ゆず
「魔女(ウィッチ)と書いて正義(ジャスティス)と読む、このゆず様が世界の平和を必ず守り抜くぞ!」と、幼い女の子は胸を張って豪語しているが、こんな小さい子に世界の平和を任せていいのだろうか。 「ゆずを子供扱いするな!」と言っている時、その制服に付いている朝葉高校の校章も輝いているように見える……ってことは、高校生!?
Profile
Skins
ゆずの初期衣装
ゆずと契約を結んだ時に入手できる着せ替え衣装
「ぐっすり夢路」にて購入できるパジャマテーマの着せ替え衣装
「レストランゆず」にて購入できる、新年テーマの着せ替え衣装。
「青雲の志」にて購入できる、水着テーマの着せ替え衣装
「アン・ドゥオール」にて購入できる、バレエテーマの着せ替え衣装
「夢を紡ぐピアノ教室」にて購入できる、ハロウィンテーマの着せ替え衣装。
Emotes
Bond Requirements
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プレゼント・普通
キュルルゥ……魔女の好みを勘違いしているようだな……
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プレゼント・好み
こ、これは賄賂か?正義を前に、こんなもので動揺するわけ……するわけ……くっ!……でもこのクマ、ゆずが持って帰るとレッパンズがいじめたりしないかな……
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絆レベルアップ5
おまえは本当に変なやつだな。人間が魔女に強烈な好奇心を持つのはわかるが、ここまで毎日魔女の周りをうろつく人間がいるとは……キュルルゥ……い、嫌ではないが、ゆずは魔女だから、回りに人がいるのに慣れていないのだ……でも、おまえだけは、特別に居てもいいぞ…
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絆レベルアップ1
魔女には孤独がつきもの、正義もまたしかり。すなわちゆずが正義の魔女になったのも、ある意味世界の理……キュルルゥ、きっとそうなのだ。
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絆レベルアップ2
カーヴィの占いなぞ……キュルルゥ、あの女に占われるやつがいるなんて、かわいそ……ゲフンゲフン。認めたくはないが、あの女には確かに占いの天賦の才があるかもしれない。でも、高度な占術であるほど、相応の対価がいるというもの。彼女に占われた時、その結果の真偽について考えたことはないか?もし告げられた運命が本当だったとして、対価に……何かを失ってるのではないか?
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絆レベルアップ3
西園寺一羽か?キュルルゥ……あの者も正義の者なのだろうな……しかし、剣士と魔女は仲間になれないし、ゆずの正義とあの者の正義は違う。おまえも、あの者にあんまり近づかない方がいいぞ。ゆずからしたら、あの者の正義の心は限界まで張った弓のようで、いずれブツリと……なんだ、おまえはゆずの言うことを信じられないのか?ゆずの魔女としての第六感より、カーヴィのデタラメな占いの方を信じるというのか!
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絆レベルアップ4
ゆずとカーヴィの師匠はどんな人かって、急にどうしたんだ……?キュルルゥ……近いうちにこっちへ来るって話を聞いたが……どういう人かと聞かれてもな。とりあえず、あんまり師匠に興味を持たない方がいいぞ。師匠から見ればおまえの血は魔法薬の素材で、骨は杖の材料に……キュル?師匠は師匠、ゆずはゆず、お互い魔女の定義が違うだけだ。
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隐藏语音 - 新年
三、二、一!聞こえてるか、除夜の鐘だぞ!今年もゆずとともに、魔法の新時代を切り開くのだ。人も、動物も、植物も、助けが必要な者はどんどん助けて、いずれは幸福という名の魔法を世界中に広げるのだ~!
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隐藏语音 - 情人节
レッパンズがおまえのために特別に作ったチョコだ。……もちろん、ゆずも一緒に作ったぞ。キュルルゥ、人間のおまえには魔法の波動が見えないからわからぬか。ゆずはこのチョコに幸運の呪文を唱えたのだ。おまえにはわからぬかもしれないが、これは幸運のチョコなのだぞ!
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メイン1
間に合わなかった……正義の魔女の負けだ……!キュルルゥ……遅刻する正義は、正義ではないのだ。この世界の話で言うなら、ダマテンで下家の一発放銃を逃してから立直をかけても、その立直には何の意味もないってことだな。……何だ、おまえはゆずの審判に異議があるのか!
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メイン2
ゆずのしっぽを触るんじゃないぞ。おまえに言っても分からぬと思うが、これはレッパンズと連絡するためのセンサーなのだ。勝手に触ると我らの波動が乱れ……や、やめれ~……
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メイン3
こ、怖いもの?な、なな、何を言うかバカもの!正義の魔女に怖いものなどない、さもなくば正義は守れんぞ!ヘビとか、カエルとか、ク、クモとか、みんな魔女の、なな、なきゃにゃ(仲間)だ……うぅ……かんでにゃいぞ……!
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メイン4
そっちにいるのはレッサーパンダじゃなくて、アライグマだぞ。こいつらと、あとタヌキはみんな似てるが、レッサーパンダだけは危険を感じた時、こう、ふっと立って「キィーキィー」って威嚇するのだ。
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メイン5
レッパンズの戦闘力を舐めないほうがいいぞ。呪文が華麗なほど、魔法も強力になるように、レッパンズも可愛さと同等の攻撃力を持ってるからな……ちなみにレッサーパンダは、一部では「九節狼」と呼ばれているのだ。どうだ、新発見だろ?
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メイン6
おまえに対する礼儀と信頼の証として、レッパンズのイカれたメンバーたちを紹介するぞ!前々からおまえに興味があったみたいだしな。さぁおまえたち、並んで自己紹介だ!「キュルキュル!」「キュルー!」「キュル〜キュル〜」。よし、みんなの名前をちゃんと覚えたか?以後仲良くしてやってくれ~。
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メイン7
カーヴィと一緒に麻雀?ゆずが?なぜ?一緒に魔法を学んだ過去はあれど、ゆずはあの女と違う道を歩むと誓ったのだ…いいか、魔女の掟その十三、うさ耳の生物を信じるな!胸の大きさに関わらず、だ!
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メイン8
魔女の掟?もちろんゆずが直々に定めたのだ。魔女はもっとも神秘的かつ孤高の存在だからな、一人一人、自分自身の信念と原則を守っているのだ。だからおまえには、これからゆずの掟を守ってもらうぞ。
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ログイン・普通
検査魔法、起動!……キュルルゥ、危険な武器なし、怪しい気配なし、不健全な交友関係もなし……よし!おまえはこれからも善良な市民でいるように。
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ログイン・絆LvMAX
最高に正義な一日は朝のパトロールから始まるのだ……え、が、学校?サボると、副会長に怒られちゃうの?!……キュルルゥ……よ、よく考えてみれば我が校には問題児が大勢いるし、彼らに正義の素晴らしさを学んでもらわねばならないし…?が、学校からパトロールしても問題ないぞ?
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契約を結ぶ
南風の精霊たちよ、ここに降臨したまえ。根無しの龍草、須弥山の紅蓮火、不滅の水銀灯、以上三種の聖なる素材で信頼の絆を織り上げ、我と雀士様を結びたまえ。これにて、雀士様は我の正義に庇護される。尊重、愛護、畏敬を捧げん、同等の尊重、愛護、畏敬をもって応えよーー魔法の契約、締結!
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SP-友人戦部屋に入場する時
ごきげんよ~なのだ! 「キュルキュル!」「キュルー!」「キュル〜キュル〜」。 今日の審判はレッパンズのみんなにやってもらうぞ。 キュルル、今までの誤審率は0パーだ、安心して対局してくれ。
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SP-友人戦部屋で準備した時
元素の波動に問題なし……魔法(マジック)の痕跡なし……! 対局ルーム検査(サーチ)完了、いつでも初めていいぞ!
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出会い
魔女と書いて正義と読む、このゆず様が、世界の平和を必ず守り抜くぞ!キュルルゥ…なんだその目は?魔女の掟その一、魔女を軽く見る人間には痛い目に遭わせるべし!おまえのために忠告しておくぞ、ゆずを子供扱いするなよ!
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北抜き
ペー
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チー
チー
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ダブル立直
ダブルリーチ
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カン
カン
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ポン
ポン
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立直
リーチ
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ロン
ロン、正義の裁きを受けよ!
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ツモ
ツモ、天罰よ下りたまえ!
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白
ハク
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北
ペー
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純全帯幺九
ジュンチャン
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純正九蓮宝燈
チューレン九(きゅう)メン待ちなのだ
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大三元
ダイサンゲン
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大四喜
大スーシー
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地和
チーホーなのだ
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ダブル立直
ダブリー
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東
トン
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ドラ
ドラ
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ドラ10
ドラ10(じゅう)
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ドラ11
ドラ11(じゅういち)
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ドラ12
ドラ12(じゅうに)
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ドラ13以上
ドラたくさんなのだ
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ドラ2
ドラ2(に)
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ドラ3
ドラ3(さん)
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ドラ4
ドラ4(よん)
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ドラ5
ドラ5(ご)
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ドラ6
ドラ6(ろく)
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ドラ7
ドラ7(なな)
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ドラ8
ドラ8(はち)
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ドラ9
ドラ9(きゅう)
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ダブル北
ダブペー
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ダブル東
ダブトン
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ダブル南
ダブナン
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ダブル西
ダブシャー
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断幺九
タンヤオ
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対々和
トイトイ
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二盃口
リャンペーコー
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発
ハツ
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国士無双十三面待ち
コクシ十三メン待ちなのだ
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国士無双
コクシムソウなのだ
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海底摸月
ハイテイ
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河底撈魚
ホウテイ
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混老頭
ホンロートー
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混全帯幺九
チャンタ
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混一色
ホンイツ
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九蓮宝燈
チューレンポートーなのだ
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嶺上開花
リンシャン
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立直
リーチ
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流し満貫
流しマンガン
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緑一色
リューイーソー
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南
ナン
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平和
ピンフ
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槍槓
チャンカン
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七対子
チートイ
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清老頭
チンロートー
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清一色
チンイツ
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三暗刻
サンアンコー
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三槓子
サンカンツ
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三色同刻
三色(さんしょく)ドーコー
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三色同順
三色(さんしょく)ドウジュン
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四暗刻
スーアンコウ
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四暗刻単騎
スーアンコウ、タンキ
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四槓子
スーカンツ
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天和
テンホーなのだ
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西
シャー
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小三元
ショーサンゲン
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小四喜
小スーシー
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一盃口
イーペーコー
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一発
イッパツ
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一気通貫
イッツー
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中
チュン
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ツモ
ツモ
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字一色
ツーイーソー
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清算一位
ゆずの前で悪さをするやつはお仕置きだぞ!
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清算一位・高い点数で勝利
召喚魔法(サモン)、レッパンズ! 突撃ぃ〜!
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清算一位・ロンで勝利
正義を司る偉大なる神よ、 我に魔法(マジック)の力を与えたまえ!
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倍満
倍満(バイマン)
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九種九牌
キュウシュキュウハイ
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数え役満
数え役満(カゾエヤクマン)
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満貫
満貫(マンガン)
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ノーテン
ノーテン。つ、次は絶対に…!
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三倍満
三倍満(サンバイマン)
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四風連打
スーフーレンダ
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四槓散了
スーカン流れ
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四家立直
四家立直
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跳満
跳満(ハネマン)
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聴牌
テンパイ、とらえたぞ!
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役満
ヤクマン
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ダブル役満
ダブルヤクマン
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トリプル役満
トリプルヤクマン
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四倍役満
四倍(よんばい)ヤクマン
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五倍役満
五倍(ごばい)ヤクマンなのだ
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六倍役満
六倍(ろくばい)ヤクマンなのだ
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SP - ドラを捨てた時
落ち着くのだ。魔法でドラをすり替えるのはイカサマだ、絶対やっちゃダメだぞ!
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SP - 倍満/三倍満聴牌
どうだ!魔法を使わずともこれくらいならゆずだってできるんだぞ!驚いたか?
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SP - 同じ牌を連続に捨てた時
キュルルゥ……こ、これも作戦のうちなのだぁ……
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SP - 残り牌が10枚以下の時
巨悪との最終決戦だ!気を引き締めるのだ!
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対局開始
ゆずはこの対局の公正と公平を保証する。 偉大なる魔法(マジック)を前にして、 イカサマなんて小賢しい真似はするでないぞ!
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SP - 役満聴牌
放銃のチャンス、その邪悪なる牌を切るかどうかの判断は相手に任せるのだ。キュルルゥ、これも公平と公正を守るため!
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帯幺九
帯幺九(タイヤオチュウ)
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根
根(ルート)
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将対
将対(ジャントイ)
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金勾釣
金勾釣(キンコウテャオ)
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嶺上放銃
嶺上放銃(リンシャンホウジュウ)
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龍七対
龍七対(ロンチートイ)
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清対
清対(チントイ)
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清金勾釣
清金勾釣(チンキンコウテャオ)
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清龍七対
清龍七対(チンロンチートイ)
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清七対
清七対(チンチートイ)
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清十八羅漢
清十八羅漢(チンジュウハチラカン)
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清幺九
清幺九(チンヤオチュウ)
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十八羅漢
十八羅漢(ジュウハチラカン)
Spot Voices
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Spot Voice 1
惊讶
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Spot Voice 2
肯定
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Spot Voice 3
否定
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Spot Voice 4
打招呼-早晨
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Spot Voice 5
打招呼-白天
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Spot Voice 6
打招呼-夜晚
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Spot Voice 7
告别
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Spot Voice 8
承接
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Spot Voice 9
叹气
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Spot Voice 10
高兴
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Spot Voice 11
生气
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Spot Voice 12
递进
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Spot Voice 13
转折
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Spot Voice 14
疑惑
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Spot Voice 15
战斗1
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Spot Voice 16
战斗2
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Spot Voice 17
战斗3
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Spot Voice 18
语气1
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Spot Voice 19
战斗4
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Spot Voice 20
战斗5
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Spot Voice 21
战斗6
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Spot Voice 22
战斗7
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Spot Voice 23
语气2
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Spot Voice 24
肯定1
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Spot Voice 25
疑惑1
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Spot Voice 26
语气3
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Spot Voice 27
语气4
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Spot Voice 28
疑惑2
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Spot Voice 29
语气5
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Spot Voice 30
递进1
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Spot Voice 31
疑惑3
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Spot Voice 32
语气6
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Spot Voice 33
语气7
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Spot Voice 34
语气8
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Spot Voice 35
肯定2
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Spot Voice 36
语气9
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Spot Voice 37
语气10
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Spot Voice 38
转折1
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Spot Voice 39
语气11
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Spot Voice 40
转折2
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Spot Voice 41
疑惑4
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Spot Voice 42
语气12
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Spot Voice 43
递进2
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Spot Voice 44
疑惑5
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Spot Voice 45
语气13
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Spot Voice 46
转折3
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Spot Voice 47
吟唱1
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Spot Voice 48
吟唱2
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Spot Voice 49
吟唱3
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Spot Voice 50
魔宠1
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Spot Voice 51
魔宠2
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Spot Voice 52
魔宠3
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Spot Voice 53
肯定3
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Spot Voice 54
疑惑6
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Spot Voice 55
递进3
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Spot Voice 56
战斗8
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Spot Voice 57
战斗9
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Spot Voice 58
战斗10
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Spot Voice 59
打招呼1
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Spot Voice 60
魔宠4
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Spot Voice 61
魔宠5
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Spot Voice 62
魔宠6
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Spot Voice 63
语气14
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Spot Voice 64
语气15
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Spot Voice 65
战斗11
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Spot Voice 66
战斗12
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Spot Voice 67
语气16
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Spot Voice 68
询问1
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Spot Voice 69
询问2
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Spot Voice 70
询问3
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Spot Voice 71
肯定4
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Spot Voice 72
语气17
北の森のパトロール隊
絆LV1で開放
「うわあああ!」 薄暗い山林の静寂を、悲鳴が打ち破った。 切り立った崖の下で、男が仰向けに倒れていた。 男は、獲物を求めてこの森に足を踏み入れた密猟者だった。 先ほどまで男が登っていた崖には、先ほどまで足掛かりとしていた藤の太い蔓が垂れている。 藤の蔓は、ちょうど自分が掴んでいたあたりの真上ほどの位置で、不自然なほどに綺麗に切れていた。 その断面を見て、男は背中に冷たいものを感じた。 「あ、兄貴、やっぱこの森おかしいって! 人を喰うって噂、本当かも……。」 「蔓が枯れてただけだろう、この役立たずめ! その背にかついだ立派な猟銃は飾りか? ……ガハッ!」 兄貴と呼ばれた密猟者の顔面に、何かがクリーンヒットした。 顔を拭うと、手には赤い液体がべっとりと付いた。 「兄貴! 俺を置いて死なないでくれえええ!」 「ええい、わめくなうっとうしい!」兄貴分の密猟者は、手についた液体の匂いを嗅いだ。 「ただの木の実だ!」 ホッと息をついた弟分の密猟者は、何者の気配もしない森に向かって、大声で命乞いをした。 「山神様! 森神様! どうか見逃してください~~!」 「とっととでていくのだ、ミツリョーシャどもめ!」 まだ幼く、よく通る声が二人の頭上から聞こえてきた。 密猟者コンビが頭を上げると、大きな石の上に、見た目からして五、六歳の女の子が腕を組んで立っていた。 女の子の後ろには、怒気を露わにした「仲間たち」も集まっている。 どうやら、女の子はリーダー的存在であるらしい。 「なんの神様かと思えば!」兄貴分は激怒した。 「クソガキ、余計な真似しやがって!」 「ココ、いけ! 『もりのパトロールたい』のちからをみせつけてやるのだ!」 女の子が号令をかけると、白い影が稲妻のような速さで駆けていき、密猟者コンビの後頭部を蹴りつけた。 蹴りをまともに食らった密猟者たちは間抜けな悲鳴をあげ、顔から地面に突っ込んでしまった。 見事に攻撃を決めた白い影――ココは優雅に女の子の後ろに戻り、誇らしげに背筋を伸ばした。 「はーっはっはっは! よくやったのだ! どうだ、おもいしったか!」 「く……くそっ!」密猟者はどうにか起き上がり、猟銃を構えた。 「クソガキは家でおねんねしてな! これ以上邪魔をしてみろ、お前ら全員捕まえてやるからな!」 「……っ!」 密猟者の言葉を聞いて、女の子の顔から笑みが消えた。 少女は、銃が向けられていることにも構わず石から飛び降り、密猟者たちに向かって歩いていく。 その瞳には、怒りの炎が燃えていた。 「ここが! ゆずの! おうち! なのだ!!」 「……はぁ!? 冗談も大概にしやがれ! ここは森だぞ? お前みたいなガキが住んでるわけ……」 「おまえらは、ゆずのおうちをこわして、かぞくまでいじめた……ゆず、おまえら、きらい。」 少女――ゆずは冷たい目で、胸元からぼんやりと光を放つ水晶を取り出した。 「『マジョ』のいったとおりだったのだ。わるいやつは、にどとやろうとおもわなくなるまで、こらしめないといけないのだ。」 ゆずは一つ深呼吸をすると、全身の力を振り絞って叫んだ。 「わるもの、ぶっとべー!!」 ゴゴゴゴゴゴゴ……! 森全体がゆずの言葉に呼応した。 木々の枝がぐにゃぐにゃと伸びていき、無数の腕のように密猟者に絡みつく。 落ち葉が竜巻に乗り、彼らの顔面めがけて容赦なく飛んでいく。 「森のパトロール隊」と呼ばれたゆずの仲間たちも、魔法のオーラを帯びて、一斉に悪党たちに襲いかかった。 二人の悪党はなす術もなく打ち倒された。 猟銃もしっかりとへし折られている。 「た、助けてくれえええ!!」 「も、森の噂は本物だった~~!!」 密猟者たちは逃げ惑うようにして森の端へと消えていき、 遠くこだまする悲鳴だけが後に残った。 森の侵入者、撃退成功! 「やったー!」 仲間たちはゆずを取り囲み、この偉大な勝利を祝った。 「ムクミのきのみなげ、すっごくせいかくだったぞ!」 「チューコも、あのふといツルをきれいにきってくれたのだ! おつかれさまなのだ!」 「あっそうだ、ツルゾウおじいさん、おヒゲをきっちゃってごめんなさいなのだ!」 ゆずが仲間たち一人ずつに労いの言葉をかけていく。 パトロール隊の隊長として、ゆずは毎日のように森を巡回している。 今日のような状況も初めてではなかったが、 今日は、今までの中でも会心の大勝利だった。 「ねぇゆず」ココがゆずに問いかけた。 「さっき使ったのって、あの魔女から教わった魔法? すごかったコン!」 ゆずは手に握ったままの水晶をじっと見つめた。 この水晶を手渡してきた、レイアと名乗った魔女の言葉を思い出す。 「あなたの魔力はまだ不安定。コントロール出来るようになるまでの間、悪い奴に会った時はこの水晶を握りしめて、心の底から叫ぶといいわ。」 (これって、ゆずのまほうっていえるのか……? ただ、おこってる! ってことを、おおごえでさけんだだけだし。) ゆずは水晶をそっとしまった。 「いや、たぶんちがうのだ。でも、いつかはさいきょーのまほうをつかいこなせるようになるぞ!」 「ってことは、森を出て魔女になるって、決めたコン?」 その言葉に、お祝いムードだった周囲が一気に静まり返った。 「うん、きめたのだ。いまのゆずじゃ、みんながたすけてくれないと、ああいうわるいやつをやっつけられない。でも、ゆずがホンモノのまほうをおぼえれば、いつもみんなにたすけてもらわなくてよくなるし、というか、みんなをまもれるからな!」 「ゆずッピ……。まったくこの子は勇敢な子だピィ。」 周りに集まってきた仲間たちが、ゆずを心配の目で見上げた。 「でも、魔女になるのって、すごく大変だって聞くコン……」 「魔法の修行は危険だピィ。魔法に使う材料とかも、険しい場所に生えてるんだよね? ほら、森の奥の、あの洞窟みたいな!」 「そうそう、ゆず、あそこに行くのすごく怖がってたのに……」 「それに、あの魔女がこの前薬草を探しに来た時も言ってたコン、『魔女は孤独になる運命』って!」 「ピィピィ! 群れから離れて、一人で生きていかなきゃならないって!」 「それじゃ、ゆずが正義の裁きを下したところで、誰にも知られないんじゃないの?」 仲間たちはゆずを思い留まらせるよう、あらゆる言葉で説得した。 次第にみんなの顔に焦りの色が見えてきた。 ゆずはしばらく、仲間たちの言葉を静かに聞いていた。 うつむき、肩を小刻みに震わせている。そして…… 「……そうだな。たしかに、みんなのいうとおりなのだ。」 「こどくで、あぶなくて、だれにもわかってもらえない。……『マジョ』になるってことは、そういうジンセイをおくるってことなのだな。」 仲間たちはその言葉を聞き、ほっとした表情を見せた。 「そんなの……せかいいちかっこいいのだ!」 ゆずは勢いよく顔を上げた。その顔には離別の悲しみの欠片もなく、それどころか今までで一番の輝きを放っていた。 ゆずはぴょんと大きな石の上に跳び上がった。 誇らしげに胸を張り、森と仲間、全てを抱きしめるように両腕を広げた。 「みんな、しんぱいするな!」 「ゆずが『さいきょーのせいぎのマジョ』になったら、ぜったい! みんなにあいにもどってくるのだ!」 「だからそれまでは、もりのへいわはみんなにまかせたぞ!」 「……キュー、さすがアタシたちのゆず。わかったコン。」 「ピピィ! 森はあたしたちに任せてピィ!」 「約束だチ! ゆず、絶対また帰ってきてッチ!」 シロキツネのココ、ムクドリのムクミ、シマリスのチューコをはじめとするパトロール隊員たちが、一斉に高く鳴き声を上げた。 ゆずは、生まれつき動物の言葉がわかる。 その能力のせいで、故郷の村では忌み子とされ、幼い頃にこの森に流れ着いた。 そこで、ゆずはレイアという魔女に出会った。 レイアによれば、ゆずがそんな能力を持っているのは、魔法の才能を秘めているからだそうだ。 しかし、魔法を使うためには、適切な訓練が必要らしい……。 ゆずは今、ようやく魔女になることを決意した。 「いきさきはきまったのだ。あとは、ぜんしんあるのみ! いこう、みんな! パトロールのつづきをするのだ!」 動物の仲間たちと一緒に、 ゆずはいつものように、軽やかな足取りで歩き出した。
初めての契約魔法
絆LV2で開放
真夜中の三時、とある魔女の館。 ゆずは、抜き足差し足で師匠であるレイアが昼間過ごしていた書斎へと向かっていた。 踏むと悲鳴を上げる木の床を避けて進み、入念に準備した寒いギャグを門番の食虫花に披露し、書斎の鍵を手に入れた。 鍵を差し込むと、カチャッという小さな音とともに、書斎の扉が開いた。 室内の怪しげに光る標本たちを気にする余裕もなく、ゆずは机へと一直線に向かった。 机の上には、遠くの魔法生物と話が出来る水晶玉が置いてあった。 水晶玉の前に立ったゆずは、昨日の午後にあった出来事を思い出した。 使い魔を召喚する魔法に失敗し続けているゆずに、レイアはこう声をかけた。 「失敗が続く時は、一度中断して、本でも読み返して原因を探した方がいいわ。」 レイアは慰めるようにゆずの肩を軽く叩くと、そっと書斎を後にした。 一人になったゆずは、しばらく落ち込んでいたが、 ふと、書斎の隅に古い魔導書があるのを見つけた。 その本には、 「契約魔法の真髄は『支配』なり。汝、無上の魔力を以て、その身体を統べ、その心を砕き、その魂を虜にし、永遠に消えぬ奴隷の印を刻むべし。」 とあった。 「魔女の威厳を以て、永遠に主の意に叛くことなきようにせよ。」 魔法を使う時の自分は、「威厳」に欠けていた? 「支配」しようという心が不十分だった? とにかく、ゆずは本に書いてあった内容に衝撃を受けた。 そして何より、嫌だと思った。 召喚したかったのは、遠くの森に住むレッサーパンダたち。 彼らは決して、支配していい道具なんかじゃない。 ゆずと同じように、魔法の才能を持った、独立した命なのだ。 その日の晩、ゆずは眠れなかった。 魔女の力がこんなにも邪悪なものなのだと最初に知っていたら、 魔女なんかにならなかった。 むしろ、今からでもやめてやると決意した。 やめるにしても、魔女の館から脱出する前に、 あの子たちに魔女の真実を伝えないと! ――ということがあって、現在に至る。 「ふぅ……。よし、始めるぞ。」 ゆずは魔力を水晶玉に注ぎ込んだ。 「……接続(リンク)。遠くに住む、我が友……!」 しかし、水晶玉は全く反応しない。 (お、おかしいのだ。この前はできたのに。何か間違えたか?) レイアに教わった、水晶玉の使い方を懸命に思い出す。 通話を繋ぐ魔法は、繋ぐ相手のことをよく知っていればいるほど成功しやすい……。 「……『キュルー』、『キュッキュル』、『キュルルン』……接続(リンク)!」 (レッサーパンダたちの名前は、初めて通話できた時にゆずがつけたものだ。こういう、他の誰も知らないことを思い浮かべれば、きっと成功するはず……) 今回は、水晶玉が微弱な光を放った。そのあと、おぼろげな影が一瞬水晶玉の中に浮かんだが、すぐにまた消えてしまった。 (これでも、まだ足りないのか!?) ゆずは両の手を水晶玉の上に置き、目を閉じた。そして友達について知っているすべてを、一気に口に出した。 「……赤茶色の綺麗な毛並みをしてて、喋る時はいつも『キュルルゥ』って言うのだ。ゆずにまでうつっちゃうくらい……!」 「遠くの森に住んでて、いつも高い木の上で寝転んでるのだ。その方が安心するって。……そして、ゆずと同じくらい、みんなリンゴが大好きなのだ……!」 「それでそれで、みんなすごく強いのに優しいのだ! どうしてもって時以外は、絶対誰かを傷つけないぞ。……怒る時もあるけど、だいたいは、立ち上がって脅かすだけなのだ……!」 綺麗好きだけど口の悪い「キュルー」、 恥ずかしがり屋だけど、一番のしっかり者「キュッキュル」、 親切で可愛くて人懐っこい「キュルルン」。 「……水晶玉よ、お願いだ! あの子たちの方へ導いてくれ!!」 ゆずは躊躇うことなく、すべての魔力を水晶玉に注ぎ込んだ。 すると、ゆずの呼びかけに応えるように、水晶玉は強く輝きだし…… ……しばらく輝いた後、再び光が消えてしまった。 「……キュル?」 それきり、水晶玉は沈黙し続けた。 月が雲の影に身を隠す……。 力尽きたゆずは、床にへたり込んだ。 「キュルゥ……お別れすらできないっていうのか……!」 「ゆず?」 「キュル!!」 書斎の入口に、レイアが現れた。 「こんな時間に何を……あら、どうやら失敗の原因を見つけたようね。」 レイアはこの状況を誤解して捉え、満足そうに頷いた。 「それなら、先生が契約成立のお手伝いをしてあげましょうか?」 レイアは杖に魔法の輝きを収集させ、ゆっくりとゆずの方へ歩み寄った。 (契約成立……ってまさか、師匠はゆずに、レッサーパンダたちを無理やり支配させようとしているのか!?) ゆずは怯える小動物のように、体で水晶玉を庇った。 「だ、だめ! ゆずの友達を傷つけるのはいやなのだ!」 その時、不思議なことが起こった。 ゆずに抱え込まれていた水晶玉が、かつてないほど温かい光を放ったのだ。 「……キュル?」 水晶玉の中には、レッサーパンダたちの姿がくっきりと浮かび上がった。 「ふぁ~~……。キュルル、ゆずか? こんな夜更けに何の用だい?」 レイアが迫り来る中、ゆずはマシンガンのような早口で、レッサーパンダたちにありったけのことを伝えようとした。 「みんな、よく聞くのだ! ゆずはこれからみんなを呼び出せなくなる! そして、すぐに別の悪い魔女がみんなと契約魔法を結びに来るかもしれないのだ! でもその契約魔法は嘘なのだ! 魔女はみんなを支配して、道具のように使いたいだけなのだ! 絶対に付いて行っちゃダメだぞ! いや、今すぐ逃げるのだ! 召喚陣が出ても、絶対に入っちゃだめなのだ!!」 「……キュルルゥ?」水晶玉から戸惑いの声が聞こえてきた。 「契約魔法って、そんな怖いものだったか? お互い平等な魔法じゃなかったっけ……?」 別の声がそれに続いた。 「キュルルゥ~! そうだ、昨日ゆずに言おうと思ってたんだ~! 私たち、ゆずの使い魔になりた~い! ゆずがあたしたち『レッパンズ』の隊長になってよ~!」 「キュル……。」さらに、少し恥じらいが残る声がした。 「あと、さっきゆずが私たちを呼んだ時に、契約は完了したよ?」 ゆずの頭上に特大の「?」が浮かび上がった。 「……うふふっ」 レイアの忍び笑いが聞こえた。ゆずが顔を上げると、レイアが肩を震わせながら笑っていた。 「……し、師匠!? 何がおかしいのだ?」 「ゆず、『支配』とか『道具』とか、どこで習ったの? そんな風に教えた覚えはないわよ?」 レイアはおかしそうに笑いながら、ゆずに尋ねた。 「あぁ……もしかして、かなり古い魔導書を読んだの?」 「だって、失敗が続くなら、本から原因を探せって、師匠が言ったのだ!」 「バカな子ねぇ……何百年も前の骨董品を読んでも仕方がないでしょ? 現代魔法の礎は『尊重』と『絆』なの。」 ゆずの頬は真っ赤に染まった。 「だって……おかしいのだ……。もしそうだとしたら、どうして今まで失敗ばかりだったのだ? 今日なんか、話すことさえ……!」 「あぁ、言ってなかったかしら。」 レイアは微笑みながらゆずの頭を撫でた。 「ここ数日、森の付近は凄い雷雨で、水晶玉の魔力の伝達にも影響が出ていたの。今日は天気が良くて安定していたから、あなたの祈るような思いの効果で通じたのよ。」 「キュルー!?」 「それで、話すことさえって言ってたけど……そんなの、寝てる子たちを呼び出そうとしたら、返事に時間がかかるに決まっているでしょう。 ……まったく、こういうことは水晶玉の手引きの最初のページに書いてあるはずよ。 基礎知識は何よりも重要って、いつも言ってるのに……。」 ゆずの頭上の「?」は、ボカン! と音を立てて爆発した。 しかし、今のゆずは、バツの悪さを感じている場合ではなかった。 水晶玉が更なる光を放ち、三頭のレッサーパンダが温かい魔力を纏って、中から飛び出してきたからだ。 「キュルー! キュッキュル! キュルルン!」 「「「キュルル! ゆず! やっと会えた~!」」」 溢れる思いに任せ、ゆずは三頭のレッサーパンダを力いっぱい抱きしめた。
正義の魔女、見参!
絆LV3で開放
早朝、一飜市のひっそりとした路地裏。 正義の魔女は行動を起こそうとしていた。 「キュルッ! ゆず、本気? これは代償が大きい、警告だってされてるだろ?」 レッパンズのある一匹が、ゆずに真剣な顔で忠告した。 「キュルル! 今度こそ捕まっちゃうよ?」 もう一匹は、不安そうな声でゆずを止めようとした。 「キュルー……。」 最後の一匹は、敢えて何も言わなかったが、その声には複雑な感情がこもっていた。 ゆずは片膝をつき、片手を地面に当て、街全体の脈動を感じ取っていた。 額には細かい汗がにじみ、かつてないほど真剣な表情をしている。 代償のことは、当然わかっている。 だが今は、他の選択肢などないのだ。 だって、正義の魔女が助けを求められたのだから。 ついさっき、正義の連絡係、スズメのいさチュンから、緊急のSOSが届いたところだった。 「それでも、行くのだ。」 ゆずの瞳には、決意の炎が燃えていた。 「罪なき命と、その笑顔を守るため……どんな代償を払うことになろうとも、ゆずは構わないのだ!」 「これも、正義の魔女の掟……! あっ、範囲特定完了なのだ!」 ゆずは立ち上がった。全身に魔力を纏い、杖を高く掲げた。 そして杖を、「事件」の方へと突き出した。 「レッパンズ、全員出撃!」 バシュッ!!! 三匹の使い魔は、弾丸のようなスピードで、目標範囲である商店街へと向かった。 三匹は迷わず通りに突入し、互いに連携を取りながら目標を探し、特定し、確保した。 ターゲットを確保した後は、また弾丸のようにゆずの元に戻ってきた。 任務完了(ミッションコンプリート)! レッパンズは戦利品をゆずに渡すと、朝の陽射しの中へと素早く消えていった。 「よし……。」 ゆずは安堵のため息をし、額の汗を拭った。 そして早足で路地を抜け、通り沿いで涙目になって落とし物を探している、小さな少女にそれを渡した。 それは、一本の点棒だった。少女が初めて立直後に和了した時に使ったもののようだ。 学校に持っていってクラスメイトに自慢しようとしていたのだが、途中で落としてしまったのだ。 「わ、わたしの点棒!!」 女の子は点棒を受け取り、満面の笑みを浮かべた。 「せいぎのまじょってほんとだったんだ! ありがとう、まじょのおねえちゃん!」 「キュルルゥ! こんなの朝飯前なのだ。さあ、早く学校に行くのだ。」 ゆずは誇らしげに腰に手を当てた。金色の朝日が、その顔を明るく照らす。 そして、そう遠くない距離から、朝葉高校の始業ベルが無情にも耳に届いた。 「キュルッ! まずいのだ!」 ゆずが息を切らして校門に駆け込んだ時には、案の定というべきか、風紀を取り仕切る生徒会副会長の如月蓮がそこに立っていた。 「ゆずさん、新記録ですね。」如月蓮は眼鏡を押し上げて言った。 「今月だけで遅刻六回ですか、これは倍の文字数の反省文を書いていただかなくては。」 「キュ、キュルル……! さすがにそれはあんまりでは!?」 痛ましい代償を支払うことになったが、後悔は微塵もなかった。 一飜市を守るのは、想像以上に忙しくて大変だ。 でもそれは覚悟の上だった。正義を守ることは、孤独で偉大な事だからだ。 ゆずは目尻から流れてもいない涙を拭い、これから向き合うことになる反省文用紙にため息をつきつつも、自らが背負った偉大な使命に胸を張るという矛盾した心持ちで教室へと向かった。
正義の魔女の掟:世界の平和を絶対守るべし!
絆LV4で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 1, Scenes 340, Choices 21, Endings 2
キュル! キュル!
君は……レッパンズのメンバーかな? どうしてここに? しかも一匹で……
キュルキュル!!
ついてきてほしいのかな……うわ、すごい力!
ヂュン! ヂュンヂュン!!
キュルー、戻ったか! おまえが連れてきた助っ人はインチキ占い師か? それとも師匠……
って……{var:player_nickname}!?
どうしてこいつなのだ! 今回のは特に危ないやつなんだぞ!!
キュルゥ?
ば、ばかなこと言うな! いつ、ゆずが{var:player_nickname}に仲間になってほしいと 言ったのだ!
キュルキュキュ。
なぬ? {var:player_nickname}の気配は特別で、安心する? そうか……。 おまえ、一体誰の使い魔なのだ……。
キュル、こうなっては仕方ない……。 {var:player_nickname}、手を出すのだ。 ゆずにちょっと力を分けてくれ!
ピッ! こ、こうじゃないのだ! ……いや、なんか効果出てそうだし、もうこれでいいのだ! いくぞ……!
『静かなる冬の息吹よ、スズメたちのために、 安らぎの子守唄を歌い上げよ!』
柔らかく、それでいて強い光がゆずの杖からほとばしり、 辺り一面に広がった。
先ほどまで騒がしく飛び回っていたスズメたちは、 次々と地上に降り立ち、静かに眠りについた。
ふう……やっと落ち着いてくれたのだ……。 キュルルゥ、さすが正義の魔女(ジャスティスウィッチ)! 鍵さえ手にしてしまえば、あっという間に勝利なのだ。
キュルルゥ……今日の登校中のことなのだ。 いつも、連絡係を務めてくれている、いさチュンって子がいるのだが、 妙に気が立っていて、ゆずに襲いかかってきたのだ。
捕まえて、事情を聞こうとしたのだが、飛んでいってしまってな……
探しているうちに、近くのスズメ達が、 みんな似たような状態になっていると気づいたのだ。
通行人に被害が及ばないように、みんなをここに誘導して、 魔法で落ち着かせるしかないと思ったのだ。
キュルルゥ、少してこずったが、 このくらい、正義の魔女たるゆずには朝飯前なのだ!
キ、キュル、なんだその目は…… それはともかく、これを見るのだ。
これは……?
みんなの羽に、この「魔法が込められた花粉」が付いていたのだ。
裏で邪悪が渦巻いているに違いないのだ。
それだけじゃないぞ。レッパンズが察知した所によると、 一飜市の動物たちがみんな騒ぎ出しているらしいのだ。 これは、間違いなく……
一飜市の、大ピンチ! なのだ!
でも心配いらないぞ。ゆずがいるから大丈夫なのだ。 いさチュンを見つけ出し、他の動物たちもみんな救ってみせるのだ!
正義の魔女として、みんなを守ろうとしているんだね。 頼りになるなあ。
ただーし! この件はまだ他言無用なのだ。
それはまた、どうして?
わかってないな。悪の魔法は正義の魔法で人知れず解決するものなのだ。 善良な市民を怖がらせては、黒幕の思う壺だろう。
正義の魔女たるもの、 世界を混乱、争い、破滅させかねない悪の芽は、 根元から摘み取らねばならないのだ!
そこまで考えていたとは……。
あー、その話はともかく……
ゆ、ゆずを心配だと?
キュルルゥ、やはり学校は面倒なのだ。 魔女の未来など、一般市民のおまえらが心配するようなものでもないのに。
……でもまあ、周りの奴を心配させるのは、 確かに正義の魔女らしからぬ振る舞いなのだ。
わかったのだ。あとで学校の先生に反省文を提出するのだ。
だからそれまでは、このことは秘密にしておいてくれないか?
キュ、キュル! 魔女の弱みに付け込むとは……!
キュルルゥ、 {var:player_nickname}はゆずのくっつき虫だからな。 別に意外な頼みでもないか。
キュル! なぜそれを……! こんな時まで、ゆずを子供扱いするというのか!
「ゆずと一緒に調査させてくれ」とか、 少しはカッコイイことを言うかと思ったのに……!
……あ。
いや、べ、別に、一緒に調査についてきてほしいとか、 思ってないぞ! 思ってないんだからな!!
それなら、調査に付き合わせてもらうことを頼みとしようかな?
……まったく、仕方ないやつなのだ。 正義を守ろうとする心に免じて、今回は同行を許してやるぞ!
安全のため、ここからは、 隊長であるこのゆずの指揮に従うのだ。いかなる時もだぞ!
はーい。
公園にやってきたが、犬も猫も全く落ち着きがなく、 飼い主も抑えるのがやっとといった様子だ。
{var:player_nickname}、あのでっかい犬を押さえるのだ! 『優しき草の精霊よ、動物たちに安らぎを与えたまえ!』
ホットスナックの屋台では、カモメの大群がなだれ込み、 揚げたてのポテトを夢中で奪い合っていた。
{var:player_nickname}! フライヤーの火を止めてくれ! 『潮風の精霊よ、迷える鳥たちを空へと帰したまえ!』
『生命の甘露よ、衰弱せし動物たちに活力を与えたまえ!』
ゆずちゃん、ありがとう~。 この子たち、もう何日も具合が悪そうだったのよ。 うちで一番この子たちに詳しいヒーリですら、原因がわからなくて~。
なに、礼には及ばないのだ。 魔法が効いてよかったのだ。
よし、この調子で、動物たちを落ち着かせていくぞ! それで黒幕を見つけて、邪悪なるラスボスを倒すのだー!
花粉の痕跡をたどり、一飜市のあちこちを回りながら、 動物たちの騒ぎを収めた。 事態は収束しそうな雰囲気だったが、ゆずは気を緩めずにいた。
……ありがとうなのだ。
ひとまず安心できそうだね。 そういえば、朝に、これは大ピンチだーなんて言ってたね。 もしかしてゆずって……。
ピィッ!!
そ、そんなことはないのだ! ゆずはまだ「見習い魔女」だけど、多くの魔法を習得しているしな!
キュル、ただ……。
初めに考えていたよりも、事態は深刻なのだ。
さっきわかったのだが、動物たちが暴れていたのは、 花粉に「生命力」を吸い取られているからだったのだ。
いつからこんな状態だったのだろう……。
それに……。
ゆずの魔法では、一時的に症状を和らげるのが精一杯なのだ。 根本的な解決までは出来ない……。
そう聞くと、確かに深刻だね……。 何も悪いことをしていない動物に、誰がこんなことを……?
まったくなのだ、許せないのだ!!
ゆずの友達は、みんな、 一飜市での暮らしはとても幸せだと言っているのだぞ。
それに、言葉で話すことは出来ないが、 人知れず、自分たちの力で一飜市の平和を守っているのだ。
せっせと花粉を運ぶミツバチ、 黙々と働いて、大地を元気に保つアリ。それに、いさチュンだって……。
チュン? きみ、ボクの言葉がわかるチュン?
もちろんなのだ。ゆずは正義の魔女なのだからな!
チュンチュン! ゆず、いい名前! ボクも名前がほしいチュン!
そうだな……。おまえは、こんな危ない道路の真ん中で、 みんなが半端に開いたマンホールの蓋に注意が向くよう、ずっと飛び回っていた。 その勇気をたたえて、勇ましき雀……「いさチュン」というのはどうだ?
いさチュン……いい名前! 気に入ったチュン!
ゆずが正義の魔女なら、ボクはこれから正義の連絡係になるチュン! ボクだけじゃなくて、ボクの一族全員がその役目を担当するチュン! 一緒に一飜市の平和を守るチュン!
キュルルゥ……いさチュンのことが心配なのだ。
あいつが一番様子がひどかったのだ。 気が荒くなっているだけじゃなくて、ゆずの魔法も効かなかった。
今は姿さえ見えないし、怪我でもしていたら…… あるいは、もっと暴れて誰かを襲い、悪いスズメだと誤解されたら……!
一緒に方法を考えよう。
い、一緒に……?
うん、みんなで。
姉弟子のカーヴィさんや、師匠のレイアさんに連絡してみるのは?
実は、異変に気づいてすぐに、師匠とあのインチキ占い師には連絡したのだが…… どちらからも返事がないのだ。
二人とも?
キュルルゥ、魔女は師弟関係を結ぶが、 自分の行動はそれぞれの掟に従って決めるのだ。 ゆずも、カーヴィも、師匠も、違う掟を持っているのだ。
ゆずは正義を掟にしているが、 他の魔女に自分の掟を押しつけてはいけないのだ。
それが魔女の世界のルール……師匠はそう言ってたのだ。
そっか……。
でも、たとえ掟が違うとしても、 二人が悪を黙って見過ごすだろうか……。
カーヴィさんとは前から知り合いだけど、 師匠のレイアさんは最近一飜市に来たって言ってたね。 どんな魔法が得意なの?
キュル~……{var:player_nickname}、 師匠に興味を持たないほうがいいのだ。
危険人物だからな。まして今回みたいな……
今回みたいな?
いや、何でもないのだ。 ゆずの気のせいかもしれないしな。
そんなことより、今は目の前の問題なのだ!
まだ回っていない、動物が大勢集まる場所…… 残るはあそこだけなのだ!
いざ、動物園へ行くぞ!
一飜市立動物園防災センターです。 緊急事態が発生しました。落ち着いて避難してください。
キュルルゥ、不穏な空気だな。 ……見ろ!
パオーン!!!
混乱に乗じて、 ゾウが倒した柵の隙間から動物園へ入り込んだ。
遠目に、ゾウたちがいくつもの柵をなぎ倒しているのが見える。 飼育員も警備員もどう対処したものか測りかねている様子だ。
落ち着く気配がまるでない! これ以上外へ出ようとするなら、麻酔銃を使うしかない!
だめです! 群れのリーダー、シーメーは妊娠中なんです! 麻酔銃なんて!
キュル、群れの長は……あいつだ! ゾウは賢い動物だからな、あいつと話ができれば、さらに手がかりを得られるはず!
どうにかして、あいつを落ち着かせないと……。 ゆずが直接声をかけるのだ。
そんなの危ないよ!
離れた所からでも動物と話せる魔法も知っているが、 そのためには、見晴らしのいい場所を探す必要がある……。
パオーン!
もう抑えきれません!!
魔法陣を描いて、群れの長の目を直接見ないと! {var:player_nickname}! はしごでも椅子でも、何でもいいから持ってきてほしいのだ!
えっ、そんな急に言われても!
ぐぬぬ、もたもたしていては逃げてしまう……! {var:player_nickname}! 何か良い方法はないか!?
なっ! ぶ、無礼だぞ! ………いや、今はこうするしかないか……。
よし……! 『誠なる心よ、万物の命と共鳴し、互いの思いを繋ぎたまえ!』
ゆずが呪文を唱えると、周囲の景色がぼんやりとかすんでいく。
魔法陣の中にゾウの姿が浮かびあがった。 耳に届くゾウの鳴き声も、切迫した悲鳴から、 はっきりとした言葉に変わっていく。
パオーン……! 道を開けて! お願い、邪魔をしないでください!
シーメーさん、少し話をさせてほしいのだ!
……! 私は、騒ぎを起こしたいわけではないのです。
でも、ここに、この土地に居続けたら、 私たちに待つものは死だけ……。
私も、家族も、みんな病気になってしまった。
原因もわからず、体が弱り、飢え、いらだってしまう…… まるで死がすぐそこまで迫っているかのように。
私が苦しむのは構いません。でも、 お腹の子を危険にさらすわけにはいかないのです。
私たちは、なんとかして助かる方法を探しているだけなのです。 ここを離れれば良くなるかもしれない……私の直感がそう告げています。
シーメーさん、ゆずなら苦しみの原因を見つけて、 解決出来るかもしれないのだ!
……あなたが、助けてくれるのですか?
うむ、ゆずを信じてほしいのだ!
どうしてこんな……! いつもは、みんなおとなしいのに!
麻酔銃の準備をしろ! 動物園の外へ出たら大変だ。
お願いです、もう少し待って……! あっ、群れの暴走が止まった!? 揃ってあっちに向かって……何を見ているんだろう?
……女の子!?
群れの長、シーメーさんは私たちを信じてくれた。 ゆずはシーメーさんに歩み寄り、小声で呪文を唱えながら杖を高く掲げた。 杖の先の宝石から淡く緑色に光る魔力が流れ出し、 シーメーさんとほかのゾウたちをゆっくりと包み込んだ。
見つけた……!
シーメーさんの額に、金色の粉のようなもので出来た、 花の模様が浮かび上がった。
『偉大なる生命の息吹よ、この者たちを守りたまえ!』
金色の粉末がぱっと消え、ゆずの魔力がゾウたちの体に注がれていく。 みるみるうちに、ゾウたちは元気を取り戻した。
ああ、我が子……! どうやら、力が戻ってきたようです。 ありがとうございます、小さなお友達。
パオーン!!
よかったのだ!
シーメーさん、この金色の花粉に覚えはあるか? いつ付いたものかわからないか?
花粉、ですか……?
そうなのだ。最近、花とかそういうものに触れなかったか? あるいは、何か変わった人に会ったとか……。
花、変わった人……。 そういえば、一度そういうことがありました。
いつなのだ!?
この前の満月の夜です。 ……あの日は、雨が降っていました。
これまで見たことのない人間が来ました。 たしか……赤くて長い髪に、白い服を着ていた。
その人の傍に、白い花が一輪浮かんでいました。
その花から、金色の花粉が私たちに向かって飛んできて……。
あの人間は、その花のことを、マンダラと呼んでいましたね。
なっ!!
ゆず? どうしたの?
もし……シーメーさんの話が本当なら、 魔法の花粉をまいた人物は……ゆずの師匠、レイアである可能性が高いのだ。
赤くて長い髪、お気に入りの白い服。 どちらも特徴として一致するのだ。
じゃあ、マンダラの花は?
……師匠の使い魔で、決して枯れない魔法の植物なのだ。 ゆずのレッパンズと同じように、マンダラも師匠の魔法を手助けしているのだ。
キュルルゥ、あの花粉の香り、妙に覚えがあったのだが……。 ただの偶然だと思っていたのだ。
……そういえば、師匠が一飜市に来ると言ってからもうひと月経つのだ。 あれ以来、ゆずには一度も連絡がない……。
師匠は前から、動物を使って恐ろしい魔法薬を作ると言ってたが……。 ま、まさか本当に……!?
……確かに、おまえの言うとおりだ。 落ち着かないと……。
……。
まだ花粉の魔法にかかっている動物がいるが、運よくみんな軽症のようなのだ。 レッパンズ! ここで見回りと手当てを頼めるか? 動物たちを、お家から離れすぎないようにしてあげてくれ!
キュルー!
{var:player_nickname}、よければ、この後はこいつらと一緒にいてあげてくれないか? おまえと一緒にいると、とても安心するとみんな言っていたからな。
この先の調査は、ゆず一人でも大丈夫なのだ。
キュルッ! 隊長の指揮に従うと約束したはずだぞ。
でも、レッパンズは全員ここに残るんだよね? そうなると、ゆずが完全に一人になっちゃうよ。
……正義の魔女には孤独がつきものなのだ。 正義を守るため、どんな事態にも一人で立ち向かう覚悟は、 とうにできているぞ。
それに、もし師匠が本当に関わっているなら……。 師匠は、ゆずでも勝てない敵になるかもしれないのだ! おまえ、怖くないのか?
そんなこと聞いたら、ますます一人にさせられないよ。
キュル?
今日の私、ちょっとはゆずの助けになったよね? ゆず一人で勝てないなら、出来る限り多くの助けがいるでしょ?
それに、ゆずの正義を大切にする気持ちはすごいと思ってるよ。 私も正義の仲間として、ゆずの力になりたいんだ。
っ……!!
き……今日は、たまたま会って、たまたまチームを組んだだけなのだ! 正義の魔女は一人で十分なのだ。 人間の仲間など、いらないのだ……!
お願い、これだけはわかって。 私は……
……わかった。 おまえの意志はしかと受け取ったのだ。
{var:player_nickname}も、ゆずと同じように正義の心を抱いているというのだな。 ならば、その決意を阻むことはできないのだ。
それに……曲がりなりにも正義の魔女を志す者として、 いざという時に誰かを守るための切り札も用意しているのだ。
……よし。 共に行くぞ、いいな?
もちろん! ……で、どこに行くの?
師匠の薬草店だ。 場所はちょくちょく変わるけど、店の名前だけはいつも「マンダラ」なのだ。
すべての真相を、この手で確かめてやるのだ!
先月の連絡によれば、一飜市での住所はここのはずなのだが……。
なんなのだ、これは!?
薬草店に足を踏み入れると、 中は枯れ果てた庭のようになっていた。
キュルルゥ、どうしてこんなことに……! ここにある魔法の痕跡、動物園のと同じなのだ……。 キュル、あれは……
部屋の奥の作業台の中央に、妖しい光を放つ植物が一株置かれていた。 白い花をつけたその植物は、弱々しく枝を垂らしている。
師匠の使い魔のマンダラ……? ひどく傷ついているのだ!
そうなのよ。このところ、ずいぶん無理をさせているものだから。
師匠!?
ヂュン! ヂュン!! ヂュン!!!
……あら、今更逃げようとするなんて。 君たちが来たからかしら?
部屋の隅で、結界に覆われた鳥かごが激しく揺れていた。 中のスズメは目が赤くなって、全身から黒い気配を放ちながら、 何度もかごに体当たりしている。
いさチュン!? なぜここにいるのだ!!
私が連れて帰ったのよ、この子を守るためにね。 さぁ、マンダラ。
(ザアッ……)
マンダラは力を振り絞って花びらを広げた。 金色の花粉が舞い、いさチュンを包み込み、やがて体内へと消えていった。
チュン……。
いさチュンは少し落ち着いたようだった。
!! そうか、ゆずの推測は間違っていたのだ……!
あの花粉は、生命力を奪う邪悪な魔法じゃなかったみたいだね。
……となると、動物たちにかけられていたのは、別の魔法だったのか。
そうなのだ、師匠の魔法が、 動物たちにかかった呪いの魔法を抑えていたのだ!
ふふっ、正解よ。 まあ、このスズメちゃんの状態はもうちょっと特殊なのだけれど。 ……気をつけて!
バン! という鋭い音とともに、鳥かごの結界が破られた。
金色の花粉が散らされ、冷たく黒い魔法のオーラが周囲に広がっていく。
ひひひ……我が計画を邪魔しても無駄よ。 この程度の体、いつでも代わりを用意できるからな…… おまえらごときに……我を封じるなど不可能!
スズメがしゃべった!?
これはいさチュンじゃない! 別の「何か」に意識を乗っ取られているのだ!
そうね、そして今話している「何か」が、呪いの元凶よ。
ふはは……死ぬがよい!!
小さなスズメの体から黒い人影が飛び出し、襲いかかってきた。
ーーバンバンバン!!!
『守護魔法(プロテクション)』!!
『ペンタクルのナイト、ガード』。
インチキ占い師!? 一体どこから……!?
今は{var:player_nickname}を守って。
キュルルゥ、言われなくても!
黒い影の攻撃は、単に逃げるためのものだったらしい。 それ以上戦おうとはせず、霧となって壁をすり抜けていった。
同時に、黒い影から解放されたいさチュンが、 糸の切れた操り人形のように、空中からまっ逆さまに落ちてきた。
いさチュン!
ゆずはさっと駆け寄り、その体を受け止めた。
いさチュン……! どうしよう、いさチュンの生命力が消えていくのだ!!
……取り憑いていた存在は、逃げる時に、命のつながりを無理やり引き裂いた。 それで、魂が深く傷つけられたのよ。
今この子を救えるのは、生命系の魔法に秀でた魔女が使う治療魔術だけ……。
生命系……! ゆずがそうなのだ! なら、今すぐに……!
待ちなさい、ゆず。
魂の治療魔術は、術者が傷ついた魂の痛みを分かち合うものよ。 半端な意志や魔力しか持たない者が行えば、耐えられず、反動を受ける。 そうなると、魔力の源が傷つくわ。それだけじゃない……。
魔力が枯れ果て、二度と魔法が使えなくなるわ。
なっ!?
ゆず、 そのリスクを冒す価値があるのか、よく考えて。
キュル……。
ゆずは、指にわずかに力を込めて、 手のひらの上で弱りきっているいさチュンをじっと見つめた。
いさチュンは、ゆずの正義の仲間なのだ。 でもそれ以前に、ごく普通の、気のいい、小さなスズメなのだ。
こんなことに巻き込まれ、悪党に利用されるなど、 あってはならないことなのだ……!
師匠! ゆずは、この子を救いたいのだ!!
……。
レイアさんはそれ以上何も言わなかった。 そのまま一歩下がり、ゆずが魔法を使うための場所を空けた。
ゆずは一つ深呼吸をすると、いさチュンをそっと地面に横たえ、杖を掲げた。
『自然の精霊よ、我が意志をもって願う、この子に加護を与えたまえ! 目覚めよ、いさチュン!』
淡い緑色の魔法の光が杖から流れ出し、いさチュンへと注がれていく。 しかし、いさチュンは何の反応も見せない。
これでは足りないのか……? なら、もう一度!
『自然の精霊よ、全身全霊の意志をもって願う、この子に加護を与えたまえ! 目覚めよ、いさチュン!!』
さらに眩い光がいさチュンを包んだ。 するとまもなく、いさチュンの体から暗いモヤのようなものが噴き出し、 ゆずに激しくぶつかった。
ぐっ!
キュル……! へ、平気なのだ……!
もう一度……! たとえ、どんな代償を払っても……!
ゆずは、すべてを懸ける覚悟ができている目をしていた。
ゆず、待って!
一人で無理しないで。 今朝のように、手を繋いでみない? あの時も魔力が強くなったんだよね?
……なのだ。
………だめなのだ。 どうして、おまえと手を繋ぐと魔力が強まるのか、よくわからない。 それに、前の魔法とは、複雑さがまるで違うのだ。 万が一おまえを傷つけたら……。
{var:player_nickname}……!
さあ始めて、一緒に頑張ろう。
……おまえはどうしていつも、後先も考えず……!
あの時も、ゆずが手を出せと言っただけで、 何の警戒もなくゆずを信じた……!
……まったく、おまえのようなやつは、 これまで見たことがないのだ!
……おまえに言えなかったことがあるのだ。
おまえの気配は特別なのだ。 おまえがいるととても安心するのは、レッパンズだけじゃないのだ。
……始めるぞ!
『自然と生命の神よ、我と仲間の意志をもって願わん、 再び新たな生の力を授けたまえ! いざ目覚めよ! 勇敢で心優しき正義の仲間よ!』
キュルルゥ……!
……!
……チュン?
め、目を覚ましたぞ!!! {var:player_nickname}、おまえはどうなんだ! 大丈夫なのか!?
特に何も……平気だよ。
キュルルゥ、良かったのだ!
うん、良かった。
……落ち着いたなら、私はこれで。 運命を乱す者は、私が仕留めてあげるわ。
ゆず、ごめんなさいね。 あなたや大切な仲間の子まで巻き込むつもりはなかったの。 でも安心して、一飜市の動物たちはもう安全よ。
師匠! あの黒い影はいったい何なのだ! 一体何が起きているのだ! ゆずにも教えてくれ!
一飜市の危機は、ひとまず終息した。 この先にどんな敵が待ち受けているのかわからない。 しかし正義の魔女は立ち向かうと決めたようだ。ならば、仲間である私だって。
……ふふ、どうやら今回は、 今までのやり方は通用しないようね。
あなたたちの「正義」で、この混迷を極めている謎を解けるか…… 見せてもらいましょうか。
当然なのだ。
正義の魔女は、孤独がつきもの、なのだ。
ここは任せたぞ。
わかった。こっちは心配しないで。
キュル……。
心配そうにゆずを見送ったレッパンズとともに、長い時間をかけ、 落ち着かない動物たち全員を落ち着かせた。
次第に日が暮れていく。 いくら待ってもゆずは戻らず、電話もつながらないままだった。
知らない番号だ……。 もしもし?
こんにちは。 あなたが、{var:player_nickname}さんかしら?
はい……。どちら様ですか?
ゆずの師匠のレイアよ。 あの子、今ここにいるのだけれど……ちょっと厄介なことになってね。
住所を送るから、来てもらえるかしら?
ゆずは無事なんですか?!
……無事、と言っていいと思うわ。 ただ眠っているだけ。
えっ?!
……お邪魔します。
ふふ、来たのね。どうぞ入って。
レイアは優雅に座っている。
傍にあるソファを見れば、ゆずが柔らかな毛布にくるまり、 体を丸めてすやすやと眠っていた。その脇に杖が転がっている。
これは一体……?
この子、ここを突き止めたところで、 魔力を使い果たしたの。
何か誤解をしていたみたいだけれど……。見習い魔女だもの、 経験が足りないのも仕方ないわ。ここまで来られただけでも立派よ。 もちろん、君の支えがあってこそだけれど。
魔力を使い果たした……?
部屋に残った戦いの痕跡を見る限り、 ゆずが魔力を使い果たしたの理由は、そう単純なものではなさそうだった。
それで、動物たちが暴れていた件は?
別の人が解決してくれるから、心配いらないわ。 ここから先は、見習い魔女が気にするような領域でもないし。
……何か言いたげね。いずれ真相は明らかになるわよ。 君とは、今後も長く付き合っていくことになりそうだわ。 私のことは、少しずつ知ってくれればいいから。
とりあえず、今日のところはお疲れさま。 最後にこの子を送っていってもらえるかしら? ここ、泊めてあげられる場所がないの。
キュルルルー!!! なぜこうなるのだー!!!
魔力を使い果たし、深く眠り込んだゆずは、 そのまま翌日の朝まで眠っていた。
ただし、疲れがひどかったせいか、 今日もゆずは遅刻することになってしまった……。
正義の魔女の掟:相手の正義もまた正義!
絆LV5で開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 1, Scenes 280, Choices 16, Endings 2
……ある日、悪霊は偶然宝を手に入れ、世界に呪いをかけた。 『呪いに侵された雨』に触れた生命は、次第に命の輝きを失っていった……
しかーし! 正義の魔女(ジャスティスウィッチ)と三匹の仲間が、 悪霊を間一髪で食い止めたのだ!
悪霊は、尻尾を巻いて敗走中。 我ら、正義部隊(ジャスティスフォース)の任務は……。
悪霊を捕らえ、一飜市の絶対なる平和を守ること、なのだ!
おかしをくれなきゃ、いたずらするぞ~!
キュルッ!
あはは、こうすれば、悪霊をつかまえられるんだよね~。
キュ、キュルルゥ! もちろんだぞ!
おまえの笑顔こそ、最強の魔法なのだ。ほら、お菓子だぞ!
みやびちゃーん!
あ、ママがおむかえに来た!
よかったな。今度はお母さんから離れるなよ。 もう迷子になるんじゃないぞ。
魔女のおねえちゃん、正義の魔女のおはなしをしてくれてありがとう! お礼に、いいものあげる! ちょっとまってて!
え? ゆ、ゆずに? そんなのいいのだ……。 って、そんなに走るな! 転ぶんじゃないぞー!
フンス! 特別任務中であろうと、ゆずにとって、目の前の事件に大小の区別はないのだ。 すべて、等しく、正義の裁きを受けてもらうのだ!
それにしても、運命しか信じないあのインチキ占い師、本当にあてになるのか? 悪霊はここにいるって言い張ってるが、もう園内中を探し回ってるのだ……。
う~、魔女のおねえちゃん……!
キュル!? どうした!
このカボチャのランタン、あげようと思ったの。 でも急に光らなくなっちゃって…… ママが、びょうきになったんだよって……。
そうか、それでも構わないのだ。 く、暗いのも、ハ、ハロウィンらしくていいじゃないか……。
……待て。{var:player_nickname}、 このカボチャのランタンから悪霊の気配がするぞ!
このランタン、いつから光らなくなったか覚えていますか?
ええと……ついさっき、お化け屋敷の前を通ったあたりからかしら……。 お二人とも、うちの子の面倒を見てくださって、 本当になんてお礼を言えばいいか……!
キュルルゥ、このカボチャのランタンは何よりの贈り物なのだ! ありがとう、みやび。正義の魔女の大きな助けになったぞ!
{var:player_nickname}、目標はお化け屋敷なのだ! 正義部隊、出動だ!
……つまんな……このお化け屋敷、全然怖くない。
ほんとだよ。ハロウィンだし、なんか特別な演出とかあるんだとばかり……。
そんな……! 仕掛けを一新してるのに……。
普通の人でもそう言うくらいなのだ、 正義の魔女にとっては、子供だましも良いとこだぞ。
ほら見ろ、少しも怖くな……。
スーーーッ
キュルルルゥー!! クモは反則なのだ!! 撤退、撤退なのだ~~~!!!!
そんなに怖かった? まあ、大きかったし、びっくりはしたけど……
こ、怖がってなんかないぞ! た、ただ、大きい声を出すことで、{var:player_nickname}に 注意を呼び掛けようとしただけなのだ……!
……待つのだ、あれほど大きなクモが落ちてきたのに、 他の奴はどうして無反応なのだ?
そういえば……前の人たち、足も止めなかったね。 まったく気にしてないみたいに……。
おかしい。どう考えてもおかしいぞ。
クンクン…… やっぱり、悪霊の気配がするのだ……!
……そうだ! 恐怖、焦り、気だるい気持ち…… ダメージを負った悪霊は、人の負の感情を食らって力を取り戻す。 魔導書に書いてあったのだ。
悪霊が恐怖心を食べたから、 みんな、このお化け屋敷がつまらないと感じるのだ!
キュルッ! ハロウィンを台無しにするなんて、 正義の裁きを受けてもらうぞ!
ゆずは正義の魔女だからな! この程度の悪霊の気配など、効かないのだ!
……。
キュルルゥ、卑怯だぞ、{var:player_nickname}! 姑息な誘導なのだ!
いや、今はそんなことを気にしている場合ではないのだ!
『夜の精霊の祝福よ、奪われし驚きの感情を取り戻させたまえ!』
ゆずの杖から柔らかな光があふれ、お化け屋敷全体を照らした。
……
うわああああー!!!!
あれ? 悲鳴だ……! やっぱうちのお化け屋敷、頑張ればやれるじゃないか!
キュルル~、このくらい朝飯前なのだ。 ……む! 悪霊の気配がグルメストリートへ逃げたぞ! {var:player_nickname}、追うのだ!
気配が濃くなってきた……こっちだ!
グルメストリートは人でごった返しているが、賑やかな感じがしない。 むしろ、不自然なほど静かだ。
一時間も並んでるのに、まだ買えない。 頭がぼーっとして、足もふわふわ……。 さすがハロウィン、私自身も幽霊みたいになっちゃうのか~。
すっかり焦げてる……。 でも……もぐもぐ……歯応えがあっていい。
今日の綿あめ、全然甘くない……。 配合を間違えたんじゃ……。まあ、別に売れなくてもいいか。
な、なんだこりゃ……
キュルルゥ、{var:player_nickname}もおかしいと気づいたようだな!
キュルルゥ、{var:player_nickname}も危うい気配に気づいたようだな!
あいつを見ろ。炭みたいに真っ黒な焼き芋なのに、 まずいとも感じてないのだ。お腹を壊したらどうするのだ?
あの綿あめ屋もだ! 配合を間違えても気にしてないのだ! このままでは店が潰れてしまうぞ!
キュルルゥ……怒りや悲しみ、不満といった負の感情も、大切なエネルギーなのだ。 それらの感情は、時に「悪者がいる!」「ここには正義の裁きが必要だ!」 ということを知らせる合図だからな。
しかし! 悪霊がそれを根こそぎ奪っている! このままではグルメストリートが崩壊してしまう…… でも、ここにはゆずたちがいる!
『生命の甘露よ、眠れる感情を呼び覚ましたまえ!』
……はっ! えっ、なにこの長蛇の列!? っていうか立ちっぱなしで足がしびれた……! くそう、こうなったら今日絶対食べてやるんだから!
ダメだ! せっかくのハロウィンなのに、配合ミスしたままでいるなんて! 今すぐやり直そう!
ぺっ、ぺっ! やっぱこれ、炭じゃん! 大将、もっと焼き方の修行頼むよ!
……よかった。みんな、元に戻ったね。
キュルルゥ! お祭りは、賑やかでなくてはな!
ん? 悪霊の気配が……。
あっちへ逃げたぞ! パレードの方なのだ!
この辺りのはずだが……。 急に気配が消えたぞ?
どうしよう……。 パレードのお化けが……。
ついに尻尾を出したな! 悪霊め! 覚悟するのだ!
あ、いやそうではなく。 フロートでお化けを演じるスタッフが足りなくなっちゃって。 代役を探しているのですが……。
そっちのお化けか……。
子供たちに魔法のようなひと時をお届けしたくて……。 この際特殊なスキルは必要ありません、お二人、いかがでしょうか?
う……正義の魔女の掟に、 「すべての依頼を引き受けねばならない」とは書いてない。 ゆずは断ったっていいのだ……。
そんな~、 かわいいお化けを楽しみにしている子が、たくさんいるんですよ~~……!
落とし物捜しとか、荷物運びなら、ゆずにもできるが……。
か、かわいい、演技など……ゆずにはまるで無理なことなのだ!
そ、そうか……ふ、ふん……。 わかった。その依頼、特別に引き受けてやるぞ!
キ、キュル~~……正義の魔女の威厳が台無しなのだ……。 特にあのインチキ占い師には、絶対に見られたくないぞ……。
子供たち、すっかり笑顔で見てるね。
……。
(背筋を伸ばす)
……わかった、わかった! 正義のお化け(ジャスティスゴースト)・ゆず、し、出動なのだ!
ゆずはフロートの上から、積極的に子供たちへお菓子をまいていた。 その間も警戒を怠らず、悪霊の気配を探して辺りを見回している。
しかし、フロートが終点に着くまで、悪霊の姿は見られなかった。 見られたのは、子供たちの無邪気な笑顔と歓声だけ。 手がかりは、そこで途絶えてしまった。
メリーゴーラウンドにジェットコースター……。 お化け屋敷、グルメストリート……。 それにパレードまで……。
今日も、たくさんの人を助けられたね。
正義の魔女として当然のことをしたまでなのだ。 ただ……。
これだけ遊園地を走り回ったのに! 悪霊の影すら見つけられないのだ!
まさか、本当に、 あのインチキ占い師の予言の通りになったとでもいうのか?
ゆず……。 昼間にカーヴィさんが言っていたことが、そんなに気になる?
占いで悪霊が現れると出たのは、ここだろう? 手分けして捜すのだ!
その必要はないわ。 運命の糸は、とうに織り上げられているもの。 真夜中になれば、逃亡した罪人は自ら檻へと足を踏み入れるわ。
キュル? ここで夜中まで待てと言うのか? その間に悪霊が来園客を傷つけたらどうするのだ?
タロットに間違いはない。 そんなことは起こらないわ。
あのインチキ占い師のやり方には納得できない…… だから、いつもこうして自分で動くと決めているのだ。
もし、本当に何も見つからなかったら……。
そう落ち込まないで。 悪霊が、実際に負の感情を食べて生き延びていることもわかったんだし、 追跡を続ければ、きっともっと手がかりが見つかるよ。
そうだな……となると、後はどこへ負の感情を探しに行けばいいのだ?
今夜はハロウィンだ。 配合を間違えた綿あめ屋や、陰気なお化け屋敷はともかく…… ほとんどの人は楽しんでいそうじゃないか?
さっきはパレードの方へ来ていたな。 遊園地の中でも一番楽しい場所で、「餌」なんてなさそうなのに、なぜ……
作る……キュルルゥ、確かにここは人が一番集まる場所だ。 何か起きれば、恐怖はいくらでも生まれる……!
まずい、もうすぐパレードの復路公演が始まるのだ。 今がいちばん観客の多い時間なのだ! 急ぐぞ、{var:player_nickname}!
うわあっ、一体何が…… ……フロートが暴走してる!?
さあ……恐れろ……叫べ……おまえたちの負の感情が、私の糧となる!
……悪霊なのだ! 運転手を操っているぞ!
復路公演中のフロートが、制御を失ったように、人混みへ突っ込んでいく。
キュルルゥ! みんな、離れるのだ!! 『風の精霊よ、迷える者に正気を取り戻させたまえ!』
はっ! ……私は一体何を!?
今にも闇に紛れそうな漆黒の影が、 人々の頭上の旗やランタンの間を、素早く飛び移っている。
{var:player_nickname}、追うぞ!!
あっちへ行ったぞ!
……あれって、カーヴィさんの占いの屋台じゃない?
お待ちになって。そこの、お急ぎのお客様。
あんなに多くの客が並んでいたのに、帰ってしまうなんて。 せっかくの運命の計らいが台無しですよ?
一度、無料で占ってあげましょう。 ……「タワー」の逆位置。 ふふっ、あなた、今夜は血を見ることになりそうですね。
!! インチキ占い師! そいつに気をつけるのだ!
ああ、問題ないわ。私は彼女を待っていたんだもの。 『ソードの8、束縛!』
星のような輝きを放つ幻影の長剣が八本、宙に現れた。 剣で作られた陣形が黒い影を強引に引きずり出し、 カーヴィさんの水晶玉へと押し込めた。
や、やったのか!?
ブゥン! ブン……ブン……
黒い影が水晶玉の中でもがき続けている。
おい、その水晶玉は丈夫なのか? なんとなく不安定に見えるが……?
ドォン!
え……? こ、ここは……?
うう……寒い……帰りたい……。
押すなよ! ケンカ売ってんのか!
来園客たちが、にわかに怯えやいら立ちの声を上げ始めた。 突然、何人かの目つきが変わった。何者かに操られているようだ。
あいつだ! あの占い師の仕業だ! あいつは邪悪な占い師なんだ!
みんな、あいつを捕まえろ!
待つのだ! 『古木の年輪よ! 結界を張り、我らにひとときの猶予を与えたまえ!』
負の感情は悪霊の餌なのだ! ここは悪霊が負の力で作り出した、幻の空間なのだ!!
ああ……そういうこと。
幻の広がりは、ひとまず食い止めたわ。 今、あなたの魔力で核となっている水晶玉を砕けば、悪霊を消し去れる。
さあ、やって。
それはダメだ! そうすれば、おまえも傷つくのだ! このバカ占い師、おまえの魔力は水晶玉につながっている…… おまえだってそれはわかってるはずなのだ! 別の方法を考えるのだ!
……無駄なあがきはやめなさい。 これが、運命が示した、最も効率のいい解決法よ。
キュルルゥ、またそれか…… ゆずの正義の魔女の掟に、「運命」などという言葉はないぞ!
……今日、遊園地中を駆け回って、結局ここへ戻ってきたでしょう? あなたの掟も、運命の手のひらに刻まれている……。
……それがどうしたのだ。ゆずの正義を貫けるのなら、 その運命とやらも、ゆずのために働く正義の魔法にすぎないのだ。
ゆずは今日、遊園地中の正義を守った。 インチキ占い師のおまえも、ゆずが守るべき者の一人なのだ。
正義を必要とする者は、一人たりとも見捨てたりしないのだ!!
……
……ふふ。私まで、正義の中に含めるなんて。
どれだけ外で修行を積んでも、笑っちゃうほどお人よしで、 どうしようもなく頑固な「ミニ毛玉ちゃん」であることは変わらないのね。
キュルルゥ、ゆずはもう十八だぞ! その呼び方はやめるのだ! それに、誰がお人よしなのだー!
それにおまえ、 元々は水晶玉ごと悪霊を打ち砕くつもりではなかったのだろう? 水晶玉で抑えた後、浄化する方法があるはず……どうなのだ!
……。
……ええ。確かに浄化の魔法はあるわ。
でも今、この空間にいる全員の負の感情が、絶えず悪霊の餌になっている。 いくら抑えても、それを食べて、何度でも回復してしまうでしょうね。
このままでは、いずれ私の魔力が尽きる。 そうなると、事態はもっと厄介になるわよ。
キュルルゥ、ジリ貧というわけか……。
キュル! そうか! みんなの恐怖心を無くして、楽しくさせればいいのだ! そうすれば、悪霊も回復できないのだ!
……でも、どうすれば、みんなを楽しい気分にできるのだ?
ゆずが使えるのは、戦いや浄化のための魔法だけなのだ……。 「楽しくなる魔法」なんて、聞いたこともないぞ。
{var:player_nickname}、またいい考えが浮かんだのか!?
さっき、ゆずがお化けを演じていた時も、みんな楽しんでいたよ。
実際に危険な状況なんじゃなくて、 「特別公演」なんだって思ってもらえたらどうかな?
……そうか、演出だと思えば、怖くなくなるかもしれないな! やってみるか……インチキ占い師ー!!
聞こえているわ。私は全力で悪霊を浄化する。 押し切れるかどうかは、あなたたち次第よ。
ふん……そこで見ているがいいのだ!
みんな、よく来たのだ! ハロウィンのサプライズ、 正義の魔女(ジャスティスウィッチ)VS悪の魔女(ダーティウィッチ)、 特別公演の始まりだぞ!
……えっ? これ、ショーなの?
よく聞くのだ! 我は正義の魔女! 正義の神の招きに応じ、ここに降り立った! 今宵の光景はすべて、千年もの間逃げ惑う魂を捕らえるための、 壮大なる劇なのだ!
……。
あ~……また、ありきたりなお化け退治の話か……。
何だよ、普通に遊びたいだけなのに。外に出してくれよ!
演出は本物みたいですごいけど、セリフが堅苦しすぎるよ!
な、なぜ反応が悪いのだ……?
ピシッー
つまんない! 迷惑! 詐欺だ!
さらに強い負の力が、会場全体を襲った。 人混みから黒い怨念の糸が無数に立ち上り、幾本もの矢が形作られた。 矢がカーヴィの水晶玉へ飛んでいく。
まずい! みんなの感情が利用されている!
キュル~、こうなったら……出でよ! 我が愛しき使い魔たちよ!
キュルルゥー!
レッパンズがゆずの召喚に答えて、現れると同時に怨念の矢をすべて弾き出した。
わあ! レッサーパンダだ! かわいい~!
レッパンズのおかげで、その場に渦巻いていた負の感情が一気に和らいだ。
ふふん、かわいいは正義なのだ!
ピシピシッー!
かわいいのが何の役に立つんだ! ここから出せ! あんたも邪悪な占い師の仲間だな! みんなを閉じ込める気なんだ! 正義の魔女? あんたこそ悪の魔女だろ!
ゆ、ゆずは悪の魔女ではないのだ!! {var:player_nickname}、どうすればいいのだ!
魔女の話じゃなくて、自分たちの話をしてみない?
ゆずたちの……?
悪霊による攻撃の波が、すぐそこまで迫っていた。
危ない!
うっ……!
数歩よろめいて、ゆずの足元にどさりと倒れ込んだ。
!!
……{var:player_nickname}!!
ゆずは片膝をついて、倒れた私を抱きかかえた。 その目は、みるみるうちに深紅に染まった。
観客たちは突然の出来事にくぎ付けになり、場は一瞬にして静まり返った。 私はゆずに小声で話しかけた。
……! 心臓が止まるかと思ったぞ!
ど、どう演じればいいのだ! 何を言えばいい!?
……
ば、バカもの! 誰がゆずの前に立てと言った! ゆず一人でも、何とかできたのに……。
大丈夫だよ。私たち、仲間でしょ?
な、仲間……。
ゆずはずっと、正義の魔女に人間の仲間はいらないと思ってた……。
でも、おまえが現れてから…… おまえが近くにいるのも……それほど、面倒ではないと…… 思うようになったのだ……。
そうだ、これだけのことがあったのに、 まだ、ちゃんとお礼も言っていなかったのだ。
ゆずのそばにいてくれて、ありがとう。 {var:player_nickname}。
それなら、私はゆずの仲間だって思っていい?
……そ、そんなこと、わざわざ聞くな! 心の中でわかっていれば、それでいいのだ!
……ぷっ! あははっ!
ゆずが顔を赤くして地団駄を踏む姿に、誰かが吹き出した。 それをきっかけに、人々の間に温かな笑い声が広がっていった。
ゆず、今だよ!
うむ!
ゆずに支えられ、立ち上がるのもやっとといった風に立ち上がった。 ゆずは観客に向かって、大声で宣言した。
我が仲間が、邪悪な呪いを受けてしまった! 救うには、みんなの力が必要なのだ!
どうすればいいの!?
ハロウィンの掟、お菓子をくれなきゃいたずらするぞ、なのだ! 今、我が仲間にいたずらをしようとする「邪悪な魔女」がいる。 そう、あいつなのだ!
……?
(小声)合わせろ!
……
……ヒーッヒッヒッヒ! 私こそ、伝説の災いをもたらす悪の魔女。 諦めなさい。あなたの仲間は、永遠に悪夢に沈むのよ……。
そうはさせないのだ!
みんな! 今日、一番楽しかったことを思い浮かべるのだ。 その楽しさをお菓子にして、一緒に「悪の魔女」を追い払うぞ!
おーっ!
はーい! 今日、フロートのおばけからおかしをもらったこと!
ぼくは! 世界でいちばん甘いわたあめを食べたこと!
私は、迷子になった娘が見つかったこと……。 あの魔女さんが、みやびちゃんの面倒を見てくれたんです! ありがとう!
うちのお化け屋敷もです! この魔女さんが、活気を取り戻してくれたんですよ!
来園客の気持ちが、一気に盛り上がった。 ゆずに助けられた人々が、次々に自分の体験を語り始める。 それらの言葉は金色の光となって立ち昇り、 きらめく星の川のように集まって、ゆずへと押し寄せた。
キュルルゥ、これこそ正義の力なのだ!
上出来よ。こちらも、もうすぐ終わる……。
……。 『カップの1、悪霊を浄化する運命の儀』!
カーヴィが柔らかな魔力を水晶玉へ注ぎ、 ゆずが集まった楽しさのエネルギーを導く。 二つの力が交わり、悪霊を水晶玉から追い出した。 悪霊はすぐさま逃げようとしたが……。
逃がさないぞ! 『生命の光よ、あらゆる闇を払いたまえ!』
おのれ……! こんなところで終わるものか……! ぐああー!!
わあ~! すごーい!
もう終わり? もっと見たかったな……。
今日来てよかったー! あれ? 正義の魔女ちゃんとお仲間さんは?
謎の占い師もいなくなってる……。 これも演出なのかな……。
こうして、一飜市の空を覆っていた暗雲は、 正義の魔女とその仲間の活躍によって再び晴らされた。
この先、新たな冒険が待ち受けているかもしれない。 でも今は、この喜びを分かち合おう。
キュルキュルー! 正義の大勝利なのだー!
ゆずが追い続けたおかげで、 たくさんの人を助けられたし、意味はあったと思うよ。
でも、カーヴィさんは「真夜中に中央広場へ悪霊が現れる」って言っていたし、 その時間も近いよね。行ってみない? 悪霊を捕まえるのが、最も大事な任務なんだし。
キュルルゥ……もう行くか……。わかったのだ。 他の場所にも手がかりはなさそうだし、戻ってみるのだ。
パレードの終点を離れ、中央広場へと引き返した。
そこを離れて間もなく、近くからつんざくような悲鳴と、 大きな乗り物が暴走しているらしい大きな音が響いた!
パレードの方なのだ!
息を切らして駆けつけると、フロートが道端で傾きながら停まっていた。 周囲の来園客は怯えている。悪霊の姿はないが、 恐怖の心をたらふく食らったのだろう、さらに強烈な気配が漂っていた。
キュルッ、しまったのだ! 気配の先は……中央広場! 今度はカーヴィの所へ向かっているのだ!
キャー! あの邪悪な占い師、怖い!
さっき、ここが墓地とか不気味な森になったのも、 あいつの仕業か……!?
広場の片隅でカーヴィを見つけた。 少し消耗している様子で、持っている水晶玉はひびだらけだった。
……キュル、何があったのだ!?
何でもないわ。亡霊は回収した。 運命の兆しに、今回も間違いはなかった……。
……何が運命の兆しなのだ! それにおまえ、邪悪な占い師だと思われているぞ!
ニュースです。昨夜、一飜遊園地のハロウィンイベントで、 邪悪なエネルギーらしきものが暴走するという事件がありました。 関与したとみられる占い師は、すでに現場から逃走していて、 詳しい状況は、引き続き調査中です。
キ、キュルルゥー!
総員、注目! 今回の目標は、カーヴィの名誉を取り戻すことなのだ! あいつはインチキ占い師だが、邪悪な占い師ではないのだ!!
こうして、新たな正義部隊の活動が始まった。 悪霊を捕まえるより、ずっと大変な活動になりそうな気がするなあ……。
正義の魔女の掟:正義の心は必ず勝つ!
契約を結ぶことで開放
Possible Endings
Scenario Script
Spots 1, Scenes 379, Choices 22, Endings 2
そうなのだ! 悪霊も捕まえて、 見習いとして立派に務めを果たしたからな。 師匠に独り立ちの試練を申し込んだのだ!
{var:player_nickname}、 ゆずが小さい時に暮らしていた森へ行くぞ。 伝説のしぇいぶ……せ、聖物を探すのだ! うう……噛んでないんだからな……!
キュルルゥ、要するにだな、今回の試練には、 正義の仲間を一人、ちゅけ……助っ人として連れていけるのだ! {var:player_nickname}はゆずが一番頼りにしている仲間なのだ。 来てくれにゃ、ないと困るのだ……
ゆずは後ろめたいことがあると、すぐに噛み噛みになってしまう。 今回も何か隠しているみたいだな……
キュルッ! よかったのだ! では、さっそく出発するぞ!
……この森には、古来より生命の魔力が宿っているのだ。 ゆずは子どもの頃からここで暮らしていたからな。 庭のようなものなのだ。
しかしだな、今回のターゲット、 『不滅の水銀灯(イモータル・マーキュリー・ランプ)』は森の奥の秘境にある。 たどり着くまでが一苦労なのだ。 {var:player_nickname}、迷子にならないよう、ゆずの手を離すんじゃないぞ。いいな?
うん、案内は頼んだよ。
止まれ! 森のパトロール隊だ! 勝手に森に足を踏み入れる者は誰だ!
ピィピィ……緑の髪の魔女だ! 言い伝えのとおりだ!
……ココ! ムクミ! まさかおまえたちに会えるとはな!
……ぼくたちを知っているのか?
キュルッ、小さい頃、いつも一緒に遊んでいたではないか! その魔法の葉っぱも、ゆずがあげたものなのだ。 身に着ければ人間の言葉が話せて、密猟者も追い払える…… ゆずのこと、忘れてしまったのか?
……! コンコンッ……ゆずじゃないか! 帰ってきたんだね! さ、さっきは隣の人間の匂いでわからなかったんだよ!
チィ、うるさいな……。 誰だ……?
チューコ! おまえもいたのか!
と、当然だ! ぼくらは森のパトロール隊だからね! 毎日欠かさず、この森を守ってるんだ……コン!
……そうそう! 正義の魔女、ゆずの帰りをずーっと待ってたんだよ!
気のせいだろうか。 今、三匹がこっそり目配せをしたような……。
よかったのだ! {var:player_nickname}、パトロール隊のみんなもいてくれる。 これなら試練もきっとうまくいくぞ!
さあ、行くぞ! みんなで出発なのだ!
ゆずの足取りが軽くなり、表情もぐっと明るいものになった。
それでいて、繋いだ手を緩めることはなかった。 少しでも離れたら、私が迷子になるとでも思っているように。
木々の迷路。夜霧に閉ざされる森。クモの一家の罠……
任せて任せて~! 空から見れば、迷路の出口なんてすぐにわかるよ!
チィチィ……。 木の実を置いて、道しるべを作る……。
陽動作戦だコン! ゆず、クモの一家はぼくが引きつける。その間にあっちへ!
……{var:player_nickname}! ……起きて……。 ……早く起きるのだ!!
う~ん……。今、何時……? ぐっすり眠っちゃった。ごめんね、心配かけて。
ふぅ……やっと起きたか。 いや、ゆずの方こそ、今まで先を急ぎすぎていたのだ。
でも、目指す秘境まであと少しなのだ。 今日はできるだけ、ゆずと手を繋いでいるのだ。 そうすれば、疲れ知らずで歩けるからな!
キュルルゥ……礼には及ばないぞ。
キ、キュルルゥ…… {var:player_nickname}が、正義の魔女にそれだけ認められている証なのだ!
キュルッ!? {var:player_nickname}に隠し事なんてするはずないのだ! 悪い冗談はやめてくれ……
ゆずがぎゅっと手を握ってくる。その手のひらは温かかった。
その日たどり着いたのは、幻想的な湖のほとりだった。
水面に淡い光の粒が無数に浮かぶ様は、一面の星空のようだった。 岸辺に、古びた石碑が立っている。 石碑には、見慣れない文字で短い文章が刻まれていた。
キュル……魔女が残した文字だな。なになに…… 「ここは『忘却の湖』。心の通じ合う仲間だけが『思い出の橋』を架けられる。 その向こう岸に、魔女の秘境への入口がある」……。
キュルルゥ、石碑の言葉によれば、 一緒に湖を覗き込む必要があるな。 二人の真心からの想いが刻まれた思い出があれば、橋が姿を現すらしいぞ。
{var:player_nickname}、……試してみるか?
二人で岸辺に立ち、湖をのぞき込んだ。
水面に二人の姿が映った。 やがて、これまで重ねてきた思い出が、星のように次々と浮かび上がってきた。
出会ってから、少しずつ縮まった距離。 朝葉高校で初めて力を合わせた日、マンダラでいさチュンを救った午後。 ハロウィンの即興舞台から、この森に至るまでの旅。 いつの間にか、ゆずとの思い出はこんなに増えていたのだな……。
コンッ! 湖を見て! 橋が出てきたぞ!
星明かりを集めたような、透き通った橋が現れた。 足元から湖の真ん中へとゆっくりと伸びていく。
思い出はまだ続く――
キュルルゥ……ゆずは魔女だから、 周りに人がいるのに慣れていないのだ…… で、でも、おまえだけは、特別にいてもいいぞ……
ば、ばかもの! 勝手にゆずをかばうんじゃない! ゆず一人でも、なんとかなったのに……
ピィ!! ……ゆ、ゆず、こんなこと言ったか……!?
あのとき、泣いてたよね~。
き、きっと人違いなのだっ!!
キュルゥ……これはもういいのだ! 別の思い出を見るぞ!
キュル? し、仕方のないやつだな……いいぞ。
ココ! ムクミ! チューコ! こっちへ来るのだ! 次は、ゆずたち「森のパトロール隊」の番だぞ! みんなの思い出なら、きっと向こう岸まで橋を架けられるのだ!
ぼ、ぼくたちが? えーと……
ほら、来るのだ! せっかく久しぶりに集まったのだからな、 みんなでもう一度思い出してみるのだ!
ゆずはためらう三匹をぐいぐいと岸辺へ連れていった。 それから手を伸ばし、そっと水面に触れる。
……みんなで丘へ朝日を見に行った日なのだ!
水面に映った幼いゆずが、三匹の動物たちと追いかけっこ遊びをしている。
見てみろ! あの頃のココ、ゆずより足が遅かったよな!
あ……うん……そ、そうだっけ……
ゆずが楽しそうに話すたび、星の橋は先へ先へと伸びていく。 もうすぐ、向こう岸まで届きそうだ。
も、もういいんじゃないかな! 橋は架かったみたいだし! 早く行こう、ゆず! {var:player_nickname}も、その、疲れてるみたいだし!
キュル……そうだな、先を急がねば! では、橋を渡るぞ!
一行は、星明かりの輝く思い出の橋を渡り始めた。 見とれるほどの美しさだ。 しかし、足元は、どこか頼りなく揺れていた。
向こう岸まであとわずかといったところで、突然橋が大きく揺れた。 足元の光が、今にも消えそうな灯火のように揺らいでいる。
キュルルゥ、思い出の力が足りないようだな! ココ、もっとしっかり思い出すのだ! あの日食べた木の実はとてもおいしかったよな? かけっこの後には、あそこにも行った……。
ど……どこだったっけ?
わ……わたしも思い出せないピィ!
チュ~……
なんだと!? そんなはずない! どれもみんなの大切な……
ゆずが言いかけたところで、 動物たちの足元で橋が砕け散ってしまった! 三匹が湖へ落ちていく……!
ゆずにつかまるのだ! 『森を守護する蔓』!
緑の蔓が瞬時に伸び、落ちていく三匹を絡め取った。 しかし、その重みにゆずも足が取られてしまう。 星明かりの浮かぶ湖へ、動物たちもろとも引きずり込まれていきそうだ……!
ゆずの手を掴んだ。 その途端、周りの動きがひどくゆっくりに感じられるようになった。
ムクドリが飛び上がり、シマリスはキツネの耳につかまった。 キツネもゆずの蔓をしっかりつかんでいたが、 もふもふの長いしっぽの先が、ちょん、と湖面に触れた。
波紋が広がったかと思うと、焦るみんなの姿がかき消された。 代わりに広がったのは、どこか懐かしく、しかし見知らぬ光景だった。
小さな荷物を背負ったゆずが、森の入口に立っている。 名残惜しそうに周りを取り囲む動物たちに手を振って、 ゆずは森を後にした。
キュルルゥ、森を出た日だな。必ず帰ると約束したのだ。 魔女の修行があんなに長くかかるものだとは思いもしなかったのだ……
待つのだ……これは?
ゆずが去った後、再び、一匹のキツネが現れた。
すっかり年老いた様子だったが、身のこなしはしなやかなものだった。 毎日、森の入口の丘に跳び上がっては、じっと、遠くを見つめていた。
ところがある日、丘に上れなくなった。 キツネは胸元の魔法の葉っぱをそっとくわえ、 若い子ギツネへと託した。
飛べなくなった老ムクドリは、若いムクドリに、 新鮮な木の実の採れる場所を教えた。 歩けなくなった老シマリスは、木の実を蓄えた穴の場所を、 一つずつ家族に伝えた……
最後に映ったのは、三つの小さな土の墓。 その前に、魔法の葉っぱを身につけた若い三匹がたたずんでいた。
これ……は……
魔法の蔓がふっと緩んだ。 次の瞬間、全員が水しぶきを上げて湖に落ちた。
必死に手を伸ばし、ゆずと三匹をどうにか岸へ引き上げた。 振り返ると、思い出の橋は、すっかり消え失せていた。
ずぶ濡れのゆずは、岸辺に座り込んだまま言葉を失っていた。 髪の先からしずくが落ちる。 そのしずくは、湖の水なのか、それとも涙か……。
三匹がおずおずと近寄ってきた。 うなだれたまま、ゆずの顔を見ることもできない。 キツネがそっと、その手の甲に頬を寄せた。
……ごめんね、ゆず。
だましたかったわけじゃないピィ……
じゃあ……ココたちは、とっくに…… おまえたちは……?
ぼくはコンタ。ココは、ぼくのお母さんだよ。
わたしはムク。ムクミは、ひいおばあちゃんだよ。
チューコは……チィの、ひいひいひいおばあちゃん……
どうして……どうしてゆずに教えてくれなかったのだ……
お母さんが言ってたんだ。 帰ってきたら、ゆずはきっと悲しむって……
安心して欲しかったんだピィ……
今のパトロール隊になった時に……みんなで約束したんでチィ……
ゆずは地面にうずくまり、激しく肩を震わせてた。
大粒の涙が、ぽろぽろとこぼれ落ちる。
そばに座り、何も言わずに背中をさすった。 取り返しのつかない時間を思うと、慰めの言葉など出てこなかった。 せめて、今はそばにいようと思った。
夜が訪れた。動物たちは身を寄せ合って眠っている。 ゆずはたき火のそばに三角座りをして、火をつついていた。
……ゆずは平気なのだ。 生き物との別れなら、この森でも何度も経験してきたのだ。 みんな、生きられる時間は違う。コンタたちも、命を全うして、 自然の精霊のもとへ帰っただけなのだ……
ゆずは、そんなに……よ、弱く……
……
……た、ただ、心の準備ができていなかっただけなのだ。 森を出た時には、みんな、あんなに元気だったから……
ゆずは、膝を抱く腕に少し力を込めた。
……キュル。
コンタたちの話を聞いて、思ったんだ。 コンタたちは、きっと幸せに暮らしたんだね。
……キュルル。ありがとうなのだ。
ゆずはちらりと顔を上げ、また目を伏せた。 その瞳には、たき火の炎が揺れている。
だけど……{var:player_nickname}。 おまえは、独りになるのが怖いか?
……この森で育ったゆずにとって、家族は動物たちだけだったのだ。 でも、みんなには同じ種族の仲間がいた。 本当の意味で独りだったのは、ゆずだけ……。
その後、師匠に出会ったのだ。 師匠は、「魔女とは一人で生きていくものだ」と言った。
それで初めて、あの気持ちに名前をつけられたのだ。 夜、みんながそれぞれのすみかに帰って、一人で眠る時の、 胸にぽっかり穴が開いたような気持ち。それは『孤独』だと、な。
魔女が孤独を背負うものなら、ゆずは「孤独な正義の魔女」になる。
ずっと、そう信じていたのだ。
今は、どう思ってる?
……森を出てからは、師匠がいて、あのインチキ占い師がいて。
一飜市に来てからは、学校の友達もできたのだ。
そして……{var:player_nickname}にも出会えた。
でも、今日コンタたちのことを知って、怖くなったのだ。 今そばにいるみんなも、いつか、一人ずついなくなると思うと、ゆずは……
魔女には孤独がつきものだ。正義もまたしかり。 で、でも、ゆずは……もう、誰にもいなくなってほしくないのだ。
……情けないと思うか?
ゆずは膝に顔を埋めた。 たき火が映す小さな影が震えている。
それは……
……キュル?
ゆずは、自分で選んだ道を、勇気を持って進んでいるよね。 ……ゆずのそういう所は、すごく尊いと思う。
自分の決めた道を進んでる時も、 同じ道を歩く仲間との時間を楽しんでもいいんだよ。 ゆずの思うようにしていいんだ。
ゆずは……一人でなくても、よいのか?
そうだよ。時間が経つにつれて、得るものも失うものもある。 でも、そうだとしても……
ゆずの体が、小さく震えた。 涙に曇っていた瞳に、少しずつ光が戻ってくる。
{var:player_nickname}が望むなら、 ゆずは、絶対、ずっと、{var:player_nickname}を傍に置いてやるのだ。
その時、再びあの抗いがたい眠気に襲われた。
{var:player_nickname}? また疲れたのか?
は、早く寝るのだ! しっかり休めば…… そう、明日には、秘境で聖物が手に入るはずなのだ! ゆずたちの勝利は目の前だぞ!
どこか焦りのにじむその声に促され、 意識はすぐに深い闇へと沈んでいった。
翌日、休息を取った私達は、 湖を挟んだ反対側にある目的地へと向かった。
魔法で封じられた洞窟が、眼前に口を開けていた。 奥から吹く冷たい風に、思わず身構える。
コンタ、ムク、チィ。見送りはここまでで良いのだ。 聖物を手に入れたら、すぐ戻るのだ。
二人とも、くれぐれも気をつけてね。
頑張ってね、魔女ゆず! きっとできるピィ!
チィ……木の実……忘れずに……
……うむ! ありがとう、おまえたち!
コンタ、ムク、チィの三匹は、 ゆずと{var:player_nickname}が 禁じられた地へ入っていくのを見送った。
ヒソヒソ……封印は危険。でも、ゆずはぼくらの家族だコン。
パトロール隊は……仲間を一人だって置いていかないピィ……
チィ……一緒に行く……
洞窟を抜けると、別世界が広がっていた。 中央に静かにたたずむのは、古い祭壇。 朽ちかけた石の台に、風化しかけたルーン文字が一面に刻まれている。
祭壇の中央に、柔らかな光の塊が浮かんでいる。 その光は、まるで呼吸しているかのように、ゆっくりと明滅していた。
……{var:player_nickname}、しっかりついてくるのだ。 ゆずのそばを離れるなよ。
来訪者たちよ。何を求める?
光が集まり、ぼんやりとした人の姿になった。 穏やかな声の奥に、隠しきれないほどの疲れが滲んでいた。
……ここの守護霊とか?
キュルルゥ、おそらくな。 ……邪悪な気配は感じない。少し話をしてみよう。
……はじめまして、我が名はゆず。生命の力を授かりし魔女なのだ。 伝説の『不滅の水銀灯』を探しに来たのだ!
……不滅の水銀灯。 幼き魔女よ、あれが何なのか、知っているのですか?
どんな呪いも浄化できる聖なる物と聞いてるのだ! それさえあれば……!
ふふ……私も、かつてはそう思っていました……けれど……
人影が静かに首を振ると、光の中に波紋が広がった。
『不滅の水銀灯』は、実体のある品ではありません。 どこかに置かれているものではないのです。
それは、魔女の『初心』をたたえてつけられた名。 幾多の試練を越え、大切なことを悟った瞬間に、 魂の奥から燃え上がる魔力の炎なのです。
魔女の初心が極めて純粋で、揺るぎない信念に基づくものになった時にだけ、 その炎は灯るのです。
なんだと……聖物では……ない……?
ゆずの声が、今にも消え入りそうなほどか細くなった。 立ち尽くしたまま、杖を握る手がだらりと下がる。
そんな…… あれだけ本を調べたのに……見つけさえすれば……
ゆず……?
な、何でもないぞ! ゆずはただ……
……では、どうすれば、その魔力の炎をともせるのだ?
必要なのは、何があっても揺らがない『初心からの願い』。 一生をかけても、その炎を灯せなかった魔女も大勢います。
あなたは、なぜそれを求めるのですか?
隣にいる方の……その身に宿る、厄介な呪いのためですか?
手のひらに焼けつくような痛みが走った。 祭壇が何かに反応したかのように、黒い霧が噴き出す。 霧は空中に広がり、中央の光へ勢いよく伸びていった。
{var:player_nickname}! 大丈夫か!
大丈夫。でも、あの人が……
……邪悪な魔女の亡霊が残した……最後の呪い。 祭壇の持つ力が目覚めさせてしまったようですね。
黒い霧が人影に絡みつき、柔らかな光をじわじわと染めていく。 人影は苦しそうに身を縮めた。
だ、大丈夫か!
よく聞いて……私が正気を保っていられるうちに……
昔は……私もあなたと同じ、生命の魔法を使う魔女でした。 けれど、いつしか闇に落ち、人々に災いをもたらす、悪の魔女となったのです……
最後には、ある高名な魔女に敗れました。 その方が、心の底にまだ残っていた『初心』だけを切り離し、 この秘境に封じてくれたのです……
今、私は、あなたの仲間の呪いに侵されている…… このままでは、邪悪な私が、再び目覚めてしまう……
お、侵されるだと? なぜそんなことが……!
私が秘境から出られないうちに、早く逃げて…… そして、もう一度ここを封印して、私を外に出さないように…… お仲間も連れて、早く!
で、でも、あなたはどうなるのだ! このまま置いていくなんて、ゆずには出来ないのだ!
優しい子……優しすぎるくらい……
魔女はその身をよじらせながら、 邪悪な自分を目覚めさせないよう、必死に抗っていた。しかし……。
……ああ……もう、手遅れよぉ。
光の塊は、完全に黒い霧に呑まれてしまった。 ぼろぼろのローブをまとった魔女が、ゆっくりと姿を現した。
可愛い後輩さん。逃げなかったご褒美に、 願いをかなえてあげましょうか?
その人のために、『不滅の水銀灯』を灯したいのよね? だったら、まず……あなたにその器があるか、試してあげる。
生き残れたら、合格よぉ。
黒い魔力の棘が、視界を埋め尽くすほどに降り注いだ。
『生命の盾(シールドオブライフ)』!!
緑の盾が、すんでのところで初撃を防いだ。 しかし、たちまち盾全体に亀裂が走っていく。
くうっ…… 『召喚魔法(サモン)』、レッパンズ!
キュルキュル! キュル~! キュルー!
呼びかけに応じて三匹のレッサーパンダが現れ、 私達の脇の防御を固めた。
あらあら、初歩もいいとこの魔法に、役立たずの使い魔…… こんなに才能に溢れているのに、これでは宝の持ち腐れだわぁ。 師匠の顔が見てみたいわねぇ!
再び、黒い霧が押し寄せた。
コーン!! パトロール隊、突撃!!
三つの小さな影が、躊躇なく飛び込んできた!
コンタ!? どうやってここまで……! 早く逃げるのだ!
コンッ! 何言ってるんだ!
仲間のピンチに駆けつけるのが、パトロール隊だピィ!
チィ……怖くない……一緒……
……あぁ。のこのこやって来るなんて、おばかさんたちねぇ。
黒い棘がうなりを上げ、三匹に襲い掛かった。
コンタが背を丸め、最初の黒い霧を体で受け止めた。 ムクは吹き荒れる風を突っ切り、棘の軌道をそらす。 チィは短い腕を精いっぱい広げ、傷ついた仲間をかばった。
三匹は、小さな体で立っているのもやっとだった。 それでも、一匹も後ろへ下がらなかった。
容赦なく、次の攻撃が襲う。 コンタは壁にたたきつけられ、ずるりと落ちた。 翼を焼かれたムクも、地面へ墜ちる。 チィは吹き飛ばされてなお立ち上がり、再び仲間の前に出た。
『自然の精霊たちよ、集いたまえ! 邪悪を封じる守護魔法!!』
あらぁ? 今のは、少し面白いわねぇ。
……今のうちに行くぞ!
ごほっ……ゆず、傷は……
ゆずは平気なのだ…… それより、おまえは大丈夫か?
……大丈夫。 ゆず、全部話してくれる?
……うむ。
いさチュンを助けた時、{var:player_nickname}は、 ゆずに力を貸してくれた……
ハロウィンの夜も、ゆずをかばって、悪霊の一撃を受けてくれたな。
呪いは、その隙に入り込んだのだ。
何をしても消せない邪気が、おまえの中に残っていた。 日に日に疲れやすい様子を見せていたから、ずっと調べていたのだ。 調べ尽くして、……受け入れざるを得なかった。 悪霊に、命をむしばむ呪いをかけられたのだと……
魔法書には、呪いを浄化する方法も書かれていたのだ。 足りない材料は、『水銀灯』だけだったのだ。
……「試練」は口実で、 私を助けるために、ここまで連れてきてくれたんだね。
本に、「本人が意識するほど呪いが早く広がる」とあったのだ。 だから、言えなかった…… 知らせたら、かえって悪くなるかもしれないと……
すぐ近くにいれば、昼も夜も、ゆずの力で生命力を補ってやれる。 持ちこたえている間に、伝説の水銀灯さえ見つければ、 間に合うと思っていたのだ。
しかし、水銀灯は聖物ではなかった。 助けるどころか、みんなまで巻き込んで……ごめんなさい……
{var:player_nickname}……
でも……もう、どうすれば良いのか……
あの人は、「初心が極めて純粋で、揺るぎない信念に基づくものになった時」に、 水銀灯が現れると言っていたよね。
その気持ちは、きっと、ずっと前からゆずの中にあるよ。 もう一度、心に意識を向けてみて。
ゆずの、初心……
みぃつけたぁ。
裂け目の入口が、一瞬で黒い霧に塞がれてしまった。 霧が全身にまとわりつき、あの強烈な眠気が襲ってくる。 少しずつ、意識が深い闇に引きずり込まれていく……。
ぐう……っ!!
小さな魔女さん。もっと簡単な方法があるわよぉ?
この森のすべての動物たちから、根こそぎ生命力を吸い上げれば……
その人、すぐに元気になるわよぉ。
な、何言って……
あなたの師匠、そんなことも教えてくれなかったのぉ? 生命の魔法は、癒やすためだけのものじゃない。奪うこともできるの。
生かすも、殺すも、命を操ることに変わりはないわ。 どちらも、生命の魔法の素晴らしい力なのよぉ!
まずは、腕の中の三匹からにしましょうか。 私が操り人形にしてあげる。 そうすれば、ずっとそばにいてくれるわよぉ。素敵でしょぉ?
ふざけるな! 生命の魔法は、命を守るためのものだ! そんな邪悪な魔法、死んでも使わないぞ!
『茨の蔓』!!
鮮やかな緑の蔓が地面を突き破り、黒い霧を打ち据えた。 魔女は半歩退くと、嘲るように笑った。
あらぁ、威勢がいいこと。でも、あなたが意地を張るほど、 その人は苦しむのよぉ。いつまで我慢できるかしらねぇ。
一番大切な人が、目の前で少しずつ衰えていくのを見ているつもり? そして、また独りぼっちになるの? それが一番、怖いのでしょう?
そうはさせない! 必ず別の方法を見つけるのだ! {var:player_nickname}、持ちこたえてくれ!
あの人は、ゆずを助ける気なんてさらさらない。 罪のない命を、ゆずの手で奪わせようとしてるんだ。 そうすれば、もう初心に戻れないし、水銀灯も灯せなくなる…… あの人が本当に怖いのは、その灯なんだ!
ふふ、死にかけのくせに察しがいいのねぇ。 でも、もう遅い。
{var:player_nickname}! やめるのだ!!
どう? 決心はついたかしら?
迷えば迷うほど、 {var:player_nickname}が苦しむだけよぉ。
ゆずの指が、杖を握り込むあまり白くなっていた。 押し殺した泣き声が漏れる。 身体に出ている不調が、強烈な眠気から全身の痛みに変わってきた。 私は痛みをこらえ、ゆずの頬にそっと手を添えた。
……あんな言葉、聞かなくていい。 私は、まだ、大丈夫だから。
思い出して……。 ゆずが、どうして、魔女になろうと思ったのか……。
どうして……。
ゆずが魔女になったのは、なんのため……。
ゆずは、自分で選んだ道を、勇気を持って進んでいるよね。 ……そういうゆずは、すごく輝いてる。
善良な市民を守れるなら、どんな苦労も惜しまないのだ!
ゆずの友達を傷つけるな! レッサーパンダたちも、ゆずと同じく魔法の才能を授かった、 かけがえのない命なのだ!
本物の魔法が使えれば、いつだって逃げずに立ち向かえる! こうして、みんなを守れるのだ!
そうだ、ゆずは……!
誰かを守るため!
命は、自然がくれた何よりも大切な贈り物だ。 強い者にも、弱い者にも、等しく生きる権利があるのだ!
邪悪なやつらに、みんなの命を好き勝手に奪わせたりはしない! 絶対、絶対になのだ!
聞き分けのない子ねぇ。 そんなに命が惜しくないのなら、まとめてここで死になさい!
くっ……!
{var:player_nickname}…… 正義の魔女を志した日、誰に教わるでもなく、ある魔法を覚えたのだ。 すごく複雑な魔法……何の魔法なのか、ずっとわからないままだった。 でも今、初心の炎を灯して、ようやくその意味がわかったのだ。
この魔法は、ゆずとおまえを、永遠に結ぶ、契約魔法なのだ。 この魔法を使えば、幸せも苦しみも分け合い、 生きる時も、死ぬ時も一緒になる。おまえは……それでも、良いか?
お、おまえ……ここは、少しくらい躊躇う所じゃないのか……
……でも、ありがとうな。
死になさい!
黒い棘が飛んできた。
ぎゅっと目を閉じる。
……けれど、何も起こらなかった。
目を開けると、 ゆずの杖から温かな光があふれ、悪霊の攻撃を受け止めていた。
これは……!!
ゆずの胸元に、小さな炎がともっている。 その炎は、ますます強く燃え上がった。
こ、これは……『不滅の水銀灯』!? ……お前の信念は揺らぎ始めていたはずなのに!!
確かに、ゆずは迷った。 {var:player_nickname}を失うのが怖くて、自分が誰かさえ忘れかけたのだ。
しかし! ゆずは正義の魔女なのだ! 泣くことも、怖がることも、迷うこともある。 それでも、みんなを守りたいという心だけは、おまえなんかに負けたりしないぞ!
忌々しい……忌々しいわ!! その傷で、いつまで持つかしら! その心ごと闇に染めてあげる!
黒い霧が一つに束ねられ、私達めがけて振り下ろされた。
南風の精霊たちよ、ここに降臨したまえ。 根無しの龍草、峻険なる山の紅火、不滅の水銀灯。 三種の聖なる材で信頼の絆を織り上げ、 我と{var:player_nickname}を結びたまえ。
これにて、{var:player_nickname}は我の正義に庇護される。 尊重、愛護、畏敬が捧げられる時、 同等の尊重、愛護、畏敬をもって応えん……!
攻撃がかき消えた。温かな光が重なりあって、私達の間を巡っていく。 手のひらに巣食っていた黒い霧が、 耳障りな悲鳴を上げながら、少しずつ薄れていくのがわかった。
な、何をするつもり! そんなの、魔力の無駄遣いよ!
大切な者を守ることも、正義なのだ。
魔法の契約(コントラクト)、締結(ファイナライズ)―!!
生命力に満ちた無数の蔓が大地から伸び、二人を優しく包み込んだ。
魔女の力がみるみる弱まり、その姿が崩れていく。 そのうちに人の形をなくし、ただの黒い炎に変わっても、 こちらへ飛びかかろうともがいていた。
思いどおりになんて、させない……!
キュルキュル!!!
レッサーパンダたちが飛びかかり、 黒い炎をがっちりと押さえ込んだ。
離して……離しなさい!!
キュルルゥ、レッサーパンダを甘く見るでないぞ。 鋭い爪を持つ『九節狼(きゅうせつのおおかみ)』なのだからな!
ゆずと{var:player_nickname}の契約魔法の力で……! 『汚されし魔女の心よ、浄められたまえ!』
光と蔓に包まれた黒い炎は、甲高い叫びを上げ、砕け散って消えた。
……ありがとう、小さな魔女さん。
黒い炎の残滓の中から、一筋の淡い光が現れた。 光は、ゆずの肩でひと息つくと、ゆっくり空へ溶けていった。
たった一つの思いで、心の向く先は変わります。 生命の魔法が正義となるか、悪となるかは、使う者の心次第。 それを忘れないで。
あなたたちが、命ある限り…… その初心を忘れずにいられますように。
朝の光が、再び洞窟へ差し込んだ。 呪いが消えたらしく、体はかつてないほど軽くなっている。
ゆずはふらつきながら膝をついた。 動物たちの傷ついた小さな体を一匹ずつ抱き上げ、 癒やしの光で優しく包んでいく。
チュ……勝ったの……?
……うむ! 勝ったぞ! みんなの勝利なのだ!
涙がぽたぽたとこぼれる。 それでもゆずの顔には、笑みがあふれていた。
そ、その……{var:player_nickname}。 さっきの契約、本当によかったのか?
これから、ずっと一緒なのだぞ! 今さら後悔しても、もう遅いからな!
ば、ばかものぉ! みんなの前でそんなことを言うな~~~! キュルル~~~~!!
キュルキュル! ばっちり聞いちゃった~!
……? あれ、レッパンズの言葉がわかる……? これも、契約魔法のおかげなのかな?
キュル~! 隊長、もう好きって気持ちを隠さなくていいんだね~!
キュル……おめでとう……
な、何を言うのだ!! おまえたち、全員黙るのだー!!
木漏れ日が、みんなを優しく照らしていた。 新しく結ばれた絆と、変わらない初心。 その二つを胸に、新しい未来へ歩き出す時が来たのだ。
まだ状況がわからないし、力を残しておくのも大事だよ。 一度退いてから、方法を考えよう。
……わかった。
その日、呪いを解くことはできなかった。
ゆずは残された魔力を全て使って、悪に堕ちた魔女の初心をどうにか抑え込み、 封印を施し直した。そして私達は、動物たちとともに秘境を後にした。
生命の魔力に満ちた森を出ると、 不思議なことに、呪いの症状はずいぶん軽くなった。
一飜市に戻ってから、 ゆずはマンダラの調剤室にこもりきりになった。
レイアは悪霊の黒幕を追っており、まだ便りはない。 カーヴィも解呪の糸口を探るためにこもりきりだ。 ただ、占いによれば、十分に休めば大事には至らないらしい。
それでもゆずは、呪いを解く方法を探し続けると決めていたようで……
二十七番目の配合……あと一時間、煮込むのだ……
少し休もう。もう三晩も寝ていないよ。
だめだ! ゆずは、必ず呪いを解く方法を……
言い終わらないうちに、ゆずの頭が薬草の山に突っ込んだ。
ゆず!
うぅ……{var:player_nickname}…… あとで……龍草をあぶって……試すのだ……
ずっと寝ていないんだから、まず休んで。
でも……呪いが……
今はこの通り大丈夫なんだしさ。それに……
正義の魔女に仲間が加われば、 一人では作れなかった薬も、作れるかもしれないよ?
……ゆずの薬作りを、手伝ってくれるのか?
うん。一人で全部やろうとしなくてもいいんだよ。
{var:player_nickname}……
ただ、『あぶる』とか『揚げる』とか、 料理みたいな調合方法にはちょっとついていけないけど……。
キュルッ、それが斬新な発想というものだ。 新たな道を切り開く、には、試行錯誤! がつきもの、なの、だ……。
話している途中で、ゆずの頭がかくんと落ちた。 肩にもたれたまま、やがて穏やかな寝息を立て始める。
窓から、三匹のレッサーパンダと森のパトロール隊の仲間たちが、 こっそり入ってきた。 抱えているのは、魔法の森で採れたばかりの薬草だった。
持ってきたコン!
キュルキュル!
がしゃん。 張り切りすぎた動物たちが、またひと騒動起こしたらしい。
キュルッ!! ……ゆずの試作薬二十七号が~~!!
……ほら、一人で無理しなくてよさそうでしょ。
呪いはまだ残っている。解呪薬もまだ見つかってはいない。
けれどこれからは、ゆず一人で抱え込む必要はない。 ゆずのそばには、みんながいるから。