七海礼奈
自分の誕生日に両親を事故で亡くし、自分もその事故で足を怪我してしまった。既に足の怪我は完治しているものの、事故がトラウマで立つことができない。現在は一飜市の親戚の家に引き取られており、普段はその親戚が経営するカフェで手伝いをしている。父が元々バリスタだった為、コーヒーにはかなり詳しい。
Profile
Skins
七海礼奈の初期衣装
七海礼奈と契約を結んだ時に入手できる着せ替え衣装
「冬日祭・西羽流光」にて購入できるクリスマステーマの限定着せ替え衣装
「ぐっすり夢路」にて購入できるパジャマテーマの着せ替え衣装
「ウィンターワンダーランド」にて購入できる、新年テーマの着せ替え衣装
「蝶が見る花の夢」にて購入できる、妖精テーマの着せ替え衣装。
Emotes
Bond Requirements
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プレゼント・普通
ふむふむ…私へのプレゼント?もらえたことがちょっと意外だっただけ。ありがとう。
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プレゼント・好み
わあ…!私、ずっとこれ欲しかったの。なんで知ってるの?うんうん!すごく嬉しいよ!
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絆レベルアップ5
はえ?私のことをもっと知りたい?雀士さんなら…いいよ。知りたいこと、全部教えてあげる。
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絆レベルアップ1
雀士さんのこと、なんとなくわかった気がする。私たちはもう友達だよね?
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絆レベルアップ2
足のこと?うーん……先生は肉体的な損傷はないって言ってたけど、なぜか立てないんだよね。……でも、同情はいらないよ。こう見えても車椅子のおかげで自由に動けるから。でも、ありがとう。
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絆レベルアップ3
雀士さんに麻雀を教えてもらってから、ずっと麻雀の練習頑張ってるの。今度は負けないよ。
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絆レベルアップ4
きれいな星空……父さんも母さんもそこから私を見ててくれてるのかな。
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隐藏语音 - 新年
明けましておめでとうございます。私、初詣でいっぱいお願い事したよ。コーヒーのこともっと勉強できますようにとか、コーヒーベルトの国々に旅行に行けますようにとか、あと新しい体育の先生は優しい人がいいなとか……ちょっと欲張りすぎちゃったかな。雀士さんのそばにいると、ついつい欲張りさんになっちゃうな。へへっ。
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隐藏语音 - 情人节
バイトの人たちとチョコ作ったんだけどね、雀士さんがどんなのが好きかわからないから、色々作っちゃった!試しにちょっと食べてみない?
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メイン1
今日はそうね…ゲイシャはどう?うちでは一番人気のマメだよ。フローラルなあまぁい香りは、こんな午後にぴったりだよね。
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メイン2
麻雀って…面白いの?バイトの子からよく話は聞くけど、難しそう…
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メイン3
空を自由に飛べる鳥が羨ましいなー。れいなもいつかあんな風になれるかな?
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メイン4
お父さんのおかげで小さい頃からコーヒー豆の選別は得意なの。……お父さんにもっとコーヒーの知識、教わっていればよかったな……
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メイン5
雀士さんが優しいから、ついついいっぱい喋っちゃう。うるさいって思ったら絶対言ってね。
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メイン6
う~ん…今日もまた雨かぁ。最近雨の日ばっかりだね。梅雨のせいかな?別に雨は嫌いじゃないけど、ただこんな日にわざわざ会いに来てもらうなんて、雀士さんに迷惑かけてないかなぁと…
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メイン7
叔父さんは前々から店でペットを飼おうって言ってるんだけど、何を飼うのか中々決められなくて。雀士さんはどう思う?たとえばウサギはどう?もちもちで可愛いし、お店のスターになると思わない?
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メイン8
ふむぅ、遊園地ね…足のこともあったし、あまり行ったことはないんだ。…一緒に行きたいの?じゃあ、頑張ってみようかな。も、もしおばけ屋敷とか行くんだったら、私頑張って雀士さんを守るからね!…怖くない怖くない、そんなの全部作り話だよ。げ、現実世界におばけなんかいないよー!
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ログイン・普通
こんにちは。今日もコーヒーでいいの?最近は、ドアベルの音がすると、すぐ「雀士さんが来てくれたのかな?」って思っちゃうよ。
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ログイン・絆LvMAX
暖かぁい。こんな天気で家にこもってたらお日様に申し訳ないよね。早く支度して公園にいこうよ
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契約を結ぶ
私の心の傷が治ったのも、もう一度立ち上がれるようになったのも、雀士さんがずっとそばにいてくれたおかげだよ。不束者の私だけど、これからも頑張るから、どうぞよろしくおねがいします。ね?
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SP-友人戦部屋に入場する時
お待たせしました!
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SP-友人戦部屋で準備した時
もうすぐ始まりますよ
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出会い
いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね。七海れいなです。コーヒーはいかがですか?
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北抜き
ぺー
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チー
チー
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ダブル立直
ダブルリーチ
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カン
カン
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ポン
ポン
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立直
リーチ
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ロン
ロン
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ツモ
ふむふむぅ…ツモ
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白
ハク
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北
ペー
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純全帯幺九
ジュンチャン
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純正九蓮宝燈
チューレン九(きゅう)メン待ち
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大三元
ダイサンゲン
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大四喜
大スーシー
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地和
チーホー
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ダブル立直
ダブリー
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東
トン
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ドラ
ドラ
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ドラ10
ドラ10(じゅう)
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ドラ11
ドラ11(じゅういち)
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ドラ12
ドラ12(じゅうに)
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ドラ13以上
ドラたくさん
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ドラ2
ドラ2(に)
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ドラ3
ドラ3(さん)
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ドラ4
ドラ4(よん)
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ドラ5
ドラ5(ご)
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ドラ6
ドラ6(ろく)
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ドラ7
ドラ7(なな)
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ドラ8
ドラ8(はち)
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ドラ9
ドラ9(きゅう)
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ダブル北
ダブペー
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ダブル東
ダブトン
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ダブル南
ダブナン
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ダブル西
ダブシャー
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断幺九
タンヤオ
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対々和
トイトイ
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二盃口
リャンペーコー
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発
ハツ
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国士無双十三面待ち
コクシ十三メン待ち
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国士無双
コクシムソウ
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海底摸月
ハイテイ
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河底撈魚
ホウテイ
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混老頭
ホンロートー
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混全帯幺九
チャンタ
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混一色
ホンイツ
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九蓮宝燈
チューレンポートー
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嶺上開花
リンシャン
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立直
リーチ
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流し満貫
流しマンガン
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緑一色
リューイーソー
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南
ナン
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平和
ピンフ
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槍槓
チャンカン
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七対子
チートイ
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清老頭
チンロートー
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清一色
チンイツ
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三暗刻
サンアンコー
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三槓子
サンカンツ
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三色同刻
三色(さんしょく)ドーコー
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三色同順
三色(さんしょく)ドウジュン
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四暗刻
スーアンコウ
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四暗刻単騎
スーアンコウ、タンキ
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四槓子
スーカンツ
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天和
テンホー
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西
シャー
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小三元
ショーサンゲン
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小四喜
小スーシー
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一盃口
イーペーコー
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一発
イッパツ
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一気通貫
イッツー
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中
チュン
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ツモ
ツモ
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字一色
ツーイーソー
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清算一位
皆さんとご一緒できてうれしいです。
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清算一位・高い点数で勝利
こんなの上がれるなんて思わなかった!
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清算一位・ロンで勝利
今回は運が良かったみたいだね。
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倍満
倍満(バイマン)
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九種九牌
九種九牌
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数え役満
数え役満(カゾエヤクマン)
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満貫
満貫(マンガン)
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ノーテン
ノーテン。ちょっと残念かも…
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三倍満
三倍満(サンバイマン)
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四風連打
四風連打
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四槓散了
四槓散了
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四家立直
四家立直
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跳満
跳満(ハネマン)
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聴牌
テンパイ!えへへ。
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役満
ヤクマン
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ダブル役満
ダブルヤクマン
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トリプル役満
トリプルヤクマン
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四倍役満
四倍(よんばい)ヤクマン
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五倍役満
五倍(ごばい)ヤクマン
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六倍役満
六倍(ろくばい)ヤクマン
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SP - ドラを捨てた時
きゃ、ドラが.....
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SP - 倍満/三倍満聴牌
わー!これあがったらいい点とれるんじゃない?
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SP - 同じ牌を連続に捨てた時
うむむ.....打つんじゃなかったかも
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SP - 残り牌が10枚以下の時
うーん...急がなくちゃ
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対局開始
私、頑張ります
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SP - 役満聴牌
私の運の良さ、まるで香り豊かなアラビカみたい!
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帯幺九
帯幺九(タイヤオチュウ)
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根
根(ルート)
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将対
将対(ジャントイ)
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金勾釣
金勾釣(キンコウテャオ)
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嶺上放銃
嶺上放銃(リンシャンホウジュウ)
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龍七対
龍七対(ロンチートイ)
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清対
清対(チントイ)
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清金勾釣
清金勾釣(チンキンコウテャオ)
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清龍七対
清龍七対(チンロンチートイ)
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清七対
清七対(チンチートイ)
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清十八羅漢
清十八羅漢(チンジュウハチラカン)
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清幺九
清幺九(チンヤオチュウ)
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十八羅漢
十八羅漢(ジュウハチラカン)
Spot Voices
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Spot Voice 1
惊讶
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Spot Voice 2
肯定
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Spot Voice 3
否定
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Spot Voice 4
打招呼-早晨
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Spot Voice 5
打招呼-白天
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Spot Voice 6
打招呼-夜晚
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Spot Voice 7
告别
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Spot Voice 8
承接
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Spot Voice 9
叹气
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Spot Voice 10
高兴
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Spot Voice 11
生气
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Spot Voice 12
递进
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Spot Voice 13
转折
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Spot Voice 14
疑惑
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Spot Voice 15
语气1
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Spot Voice 16
工作1
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Spot Voice 17
工作2
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Spot Voice 18
工作3
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Spot Voice 19
开心1
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Spot Voice 20
开心2
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Spot Voice 21
打招呼1
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Spot Voice 22
开心3
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Spot Voice 23
疑问1
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Spot Voice 24
犹豫1
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Spot Voice 25
犹豫2
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Spot Voice 26
语气2
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Spot Voice 27
道谢1
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Spot Voice 28
开心4
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Spot Voice 29
肯定1
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Spot Voice 30
开心5
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Spot Voice 31
语气3
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Spot Voice 32
转折1
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Spot Voice 33
转折2
-
Spot Voice 34
道谢2
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Spot Voice 35
惊讶1
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Spot Voice 36
肯定2
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Spot Voice 37
语气4
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Spot Voice 38
语气5
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Spot Voice 39
语气6
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Spot Voice 40
语气7
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Spot Voice 41
惊讶2
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Spot Voice 42
语气8
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Spot Voice 43
道歉1
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Spot Voice 44
惊讶3
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Spot Voice 45
语气9
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Spot Voice 46
工作4
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Spot Voice 47
工作5
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Spot Voice 48
语气10
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Spot Voice 49
惊讶4
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Spot Voice 50
语气11
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Spot Voice 51
语气12
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Spot Voice 52
开心6
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Spot Voice 53
承接1
-
Spot Voice 54
开心7
患者
絆LV1で開放
『一飜市中央病院・診療記録アーカイブ』 ファイルNo.0321 氏名:七海礼奈 性別:女 年齢:13歳 Page(01) カテゴリー:入院サマリー 日時:××××/03/20 23:45 主訴:交通事故による左下肢外傷 出血および1時間にわたる意識障害 理学的所見: 深昏睡状態 左大腿部の明らかな腫脹および骨折 多量の活動性出血 応急処置された包帯まで浸透 初期診断: 1. 重度の出血性ショック 2. 左大腿動脈破裂 3. 左大腿骨折 4. 全身多発性軟部組織挫傷 Assessment and Planning: 患者は未成年者であり、緊急手術を要する。 法定代理人(両親)が今回の事故で死亡しており、速やかなインフォームド・コンセント取得が困難であるため、緊急医療プログラムを開始する。 ※患者の身元情報は、所持品のバースデーカードから暫時的に確認。 Page(02) カテゴリー:手術サマリー 手術日時: ××××/03/21 00:20 ~ 06:33 手術内容: 1. 左下肢神経血管造影検査 2. 左大腿動脈吻合術 3. 左大腿骨骨折観血的手術 Assessment and Planning: 患者は急性の生命の危機を脱した。 大腿神経、坐骨神経は事故により重度の圧迫を受けていた。しかし、不可逆的な損傷は認められなかった。 今後のリハビリ方針は、患者の回復状態と個人の意志に応じて決定する。 …… Page(22) カテゴリー:精神科診断結果 診断時期:術後5ヶ月 診断内容: 心的外傷後ストレス障害(PTSD)、転換性障害(Conversion Disorder) …… Page(27) カテゴリー:フォローアップ報告 面談時期:術後6ヶ月 Assessment: 患者は半年前、事故による外傷で入院治療を受け、4ヶ月前に退院した。 現在、患者の各身体機能は良好。下肢の筋力、骨の癒合状況は退院時レベルを維持。心因性歩行障害に著明な改善見られず。 事故に関する詳細な聞き取りなどのあらゆる心理的介入に対し、患者は強い拒絶反応を示す。 Planning: 下肢筋萎縮予防のため、物理療法の維持を推奨。 当院でフォローを続け、精神科がいつでも介入できるよう、連絡可能な状態を保つこととする。
「エテルニテ」
絆LV2で開放
カフェ「エテルニテ」が休業して半年が経った。まるで、この場所だけ時が止まっているかのように、何もかもが半年前と変わらない。 車椅子に乗った七海礼奈は、カウンターの隅で埃をかぶっているコーヒーミルに目を向けた。 思い出す。昔、父の隣で、ミルのスイッチを押してあげるのが好きだったことを。 豆を挽く時の心地よい音は、目に見えない小さな妖精さんたちが魔法のパーティーを開いて、宝石を集めている音のようだった。 幼い礼奈は、いつもカウンターに体を預け、自分も飛び回る妖精の一人になったような気持ちで「魔法」の完成を心待ちにしていた。 音が鳴り止んだら、今度は父が「魔法」をかける番。 準備が整い、コーヒーの粉に湯を静かに注いでいく。 礼奈はそれを静かに見つめ、香りが花開く時を待っていた。 そして、コーヒーの香りが部屋いっぱいに満ちた頃に、 母の優しい声が響くのだ。 「お待たせしました。今日一杯目の特製コーヒーです!」 振り向くと、まるでマジックのように完璧なハートのラテアートを仕上げ、得意げにウインクする母の姿があった。 「あ~! 礼奈ちゃん、また生クリームつまみ食いしたでしょ!」 あっ、バレちゃった。 礼奈は、口元についていたクリームを急いで舐めとった。クリームの甘さが舌先で溶ける。 そんな時、父と母は決まって愛おしそうに笑うのだった。 …… 「礼奈ちゃん?」 冷たい現実に呼び戻す声がした。 「……行こうか。不動産屋さんにお任せしよう。きっと一番ふさわしい人に渡してくれるよ。」 七海礼奈の叔父が、慎重に言葉を選びながらそっと口にした。 礼奈は何も答えず、目の前のカウンターを静かに見つめ続けていた。 小さい頃、よく背伸びをして両親の仕事を眺めていた、思い出のカウンター。 しかし今は、現在と過去を隔てる壁のようだ。 カラン、カラン。 不意に、店のドアが開いた。 スーツケースを引いた、旅の疲れを漂わせた女性が入ってきた。 「あ、ごめんなさい。ドアが開いていたから……。 あの、もしかして、今日はお休みですか?」 「ええ。すみません、この店はすでに閉めておりまして。」 叔父が前に出て、丁寧に応対した。 「閉めた……?」 女性の顔に浮かんでいた期待の色が、みるみるうちに消え去った。 「そうなんですか……。 一年間の留学からようやく帰ってきて、飛行機を降りたら、まずはここでコーヒーを飲もうと思っていたのに……。」 女性は、車椅子に乗った礼奈には気づいていない様子で、 惜しむように、静寂に包まれた店内を見回していた。 「ここ、思い出の場所なんです。」女性は大きな窓に目を向けた。 「……あの時、ここに座ってコーヒーを飲みながら、 留学を決心したんです。 旅立つ勇気をくれた店だと、ずっと思っていました。」 「それで、帰ってきたら、絶対にまたここでコーヒーを飲もうと……。 最も特別な場所だったので、すごく残念です。」 話し終えた女性は、ひどく落ち込んだ様子で叔父に会釈すると、 踵を返し、外に出ようとした。 特別な場所……。 礼奈の心臓が大きく跳ねた。 お父さん、お母さん。 二人が創った「エテルニテ」……「永遠」を意味するこの場所は、二人が願った通り、誰かを励ます、心の拠り所になった。 そんな大事な場所、このまま消えていいはずないよね? 「……あの、待ってください。」 女性と叔父が、驚いてカウンターの向こうへ振り向いた。 「もし、よかったら……。」 礼奈は、彼らの訝しげな視線を正面から受け止めて言った。 「私が、コーヒーをお淹れしても、いいですか?」 自分でも、どうしてこんなことを言い出したのかわからない。 ただ…… お客さまに、あんな表情のままでお帰りいただくことはできないと思った。 「おじさん、手伝ってくれる?」 礼奈は、背の高い棚の上、新品のコーヒー缶があるあたりを指差した。 叔父はしばらく沈黙した後、小さくため息をつきつつも、 礼奈が示した「ゲイシャ」の缶を取り、 ポン、と礼奈に手渡した。 慣れ親しんだ、コーヒー缶の重みと感触。 脚は動かせないけれど、手はまだ自由に動く。 そしてこの頭は、コーヒーに関するあらゆることを覚えている。 それだけで十分だ。 器具の手入れ、豆挽き、湯沸かし、蒸らし、抽出。 座った状態を余儀なくされていることもあり、順調にはいかなかった。 それでも、礼奈は根気強く取り組んだ。芳醇でどこか懐かしいコーヒーの香りが、店に漂っていた淀んだ空気を一掃していく。 ハンドドリップのコーヒーが出来上がった。 車椅子を動かし、七海礼奈は自らの手でそれを女性の前に運んだ。 女性は何度も礼を言いながら、コーヒーを受け取った。 「古い豆しかなかったですし、味の保証はできないのですが……。」 礼奈は申し訳なさそうに言い添えた。 「……保証なんて、とんでもない!」 女性がコーヒーをそっと口に運ぶと、たちまち瞳を潤ませた。 「このコーヒー、すごく美味しいです……!」 「……この一年の、一番の願いだったんです。 疲れ切って、心が挫けそうになった日はいつも、ここでコーヒーを手に決断したあの朝を思い出していました。」 女性は顔を上げ、目元を赤くして、 真剣な表情で礼奈を見た。 「もう少し頑張ろう、あと少し自分を奮い立たせようと、ずっと自分に言い聞かせてました。 卒業したら、ここに戻ってきて、一年前の自分と乾杯する。 その時、『あなたは勇気ある人だった、あなたの決断は間違っていなかった、よくやり遂げた』って伝えるんだ……って。」 「願いを叶えてくれてありがとう、お嬢さん。」 コーヒーを飲み干した女性は、カウンターにきっちり二倍の代金を置くと、 晴れ晴れとした表情で店を後にした。 「願い……。」 空になったコーヒーカップを見つめ、礼奈は呟く。 自分は、もう誰かの役に立てる存在ではなくなってしまったと思っていた。 ……まだ、できることがあるんだ。 「……おじさん。私、決めた。」 礼奈はこれまでにないほど穏やかに、それでいてはっきりと言った。 「私、この店を継ぐ。」 長い沈黙が訪れた。 やがて、叔父はポケットから鍵を取り出し、かすかに震える礼奈の手のひらにそれを置いた。 少女は、鍵をぎゅっと握りしめた。 車椅子で登るには、その道はあまりにも険しく長すぎるかもしれない。 けれど、今の彼女にとっては、期待に満ち溢れた道だった。
ミラクル店長見習い
絆LV3で開放
「礼奈ちゃん、ごちそうさま! また来るよ!」 「はい、お気をつけて。またのお越しをお待ちしてます!」 今日最後のグループ客を見送り、 七海礼奈は微笑みながらドアにかけた看板の面を「CLOSED」に返した。 「チリン……。」 ドアベルが軽やかな音を立てると、世界はすっかり静まり返った。 車椅子を走らせ、締め作業を始める。 一日のうちで、この時間だけは、彼女一人のもの。 まずは、洗浄したコーヒーカップを棚にしまう。 それから席のチェック。すべてのテーブルと椅子が綺麗に整えられているかを見るのだ。 一台のテーブルの脚に、羊の模様のマスキングテープが新しく貼られているのを見つけた。 これを見ていると、エリサの焦りと申し訳なさを滲ませた叫び声が再生される。 「店長見習いさん! 大変、ぽややんがテーブルの脚をかじっちゃってる~!」 ある日の午後のこと。 エリサのペットの子羊「ぽややん」が、主人に引っ張られているのにも構わず、テーブルの脚にかみついていた。 「ふむふむ、慌てなくて大丈夫だよ。」 礼奈は冷静に車椅子を回し、カウンター後方の棚へ手を伸ばし、岩塩のブロックを一つ取り出した。 ぽややんは、すぐさまテーブルの脚への興味を失い、岩塩に飛び付いて満足そうに舐め始めた。 「エリサさんが初めて来てくれた時、ぽややんには塩分が不足してると木を噛む癖があるって教えてくれたでしょ。 それで、お店にも用意しておいたの。」 「え~!? リサリサ、そんなこと言ったかなぁ……? というか、店長見習いさん、そんなに前のことを覚えててくれたの!? しかも、準備までしててくれてたなんて……!」 (テンションが上がりすぎて、ほっぺたを真っ赤にしていたエリサさん…… 今思い出しても、やっぱり可愛い。) 席の確認が済んだら、コーヒーマシンの清掃だ。 慣れた手つきでポルタフィルターを外し、ブラインドフィルターに交換。 専用の洗浄パウダーを詰め、再びフィルターを元の位置にセットし、 お湯のボタンを押す。 複雑で面倒な作業だが、厳格に行わなければならない儀式だ。 加圧、逆洗浄、空気抜きを繰り返すことで、内部を徹底的に洗浄する。 こうして初めて、明日の一杯目から、最も純粋な味わいを引き出せるのだ。 その時、コーヒーマシンの側に、 綺麗な字で書かれたメモ用紙が置かれていることに気付いた。 「凍てついた神経の先に、温かな花火を咲かせてくれてありがとう」 これは、小野寺七羽が贈ったものだ。 今日の午後、いつものように文字の世界にのめり込んでいた七羽は、 ペンを握る手が微かに震えていて、雰囲気もどんよりと沈んでいた。 「……もう、無理。」七羽が、蚊の鳴くような細い声で言った。 「私の文章から温もりが失われてる。キャラの言動も、石のように硬い。」 心配して様子を見に行った礼奈は、 ホットのシナモンコーヒーを出し、その横に温かいおしぼりを置いた。 「体の状態が、思考に影響することもありますよね。 一度、手を少し休ませて、リラックスさせてあげてはどうでしょう?」 七羽は、無言で提案に従った。 両手でコーヒーカップを包み込むと、 こわばっていた体がふっとほぐれたようだった。 しばらくして、七羽は再びペンを執った。 そして、感謝のメモを礼奈に渡すと、 再び創作の世界へと没入していった。 (助けになれて、本当によかった。) 礼奈はメモを大切にしまった。 最後の作業は、戸締まりの確認だ。 店内を一周し、玄関マットのあたりまで来た時、 ある光景がふと脳裏に浮かんだ。 嵐星が来店するやいなや、見事な大の字で床へ倒れこんだ光景が。 「拙者、気力尽き果て、行動不能でござる……。」 嵐星は、最後の力を振り絞り、そう言った。 その場にいた全員が慌てて救急車を呼ぼうとしている中、 礼奈の脳内では、一つのレシピが急速に組み立てられていった。 (コーヒー、塩、シロップ、レモン果汁、氷) 味も効能も、すごく刺激的なものになるはずだ。 (よし、試してみよう。糖分、電解質、それからカフェインも補給できる。 救急車を呼ぶより早く、忍者さんに元気を出させてあげられるかも。) 嵐星は、渋い顔をして特製エナジードリンクを飲み干した。 その数分後、奇跡的に立ち上がった彼女は、 「任務続行でござる!」と言い残し、一瞬にして姿を消したのだった。 (さすが忍者、疾きこと風のごとし。) ……なんてことを思い出しながらマットの位置を整えて、 締めの作業は終わり。 「ふ~~……。」 礼奈は車椅子の背に寄りかかり、小さく息をついた。 右腕が少しだるい。 やや高い所にあった岩塩を取るために、少し伸ばし過ぎたみたいだ。 肩を揉みながら、薄手のブランケットをかけた自身の両脚に視線を落とす。 いつもと変わらず、ぴくりともしない両脚。 ……静寂。 まるで、昼間の賑わいの後、静けさに包まれた今の「エテルニテ」のよう。 その静けさは、夕暮れ時の潮のように、音もなく押し寄せてくる。 足首を包み込み、やがて膝まで……。 「……」 「…………」 「……………………これじゃ、ダメだね。」 礼奈はうつむいたまま、しばらく黙り込んだ。 それから、自分に発破をかけるように、頬を軽くパチンと叩いた。 「今日はまだ終わってないよ、れいな! シャキッとして!」 彼女は顔を上げ、再び笑顔を作った。 車椅子を走らせ、収納棚へ向かう。 自分の声と行動で、再びここを賑やかな場所にすると決めたではないか。 「レモン、カモミール、ハチミツ……。」 「今日この後は、特製エナジードリンクを改良してみようかな?」 「エテルニテ」と、みんなのために。 頑張れ、私。 できることは、まだまだたくさん、たくさんあるんだから。
魔法とコーヒーと指揮官
絆LV4で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 1, Scenes 226, Choices 16, Endings 2
わぁ~……。 家族みんなで朝ごはんを食べてる風景が浮かんでくる! それに、お母さんの手作りパンの味がしてきたような……!
にゃっ、このまろやかな口当たり! ご主人がご馳走してくれた、最高級の大トロと同じくらいの感動ものにゃ! 店長見習いにゃん、おかわりにゃ!
すご~くぽかぽかする~! 初めてお庭のアサガオをガーデンラックいっぱいに咲かせられた、 あの夏みたい~!
おおっ! アツい青春の味だ! なんでだろ、バレーボールの試合で、最後にウチがスパイクを決めて、 みんなに胴上げされた時の光景が脳裏に……!
カフェ「エテルニテ」の扉を開けると、 コーヒーカップを手に幸せそうな笑顔を浮かべている みんなの姿があった。
あ、{var:player_nickname}さん、いらっしゃいませ。
ふむ……そんなところ。 少し前に、レイアさんが置いていってくれた不思議な豆を使った試作メニュー、 名前は「メモリアルラテ」だよ。
こんなにたくさん…… 本当に、全部礼奈ちゃんにあげちゃって良いんですか~?
ええ。ここは、人を幸せにしてくれる喫茶店…… 私も、いつもほっとひと息つかせてもらっているもの。 それに、礼奈ちゃんは才能ある子だから、ほんの少し魔法のスパイスを足したくて。
魔法、ですか~?
特別な魔法をかけたコーヒー豆よ。 心の中の、幸せな記憶を呼び起こすことができるの。
わかりました~。 礼奈ちゃんにしっかり伝えておきますね~! レイアさん、ありがとうございます!
……というわけなの。 レイアさんの心遣いに感謝だね。
……。
みんなが喜ぶ所を見るのが、れいなにとって一番の幸せだから。
あ、{var:player_nickname}さんもぜひ試してみて。 みんなとても気に入ってくれたみたいだから、一杯分取っておいたの。 すぐお淹れしますね。
す~……す~……。
あれっ?
ぷぷっ! 冬実ちゃん、コーヒー飲んだのに寝ちゃってるにゃ!
にゃにゃ……? にゃんだか……。
頭がふわふわしてきた……にゃ?
一姫ちゃん……?
ウチも、なんか、急に疲れが……。 一日で、バスケ部バレー部テニス部ぜーんぶ回ってきたみたいな……。
疲れてるけど、すごく充実した気分。 魔法のコーヒー……すっごーい……。
みんな、なんか変……? 淹れる手順を間違えちゃったかな……。
ひなたお姉ちゃん、コーヒー豆を受け取った時、 レイアさん、何か言ってなかった?
う~ん? えーっと~……。 あ、小さなカードをもらったかも~? 「店長見習い殿のおかげで、拙者の気力百倍でござる。かたじけない」って~! ……あ、あれは、嵐星ちゃんが書いたやつか。
なんだっけ~? たしか~……「よく振ってからお飲みください」?
それは、うちの新作ドリンクに貼るシールの言葉だよね?
さすが、店長見習いちゃん~! 私が植物さん達のために、お世話シールを作ってることも知ってるんだね~。
ふむふむ、ひなたお姉ちゃんもやられちゃってるみたい……。 何か、それっぽいものは……
あっ、あった!
レイアさんから貰った袋の中に入ってたんだね。
「豆には強力な魔法がかけられているから、飲む時は適量でね さもないと、一時的な『幻想』状態に陥って、 可愛らしいことをしちゃうかもしれないわ」 ……だって。
みんな、大丈夫!?
……。
にゃっはっはっは! 一姫、絶好調にゃ! 今ならパイ百個食べられそうな気がするにゃ!
それ、普段の十倍以上だよ?
にゃにゃっ! 天井にでっかいパイが生えてるにゃ!
……いやいや、あれは照明だよ!
ご主人! 肩貸してほしいにゃ! あのパイ取ってくるにゃ……!
い、一姫ちゃん! その「パイ」は、まだ中まで焼けてません!
……にゃ、にゃにゃ? 焼けてないにゃ?
うん。 だから、一度落ち着こう?
本当の美食家は、焼き立てでベストな状態の食べ物にしか 手を付けないんだって。
パイが焼き上がるまでの間、この、できたて海苔クラッカーを食べてみない? こっちは、今がベストだよ!
にゃ~! さすが店長見習いにゃん! それじゃあ、遠慮なくいただくにゃ!
もぐもぐ……美味いにゃ~~!!
それほどでも。 それにしても、まさかこんなことになるなんて……。
礼奈ちゃん、{var:player_nickname}さん! 心配ご無用だよ~!
アルバイト一号・小鳥遊雛田が、今搬送するから~! よいしょ、よいしょ~!
小鳥遊さん、気持ちは嬉しいんだけど、 寝てる冬実ちゃんをどこに運ぶつもり?
このスイレン、元気がないみたいなの~。 葉っぱもしおれちゃってるから、外に出して、 お水と日光をしっかり補給させないと~。
あっ、言い忘れてたけど、 私、植物のお世話が得意なんだ~!
それは知ってるけど、まずは冬実ちゃんを下ろして!
ひなたお姉ちゃん! スイレンさんも気になると思うけど、あっちのヒマワリさんを先に見てくれる? 放っておかれて、悲しそうにうつむいてるみたい。
そんな~! 私、その子もちゃんとお世話してたはずなんだけど~!
と、とりあえず、スイレンさんは私たちに任せて。 ヒマワリさんをお願い!
責任を持って日向ぼっこさせておくから!
手伝ってくれるなんて、小鳥遊、感激~! じゃあ、手分けしてやろう! ヒマワリちゃん、どうしたの~~!?
ほっ……。
こっちもなんとか収まったね。 礼奈ちゃん、まるで前線の指揮官みたいだ。
{var:player_nickname}さん、迷惑かけちゃってごめんなさい……。
全然だよ、とりあえず、冬実ちゃんをソファ席に寝かせようか。
……このままじゃダメ!!!
うわあ!?
冬実ちゃんを支え、ソファ席に寝かせようとした時、 奈々ちゃんがすっくと立ち上がった。
みんな、全然気合いが入ってないじゃん! みんなのやる気を引き出すことがウチの役目なのに!
こうなったら、ウチがみんなをフラフラにした元凶を処分するっきゃない!
フラフラしてるのは奈々ちゃんの方だよ……。 まあコップを置いて、片付けは私たちがやるから。
ウチ、まだ飲める! ほらっ、ちゃんと真っ直ぐ、歩けてるでしょ!
あっ、ラグの段差に気をつけて……!
……ほぇ?
……っ!
奈々ちゃんがバランスを崩すと、 礼奈ちゃんは素早く車椅子の向きを変え、手を伸ばして受け止めた。
……助かった?
……って、ウソ!? ご、ごめん、礼奈ちゃん!
奈々ちゃんに怪我はなかったが、手にしていたコーヒーがこぼれた。 褐色の液体が、礼奈ちゃんのスカートの裾にかかってしまった。
(すやすや……)
(すやすや……)
うん。さっき、レイアさんに連絡したよ。 一、二時間しっかり眠れば元に戻るって。後で様子を見に来てくれるみたい。
お疲れ様、礼奈ちゃん。 あんなに混乱してた場を収めるなんて、さすがだよ。
{var:player_nickname}さんがそばにいてくれたから、冷静になれたよ。 ありがとうございました。
そう言って彼女は急に口を閉じた。 ひどく汚れたスカートの裾に視線を落として、無意識にそれを隠そうとしたが、 いつの間にか自分の両手にもコーヒーの染みがついていることに気づいた。
あ……。
泰然とした指揮官の顔から笑顔が消え、 動揺の表情が浮かんだ。
す、すみません……。 見苦しいものを……。
さっき、奈々ちゃんを受け止めた時に汚れたんだよね。 拭くもの持ってこようか。
だ、大丈夫。 ちょっとコーヒーがはねただけだし、自分でなんとかできます!
本当に大丈夫なので! {var:player_nickname}さんは、あっちで休んでて!
礼奈ちゃんは笑ってみせたが、車椅子の動きがいつもと比べてぎこちない。 車椅子もガタガタと音が鳴り、いつもより動かしにくそうだった。
それでも、礼奈ちゃんは苦労しながら車椅子をカウンター裏のシンクまで動かし、 私に背を向け、慌てて水道の蛇口をひねった。
きゃっ……!
蛇口をうっかり全開にしてしまい、 水しぶきが勢いよく礼奈ちゃんに向かって跳ねた。
礼奈ちゃん……?
う~……。 失礼しました~。 拭けばすぐに元通りになる、大丈夫……。
えっ!?
急いで蛇口を閉めたものの、 棚に置いてあった手を拭く用のタオルを落としてしまったようだ。
タオルは、シンクと壁の間の隙間に落ちてしまった。
うう……
礼奈ちゃんは車椅子を隙間に近づけて身をかがめ、 タオルを拾おうと、懸命に腕を伸ばしていた。 しかし、車椅子が邪魔で、どう角度を変えても、どう腕を伸ばしても、 すぐそこにあるタオルには手が届かない。
拾おうか?
……大丈夫。 自分でできる……少しだけ待ってて。
あ……あの。 今日は、{var:player_nickname}さんには、もうたくさん迷惑かけちゃったし……。 その……帰ってくれないかな?
えっ?
お願い!
礼奈ちゃんが言葉を遮った。 俯いた礼奈ちゃんの声に、いつもの余裕はない。
いつも優しくフレンドリーな礼奈ちゃんが、 ここまではっきりと切実な様子を見せたのは初めてだった。
みんながいる時は、安全を守る現場の指揮官って感じで、かっこよかった。 でも、戦いが終わったら、指揮官をねぎらう人が必要だと思わない? 私は、礼奈ちゃんが、安心して頼れる人になりたいと思ってるよ。
{var:player_nickname}さんが……
頼っていい人に、なってくれるの……?
待ってて、すぐに取ってあげる。
……!
今日の「お茶会」は、ハチャメチャでハラハラしたけど、 終わってみれば、なかなか面白かったよね。
私としては、「指揮官さん」と一緒に戦えて、とても光栄だった。
……。
{var:player_nickname}さんって、本当に言うことが上手……。 ありがとうございます。
彼女はほとんど聞こえないほどの小さな声で、 ぽつりとそう言った。
それなら……。 実は、車椅子のベアリングも、さっきの衝撃で引っかかっちゃったみたいで。 自分では、直せないかも。
車椅子を詳しくチェックしてみる。
なんとなくわかったよ。この程度なら、私でも修理できそう。 でも、礼奈ちゃんには一度車椅子から降りてもらう必要があるかも……大丈夫?
……うん。
私は腕を広げ、礼奈ちゃんを車椅子から慎重に抱き上げた。
その体は、驚くほどに軽い。 緊張しているせいか、全身を固く強張らせていて、驚いた子猫のようだ。
礼奈ちゃんの指示に従い、休憩室にあるシングルベッドに彼女を座らせた。 ここには、礼奈ちゃんが当座で使うための生活用品もいくつか置かれていた。
着替え、タオル、洗面器にお湯も張ったよ。 他に必要なものは?
十分です。 ……ありがとう、{var:player_nickname}さん。
礼奈ちゃんが希望するものを用意して、手の届く範囲に置いた。
じゃあ、車椅子を直してくるね。 ゆっくりでいいから、終わったら呼んで。
うん。
{var:player_nickname}さん、着替え、終わりました。
休憩室に入ると、礼奈ちゃんは清潔な服に着替えていた。 ベッドに腰掛け、ややぎこちない動きで靴に足を入れようとしている。 しかし、上手く力が入らないようだった。
「エテルニテ」で会う時、 礼奈ちゃんはいつも笑顔で「いらっしゃいませ」と、明るく声をかけてくれる。 可愛らしく温かな笑顔と声は、店を完璧に運営する「店長見習い」が、 一人のか弱い女の子であることを忘れさせてしまう。
手伝おうか。
……うん、お願いします。
……っ。
触れた瞬間、彼女の足がわずかに縮こまった。
礼奈ちゃん、足が……
……そう。 実は、感覚はあるし、少し動かすこともできるの。
ただ、どんなに頑張っても、 立ち上がろうとすると、言うことを聞いてくれなくて。
かっこ悪いよね……。 {var:player_nickname}さんに、こんな自分を見られちゃうなんて。
……{var:player_nickname}さんは、そう思ってくれてるんですね。
もちろん。
……。
実は……。 わたし、何も見えなかったんです。
魔法のコーヒー、「メモリアルラテ」……わたしも飲んだんだ。
もしかしたら、お父さんとお母さんにもう一度会えるかもって思った。
でも、温かい思い出も、幸せな光景も。 ……わたしには、何一つ見えなかった。
どうして、れいなだけ……。
礼奈ちゃん……。
……でも、かえって良かったかも。
だって、わたしまで寝ちゃったら、 きっと今日は大惨事になってたもん、あははっ。
……私がいる。
そうはいかないよ。 こんな体だし、私までパニックになったら、どれだけの迷惑をかけるか……。
私にとって、迷惑なことなんて一つもないよ。
{var:player_nickname}さん……。
いつも、全てを完璧にこなそうとしてるのは、 本当にすごいことだと思う。
でも、疲れたり、たまに息抜きをしたくなった時は、 思うままに休めるように、私がそばにいてあげたいよ。
有能な店長見習いの礼奈ちゃんだけじゃなくて、 疲れてる時はお休みが必要な、普通の女の子の礼奈ちゃんの力にもなりたいんだ。
……。
……ふふっ。
本当に、{var:player_nickname}さんは、優しすぎるよ。
長く一緒にいればいるほど、強くそう思う。
みんなは私のこと優しいって言うけど、 本当に優しいのは、{var:player_nickname}さんの方だよね。
そんなこと言ったら、わたし、期待しちゃうよ? {var:player_nickname}さんに、あれこれ世話を焼いてもらえるのかなって。
……普通の女の子みたいに。
!!
{var:player_nickname}さん……?
彼女は無意識に手を引っ込めようとしたが、私はそれを優しく握った。
手のひらを通して、 ゆっくりと温もりを伝えていく。
だんだんと、礼奈ちゃんの力が抜けていくのを感じた。
……うん、わかりました。
やっと、私がよく知るあの優しい笑顔が戻ってきた。 それだけでなく、優しさの奥に、いつもと違う温かみも感じられる。
礼奈ちゃんの心の扉が、少しだけ、開いたような気がした。
じゃあ、みんなを起こそうか。
うん。
その日の夜。
…………
……むむ?
礼奈、今日はどんなコーヒーが飲みたい?
礼奈ちゃん、ママ、海苔クラッカー焼いてみたの。 食べてみる?
……っ……!?
……お父さん? お母さん……!?
やっと二人に会えた! 魔法のコーヒーは、本物だったんだね……!
はは、おかしな子だなあ。 お父さん達は、いつも礼奈のそばにいるよ。 そばにあんなに優しい人がいてくれるってわかって、安心したよ。
そうよ、礼奈ちゃん。 これからは、あなただけの、幸せな思い出を作っていくの。
私だけの……?
……!
いや、お父さん、お母さん、行かないで……! れいなを一人にしないで! これが夢だってわかってる、それでも……!
……れいな、助けて。
!?
誰!? 誰なの……?
うん、ありがとう。 あ、帰る前に渡したいものがあるから、ちょっと席で待ってて。 ちょっと身だしなみを整えたら、取ってくるから。
彼女の意思を尊重し、私は席へ向かった。
背後から、かすかな衣擦れの音、手を洗う水音、 そして、抑えようとはしているが、荒い息遣いが聞こえてきた。 どうやら、かなり無理をしているようだ。
このまま待っているだけで、本当にいいのだろうか。
……礼奈ちゃん? 本当に手伝わなくていいの?
……大丈夫。 もう終わりましたから。
振り返ると、七海礼奈の腰には新しいエプロンが巻かれていた。 スカートの裾の汚れを完璧に隠した礼奈ちゃんの顔には、 いつもの優しい笑顔が浮かんでいた。
待たせてごめんなさい。 これ、ささやかなお礼です。よかったらどうぞ。
手作りクラッカーだ! ありがとう。
全てが元通りになった。
礼奈ちゃんは相変わらず完璧な店長見習いで、 私は「エテルニテ」のありがたい常連客のまま。
お気をつけて。 次に来てくれる時は、しっかりおもてなしするからね。
今日の小さなアクシデントは、なかったことにしておく方が、 礼奈ちゃんにとっては有難いんだろう。
そういえば……
礼奈ちゃんも「メモリアルラテ」を飲んだはずなのに、 なにも起きなかったみたいだけど……。
それは、どうしてだったんだろう。
夢の中の自分
絆LV5で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 1, Scenes 256, Choices 12, Endings 2
「……れいな、助けて。」
「助けて」って声がして……!
その声は、泣いているみたいで……。 ふ、振り返ったら、そこに……!
そこに、何があったの?
顔がなくて、ねじれた体の怪物が……。
{var:player_nickname}さん…… れいな、すごく怖くて……!
……うん。
ここ数日、 礼奈ちゃんは、どこか元気のない様子だった。
何度か尋ねてみてようやく、 最近、毎晩同じ内容の悪夢にうなされていると打ち明けてくれた。
私の強い説得に根負けした礼奈ちゃんを連れて、 レイアさんの薬草屋に向かった。
お疲れ様。今日は、これを飲んだら終わりよ。 次からは、何かあったら、もっと早く相談に来るのよ? わかった?
レイアさんは、 不思議な香りのするお茶を私たちに出してくれた。どうやら花茶のようだ。
心を落ち着かせる「安神茶」よ。 疲れが溜まっているようだから、これを飲んで、安心して休んで。
ありがとうございます、レイアさん。
ふむふむ……。 なんだか、変わった味ですね……。
これを水出しで抽出して、柑橘風味のシロップを少し加えたら…… うん、すごく素敵な夏の特製ドリンクになりそう!
あっ、ごめんなさい。 ついお店のことを考えちゃって……。
ふふっ、そこがあなたのいいところよ、礼奈ちゃん。
はい……ありがとうございます……。
安神茶の効果が出たのか、 ソファに腰掛けた礼奈ちゃんの呼吸はだんだんと穏やかなものになり、 やがて眠りについた。
あの……レイアさん、 礼奈ちゃんはどんな状態なんですか……?
そうね……。 この子、心に根深い問題を抱えているみたい。
これは私の推測なんだけど…… この前のコーヒー豆も、礼奈ちゃんには効かなかったんじゃない?
はい。でも、後で本人から聞いたら、その日の夜に、 夢で見たかった幸せな記憶を見られたと言ってました。
ただ、その後すぐに、 例の「怪物」が夢に出てきたと……。
やっぱりね……大体わかったわ。
今の礼奈ちゃんの心は、完全に締め切られた部屋のようなもの。 本来では、並の魔法では到底入り込めないわ。 でも、君のおかげでドアがちょっと開いたから、思い出の魔法が効いたのよ。
それでね、例の悪夢と怪物も、実は同じ要因で起きていることなの。 閉じ込められていた何かが、ドアの隙間から現れた……。
おそらくね。それにしても、その「怪物」……霊体? 幼い頃の心残り? いずれにしても、過去を知らないことには、私でも断定しかねるわ。 今、私に出来ることは、精神を安定させることくらいよ。
{var:player_nickname}は、あの子に再び幸せな記憶を見せてあげられた。 あの子を悪夢から救い出せる人は、君しかいないわ。
……はい、わかりました。 ありがとうございます、レイアさん。
しばらくスマホで当時のニュースや関連情報を調べたが、 残念ながら、めぼしい情報は何も得られなかった。
……ん……。
礼奈ちゃん、目が覚めた?
あ、{var:player_nickname}さん。 またみっともない所を……。
気を張る必要はないんだよ。 だいぶ元気になったし、準備ができたら、次の場所に行こうか。
次の場所?
うん。レイアさんが言ってたんだけど、 今元気なのは、さっきのお茶の効果によるもの。 レイアさんの魔法でも、礼奈ちゃんを悪夢から救い出すことはできないって。
でも、私は、やっぱり礼奈ちゃんには安心して眠ってほしいよ。 どんな方法を使ってもね。私を信じてくれる?
……うん、わかった。
信じるよ、{var:player_nickname}さん。
安眠を得る方法を探すべく、次の目的地へと向かった。
旦那様、七海さんの身に、悪いものは憑いていませんでした。 ですが……舞は、七海さんから、とても深い悲しみを感じました。 もしかすると、これが悪夢に関係しているかもしれません。
悲しみ……? その悲しみを和らげたら、少しは楽になるかもしれないってことか。
ありがとう、舞ちゃん。 いい方法を思いついたかも。
舞ちゃんに見送られ、千月神社境内の大きな樹の下までやってきた。 ゆるやかに吹き抜ける風が、願い事が書かれた短冊を優しく揺らす。 まるで満開の花のようだ。
わ~、綺麗! 千月神社にこういう素敵な場所があるって、お客さんから聞いたことがあったけど、 実際に見てみたら、本当にすごいね。
礼奈ちゃんも、願い事を書いてみない? 自分で短冊を木に掛けると、神様が見てくれるんだって。
えっ……私が?
礼奈ちゃんは、渡された短冊とペンに目を輝かせたが、 すぐにまたうつむいてしまった。
……やっぱりいいや。 こういうのって、高い所に付けた方がいいらしいし、 ほら……私は、自分の手じゃ届かないから。 一緒にこの景色を見られただけで、十分満足だよ。
えっ……? だ、だめだよ! また迷惑かけちゃう……!
礼奈ちゃん、前にも言ったけど、 私は礼奈ちゃんにとって頼れる人になりたい。
それに、自分ではできないことで周りの人を頼るのは、 迷惑をかけるとは言わないよ。
神様が、この願いを掛ける木をこんなに大きく育てたのは、 人がお互いに助け合って、上に向かって努力する姿を見たいからだと思うんだ。
礼奈ちゃんは、しばらく迷っていたが、 やがて決心したように頷いた。
……わかった、やってみる。
礼奈ちゃんは、真剣な表情で願い事を書き始めた。
みんなが……穏やかで……幸せでありますように……。 できた。{var:player_nickname}さん、お願いします。
む~~……よし! 掛けられた!
自分の手で短冊を掛けてみたら、なんだか、 本当に心が軽くなった気がする……。
……はい、確かに、 七海さんの心にわだかまっていた悲しみが、少し消えています……!
旦那様、引き続き、七海さんの気持ちを軽くするお手伝いをしてあげてください。 そうすればきっと良くなると、舞は信じています。
なるほど……楽しい思い出で、悲しい悪夢を上書きするってことだな。 よし、そうと決まれば、次の場所はあそこしかないね。
「W・I・N」のライブ!? 今から!? 本当に……!?
でも、こんなに人が多い場所…… 車椅子は、他の方のご迷惑になる……。
大丈夫だよ。今時のライブ会場には、 バリアフリーの通路と十分なスペースが確保された専用席がある。 だから、まず誰にも迷惑をかけないよ。
それに、礼奈ちゃんが来るって知った佳奈ちゃんが、 マネージャーさんに頼んで、一番いいブロックの車いす席を手配してくれたんだ。 佳奈ちゃんの厚意を、「迷惑になるから」って無駄にしてもいいのかな?
わかった……。
迷惑かけるとか、もう言わない。
だ、だから……あなたと一緒に見たい!
もちろん、元からそのつもりだよ!
三、二、一……!
みんな、こんばんは~! 「W・I・N」で~す! 私たちの歌と一緒に、素敵な夜を楽しもうね~~!
わぁ……!
眼前に押し寄せる音の大波、暗闇を切り裂く煌びやかなライト、 千を超えるファンと一緒に振るサイリウムの海。
礼奈ちゃんは、ステージから放たれる輝きにすっかり見入っていた。 あの事故があってから、こんな大きなイベントに参加したのは初めてだろう。
礼奈ちゃんは、周りの様子はおろか、抱えている不自由さえも忘れ、 ただ夢中でライブを楽しんだ。
その夢中ぶりは、 一曲終わった頃になって初めて、自ら手を挙げ、 周りのファンと一緒にリズムを刻んでいたと気付くほどだった。
あ、私……。
すごく楽しんでたよ。 ライブに参戦した時はこうでないとね。
礼奈ちゃんも、みんなと一緒に、思い切りライブを楽しめるんだから!
……うん!
あ、{var:player_nickname}さん! 次の曲が始まるみたい!
礼奈ちゃんは、最後までライブを楽しんだ。
ふむ……アイドルとしてステージに立つ佳奈さん、 カフェにいる時と雰囲気が全然違ったな……。 なんていうか、キラキラしてた……!
ひなたお姉ちゃんがどうして佳奈さんのファンなのか、よくわかった気がする。 今日から私も、佳奈さんのファンだよ!
礼奈ちゃんの車椅子を押しながら、川沿いの遊歩道をゆっくりと歩く。 彼女にしては珍しく、興奮冷めやらぬ様子だった。
楽しんでくれたのなら何よりだよ。
ふふっ……。
こんな風に外で一日過ごしたのは、かなり久しぶりかも。 普段は、せいぜい「エテルニテ」の近くで日向ぼっこをするくらいだったから。
今日お出かけしたのは、悪夢を解決する方法を探すためだったけど、 終わってみれば、ただ{var:player_nickname}さんといろんな場所で、 楽しく遊んでばっかりだったね。
最初は、迷惑ばかりかけて悪いなあって思ってたんだけど、 いつの間にか、すっかり夢中で楽しんじゃった。
れいな、それがすごく嬉しい!
礼奈ちゃんは、つとめて笑ってみせた。 でも、その表情は、いまだにどこか曇っていた。
今日は一日、{var:player_nickname}さんと一緒にいられて、すごく楽しかったよ。大満足! {var:player_nickname}さんもお疲れ様でした。 そろそろ帰った方がいいかな……?
まだ終わってない。
え……?
礼奈ちゃん、今は笑ってるけど、 本当は、今夜も悪夢を見るかもしれないって、心配してるよね?
うむむう……やっぱり、{var:player_nickname}さんに隠し事はできないね。
舞ちゃんのおかげで、悪夢に出てくる怪物はお化けの類ではないとわかった。 それなら、もう何も恐れることはない。
もう一度だけ、私にその怪物のことを話してくれる? 一緒にそいつの正体を突き止めよう。
……わかりました。 {var:player_nickname}さんは、怪物について何が知りたい?
確か、前にこう言っていたよね……
ふむ……そうなの。正確に言うと、 怖くて顔がよく見れないから、はっきり見えないっていうか……。 コーヒーとミルクの色がぐちゃぐちゃに混ざり合ってるみたいな感じ。
ふむ……そうなの。 いつも、叫び声が先に聞こえてきて、それから姿が見えるんだ……。 それで、怖くなって、どんな顔かよく見れなくて……。
コーヒーとミルクの色がぐちゃぐちゃに混ざり合ってるみたいな感じ。
色が混ざり合っている……?
それを聞いて、ふとある人物のことを思い出した。 色を使って感情を伝えることに長けた友人だ。
礼奈ちゃん、最後に一人だけ会いに行こうか。 すごい才能を持った漫画家さんだよ。 もしかしたら、夢に出てくる「混ざった色」をはっきり見せてくれるかも。
つまり、悪夢の怪物を、絵として描いてもらうってこと……?
あ、あんなに怖いものを絵にするなんて……。 大丈夫なのかな……。
礼奈ちゃんの夢なら、 もしかしたら、怖いだけのものじゃないのかもって思って。
……うん。
{var:player_nickname}さんを信じる。行こう。
な~んだ、てっきり原稿の催促かと。 初手で要件を言ってくれる人は好き、入って。
画材の匂いが立ち込めている空間。 ここが、漫画家の友人、モフィーさんのアトリエだ。
礼奈ちゃんは、モフィーさんに向かって、 途切れ途切れに悪夢について語った。
ふーん……。夢に出てくる、顔の見えない「怪物」か。 君、もしかして旧き神に見初められし者? なーんつって……。
んでも、今話は聞けたし、 私の手にかかればこのくらい秒っすわ。早速描いてみますか~。
んー……ここはこうして……。 話の通りなら、こうなってないと……。
……うーむ。 なかなか奇抜な見た目……。
さすがモフィー先生、もうできたんですか?
デザインは、話聞いてる時からざっくり浮かんでたし。 あーでも、塗りの前に、一つ聞いときたいんだけど。
君の目から見て、礼奈ちゃんってどんな子?
礼奈ちゃんは……今まで出会った人の中で一番「冬の陽だまり」って言葉に 相応しい、暖かくて優しく、芯の強い女の子です。
そ、そんなことないってば……!
礼奈ちゃんは私の服の裾を軽く引っ張った。
ふーん。だったら、この方向であってそうだな……。
大体わかった。もーちょい待ってて……。
……。
モフィーさんは再び筆を執り、キャンバスを彩っていく。 歪んだ色のブロックに途切れ途切れの線が混ざり合う。 大先生の直感のおかげで、礼奈ちゃんの説明がだんだんと具体的な形になってきた。
ん、できた。
これは……!
怪物というより、束縛から逃れようとしている、花の精?
美しい羽を持ち、無垢な輝きを秘めた花の精。 その花の精は、よく知っている顔をしていた。
……どうして?
つまり、夢で見たのは怪物なんかじゃなくって、自分自身。
怪物だと思ったのは、自分の心境の影響じゃないかなーと……。
真の自分を閉じ込めるなんて、起きてる時ならまだしも、 寝てる時までなんて、できっこない。普通はね……。
だから、夢ん中で、自分自身に向かって「助けて」って言うしかなかった……。 礼奈ちゃん、だっけ? 君、自分に厳しすぎたりしない?
違う……。
礼奈ちゃんの顔からさっと血の気が引き、 魂が抜け落ちたように茫然とした。
そんなはずない……。
れいながこんな、きれいなはずない……!
礼奈ちゃんは突然車椅子を反転させ、 アトリエを出ようとした。
……っ……!
礼奈ちゃん、落ち着いて!
前に立ちふさがった私に、正面から車椅子がぶつかってきた。
……あ。えっ、{var:player_nickname}さん……! れいな、わざとじゃ……ごめんなさい……!!
礼奈ちゃんは両手で顔を覆い、肩を激しく震わせ始めた。
私は大丈夫だよ。
ただ、礼奈ちゃんのことがすごく心配なんだ。 夢の中の怪物が自分だとわかったことで、どうしてそんなに取り乱すの?
……だって。
……だって……。
あんな綺麗な羽を持つ資格なんて……。
もう一度飛び立つ資格なんてない……!
資格? どうしてそんなことを……。
れいなの人生は、あの事故で、お父さんとお母さんと一緒に終わったはずなの!
どうして、れいなだけ、生き残っちゃったの……?
礼奈ちゃん……。事故は、礼奈ちゃんのせいじゃないよね。
……違う。
あれは、れいなのせい。
{var:player_nickname}さんは、何も知らない。
れいなが、誕生日に遊びに行きたいなんて言わなければ……。 れいなが役立たずじゃなければ、お父さんとお母さんは……!
あの時、一番近くにいたのに……!
この役立たずの足が、ちっとも動かなかったから! 火の海の中のお父さんとお母さんをただ見ていることしかできなかった……!
二人を助けられなかった……。
何もできなかったの!!
火の海……?
(おかしい。)
(事故の記事にはそんなこと書いてなかった。)
(事故による車両の火災は起きていないはず。 もし火災なんてあったら、後部座席に座っていた礼奈ちゃんも、 救急の到着まで持ちこたえられなかったかも。)
(もしかして……?)
礼奈ちゃんは、火をはっきり見たんだよね。
そう……あんな大きな火……
お父さんもお母さんも、きっとすごく痛かったはず……。
何もできなかった自分のことを、 れいなは絶対に許せない……!
……だから、礼奈ちゃんはお医者さんにも、叔父さんや友達にも、 あの事故で何があったのか話そうとしなかったんだね。
一つ深呼吸をした。 礼奈ちゃんのトラウマを解消できるかは、次の一手にかかっている。
礼奈ちゃん。どうか、落ち着いて聞いて。
スマホを取り出し、あの時のニュースを見せた。
まずは、無断で調べたことを謝らせて。
レイアさんのお店で、礼奈ちゃんが眠っている間に、 いろいろ調べさせてもらったんだ。勝手なことをして、ごめんなさい。
……え?
事故の公開資料を調べて、トラウマに関する手掛かりを探してたんだ。 そうしたら、このニュースを見つけた。 ちゃんとしたニュースサイトの記事だよ。
……!!
礼奈ちゃんにとってつらいことだと思う。 この二年間、ずっと事故に関する情報を避けてきたんだからね。 でも今は、一緒にしっかり見て欲しい。
特にこの部分。 「事故車両の損傷はひどかったが、幸いにも炎上や爆発は発生しなかったため、 救助のための貴重な時間を稼ぐことができた」と。
そして、礼奈ちゃんについても、こう書かれている。
「衝突が起きた直後、近隣の住民や通行人によって車から救出された」。
事故が起きた時、 礼奈ちゃんは怪我をして、意識を失っていた。
だから、さっき礼奈ちゃんが言った、 「両親が火の中にいるのを見た」っていうのは、起こり得ないことなんだ。
そ、そんな……!
そんなはず……。
あの時、れいなは……!
すぐ側にいて見てた……。 見てた……?
わ、わからない……。 ただ、足が動かなかったことだけは覚えてて……。 その後は……何も……。
礼奈ちゃんの瞳から苦しみと執着が消えていき、動揺と混乱の色が混ざり始めた。 気の遠くなるほど長い間苦しめられてきたその記憶と、 初めて正面から向き合っているようだった。
そして、その様子は、 私の推測をさらに裏付けるものだった。
礼奈ちゃん、「虚偽記憶」って知ってる? 心理学で出てくるものなんだけど。
心に大きな傷を負って、そのことを無かったことにしたいって強く願った時、 脳がその願いを叶えるために、存在しない記憶を作り出すことがあるんだって。
礼奈ちゃんは、ご両親を失うとてもつらい経験をして、 自分のことを、何もできなかったと深く責めた。それで、礼奈ちゃんの脳は、 ありもしない火事の記憶を創り出し……自分を罰する理由を作ったんだ。
でもね、それはあくまでも存在しない記憶なんだ。 礼奈ちゃんがどれだけ両親を愛していたか、 どれだけ二人を助けたかったかを示すものにすぎない。
……っ。
言葉にならないほどの衝撃だったようで、礼奈ちゃんは呆然と私を見つめていた。 少しでも勇気が持てるように、真摯に見つめ、そっと手を握る。
長い沈黙が続き…… 礼奈ちゃんは、ゆっくりと記事を読み始めた。
……れいなの記憶が、間違ってた……?
一行、また一行、記事を読み進めるうちに、 礼奈ちゃんの目からはらはらと涙がこぼれ落ちていった。
礼奈ちゃんのせいじゃないんだよ。 どうしてもあの事故を無かったことにしたいと願うあまり、 心に頑丈な檻を作り出してしまっただけだ。
ずっとその中に囚われて、 自分を痛めつけながら生きていくなんて……
ずっと一人でそんな「悪夢」に耐えながら、 それでも優しく笑ってくれていたんだと思うと、
私もとても心が痛い。
本当の礼奈ちゃんは、私の中の礼奈ちゃんは、この絵の花の精みたいだよ。 美しい羽を持っていて、とっくに飛び立っていてよかったはずなんだ。
私だけじゃなくて、きっと礼奈ちゃんのご両親も、 礼奈ちゃんがより美しい未来を手に入れることを願っているはず。
だから、礼奈ちゃん。 今回は礼奈ちゃんが望もうと望むまいと、
……うう。
……うあ……。
……うあああああ……!!
ついに、礼奈ちゃんは私の腕の中で声を上げて泣き崩れた。
十五歳の少女の心が、こんなに重苦しいものであっていいはずはない。 その深い悲しみは、この時の涙と抱擁のおかげでようやく解き放たれたのだ。
ここまでで大丈夫だよ。
今日は……本当にありがとうございました、 {var:player_nickname}さん。
私……一人で、今日の自分と、それから過去の自分とも、 ちゃんと話してみたいと思う。
わかった。 必要な時は、いつでも私を頼ってね。
……うん!
夢を解き明かす旅がひとまず終わり、現実と向き合う時間が始まった。
これが、礼奈ちゃんが再び自分自身と向き合うための、初めの一歩だった。 それと同時に、私と礼奈ちゃんの、新しい物語の序章にもなったのだ。
じゃあ、今日はここまでにしよう。 帰ったらゆっくり休んでね。 たくさん動いたから、今夜はきっとぐっすり眠れるよ。
うん! 今日は、本当に楽しかった。 {var:player_nickname}さん、付き合ってくれて、 ありがとうございました!
あの夜、礼奈ちゃんは久しぶりに悪夢を見なかったそうだ。
私も、それでトラウマが完全に消え去ったと思ってしまった。 しかし、その数日後……
む~~……。
礼奈ちゃん、大丈夫!? まさか、また悪夢を見たの!?
あはは、ごめんなさい……。 やっぱり{var:player_nickname}さんに隠し事はできないね。 目の下のクマ、そんなにわかりやすかった?
冗談を言ってる場合じゃないよ、このままじゃ……!
ううん、大丈夫。 怪物の正体はわかったし、もう何も問題ないよ。 {var:player_nickname}さんに心配させるようなことは、なにもないの。
え、わかったの? なんだったの?
それは……あっ、そういえば、レイアさん、またコーヒー豆を送ってくれたの。 安神茶の成分も配合したものなんだって。 その名も、入眠を助けてくれる、「すやすやコーヒー」!
{var:player_nickname}さんも、一杯どう? 私も試飲してみたんだけど、本当に美味しいよ。
話をそらすのが露骨すぎるよ、礼奈ちゃん……。
礼奈ちゃんの悪夢の正体は、一体なんだったんだろう? その秘密は、再び礼奈ちゃんの心の奥深くに沈んでいった。
花の翼
契約を結ぶことで開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 1, Scenes 246, Choices 20, Endings 2
皆様、ご注目ください! 決勝進出を果たした七海選手、独自のドリップ法を披露だー!
初春の風に乗って、コーヒーの香りが観戦エリアの私のもとにまで運ばれてくる。 そんなことよりも、私は、スポットライトに照らされた人物に釘付けになっていた。
その人物……礼奈ちゃんは、真剣な面持ちでドリップポットを拭いている。 長い睫毛はぴくりともしない。それくらい集中しているのだ。
今日のために、どれだけの困難を乗り越えてきたか。 それを知るのは、私と本人だけだ。
二ヶ月ほど前。
事故の真相が明らかになってすぐ、礼奈ちゃんは二つの決断をした。 一つ目は、放置していたリハビリの再開。
礼奈さん、正直に言うと、私はとても驚いています。 自分から検査を受けに来てくれるのもそうですが、顔つきが変わりましたね。 本当に嬉しいです。
……ありがとうございます、先生。 色々あって……。
今回は、まずこの体が今どうなってるのかを知りたくて来たんです。
それで…… 私の足は、まだ立ち上がれますか?
結論から言うと、神経や筋肉の機能は、以前から変わらず正常レベルです。 生理学的には、今すぐにでも立ち上がれるはずですよ。 今はリハビリを頑張りながら、心の枷を外すための努力をしましょう。
心の枷……?
はい。礼奈さんは今、無意識下で、心理的に車椅子に依存している状態です。 過去の似た状態になった患者さんを考えると、 その依存状態を断ち切るために必要なのは、強烈な心の転換点です。
わかりやすく言うと、 心から「立ち上がりたい」と叫べるような、そんな瞬間ですね。 これについては、チャンスが巡ってくるのを待つ……ある種の運も必要でしょう。
もちろん、ただ待っているだけではだめです。今やっているリハビリは、 その瞬間が来た時に、ちゃんと体が動くようにするためのもの。 だから、リハビリは積極的に行うこと。いいですね?
ふむふむ、わかりました。
ありがとう、先生。 どんなに辛いリハビリでも、私、やり抜いてみせます!
二つ目の決断は、 一飜市のドリップ大会に参加することだった。
おおっ!? 「エテルニテ」の店長見習いさんではありませんか! もしかして、今年は大会に参加されるんですか!
実は私、たまに伺って、コーヒーを頂いていて……。 エテルニテのコーヒー、大好きなんです。
いつもありがとうございます!
でも、こう言うのは良くないかもしれませんが……。 七海さんの場合、他の選手と比べて不利になる点もあるかと……。 それでも参加されますか?
ふむ、確かにそうですね。
ああ、ハンドドリップコーヒーは、 お湯を注ぐ時の姿勢を安定させることがとても重要なの。
立った状態なら、体幹や手つきを安定させられて、 お湯を均一に注げるから、味が安定するんだ。 逆に、座っていると、腕の力だけに頼ることになるから、手がブレやすくなるの。 手元が安定しないと、コーヒーの味にも影響が出るんだよね……。
そうそう。ですから、七海さんがいつも座った状態で 質の高いコーヒーを淹れられるのは、実はものすごいことなんですよ。 でも、これがいざ大会となると……。
覚悟の上です。
不利だからって挑戦しなかったら、 今までの私と何も変わらないですし。
難しいからこそ、たとえ小さな成果でも、 私にとって大きな意味を持つと思うんです。
なので、ぜひエントリーさせてください!
「運が必要」「勝ち目は薄い」。 立て続けにそんなことを言われても、礼奈ちゃんはめげなかった。
むしろ、地獄のような特訓を始めたのだ。
ドリップの練習をしていた礼奈ちゃんは、 ドリップポットを持つ手をわずかに止めたが、すぐにお湯を注ぎ始めた。
安定した細い水流がドリッパーに注がれ、しばらくして芳醇な香りが漂ってきた。 礼奈ちゃんは、一連の動作を終え、ゆっくりとポットを下ろしてこう答えた。
{var:player_nickname}さん、 心配してくれてありがとう。
昔の私だったら、 どこかに隠れて泣いちゃってたかも。
でも、今は違うから。
あ、そういえば……。 あったあった。
これを見て。
礼奈ちゃんは、カウンターの引き出しの奥から綺麗なカードを取り出し、 私に手渡してきた。
ポストカードに書かれた美しい筆跡は、どこか年月を感じさせる。
「礼奈ちゃんの幸せが、永遠に続きますように。」 もしかして、ご両親からのメッセージ?
うん。 「エテルニテ」がオープンした年、私が四歳の時に書いてくれたの。
事故の真相を確かめさせてもらった後、 やっと勇気が出て、お父さんとお母さんの遺品を整理してみたの。 そうしたら、このポストカードがアルバムに挟まってて……。
そうみたい。 これでやっと、お店の名前に込められた本当の意味がわかった気がする。
お父さんとお母さんは、私に「ずっと幸せに」っていう祈りをくれた。 そして、{var:player_nickname}さんは…… 私にもう一度、人とつながる勇気をくれた。
「永遠」に込められた思いも、あなたの期待も、もう裏切りたくない。
立てるようになりたいと思ったのも、大会に出ることを決めたのも、 天国の二人のためだけじゃない。
私自身のため…… 過去から自分を解放するための第一歩にするためなの。
それで、両立が大変かどうかって話だけど……。
まあ、コーヒーを淹れるのはもともと一番の趣味だし。 リハビリも、ストレス発散にちょうどいいよ。 それに、リハビリは、体幹が鍛えられて、コーヒーにも役に立つの。
だから、このくらいどうってことないよ。
礼奈ちゃんは、決意に満ちた、とびきりの笑顔を見せた。
だから、 {var:player_nickname}さん、最後まで付き合ってね?
ありがとう……!
これからもよろしくね、{var:player_nickname}さん!
その日から、閉店後の「エテルニテ」は、 二人だけの秘密のトレーニングルームになった。
一週間前の練習動画と見比べたんだけど、驚異的な進歩だよ。 まさに天才だ……。
えっ、いつの間に動画なんて録ってたの!? 恥ずかしい……!
……それに、天才なんかじゃないし。 あなたとお父さんお母さんをガッカリさせたくないだけだもん……。
じゃあ、そんな礼奈ちゃんへのご褒美として……。
わあ、ありがとう。 いただきま~す。
プレゼント? どんな?
今はまだ秘密。大会が終わったらわかるよ。
とりあえず今は、 リラックスできて、体力回復もできるホットミルクをどうぞ。
むむむ……もったいぶるなんて、 {var:player_nickname}さんひどい!
でも……ふふっ、私、頑張るね!
七海さん、無理に立ち上がろうとするのは逆効果です。 休みたい時はいつでも言ってくださいね。
だ、大丈夫です……! もう少し、もう少しだけ、時間をください……。
{var:player_nickname}さん、 今はダンスの時間じゃないよ……!
ふふっ、信頼できる人が支えてくれれば、 体もこわばりにくくなりますし、試してもいいと思いますよ。 もし上手くいかなかった時は、自分もしっかり支えますから。
礼奈ちゃんが、頬を染めて手を委ねてきた。 私は腕に力を込め、礼奈ちゃんを立たせた。
立たせたと言っても、実際にはほとんど全身を私に預けている状態だ。
むむむ……。
でも、これ、確かに力が湧いてくる気がする。
だから……もう少しだけ、踊ってくれる?
ふぅ……。 もっと安定させて……。
最後にターメリックを加えて……!
じゃ~ん! 完成~!
{var:player_nickname}さん、審査をお願いします!
{var:player_nickname}さんなら、そう言うと思ってた。 はい、どうぞ。
礼奈ちゃんは、カップと共に小ぶりのケーキを運んできた。
{var:player_nickname}さんのために、 特別に作った新作冬限定ドリンクだよ。 コーヒーじゃないんだけどね。
遅くまで付き合ってくれたから、お腹空いたでしょ? チョコケーキと一緒に召し上がれ。
……そ、そうかな?
む、むう……。 {var:player_nickname}さんが気に入ってくれたのなら、いいけど。
えへへ……。実は、{var:player_nickname}さんなんだ。 私にとって、冬の太陽みたいに、眩しくて安心できる存在だから。
寄り添って過ごすうちに、冬が去り、春が来た。 そして、大会の日がやってきた。
――通常、座ったままのドリップは、力の入れ方がアンバランスなものになり、 水流のコントロールも安定しにくく、均一な抽出は非常に難しい!
しかし、七海選手はその常識を打ち破った~! 驚異的な集中力と熟練の手付きで、素晴らしいパフォーマンスを披露しました! その裏には、計り知れないほどの努力があったことでしょう!
七海選手が選んだナチュラル精製の高地栽培豆は、 花のように華やかでフルーティーな香りが特徴! 繊細な扱いが必要とされている……!
そこはさすが七海選手、正確な多段式注水技法を採用! 最初に酸味、続いて花の香り……十分な甘みとコクを引き出すことに成功! まさにエレガント!
――今大会の「最優秀ポテンシャル賞」受賞者は……! 「エテルニテ」、七海礼奈選手! 大人顔負けの実力とセンスを見せつけてくれた彼女は、今後の活躍間違いなし!
観戦エリアから割れんばかりの拍手が沸き起こった。
礼奈ちゃんは、間違いなく勝った。 優勝ではないけれど、この賞は今の彼女にとって、これ以上ないほどの肯定だ。
うそ……
七海選手、一言お願いします!
あ……はいっ! 審査員の皆さん、応援してくれた方、ありがとうございます!
この賞を取れたのは、永遠に見守ってくれているお父さんとお母さん……。
そして、とても、とても大切な人が支えてくれたからです。
その人は、一番辛い時を一緒に過ごしてくれて、 諦めなければ希望は絶対に見えてくるって、教えてくれた人です。
だからこの賞は、私と、その人で取った賞です。 この場を借りて、感謝の言葉を伝えさせてください。 ありがとう!
お待たせ~!
……正直、賞を取れたことより、 いつも心の中に留めてた言葉をちゃんと言えたことの方が嬉しい。
{var:player_nickname}さん、あのね……。
ちょっとお願いがあるの。
一緒に、お父さんとお母さんに、会いに行ってくれないかな?
この賞状を、二人に見てもらいたくて。 あと、本当の気持ちをちゃんと伝えたいなって。
あと少し先、そこを曲がったら着くよ。
あそこね、わかった。
初春の曇り空の下、墓地の空気は湿り気を帯びてひんやりとしている。 礼奈ちゃんの車椅子を押して、ゆっくりと、ご両親が眠る場所へと向かった。
……ちょっと、待って。
どうしたの?
ちょっと、緊張してきた。い、今の私、どんな風に見える? お父さんとお母さんは今の私を見て、その……喜んでくれるかな?
そう……だよね。
礼奈ちゃんは深呼吸をし、抱えた賞状にそっと触れた。
むう……。本当は、大会で賞を取って、 足も完治させてから会いに来るつもりだったんだけど。
そう上手くはいかないね……。
でも、先生もすごく良くなってるって言ってたし! これからも頑張る……!
そうだね。私も付き合うよ。
……なんだか、雨が降りそう。
緊張もほぐれたし、早く行こう。
きゃっ……!
突然、雨を含んだ突風が真正面から吹き付けてきた。
あっ……!
大会の賞状が吹き飛ばされ、階段状になっている脇道の向こうへと飛ばされ、 あっという間に見えなくなった。
ここで待ってて!
私は車椅子を脇に寄せてロックすると、迷わず坂を駆け下りた。
{var:player_nickname}さん、気をつけて……!
ついに小雨が降り出した。 雨が木の梢を打つ音が、礼奈の心臓を叩くかのように響く。 あの人の帰りを待つ間、一秒一秒が一世紀のようにも感じられた。
車椅子の手すりを強く、指の関節が白くなるほど握りしめ、 あの人が消えた方向をひたすらに見つめていた。
すると――
うわっ……!
!?
短い悲鳴とともに、坂の下から人が転倒する音が微かに聞こえた。
決して大きな音ではなかったが、 礼奈の耳には雷鳴のように響き渡った。
……{var:player_nickname}さん? どうしたの!?
……
{var:player_nickname}さん!?
返事はなく、風の音と冷たい雨の音だけがいたずらに響く。
……いや。
そんなのだめ……。
忘れようとしていた記憶がフラッシュバックする。
過去のトラウマがもたらす暗雲が、再び礼奈の上に立ち込めた。
(れいなのせいだ、また、れいなのせいで。)
(れいながここに来ようとしなければ……。 れいなが、自分で追いかけられたら……!)
(……もし、私が立ち上がれたら?)
(私が……立てるようになっていたら……)
(全部、違ったのかな……?)
……落ち着いて、れいな。 もう、何もできない子供じゃない。
守らなきゃ……大切な人を……!
今回は……!
今回こそは……!
守ってあげないと!
絶対に、{var:player_nickname}さんを守らないと!!
「怖がらないで。手を握っていいよ。」
「一曲、ダンスをお願いしても?」
溢れんばかりの励ましと心遣いに満ちた声が呼び起こされる。
温かい思い出が太陽の光のように、暗雲を一瞬で突き破った。
今まで感じたことのない、燃えるような活力が 身体の奥底から湧き上がってきた。
震える手で、これまでずっと自分を支えてきた、 車椅子の手すりを放した。
礼奈は地面に激しく倒れ込んだ。 脱力した両脚が、泥だらけで冷たい地面に打ち付けられる。
しかし礼奈は泣かなかった。 痛みすら感じなかった。
不安、恐怖、自責、愛と勇気……。 そのすべてが今、たった一つの意志へと変わる。
いたたっ……。
(焦りすぎて、滑って転んじゃった。 まぁ、怪我がなくてよかったけど。)
(あった! 礼奈ちゃんの賞状、ここまで飛んでいくとは……。)
{var:player_nickname}さーーん!
全速力で坂を駆け戻った。
目に映ったのは、一生忘れないであろう光景だった。
今にも倒れそうな礼奈ちゃんが、一歩ずつ、私の方へ歩いてくる。
そして、礼奈ちゃんは私を見た。
{var:player_nickname}さん!!
礼奈ちゃん!
礼奈ちゃんが倒れる寸前、 私は駆け寄り、ありったけの力で礼奈ちゃんを抱き締めた。
……無事でよかった。
よかった、本当によかった……。 ほんとに……よかった……!
礼奈ちゃんは激しく震えている。 自分自身の両足で、体重を支えつつあるのを感じた。
えっ……? わ、私、立てた……?
すべてを洗い流す初春の通り雨は、いつの間にか止んでいた。
分厚い雲を突き破った日差しが大地を金色に染め上げ、 遠くの空に虹がかかる。
少し休んだ後、礼奈ちゃんは私に支えられながら、 ゆっくり、一歩ずつ、両親の墓碑へと続く最後の道を歩ききった。
賞状は少し濡れてしまったが、綺麗な状態を保っていた。 礼奈ちゃんは、賞状を墓碑の前に静かに置いた。
お父さん、お母さん、会いに来たよ。 これ、私が初めて取った、バリスタ大会の賞なんだ。すごいでしょ?
それと……。 今、隣にいるのが、{var:player_nickname}さん。
彼女は私を振り返ると、涙ぐみながら微笑んだ。
私、今、とても元気で、幸せだよ。 だから、もう心配しないで。
どこからか蝶が舞い降りてきて、少しの間、墓碑の上に留まった。 そして、再び羽ばたき、晴れ渡る空へと飛んでいった。
礼奈ちゃんは笑顔で涙をこぼした。
うん……ありがとう、お父さん、お母さん。
帰り道、礼奈ちゃんはより安定して歩けるようになった。 まだ支えが必要ではあるが、足に力を入れられている。
そうだ、まだプレゼントを渡してなかったね。
鞄から、準備していたプレゼントを取り出した。
大会が終わったら渡そうと思っていたものだ。
あっ……!
モフィー先生作、『花の精』。 前に見たものとは異なり、花の精の身を縛るものはなく、 その顔は微笑んでいる。
先生に頼んで、改めて描いてもらったんだ。 礼奈ちゃんのための新しい絵だよ。
今の礼奈ちゃんは、もう自分の力でどこへでも飛んでいける。
もちろん私も、ずっとそばにいるからね。
礼奈ちゃんは何も言わず、涙を浮かべて微笑んだ。 そして、私に応えるように手を伸ばした。
うん、ずっと一緒にいてね、{var:player_nickname}さん!
坂の下まで飛んでいっちゃったみたいだな。 ここからじゃ、どこに落ちたか見えない……。
探してこようか?
ううん、いいの。結局はただの紙だし、あれがなくても、 私の気持ちはお父さんとお母さんにちゃんと届くはずだから。
それに、怪我してほしくないし……。
そう言ったものの、礼奈ちゃんが落ち込んでいるのは明らかだった。
彼女を落ち着かせてから、私は気を付けて坂を下りた。 しばらく探すと、賞状を見つけることができた。
……ありがとう、{var:player_nickname}さん。
車椅子の手すりを強く握りしめていた礼奈ちゃんの手の力がふっと抜けた。
その後、私たちは墓碑の前に到着した。 私は、礼奈ちゃんがご両親と静かに向き合えるよう、十分に距離を取った。
帰り道、礼奈ちゃんは言葉少なではあったが、 その目は今までで一番輝いていた。
{var:player_nickname}さん、私、決めた。 明日からは、もっともっとリハビリを頑張る。
うん。
あなたをもう危険に晒さないように、 それから、私自身のために。
自分の足で、大切な人のそばに立ちたいから。
いつか立てる日が来たら、一番最初にあなたに知らせたいな。
いいお知らせ、期待してるよ。
礼奈ちゃんの足はまだ回復しきってはいないけど、 心はすでに、未来に向かって全力で走り出している。