこなのか忘れてしまったから。
祖先が馬車で世界を旅していたのは、どこの国でも受け入れられなかったから。そしてそれがもとで、「異郷の民」と名乗るようになった……と、代々伝わってるわ。
{character:莎拉}私の祖父母は若い時に旅に疲れて、今も住んでいる土地で馬車を停めた。気づけば数十年が経ち、私の母、そして私が生まれた。だから一応、私には「故郷」があることになるわ。
{character:莎拉}祖父母も、親も旅のない暮らしが馴染んでるみたいだけど、私はどうしてもそうならなかった。祖母にも言われたの、私は性格も生き方もご先祖様そっくりだって。だから私はサーカスに入って世界中を旅しているし、こうしていろんな国や街の「同郷」にも出会えるのよ~。
いつ次の旅に出るかわからない「異郷の民」だからこそ、サラさん達はこういう出会いを大事にしているんだな。彼女の話によると、サーカスの移動先に「異郷人」の集落がある時は欠かさず訪問しているそうだ。
{character:player}サラさんはこういう生活が好きなんですね。
{character:莎拉}ええ、好きよ。あなたはどう思う? やっぱり変に思うかしら?
{character:player}変って言うか……。
{character:player}好きかどうかは置いといて、自分ならサラさんたちのように、帰る場所がない生活は慣れないだろうなと思います。……あ、ごめんなさい。
{character:莎拉}フフ、いいの。普通はそうよね。父さんだってそうだったもの。
{character:莎拉}娘には、こんな風にタンポポの綿毛みたいに生きるより、安定した暮らしをすべきだと思ってたみたいで、最初は私がサーカスに入るのを反対してたわ。
{character:player}え、じゃあどうやってお父さんを説得したんですか?
{character:莎拉}いえ、説得なんてしなかったわ。「行ってきます」って言ってそのままサーカスに入ったの。しばらくして前の団長にこのことがバレて、彼と私で父さんに相談しに行って……身の安全を必ず保証するからって言って、ようやく許してもらえたわ。
{character:莎拉}今でも定期的に連絡させられてるし、父さんって本当に寂しがり屋なのよね~。ウフフ。
{character:player}はぁ……。
娘が無断でサーカスに入っちゃったのに、定期的な連絡だけで許してるなんて、サラさんのお父さんって結構大物かも。
{character:莎拉}とは言っても、こうやって誰かに心配されることは、別に悪いことじゃないわよね~。
{character:player}それは、もちろんそうですよ。
{character:player}安定しないかもしれないけど、ロマンがあって好きかも。
{character:莎拉}あらまぁ、そう思ってくれたの。父さんもそう思ってくれたらいいのに。
{character:莎拉}私が最初にサーカスに入りたいと言った時も、タンポポの綿毛みたいな暮らしをするんじゃないかと心配してたわ。
{character:player}え、じゃあどうやってお父さんを説得したんですか?
{character:莎拉}いえ、説得なんてしなかったわ。「行ってきます」って言ってそのままサーカスに入ったの。しばらくして前の団長にこのことがバレて、彼と私で父さんに相談しに行って……身の安全を必ず保証するからって言って、ようやく許してもらえたわ。
{character:莎拉}今でも定期的に連絡させられてるし、父さんって本当に寂しがり屋なのよね~。ウフフ。
{character:player}はぁ……。
娘が無断でサーカスに入っちゃったのに、定期的な連絡だけで許してるなんて、サラさんのお父さんって結構大物かも。
{character:莎拉}とは言っても、こうやって誰かに心配されることは、別に悪いことじゃないわよね~。
{character:player}それは、もちろんそうですよ。
{character:player}その話は置いといて、さっきから気になってるんですけど……もしかして私、歓迎されてなかったり……?
被害妄想ではない気がする。サラさんと歩いている間、ずっと周りの人に警戒の目で睨まれているような。
{character:莎拉}そんなことないわ。みんながあなたのことを知りたいと思ってるだけ。あなたがみんなのことを知りたいと思ってるみたいにね~。
{character:莎拉}お互い打ち解けるまで、もう少し時間を取りましょう、ね。
{character:player}そういうことですか……。
彼らの目は、お店に入るのを躊躇うリリアちゃんのものと同じだった。
こちらから挨拶したほうが良かったかなとちょっと思ったが、今の私はただの客だ。ここのやり方に従うとしよう。
もうしばらく集落を散策していると、気立てのいい女性が私たちに話かけてきた。
{character:女子}サラちゃんじゃーん、友達連れて来たのにあたしらには紹介してくれないのー?
{character:莎拉}やだ、今紹介しようと思ってたところよ。こちらは{var:player_nickname}さん。
{character:player}こんにちは。
{character:女子}どうもどうも。{var:player_nickname}サンかぁ……。サラちゃんが友達連れて来るなんて初めてだけど、本当にただの友達?
{character:莎拉}大切な、お友達よ。
{character:player}ん?
{character:女子}なるほどねー、サラちゃんにも大切な人が出来たんだ~。
{character:莎拉}そりゃできるわよ~。
{character:女子}さて、肝心の{var:player_nickname}サンはどう? サラちゃんのことどう思ってるの?
{character:player}そ、それは……。
好き嫌いって言えばもちろん好きだけど、今この場で言う必要あるか!?
{character:莎拉}もちろん、好きよね~。今までやった全ての公演を見に来てくれた、大切なファンだもの。
な、なるほど? そういう意味の「大切」か。ってか毎回行ってるの気づいてたんだ、何か嬉しい……。とはいえ、こんな風に言われるのはちょっと恥ずかしいな。
{character:莎拉}こんなにも心配してくれて、手を差し伸べてくれるお客さんなんて初めてよ。姿が見えないと寂しいと思うし、これが「大切な人」じゃなくて何て言うのかしら。
{character:女子}はいはい、のろけ話ね。
待って、それは流石に誤解じゃない!?
誤解を解くチャンスも与えず、女性はにやけた口元を隠しながら去って行った。変な噂が出回らないといいけど……。
{character:player}この前までは「変わったお客さん」じゃなかった?
{character:莎拉}変わったお客さんではあるわ。同時に大切なお客様でもあるの。
{character:player}あはは……。そう言ってくれて光栄だよ。
{character:莎拉}こちらこそ、ファンになってもらえて光栄ですわ、お客様♡
日が沈み、サラさんは家馬車のカーテンを持ち上げ、私を中へ招いてくれた。
中に入ると、手仕事をしている老婦人が一人いて、サラさんはその老婦人の隣に座って、作りかけの編み物を拾い上げた。
{character:莎拉}おばあちゃん、お手伝いに来たよ~。
{character:老妇人}あら、サラちゃん。
{character:莎拉}今日も、物語の続きを聞かせてくださいな。
{character:老妇人}ほほほ、もちろんいいですよ。
サラも老婦人も、私について特に何も言わなかったので、することもなく適当に座った。
やがて老婦人は物語を話し始めた。その物語は、どうやら彼女自身が長い人生の中で体験した様々な出来事の物語のようだった。
家族の話から、彼女個人の話、民族全体の話まで。
老婦人はゆっくりと語り続ける。時々、さっきまで話していたことを忘れたり、話が突然止まり、眠ってしまったのかと思わされたりした。
{character:莎拉}おばあちゃん、今ハンサムな青年に出会った話をしてたわ。
{character:老妇人}そうだった、そうだった。あの男は今やじいさんだけどね、ほほほ……。
老婦人の話が止まると、サラさんが止まる前の話を老婦人に教える。しかしなぜか、中断した後は必ず、老婦人が恋人の男と出会った話に戻るのだ。
いつになったら物語の続きが聞けるんだろうと思いつつ、老婦人は恋人との出会いを話す時瞳に光が戻るので、これはこれでいいなと思った。
{character:player}……なんだか、眠くなってきた。
日が落ちると共に、自分のまぶたも段々と降りてきて……。
そして目の前が真っ暗になった。
再び目を開けると、すっかり夜の帳が下りていた。
それなのに、馬車の外は昼間よりも賑やかになった気がする。外から戻ってきた人々の声と共に、食べ物のいい香りが漂ってきた。
{character:莎拉}あら、起きたのね。いい夢見れたかしら~?
{character:player}話の途中で寝ちゃって、おばあさん怒ってませんでしたか?
{character:莎拉}怒ってないと思うわよ、おばあちゃんも寝てたしね。さ、夕食に行きましょ~。
ワゴンを出て、リリアちゃん達が起こしたかがり火を囲み、みんなと夕食を共にした。
{character:莉莉娅}{var:player_nickname}さん、いっぱい食べて。おかわり、たくさんあるから。
{character:player}ありがとう。いきなり来て、晩ごはんまで一緒になっちゃってごめんね。
{character:莉莉娅}いいの、あなたはサラお姉ちゃんの大切な人だから。
あ、あれ? もしかしてもう噂が広まってる?
食事中は料理を持ってきて分けてくれたり、酒を勧めてくる人が後を絶たなかった。この和気あいあいとした雰囲気、サラさんが言った通り、みんながひとつの家族として暮らしている証だ。
そんな家族の輪の中に私みたいなよそ者が入り込んでも、異郷の民の皆さんは気に掛けることなく歓待してくれた。来てすぐの時とは大違いだ。
{character:player}本当にいい人達ですね。美味しいご飯を食べて、みんなに歓迎されて、こんな夜を過ごせるなんて……今朝は思いもしてませんでしたよ。
{character:莎拉}ふふっ、私もあなたと一緒に来られるなんて思わなかった。喜んでもらえて嬉しいわ~。
{character:player}食べたら、またおばあさんのところに行きます?
{character:莎拉}まだ寝てるでしょうし、今日は邪魔しないでおきたいわ。それに、ネタもちゃんと拾えたし、今度また一飜市のことでも話しましょ~。
{character:player}ネタ?
{character:莎拉}ええ。昔あるダンスの先生が言ってたの、踊り子は踊りのスキルを磨くのと同じくらい、世間を知ってそれを踊りに織り込むことを大切にすべし……って。
{character:莎拉}でも私くらいの年齢だと、経験なんてたかが知れてるでしょ。だから、おじいちゃんおばあちゃんたちに話を聞いて、それを新しい踊りのネタにしてるのよ。
{character:player}つまり、同郷の先輩達の人生を踊りに取り入れてるんですね。
{character:莎拉}いい表現ね~。一族の人はみんな、不安定だけどロマンある暮らしをしてきたわ。そんなみんなの物語を、ダンスを通して世間の人に見せたくて、勝手にやってるんだけどね~。
{character:莎拉}そのついでに、彼らの話の中で「故郷」の手がかりを探してるの。
{character:player}もう故郷のことは忘れたって言ってませんでした?
{character:莎拉}ええ。でも、でも昔お母さんが、「故郷の美しい山々の間には、炎のようなアデニウムの花が咲き乱れている」って言ってたの。その景色をいつかこの目で見てみたいのよね~。
{character:莎拉}「Soul」に入ったのも、旅しながら「故郷」について調べたいのが半分くらいの理由よ。
サラさんは苦笑しながらそう言った。聞く限りだと、故郷への旅路はまだまだ先が長そうだ。
{character:莎拉}いつか「故郷」を見つけられるかしら……。言い伝え通り、私達は長く「故郷」を離れ過ぎたのかもしれないわね。
{character:player}……。そうだ、明日もう一度おばあちゃんに聞いてみませんか? それに、お年寄りに限らず若い世代にも話を聞いたほうが……。
{character:莎拉}それは難しそう。明日の朝、ここの集落の人達はまた旅に出る。今夜はそれを祝うための宴なの。夜が更けるまで続くはずよ。
{character:player}そういうことですか……。
せっかくみんなと仲良くなれたと思ったのに、明日にはもうお別れか……。
リリアちゃんが寂しそうだったのも、サラさんの新しい衣装を見ることは無いとわかっていたからか。
{character:player}今夜一晩、ここにいさせてもらえませんか? 明日みんながいつ出発するかは分からないけど、ちゃんとお別れを言いたいんです。
{character:莎拉}ウフフ、もちろんいいわよ~。
夜が深まり、「異郷の民」達は大きなかがり火を囲んで、楽器の演奏や、歌や踊りを始めた。サラさんは私が泊まれる所を探しにその場を離れ、私は彼女を待つことにした。
みんなの歌やダンスを見ながら、サラさんの話を思い返す。
{character:player}アデニウムの花って……
スマホで検索してみた。
砂漠の薔薇という別名を持つアデニウムは、一飜市には生えてなさそうだ。
{character:player}せめて花畑でも見せられたらなぁ……。やっぱり難しいかな?
{character:咪酱}にゃ~。
{character:player}……ん?
周りを見渡すと、暗闇の中でミーちゃんの歩く姿が火に照らされている。こんな時間にいったいどこへ行くんだろう。
{character:player}……どこに行くんだろう。
ミーちゃんはしょっちゅうどこかに出かけるけど必ず戻ってくる、とサラさんは言ってたけど、こんな郊外で迷子にならないか心配だ。
スマホのライトを頼りに、ミーちゃんの後ろに付いて近くの丘を登った。
ミーちゃんは丘の頂上で座り、まっすぐ前を見つめながら、時々尻尾を振っている。
{character:player}景色を眺めにここまで来てたんだ。ご機嫌みたいだね。
{character:player}……。
そう言えば何も言わずに抜け出してきちゃったから、サラさんに連絡しておかなきゃ。ミーちゃんと一緒に丘の景色を楽しんでます、とCatChatの個人宛メッセージを送った。
ここからだと家馬車とテントで構成された集落全体が一目で見渡せる。宴の真っ最中の、人々の笑い声がこんな距離まで聞こえてくる。
{character:player}……これはもしかして?
炎のような花が山間で咲き乱れる、って言ってたよな?
{character:player}ミーちゃん、ここで大人しく待ってて。
{character:咪酱}みゃう?
{character:player}君のご主人を連れてくるから、一緒に景色を楽しもう。
かがり火の前に戻り、サラさんと一緒に飲み物を持って、丘の頂上に戻った。
{character:咪酱}にゃ~。
{character:莎拉}ミーちゃん、待っててくれたのね~。眺めがいい場所って、ここかしら~?
{character:player}そうです。ここから集落の方を見下ろしてみてください。
集落の方を指さして、サラさんの反応を緊張しながら待っていると。
{character:player}……。
{character:player}……。
{character:莎拉}これは……。本当に、綺麗に咲いてるわね。
{character:player}サラさんにも、そう見えますか?
{character:莎拉}ええ。お母さんが言ってた通り、本当に燃えるような花だわ。
サラさんが私の言わんとするところを理解してくれたので、「よし!」と心の中でガッツポーズをした。
{character:莎拉}あなた、私のためにわざわざこの場所を探してくれたの?
{character:player}いえ、ミーちゃんが連れてきてくれたんです。たまたまですけど、ここからの景色がサラさんの話と重なって思えて。故郷を見つけるのは難しいって言ってましたけど、案外近くにあったんですね。
一生を旅して過ごす「異郷の民」にとって、私達が言うような「故郷」は確かにどこにも無いんだろうけど。
{character:player}花が咲いている美しい山々は、世界中の色んな所で見られると思います。でも、今みんなで楽しく歌い踊るこの光景は、多分ここでしか見られないんじゃないかな。
覚えている故郷の景色はそれぞれ違っても、みんなが集まってお互いに支え合いながら生きている。「異郷の民」の共通点は、こういうところなんだと思う。
{character:莎拉}……あなたの言う通り、ね。
サラさんは微笑みながらジュースをグラスに注ぎ、私に差し出した。澄んだ液体の中でかがり火の光が舞い踊っている。
{character:莎拉}綺麗ね、砂漠のバラは。
{character:player}そうですね。
{character:player}乾杯。
{character:player}乾杯。
涼しい夜風のもと、サラさんと二人で「故郷」の景色を静かに楽しんだ。
二人とも一言も言葉を交わさなかった。ミーちゃんもいつの間にか、サラさんの足元で眠りについた……。
{character:player}……今は邪魔しないでおこう。
ミーちゃんはしょっちゅうどこかに出かけるけど必ず戻ってくる、とサラさんは言ってた。今日は一日中買い物に付き合ってもらったから、今は自由に遊ばせてあげよう。
その夜は、サラさんの言ってた通り、皆が日の出まで歌い踊った。しばらく休憩したあと、昼頃に一斉に旅立った。
次の日、「Soul」は休演以来初となる公演の初日を告知した。いきなり過ぎて、危うくチケットを買えなくなる所だった。
{character:莎拉}あなた、来てくれたのね~。あら、これは……アデニウムの花?
公演終了後、楽屋に行ってサラさんにプレゼントを渡した。小さなアデニウムの鉢だ。
{character:player}ええ、この前露天市場で売ってたので。
{character:莎拉}綺麗ね。ありがとう。
{character:player}気に入ってくれてよかったです。今度また持ってきますね。いつか「Soul」にアデニウムの花畑を作りましょう。
{character:莎拉}あの時の「故郷」の話、覚えてくれてるのね。
{character:莎拉}本当に、ありがとう。でも来てくれるだけで十分嬉しいし、いつもいつもプレゼントを持って来てもらうなんて悪いわ。
{character:player}毎回は流石にしないから、心配しないで。
{character:莎拉}私の踊りを好きになってくれて、私の夢を覚えててくれる、それは本当に嬉しいの。でも、夢のためにあなたに迷惑をかけたりしたくないわ。
{character:player}……。
それを聞いて、私はしばらく黙り込んだ。サラさんに本心を打ち明けるかどうか迷ったから。
{character:player}サラさんは、「Soul」に入ったのは旅しながら故郷を探すためでもあるって言ってましたよね。私、サラさんに故郷の景色を見せてあげれば、サラさんも急いで旅に出なくてよくなるんじゃないかと思ったんです。
{character:player}いや、「Soul」の一員として、いつか必ずまた旅に出なければいけないのはわかってます……それでも、私はもっとサラさんの踊りを見たいんです。
{character:player}そのためなら、いくらでも迷惑をかけてほしいんです。
結局本当の気持ちを言えなかった。
馬車は必ずいつかまた出発する。私はそれを受け入れられると思っていた。しかし、「異郷の民」との突然の別れは、私を臆病にさせた。
{character:莎拉}……結局私は、あなたに迷惑をかけてしまったみたいね。
{character:player}いや、そういう意味じゃなくて……。
{character:莎拉}でもありがとう。また次のお花を楽しみにしているわ~。
{character:player}ん?
そう言って、サラさんは鉢を持って楽屋を出ていった。
{character:莎拉}ウフフ♪
これからも花を持って来ていいのか、サラさんはどう感じているのか、分からないままだった。でも笑ったってことは、いい……んだよな?
あの日以降も、私は時々公演後にアデニウムをプレゼントした。
とある日の午後、サラさんは、私を集落があった広場に呼び出した。
あの日の光景はもう無いが、その代わりに、アデニウムの鉢が作り上げた、燃えているかのような花畑が広かっている。
私の驚いた顔を見て、サラさんは笑った。
彼女は私たちが一緒に選んだ材料で作った新しいドレスを身に纏っている。
約束通り、一番最初に私に見せてくれた。
そして花畑の真ん中で、新しいダンスを披露してくれた。
私は座って、サラさんのダンスを見届けた。
そしてリリアちゃんのために、サラさんの最も美しい瞬間を写真に収めた。
綺麗だな、アデニウムの花。
サラさんのお母さんの言葉通り、燃え盛る炎のように咲き乱れて……。
カルメンの舞
契約を結ぶことで開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 11, Scenes 453, Choices 6, Endings 0
{character:莎拉}本日は見に来ていただきありがとうございました! またいつかお会いしましょう!
終幕の音楽が流れ、「Soul」の公演が締めくくられた。いつものように、観客席からは、メンバーへの賞賛を込めた惜しみない拍手が送られている。
そんな観客達の中には、時々拍手だけでは足りない人もいる。今回も、一人の女性が花束を抱えてステージに上がった。サングラスをかけた女性は花束をサラさんに渡し、サラさんの手を取って手の甲にキスをした。
その大胆な行動に驚いたのだろう、客席のあちこちからどよめきの声が上がった。もちろん私もびっくりした。
{character:player}サラさんと彼女は談笑していて、どうやら友人らしい。一体何を話しているんだろう。
しばらくして、女性はサングラスを取った。あの顔……どこかで見たような。
{character:观众A}あ、あれってオレヴィさんじゃない?
{character:player}オレヴィさん……あ、思い出した。
目を細めて見てみると、確かにステージ上の女性は今売れに売れている歌劇団のメンバー、オレヴィだった。ちょうどつい先日、彼女が一飜市に来たというニュースを読んだばかりだ。
観客たちの視線に気づいたのか、オレヴィさんは笑顔で観客席へ手を振り、サラからマイクを受け取って中性的な声で挨拶をした。
{character:奥莱维}ありがとうございます。お初にお目にかかる方もたくさんいらっしゃると思いますので、自己紹介させていただきます。皆さん、初めまして! 劇団「Musae(ムーサエ)」に所属するオレヴィと申します! お会いできて光栄です!
「Musae」は全員女性で構成される歌劇団で、女性観劇ファンの間で絶大な人気を誇る。その中でもトップスターの地位に君臨するのは、今ステージ上に立っているオレヴィさんだ。今も客席の女性たちから黄色い歓声が上がっていて、その人気ぶりがわかる。
{character:奥莱维}突然ですが、一ヶ月後、このステージの上で我がライバルのサラ嬢と勝負をさせていただきます。
{character:奥莱维}勝敗によっては、サラ嬢の「Musae」移籍という可能性もあるでしょう。この大一番を、ぜひ皆様に見届けていただきたいと思っております!
{character:player}……え?
どういうこと??
唐突な宣言に観客たちは状況を飲み込めず、場内は今までにないほど静まり返っていた。しばらくして、ようやく騒ぎ立てる声が上がり出した。
公演後、私は居ても立っても居られず楽屋へと向かった。
{character:player}サラさん!
楽屋のドアを開くと、サラさんとオレヴィさんが楽しげに話している。
{character:奥莱维}こちらの方は? 新しい団員さんかな?
{character:莎拉}あら、いい所に来たわね。ちょうどあなたのことを話していたのよ~。
{character:奥莱维}ああ、サラちゃんの「大切なお客さん」か。
{character:莎拉}ええ。
{character:奥莱维}オレヴィと申します、お会いできて光栄だ。あ、公演にいらしてたのなら、自己紹介は要らなかったかな。
{character:player}こちらこそ光栄です。{var:player_nickname}と言います。……じゃなくて、和気あいあいとご挨拶してる場合!?
{character:player}ヒーリさんたちも、こんなに仲良く雑談してていいんですか!? 団長が連れて行かれるかもしれないんですよ!?
{character:希里}いや? 別に初めてじゃないし。
{character:莱恩}お姉さまこそ、なにをピリピリしてるんですか?
{character:player}いや、だって……。
{character:莎拉}フフ、あなたのためにちょっと説明させてもらうわね~。
{character:莎拉}オレヴィとは、巡回公演の途中で知り合ったの。うちの公演を見に来て、私の踊りを気に入ってくれて……あっちの歌劇団に誘ってくれたの。
{character:灯光师}その誘いを断ったら勝負を仕掛けて来たのさ。あの時はすごかったのう。
{character:player}す、すごいって何が?
{character:灯光师}わしが入団してから一番のすごさじゃった、町中の人全員が来たんじゃってくらい、テントがぎゅうぎゅうになっての~。
売り上げがすごかったってことか!
{character:检票员}ええ、あれからもオレヴィさんと勝負する時はお客さんがかなり増えるので、いつもお世話になっております。
{character:奥莱维}いやいや、いつもご迷惑おかけしてすみません。
{character:player}つまり、勝負は集客のためのマーケティング……ってことですか?
{character:奥莱维}や、こっちは毎回真剣だよ? いつか絶対サラちゃんをスカウトしてみせる。
{character:希里}今度で何回目?
{character:莱恩}そんなの数えてませんよ、どうせ今回も引き分けだろうし、何度やっても一緒ですって。
{character:奥莱维}ライアンくんは私の顔を立てて引き分けって言ってくれてるけど、サラちゃんを「Musae」に連れて行けてない以上、実質私が連敗してるんだよな。
会話や立ち振る舞いから、オレヴィさんの凛々しさをひしひしと感じる。多くの女性ファンがいるのも納得だ。
話によると、今までの全ての勝負が引き分けということなので、「Soul」のメンバー達が緊張感に欠けるのもわかる。しかし……。
{character:player}サラさんの実力を信じていない訳じゃないんですけど、万が一負けたら本当に彼女たちの劇団に入るんですか?
{character:莎拉}もちろん、オレヴィは毎回真剣勝負をしに来てるのだから、私もきっちり約束を守らないとね~。
{character:player}そんな……。いくら集客が見込めるとは言え、サラが負けたら「Soul」に大ダメージじゃないですか。
{character:奥莱维}「Soul」にとってはそうかもしれないけど、サラちゃん本人には悪い話でもないと思うんだ。サラちゃんはいずれもっと大きな舞台へ羽ばたくべきだと思ってる。君もそう思うだろう?
{character:player}私の意見はともかく、サラさんはどう思ってるんですか?
{character:莎拉}オレヴィとの勝負は毎回「Soul」のステージを使っているから、人気低迷中の「Soul」にとっては、集客や新規客獲得の助けになっているの。劇団としては、これはハイリスクハイリターンの話だと思うわ。
{character:莎拉}それに、挑戦を受けるのは好きよ~。踊りに関しては負けず嫌いだから、私。
{character:莎拉}何よりあのトップスターのオレヴィが相手なんだもの、こういうチャンスはめったにないからいつも楽しみにしているわ~。
{character:奥莱维}私も楽しみだよ。今でも前回のあの光景が思い浮かぶ。
{character:player}そ、そうなんですか。よし、当日は応援に行きますよ、サラさん。
{character:莎拉}フフ、ありがとうございます、お客様。
サラは普段よっぽどのことがない限り冷静沈着なままだから、今のように目に炎を宿すのは珍しい。そんな彼女を応援しなければ、ファン失格だ。
{character:莎拉}オレヴィ、今回のテーマはもう考えたの?
{character:奥莱维}もちろん。今回は「カルメン」でどうかな?
{character:player}カルメン……?
{character:莎拉}あなた、「カルメン」はご存知かしら?
{character:player}有名なオペラの? 台本を読んだことくらいはありますけど……。
「カルメン」は今最も多く上演されているオペラの一つだと言われている。たばこ工場で働く美しい女性「カルメン」が、とある衛兵と恋に落ちる。しかしカルメンは心変わりしてしまい、恋人だった衛兵に殺される……というまさかの結末を迎える物語だ。
悲劇とされているが、今までに見た映像作品や読んだ台本から考えると、純粋な悲劇とも言い切れない。
{character:player}名前だけなら聞いたことがあります。オペラでしたっけ?
{character:莎拉}とても面白いオペラ作品よ……。
サラは軽く「カルメン」について紹介してくれた。たばこ工場で働く美しい女性「カルメン」がとある衛兵と恋に落ちるも、心変わりしてしまい、恋人だった衛兵に殺される……というまさかの結末を迎える物語だそうだ。
{character:player}悲劇なんですか?
{character:莎拉}結末だけ見ればそうかもしれないけど、純粋な悲劇とも言い切れないわね~。
{character:莎拉}もし興味があるのなら、台本などを読んでみてね~。
{character:player}そんなに面白いんだ、あとで調べてみます。
{character:奥莱维}テーマに異論がないなら、次は配役だ。今回は、私に闘牛士のエスカミーリョ役をやらせてもらいたい。
{character:莎拉}あら意外ね、てっきり衛兵のドン・ホセを選ぶと思ってたわ~。
{character:莎拉}いいの? エスカミーリョの出番は他の二役に比べて少ないけれど。
{character:奥莱维}肝心なのは印象的なシーンがあるかどうか、出番が多ければ多いほど有利とは限らない。サラちゃんだって知ってるだろう。
{character:奥莱维}芝居も生活も私は勝ち組の方がいい。最後にカルメンの心を掴んだのはエスカミーリョだから、縁起もいいしね。今回は勝たせてもらうよ。それに……。
オレヴィさんはサラさんの髪の毛を持ち上げて言う。
{character:奥莱维}ホセ役をやると、君に怪我をさせてしまうかもしれないしね。
{character:莎拉}あらあら、もう役に入ってるのね。
{character:奥莱维}ああ、準備が早いほど、勝算も高くなるだろう?
みんなの話からして、サラさんが負けることはないだろうなと思ってたけど、オレヴィさんとサラさんの冗談交じりのやり取りからは、オレヴィさんの高い演技力が垣間見える。
{character:player}サラさんはどの役にするんですか? 流れ的にカルメンかな。
{character:奥莱维}もちろん、この役は彼女にしか出来ないと思う。
{character:莎拉}私にしかできない、ね……。
{character:player}?
今サラが一瞬苦笑したような気がしたが、見間違いだろうか。
{character:奥莱维}じゃ、今日はそろそろ退散するよ。一ヶ月後、ステージでの再会を楽しみにしてるよ、サラちゃん。
{character:莎拉}ええ、またね~。
オレヴィさんが帰った後、照明係のお爺さんが満足気にひげをいじりながら笑った。
{character:灯光师}ほっほ、こりゃあいい配役じゃないか。
{character:检票员}オレヴィさんには悪いけど、今回こそ私たちが勝つと思いますけどね。
{character:player}というと?
{character:莱恩}カルメンは「容姿端麗で歌とダンスが上手な、奔放な女性」ですから、サラ姉さまそのものじゃないですか。
{character:希里}カルメンみたいってよく言われるよね、サラは。
なるほど、役に入りやすいという点で言えば、こっちの方が有利ってことか。
{character:莎拉}でも勝てるかどうかはまだわからないわよ。オレヴィの実力はみんなもよく知ってるでしょう、少しでも慢心したら痛い目を見るわよ~。
{character:player}もちろん、相手は強敵だし、緊張感をもってステージに臨んだ方がいいですよね。そういえば、衛兵のドン・ホセ役は誰がやるんですか?
{character:player}カルメンとの共演が多い分、サラさんの演技を引き立たせる非常に重要な役だと言える。慎重に選ぶべきですね……。
{character:莎拉}あなた、いい着眼点ね。これについては、ちょうどあなたの力を借りたいと思ってた所だったの。
{character:player}もちろん、サラさんのために力を尽くしますよ。
{character:莎拉}これはあなたにしか出来ないことよ……ドン・ホセ役で、私と共演してほしいの。
{character:player}私しか出来ない? 喜んで……ちょ、待って? 私が? ステージに?
{character:莎拉}ええ、そうよ。なにか?
{character:player}なにか? じゃないですよ! 素人が立っていいステージじゃないですよね!? せめてここはヒーリさんやライアンくんに任せた方が……。
{character:希里}私は無理、猛獣使いだし。
{character:player}こっちだってただの一般客だけど!? ライアンくんは?
{character:莱恩}お姉さまがカルメン役をやるならいいですよ? お姉さまの恋人役、やってみたかったんです~。
{character:player}ええっ、それはもっと無理だよ。気持ちだけもらっとく……。
{character:player}他の人は? 私より適任の人はたくさんいると思いますけど……。
今この場にいる二人のスタッフに目を向けると、揃って首を横に振った。
{character:检票员}この歳じゃステージに立っても見栄えしないよ、なぁ?
{character:灯光师}ほっほっほ、そうだのう。裏方でしっかり支えるでな、頑張れ若造。
{character:莎拉}まあ、いきなりやれって言われても困るわよね。ゆっくり考えて、返事をちょうだい。
悪ノリの冗談だと思ってたら、サラさんは至って真剣らしい。困ったな……。
{character:player}……サラさんが信頼してくれるのは嬉しいけど、サラさんの身に関わる大事な賭けなら、やっぱり素人よりプロの役者に任せた方がいいと思います。
夢にまで見た、サラさんと共演出来るチャンス。正直惜しいけど、サラさんにとっても「Soul」にとってもこの勝負が遊びじゃないことはわかってる。
{character:希里}心配するな。サラに指名されるってことは、あんたには素質があるってことだ。
{character:莫吉托}ガルルゥ。
{character:player}ぎゃっ!?
ヒーリの相棒である黒豹のモヒートが、いつの間にか楽屋に入ってきていて、私に向かって喉を鳴らしている。
{character:希里}ほら、モヒートも応援してるって。
{character:莫吉托}ガルルゥ。
{character:player}あ、ありがとう……。でもさ、モヒート、ホントは威嚇してない?
どうしよう、やっぱり引き受けるべきなのか?
{character:player}もし私のせいでサラさんが負けたら、「Soul」は大変なことになるでしょう? そうなったらライアンくんも困らない?
{character:莱恩}いいえ? どんなお姉さまでも僕にとっては最高です。お姉さまがステージに上がることで、他の人にお姉さまの輝きを見られるのはちょっと嫌ですけど……。
{character:莱恩}それにサラ姉さまがスカウトされても、お姉さまは僕のマジックを見に来てくれるでしょう? 僕としてはむしろ好都合です、あはっ。
……ライアンくんに話を振ったのは間違いだった。でも他の人も特にサラの提案に反対する感じがないんだよな……
{character:player}……サラさん、ごめんなさい。
{character:player}大事な勝負ですし、素人の私にはとても背負えませんよ。代わりと言ってはなんですが、斎藤さんに適任者がいないか聞いて来ます。
{character:莎拉}あなた……。ううん、謝らないで、いきなり持ち掛けた私が悪かったわ。あなたがこの役にとても合うと思ったから提案したけど、あなたの言う通り、大きな勝負の責任を背負わせるなんてよくないわね。
{character:莎拉}キャスティングはこちらでなんとかするから、あなたは心配しないで。それより、ステージ、絶対に見に来てよね~?
{character:player}もちろん、客席から精一杯応援します!
{character:莎拉}フフっ、それじゃお願いね~。
{character:“唐”}逃がさない! たとえ血を流しても君を二度と離さない、カルメン! 俺と一緒に来るんだ!
{character:莎拉}いいわ、そんなにあたしの自由を奪いたいのなら……殺したらいいんだわ!
ステージの上、衛兵のドン・ホセは狂気を帯びた表情でナイフを鞘から抜き、自分を狂わせた女・カルメンに近づく……。
闘牛士のエスカミーリョが群衆の歓声の中再びステージに戻った時、そこにあったのは恋人の変わり果てた姿だった。
カルメンの周囲に散らばったバラの花びらが風に舞い、彼女の魂が解き放たれたことを表現する。
{character:player}……ブラボー!
一ヶ月後、「Soul」の特別公演は歓声と拍手の中で幕を閉じた。普段やらないオペラでも完璧に役を演じ切ったサラさんはもちろん、オレヴィさんも宣言通り少ない出番の中で自分の演技力を存分に発揮し、観客たちの目を奪った。
「君がその気にさえなれば、「Musae」はいつでも君を迎え入れるからね、サラちゃん」という言葉を残し、オレヴィさんはサーカスを去った。
衛兵のドン・ホセ役は、オレヴィさんの団の方がやることになった。二人の勝負を邪魔しないよう、いい塩梅に役を演じていて、間違いなくプロの役者だった。彼女とサラさんの共演を見て、そこにいたのは私だったかもしれないんだよな、なんて思い、ちょっとだけ後悔した。
{character:player}ああいう風に勝負を邪魔しなければいいのなら、もしかして私でも出来たのかなぁ……。
あの時、もう少し詳しく話を聞けばよかったかも。
とは言え、オレヴィさんとサラさんの勝負はこれからもあるだろう。
{character:player}次こそ、チャンスを掴んでみせるぞ……!
{character:player}サラと共演できるなんて、ファンとしてこれ以上の喜びはありませんよ。
{character:player}でもこんな大役、私で本当にいいんでしょうか?
{character:莎拉}ウフフ、そんなに心配しなくてもいいわよ。結局のところ、勝負はあくまで私とオレヴィのものだから。
{character:莎拉}もし台詞を覚えるのに不安があるなら、声は裏から入れてもらって、あなたは体の動きに集中するのでも大丈夫よ~。
{character:player}それなら一ヶ月あればいけそうですけど……。でもなんで私が? こんな大事な勝負、やっぱりプロの役者に任せた方がいいんじゃないですか?
もしかして、私の中には自分でも気づいていなかった演技の才能が眠ってたり……いやさすがにないな。
{character:莎拉}もちろん、プロの方にやってもらった方がスムーズだと思うわ。でも、大事な勝負だとしても、お客様には面白みのある舞台を見てもらいたいのよ~。
{character:莎拉}あなたに共演してほしいのは、あなたがいつも予想外のアイデアを出してくれるから。この前「異郷の民」と出会った時みたいにね……
{character:player}私に求められてるのは、意外性でしたか。
{character:莎拉}そうよ、あなた。今回はどんなサプライズを見せてくれるのか、期待してるわ~。それに……。
{character:player}?
{character:莎拉}……いいえ、何でもないわ。ということで、この役、受けてくださる?
{character:player}いや、だって……。
答えを迷っていると、小さな黒い影が視界に入ってきた。ミーちゃんがいつの間にか私の隣に来ていて、イエローの瞳で私を見つめている。
{character:莎拉}ミーちゃんもいいアイデアだと思わない?
{character:咪酱}みゃう!
{character:player}ミーちゃんもそう言うんじゃ、ここはもう退けませんね。これから一ヶ月、ご指導よろしくお願いします、サラ先生。
{character:莎拉}ええ、一緒に頑張りましょうね。
こうして、サラさんとの共演が決まった。
勝負までの一ヶ月間、私達の稽古のため、そしてサラさんに十分な休みを取ってもらうため、「Soul」は公演回数を限界まで減らしていた。
{character:希里}……そこ、動きが変。
{character:player}ワンテンポ遅れた、すみません。ここは早めに立ち上がってドアを開けて……あれ、これは次の幕だったか。
{character:莎拉}あなた、一旦休憩しない? あとでもう一度確認しましょう。
{character:player}いや、もう一度お願いします。でも台本を確認する時間を少しください。
今回はサーカスのステージで上演するため、元の「カルメン」の台本を短く改編している。その分、全体的にテンポが早くなっているので、集中していないとすぐ遅れてしまう。
稽古を始めてからの数日は、毎日家に帰って風呂に入って即ベッドの生活だった。
{character:莎拉}さっきの婚約者と相対するパートの歌声、いい感じにくたびれてたわよ~。ドン・ホセの動揺がうまく表現出来てるわ。
{character:player}あはは……。それはただ本当に疲れてただけですけどね。でもその方がいいなら、本番でもそうします。
身体は疲れているが、精神は意外と集中出来ている。特にサラと共演するパートになると、疲れを忘れて身体を動かせる。
それに加えて、稽古を通じて自分自身の成長が実感出来て、疲れによる苦しさよりも嬉しさが勝っている。
{character:莎拉}ヒーリ、もう一度音楽を。
{character:希里}はいよ。
{character:player}そろそろ二時間経つし、サラさんもちょっと休みませんか?
{character:莎拉}ううん、今いい感じだからもう少し踊るわ。
サラの稽古を見ていると、自分とプロとの差が身に染みてわかる。サラはもう私の何倍の量も踊っているのに、今でもバシッと決まる動きで、流れるように踊っている。
{character:莎拉}♪♪
本当に好きなことをやっているから疲れない、とも考えられるな。
そして時が過ぎ、勝負まであと二週間。
{character:莎拉}カンパ~イ♡
{character:莎拉}カンパ~イ♡
私が初めてミスせず通せたことを祝して、今日は稽古終わりにサラとレストランに来ていた。
{character:莎拉}あなた、本当にセリフを覚えるのが得意なのね~。たった三日で全てのセリフを暗記してしまうなんて、吹き替えを使う案は見くびり過ぎだったわね。
{character:player}台本がうまく短くまとめてあるおかげだよ。はぁ……。ダンスもセリフと同じように暗記出来たらなぁ。
{character:莎拉}フフ、今日はちゃんと出来てたじゃない。
{character:player}運が良かったんだよ。明日になったらまたポジショニングとか間違えそうで怖いよ。
{character:莎拉}あら、案外ストイックなのね。でもそんなに気にしなくていいのよ。ちょっとくらいズレてもそんなに変わらないから。
{character:莎拉}オペラはいつものダンスと違って、キャラクター性を出すことがとにかく重要なの。それさえ出来れば魅力的な演技になるわよ~。
{character:player}キャラクター性ね……。そこが一番難しい。
{character:player}台本を読んでいると、ドン・ホセが狂おしいほどカルメンを愛しているのがわかる。でもいざ自分が演じてみると、どうしても激情を現す場面で躊躇してしまう。もしかしたら、私はまだ彼の気持ちを理解し切れてないのかも。
ドン・ホセが愛するカルメンをナイフで刺すシーンとか、演技だとわかっていても、中々踏み切れない。
{character:player}サラがカルメンの役を自然に演じているのを見て、みんなが今回の勝負について何も心配していない理由がわかった気がした。サラは完全にカルメンそのものだもんね。
{character:莎拉}……そう、かしら。
サラは私の言葉を聞いて、あの日と同じような苦笑をした。
{character:player}サラ? えっと、私何か変なこと言った?
{character:莎拉}ううん、お客さんたちにもよく似てるって言われるのよ。
{character:莎拉}けど、どこがどんな風に似てるのかは、未だによく分からないわ。
サラに出会ってから初めて、彼女の表情から迷いのようなものを感じた。
{character:莎拉}性格とか外見とか、そういう意味で似てるのはそうだと思う。けど、私と彼女はそもそも別の人間よ。お客様が「私に似た彼女」を求めてるんだとしたら、今のまま演じていていいのか……分からなくなってしまったわ。
{character:莎拉}期待されることの重さが身にしみるわ……。みんなが求めるカルメンを演じたいと思うほど、私が思うカルメンをこのまま演じていいのか迷ってしまうの。
{character:莎拉}最近はこういうことを考えると、なんだかもやもやしちゃうのよね。
{character:player}……ごめん、サラ。気付けなくて。
あの日、サラがオレヴィさんに「カルメンの役は君にしか出来ない」って言われた時の、苦笑いの理由はこれだったんだ。ずっと迷っていたんだな。
{character:player}今思えば、こういう言い方って失礼だよね。サラはサラで、別の誰かに成り代わる必要はないはず。私は観客としても、舞台の上に立っているカルメンより、サラ自身を見たいよ。
{character:player}今のままのサラが一番だと思うから。
{character:莎拉}……ありがとう。なら、私もあなたに謝らなければならないわ。
{character:player}?
{character:莎拉}あの日、なぜあなたを選んだか聞かれたでしょう? あなたの意外性に期待してるのは本当だけど、実は……あなたが私に向けている感情は、ドン・ホセのカルメンへの愛に似ているような気がしたから、というのもあるの。
{character:莎拉}でもあなたの言う通り、あなたもあなたなのよね。ドン・ホセじゃなくて、私の大切なお客さん。だから、あなたにも謝らなきゃ。ごめんなさい。
{character:player}ならおあいこだね。……へへ、なんか嬉しいな。
{character:莎拉}嬉しい?
{character:player}同じことで悩めるってことは、私はサラにより近づけたんだなって思って。これほど祝杯に値することって、他にないよ。
{character:莎拉}ふふっ、そうね。乾杯。
{character:player}乾杯!
この稽古を通してサラと親密になれたけど、今晩サラのことがもっとわかったし、サラとの距離がぐっと縮まった気がした。
夕食後、サラをサーカスまで送る途中。
{character:player}サラ、もしもの話だけど。負けたら本当に「Musae」に行くの?
{character:莎拉}あら? まだ冗談だと思ってる? 約束を守るのは当たり前よ。あ、もしかして、行ったらあなたが寂しいとか~?
{character:player}ヒーリさんやみんなには言えないけど、サラのファンとして、サラがどこに行こうがついていくだけだよ。むしろ、有名なところに入った方が未来は明るいのかも。
{character:莎拉}なのに、私に負けてほしくないのね。
{character:player}あれ、そんなこと言ったっけ。
{character:莎拉}でも本当のことでしょう。
{character:player}あはは、サラにはお見通しだよね。ファンだからね、サラが負けるところなんて見たくないし、想像も出来ない。
{character:莎拉}あなたにそこまで期待されちゃったら、余計に負けられないわね~。
{character:player}更に重圧を負わせるようで悪いけど、今回は私も精一杯力を尽くすから。
{character:player}……と言いたいところだけど、本番で上手くドンになり切れなかったらどうしよう? 観客が私を無視して二人の演技に集中するよう祈るしかないかな?
{character:莎拉}フフ、無理してドン・ホセになる必要はないのよ。
{character:player}だって、キャラクター性が大事だって。
{character:莎拉}そうね~。でも、観客として本当に見たいのは役ではなく、ステージに立つ私だって、あなたが言ったのよ。だから私は、「私」を見せることに決めたわ。
「私」を見せる……。
{character:莎拉}今、あなたの目に私はどんな風に映ってる?
{character:player}え、っと……。
{character:莎拉}本番までの間、もう少しこのことについて考えましょうか、二人で。
{character:莎拉}その答えが見つければ、迷いも消える気がするわ。
{character:莎拉}……ここまででいいわ、ありがとう。おやすみなさい。今話したこと、よく考えてみてね~。
{character:player}うん、おやすみ。
家に帰ったのは日付が変わる直前だったが、眠気が全く無い。
軽くシャワーを浴びて、私はベッドの上で台本をもう一度読み始めた。
役を演じるためには、役を理解し、感情移入する必要がある。
{character:player}ホセ……私は今きみの人生を読み、きみを理解しようとしている。
でも私は私、きみはきみ。これからも一生きみを理解出来ないかもしれない。
「今、あなたの目に私はどんな風に映ってる?」
{character:player}……サラの方こそ、きみが見ているのは私?
それともドン・ホセ……?
{character:player}お客さんがいっぱいだ……。
本番の日が来た。開演までまだ時間があるのに、客席が既に埋め尽くされている。
{character:检票员}さすがオレヴィさんの集客力だ、今日のチケットは一瞬で完売したよ。
最近の「Soul」の売り上げから推測するに、今日のチケットの半分以上はオレヴィさんのファンが買ってくれたんだろう。
{character:player}サラの言う通り、こっちがホームなのに、アウェーみたいだね。
{character:莎拉}あらあなた、緊張してるの~?
{character:player}そりゃしてるよ。敵方からも支持を得られるように頑張らなきゃ。
{character:莎拉}ふふっ、やる気十分ね。
{character:希里}サラ、そろそろ準備して。
{character:莎拉}ええ。あなたも、そろそろ着替える時間よ。
{character:player}うん、今行く。そうだ、サラ。
{character:player}もしもだけど……もし最後カルメンが生き残ったら、面白いと思う?
{character:莎拉}そうね……いきなり聞かれても、上手く想像出来ないわ。
{character:莎拉}でも考えておくわ。
{character:player}うん。お互い、頑張ろう。
{character:莎拉}ええ。ステージで会いましょう。
{character:player}じゃあ、また後で。
{character:报幕员}本日は「Soul」の特別公演にご来場いただきありがとうございます。まもなく開演です。
朝の広場、市民たちが行き来している。広場脇の詰所で、俺は同僚と話し合っている。
俺の名前はドン・ホセ、伍長に昇進したばかりの衛兵だ。今は椅子に座って、鎖を作っている。
{character:长官}ホセ、あそこのたばこ工場にいる娘たちは、どうだ? 見目の良いのはいるかね?
{character:player}長官、申し訳ありませんが、わかりません。今まで気にしたこともありませんよ。
{character:长官}ふん、だろうな。お前に婚約者がいるから聞いたんだよ、はは!
そんな話をしていると、工場の方から声がした。仕事明けの女工たちが工場から出てきたのだ。
{character:player}どんな人がいるのか、ご自身で見に行ったらどうですか。
{character:士兵们}カルメンはどこだ? どうしてカルメンはいない?
衛兵を演じる役者たちの合唱の中、カルメンは女工たちの群れから姿を現した。
彼女は顔を上げ胸を張ってステップを踏み、男達が彼女に群がる。
{character:士兵们}カルメン、俺に優しくしておくれ、せめて口をきいてくれ!
{character:莎拉}恋は野の鳥 縛られやしない どんな法でも 手なずけられやしない
{character:莎拉}そっちに気がなきゃ こっちは惚れる あたしが惚れたら ご用心!
高飛車に歌い上げた後に、一本の花が私の額に投げつけられた。地面に落ちたアカシアの花を拾い上げ、私は彼女を見た。
{character:莎拉}そこの衛兵さん、あなたは何をしているの。
{character:player}俺かい? 俺は鎖作りで忙しいんだ。火門針を吊るすためのね。
{character:莎拉}鎖……。そう、それはまさにあたしの魂をつなぐ鎖ね。
「ほほほ」と高らかに笑い、カルメンは歌いながら去った。男たちや女工たちも彼女に続いて捌けていく。
詰所の前には、再び俺と長官が残った。
{character:player}なんと申し分ない女性だ! この世に本当に魔女がいるとしたら、彼女もきっとそうなのだろう!
{character:长官}なぁに、ただの茶番だ。お前には婚約者がいるだろ? あんなの気にすんな。
そう、俺には、婚約者がいる……。
{character:未婚妻}ホセ、母親からの手紙よ。あの人、毎日あなたを気にかけていて、キスを送ってきたのね。
{character:player}母上からのキス、ありがたき幸せだ。ぜひ俺のキスも母へ、尊敬していると伝えて欲しい。
俺が愛する人は、慎ましく善良であるべきだ。
{character:莎拉}このあたしを、牢屋に入れるですって?
{character:player}残念だが、そうするしかないようだ。
{character:莎拉}ホセ、あたしの花も捨てたのね! あんたはもう狂ってる、あたしを愛してるというのに! あたしのために、なんでも出来るはずなのに!
本当は、あの花を捨てられてなどいなかった。俺は「魔女」に魅了されたのだ。貞淑で心優しいあの子に、愛していると言う日は二度と来ない。
{character:莎拉}恋は野の鳥、どんな掟でも縛れやしない!
俺はカルメンの歌声に幻惑され、後戻り出来ない一歩を踏み出した。
{character:士兵们}万歳 万歳 闘牛士! 万歳 万歳 エスカミーリョ!
力強いビートに合わせ、闘牛士エスカミーリョが、凱旋した将軍のように黒馬に乗って登場した。
{character:女粉丝}キャァアー! オレヴィ様~!
客席から女性ファンたちの黄色い歓声が沸き上がる、テントの屋根を突き破りそうな勢いだ。
{character:奥莱维}君達の乾杯に応えよう、戦いに誇りを持つ者どもよ! 兵士と闘牛士は同志も同然!
エスカミーリョは赤い布を振りかざし、颯爽とターンして引き続き歌う。
{character:奥莱维}闘牛場は満員! 今日は祭りの日! 観客は我も忘れて歓呼する! 挑戦だ 喝采だ!
カルメンは先ほどと変わらず顎を上げ、エスカミーリョの前まで歩いた。闘牛士は赤い布を翻し、女を懐に迎えた。
{character:奥莱维}愛がお前を待っている トレアドール!
{character:player}オレヴィさん、本当にかっこいいなぁ。
ドン・ホセ役として悔しいが、たとえ私がカルメンでも、この凛とした闘牛士を選ぶだろう。そんなオレヴィさんの演技を見て、私は勝てるか不安になってきた。
{character:player}短い出番で観客の心を掴みとる、あの宣言は本気だったんだな。
{character:莎拉}ふふっ、オレヴィは実力派だもの。でも私も負けてないわ。
{character:莎拉}それに、あなたもいい調子じゃないかしら。練習の時よりずっと上手くやれてるわ。このまま最後まで頑張りましょう。
{character:player}本当? よかった、この一ヶ月は無駄じゃなかったんだな!
{character:莎拉}ええ、あなたには歌とダンスの才能があると本気で思うわ。いっそのこと「Soul」に入ったらどう?
{character:player}そ、そう? じゃあ、勝てたら考えようかな。
私の緊張をほぐすため、サラが冗談を言ってくれた。とは言え、サラに褒められるとやっぱり嬉しい。
{character:莎拉}ええ、真面目に考えてね。私、本気だから。
{character:player}え、ええ?
{character:莎拉}さて、次は私の出番ね。あなたはもう少し、ゆっくり休んでて。
{character:player}あ、うん……。
本気、なのか?
そして公演も終わりに近づき、クライマックスシーンが始まる。
カルメンの心変わりを知ったドン・ホセは、彼女を探しに闘牛場に来た。
もっとも衝撃的なシーンだから、ここで勝負が決まると言っていいだろう。
闘牛場の前、私は無気力な身体を引きずってカルメンに近付き、彼女の腕を掴んだ。
{character:莎拉}放して。
{character:player}あの歓声を浴びている男、あれがお前の新しい恋人だな。
{character:player}カルメン、やつに会いに行くんだな? 彼を愛してると言うんだな!?
{character:莎拉}ええそうよ、愛してる、たとえ死を目前にしても言うわ、あたしは彼を愛してる!
闘牛場の真ん中で、黒い闘牛が血だまりの中に倒れた。観客の喝采さえも、私を嘲笑っているように感じる。
{character:player}かくして、俺の魂が救われるのか! 奴の腕の中で俺を笑え、いや、血を流してでもお前を行かせたりしない! カルメン、俺と一緒に来るんだ!
{character:莎拉}嫌、嫌よ! 絶対に嫌!
カルメンは俺の手を振りほどき、かつて俺が送った指輪を投げ付けてきた。
{character:莎拉}その指輪、返してやるわ。行かせてくれないのなら、いっそのこと殺してみなさい!
{character:player}……。
いよいよこの時が来た。
俺はカルメンを凝視し、懐からナイフを取り出した。しかし彼女は怖がる素振りもなく、凛々しく立っている。
これが芝居だからでも、私が持っているナイフがただの小道具だからでもない。その凛とした表情はサラの本心からのものだと、私は肌身で感じた。サラは今、まさに愛と自由のためなら死さえ恐れないカルメンそのものだ。
{character:player}(小声)さすがサラ、すごいな。
私がなぜサラに「ドン・ホセと似ている」と言われたのか、ようやく理解した。サラのダンスと歌、振る舞いや表情に魅入られた私は、カルメンに惑わされたドン・ホセと同じだ。
もし私がドン・ホセの立場なら、私は本当に、目の前の愛する人を殺せるのか。
{character:莎拉}今、あなたの目に私はどんな風に映ってる?
{character:莎拉}(小声)……あなた? 大丈夫?
{character:player}……。
どうするべきか考えるんだ。今私の前にいるのはカルメンか、それともサラか。
それ以上に、私……ドン・ホセはいったい、自分自身についてどう思っているのか。
俺は善良な婚約者と彼女の母と、幸せな一生を過ごすはずだった。カルメンがいなければ、俺の生活が狂うことはなかった。
彼女は魔女だ、俺は魔女に惑わされ全てを失った。
それなのに、彼女は心変わりした! 俺の最後の尊厳を踏みにじり、ドブに捨てた!
俺のこの怒りは、当然のものだ!
{character:player}……よかろう、この魔女め!
俺はナイフをカルメンの胸に刺した。この血で俺は復讐を遂げた!
{character:player}さぁ、俺を捕まえてくれ! 彼女を殺したのは俺だ!
俺はカルメンの身体を抱え、天を仰いだ。カルメンの周囲に散らばったバラの花びらが風に舞い、彼女の魂が解き放たれたことを表現する。
これが私の選択。サラを勝たせるために、ドン・ホセの人生を最後まで演じきった。
観客たちのため息の中、幕が降ろされた。
{character:奥莱维}結局、いつも通りだったね。
{character:莎拉}残念ね、オレヴィ。
終演後、観客投票の結果は相変わらず二人の引き分けだった。
{character:奥莱维}まぁ、まだチャンスはいくらでもあるさ。君がその気にさえなれば、「Musae」はいつでも君を迎えるからね、サラちゃん。
{character:莎拉}ふふっ、考えておくわね~。
{character:奥莱维}そうだ、君は次も出演するのかな?
{character:player}え、私?
{character:奥莱维}一ヶ月しか練習してなかったのに、あそこまで出来るとは。君、なかなか才能あるよ。
{character:奥莱维}次も出ておくれよ、その方が面白いから。
{character:player}いやいやいや、二人の勝負に何度も首を突っ込む訳には……。
{character:莎拉}そうよ、二人いるとこっちがより有利になるわよ。
{character:奥莱维}難しい方が挑みがいがあるってものさ。じゃ、次もよろしくね。
そんな約束を残して、オレヴィさんはサーカスを去った。
{character:莎拉}最初で最後の共演、じゃなかったみたいね、あなた。
{character:player}ま、まだ続くのか……。
まぁ、今後のことは置いといて、今は勝利を祝おう。
ドン・ホセは善良な婚約者と彼女の母と、幸せな一生を過ごすはずだった。カルメンがいなければ、彼の生活が狂うことはなかった。
ドン・ホセの言う通り、彼女は魔女だ。でも、そんな魔女に魅入られたドン・ホセは本当に不幸なのか。私はそう思わない。
{character:player}行け、カルメン。
{character:莎拉}なにを……。
{character:player}行けと言ったんだ!
カルメンはドン・ホセの肩書き目当てでドン・ホセに近づいたが、広場で花を投げたのは、少なからず本当の愛情があったからだと思う。
カルメンは相手に困らなかったはずなのに、ドン・ホセが不意に見せたクールな一面に惹かれた。ドン・ホセにとって、その愛情は偶然に舞い降りた幸運と言えるだろう。
私だって、数あるサラのファンの中から運良く選ばれた一人の幸せ者だ。
{character:莎拉}……あ、アハハ! それ、同情? このあたしを哀れむっていうの?
{character:player}断じて違う! 俺にその必要はない。なぜなら……
{character:player}愛は自由な小鳥、誰かに操られることはないからだ!
カルメンは鳥だ。裏切りは許せないが、それは彼女の生まれ持った気質だ。もしそんな彼女がドン・ホセの鳥籠に入ったら、彼女は彼女でいられるだろうか。そしてそんな彼女を、ドン・ホセは愛し続けられるのか。
私なら愛せない。ドン・ホセと似ているとしても、私は私だ。サラが言ってたように、「私」を見せよう。
そして、私の目の前にいるのはサラだ。私はそんな彼女を、自由にさせてあげたい。
{character:player}愛は流れ者と同じ、法であろうと縛れない! 君は自由だ、カルメン!
観客席から不穏な声が聞こえた。こういうアドリブはオペラではまずやらないだろうから仕方ない。
だがサラの顔には一片の迷いもない。開演前のやり取りもあってか、サラは完璧に私のアドリブに合わせてくれた。
……いや、あれがなくても、サラはきっと私がやりたいことをわかってくれただろう。「自分を見せること」を、二人で一緒に考えてきたのだから。
そして何より、サーカスで何年もやってきたサラはアドリブに長けている。そんなサラがどう応えてくれるのか、今の私には期待しかない。
{character:莎拉}傲慢、なんて傲慢なやり方かしら!
サラは指を私の顔と首に滑らせ、私の顎を持ち上げた。彼女の目は愛に輝いている。
{character:莎拉}行けって、どこへ? あたしに指図する資格なんてあんたにはないわ!
{character:player}お前が俺を愛さなくても、俺はお前に死んで欲しくない。お前に自由を返すまでだ。
{character:莎拉}その自由だって、一度も奪えたこともないくせに、どの口が言うの?
{character:莎拉}行けって言ったわね? じゃあ、あたしは行かないわ。さぁ、手を取りなさい!
{character:player}情けのつもりか、カルメン。
{character:莎拉}無礼を働いたのはあんたが先。やられたからやり返しただけよ。
私が固まったのを見て、サラは私の手を取った。
{character:莎拉}あたしの好きなものはね、歓声と、勝ち組。
{character:player}だが俺は敗者だ。君のせいで、俺はなにもかも失った。
{character:莎拉}いいえ、あんたの銃にはまだ鎖が繋がってるでしょう? その鎖は、あたしの魂の鎖だと言ったはずよ。
{character:player}このふしだらな女め、まさか俺が勝利者だとでも言うつもりか?
{character:莎拉}なにか問題でも? 愛は自由な風、今あんたの方に吹いているってだけ。
{character:莎拉}ちっぽけなプライドは捨てなさい、少なくともこの瞬間は、あんたは愛の勝者よ。
{character:莎拉}歓声を上げな! 勝者よ!
{character:民众们}万歳! ブラボー! 勝ったぞ! 勝者ドン・ホセの栄光だ!
バラの花びらが舞い降りて、私達への祝福を表した。
観客たちの歓声の中、「Soul」特別公演「カルメン」は終幕となった。
観客投票の結果は、相変わらず二人の引き分けだった。
しかし、最後のアドリブは事前に相談してなかったから、共演してくれた「Musae」のメンバーたちは反発した。
{character:同事A}そっちが主催とは言え、こういう原作を壊すような改変は許せないわ。
{character:同事B}そうよ。だから今回の勝負は無効よ!
{character:奥莱维}はいはい、みんなの気持ちはわかる。サラちゃん達のアドリブは確かに事前に言ってくれてなかった。でも観客にはウケた。それだけでこのショーは成功したと言えるよね?
{character:奥莱维}それに、あの人を選んだのはサラちゃんだ。私が観客の心を掴んだとしても、彼女の心を手に入れられない以上、今回も私の負けだ。
そんなオレヴィさんの話を聞き、メンバーたちの反発も収まった。
{character:莎拉}素敵な演技だったわよ、オレヴィ。
{character:奥莱维}お互いにね。あのアドリブには勝てないな。
{character:player}かばってくださりありがとうございます。内心ヒヤッとしました……。
{character:奥莱维}はは、気にしないで。それにしても一ヶ月しか練習してないのに、ここまで出来るとは。君、なかなか才能あるよ。
{character:player}そんなことないですよ……。
{character:奥莱维}今後また共演するチャンスがあったらよろしくね。
{character:player}いやいや、オレヴィさんと何度も共演なんて、私には出来ませんよ。
{character:奥莱维}何言ってんの、今日は君たち二人に負けたんだよ。雀士なら勝ち逃げなんてしないよね?
{character:player}勝ち逃げなんて、私ただの助っ人なんだけど……。
{character:莎拉}そうよ、二人いるとこっちがより有利になるわよ。
{character:奥莱维}難しい方が挑みがいがあるってものさ。じゃ、次もよろしくね。
{character:player}って、ま、待ってくださいよ! オレヴィさん!?
断るチャンスもくれないまま、オレヴィさんはサーカスを去った。
{character:莎拉}最初で最後の共演、じゃなかったみたいね、あなた。
{character:player}ま、まだ続くのか……。
でもまぁ、今日勝てたのは事実。これでサラが「Soul」からいなくなる心配はなくなった。今後のことはまた後で考えよう。
{character:莎拉}そう言えば、あなた。あの時の答え、考えてくれた?
{character:player}あの時って、何?
{character:莎拉}もう、誤魔化さないで。勝ったら「Soul」に入るって、言ってたでしょう?
{character:player}そ、そこまでは言ってないかと……。
本当に本気だったんだ!? どうしよう……。
{character:player}ごめんなさい、サラ。あれからずっと公演のことで頭がいっぱいで、それを考える時間が無くて。
{character:player}もうちょっと考えさせて。答えが出たらすぐサラに伝えるから。
{character:莎拉}ウフフ、いいわよ。いい返事が聞けるのを、ずっと待ってるわ。
{character:莎拉}ゆっくり考えてね~。
{character:player}ありがとう。
「Soul」に入るなんて、実現する可能性が低いのは明白だ。でも今すぐサラの頼みを断るなんて、私は出来ない。
目の前にいる、私の「カルメン」をないがしろにするなんて。
これからどんなことがあろうと、私は彼女と一緒にいたいから。